[シーツ越しでも彼の吐き出す煙>>+21が喉に染みて、じくじくと痛む。勿論痛むのは其処だけではないけれど、必死に目の前の事実から目をそらした。
……人の部屋で勝手に喫煙しやがって。ふと、そんな思いが浮かぶけれど。とてもじゃないがそんな事を言う気分にはなれなくて、シーツを握る手に力を込めた。
呟きには答えずに。続けられた問い掛けに、シーツから手だけ出して扉の方を指し示す]
……かってに、食堂にでもいけ、
[吐き出した言葉は酷く震えていた。否、震えているのは、声だけでは無いけれど。
――嗚呼、本当に飛び降りてしまうべきだったか。
彼から逃げようとした時の選択肢を思い出して、そんな事を考える。けれど舌を噛む勇気すら無い自分に、そんな事が出来る筈は無いと自嘲を洩らした]
ぜんぶ、持って帰れよ。
[見舞いの品だとかいう何もかも、この部屋に痕跡を残さないで欲しい。ぶっきらぼうな口調のわりに、その声音は哀願めいていた。
彼が出て行くか行かないか、それは分からないけれど。彼がこの部屋から出ない限り、自らシーツを取り払う事はしないだろう。
――この、惨めな顔を見られない為に]
(+24) 2014/07/03(Thu) 19時頃