[ヤニクが床に倒れ伏した時。
返り血と自らの血にまみれた姿で、ぶぉんと斧を振った。
斧についた血が、真っ赤な廊下に血しぶきを少し加える]
『ぃいやっはぁああ!』
[両手広げて、勝利の快哉。
にやにや笑ってその傍にひざをついた。
相手の髪の色はどっちだったろう。赤く染まっているそれに指を絡めて、顔を持ち上げてみた]
『たぁのしかったぜぇ?』
『あーぁ、そうだ。
やっぱりこの世界≪ゲーム≫って奴ぁこうでなくっちゃいけねぇよなぁ!』
[乱暴にぐいっと頭を押しやって、こきこき肩を鳴らした。
周囲に赤い、特殊なパーティチャットウィンドウが広がり、明滅する]
[それは、過去ログ。普通なら可視化できないそれ。
シンリンが、リュヌドの存在に、いや彼とのやりとりによって癒されていたころの、また、辛うじて理性を保っていたころのそれ]
(5) 2011/02/25(Fri) 06時半頃