296 ゴールイン・フライデー
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[土曜日は憂鬱だ。金曜の余韻に浸れない。 土曜日は憂鬱だ。平時よりも仕事が忙しい。
新人のミスを尻拭いする形で、 客に何度も頭を下げたせいか肩が痛む。 昔より疲れが溜まりやすく、取れにくい体。 顔に皺が刻まれ、脂気がなくなり、 いずれは前髪の生え際を気にしだすのだろう。
共に老いを重ねる誰かも作らずに。作れずに。]
(7) 2019/05/17(Fri) 21時半頃
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[ぷかりと浮かぶ煙草の煙も、 昨夜と同じものなのに、どこか寂しげだ。 吸い始めた煙草が煙と灰に変わるように、 偶然を装って、彼に触れた手に残る感触すらも、 煙を掴むごとく指からすり抜けていく。
上手く振る舞えたはずだ。 同じタヴェルナで滞在する者として、 美味しいし沢山種類が食べたいから、など、 理由を付けてその場にいた客を巻き込んだ。
平穏を愛する人々には迷惑かもしれない。 しかし、同じ空間で横顔を眺めるだけ、という 細やかさでは腹も心も膨れやしないのだ。]
(8) 2019/05/17(Fri) 21時半頃
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[──このチーズが、貴方の口に入りたいらしい。 どうかその願いを叶えてはくれないだろうか。
職業柄、人受けする声のトーン、笑顔、振る舞いで、 時には皿に乗った肉の一切れと 時には他愛ない世間話の時間を対価に頂く。
僅かな間でもいい。 俺を見て。出来るなら俺を意識して。
なんて、一介の酒場で、 それも同性に望んでも叶わぬ願望は今日も胸を焼く。 隠し通せと、自制させるかのように。]**
(9) 2019/05/17(Fri) 21時半頃
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[タヴェルナの常連と一時的に相席することも、 初めて出会った客と話を弾ませることも、 息をするように、とまでは行かずとも容易い。
しかし、あの人相手にはそうもいかない。 一言喋るだけでも緊張で喉が焼け、 笑顔咲かせる表情筋も引き攣れないか不安で、 相手の目を見て話すという基礎も危うくなりがち。
頼み過ぎた料理のシェアという名目に縋ろうと 窓際で煙を闇夜に溶かす気楽さに敵わず、 早々に退散して酒で唇を湿らせる負け犬一匹。 いっそ彼の薬指に輝くリングか跡さえあれば、 もしかしたら、を期待せずに済むというのに。]
(74) 2019/05/18(Sat) 21時半頃
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[そうして、口に運んだシュパーゲルが悪かった。 オランデーズソースがたっぷりかかった 丹念に味わうべき春の使者を前にして、
─── あの人の指は、
などと、咥える瞬間に過ってしまう不埒な思考。 茎を噛み切ろうとした歯は食い込むに至らず、 頬の熱みは酔いでも先程の後悔でもない。
どうにか噛み切り、口元を押さえての咀嚼。 目は閉じて先程の失態を塗り潰そうと徒労。]
(75) 2019/05/18(Sat) 21時半頃
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[傍目には気分が優れないように見えたのか、 声を掛けてきた店員に大丈夫だ、と手を振り。 ついでに酒の追加をオーダーする。]
ベリーニをひとつ。 もしできるなら、ひどく甘くして欲しい。
[嫌になるほどの甘たるさで、自覚したい。 くだらない夢を見るのも程々にしろ、と。 注文の際にも、視線が彼の方に向かぬよう しっかりと店員の目と、去る背を追っていた。]
(76) 2019/05/18(Sat) 21時半頃
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[そして手元に届いたベリーニは グレナデンの赤を吸って桃色に輝き、 オーダー以上の甘さで喉と胸の奥を焼いてくれた。
悩みがある、と彼女にはお見通しなのだろう。 小皿に乗って来たのは注文もしてないソーセージ。 次に訪れる時、食べたいけど……と語っていた 行列が出来る程に有名な焼き菓子を買ってこよう。
言葉を介さぬ気遣いに感謝を抱き、 歯切れの良いシュパーゲルをつまみに、 脳を揺らす酒精で一夜の後悔を紛らわす。
幼く見えがちな頬を撫で下ろし、 彼の隣は似合わないという当たり前の現実を 甘い煙と、酒、己の甘さで誤魔化して飲み干した。 今宵もまた、一夜の泥濘に飲まれていく。]*
(77) 2019/05/18(Sat) 22時頃
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[翌日の仕事を考えて深酒は避けているが ベリーニの甘さは三日三晩続き、四日目に突入。
常に靠れる胸は厄介ではあるものの 今頃、と揺れる思考にストップをかけてくれる。 忙しい土日を越えて得られた休日も、 客の来店が少し落ち着く平日であっても。
一人で、家族で、恋人同士で店に訪れる客も、 客からすれば初めての、或いは何度目かの来店。 にこやかな笑みで迎え入れ、案内をし、 客の流れに合わせて休憩時間を変動させる。
サービス業の良い所は時給が高い所と、 客の入りが悪ければ休憩したり早く帰れる所か。]
(83) 2019/05/18(Sat) 23時半頃
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[今日の客入りは悪い部類には入らないが、 店にいる店員の数を考慮し早めに切り上げた。
制服を脱いでハンガーに掛け、靴を脱ぎ、 ひっくり返して靴底の磨耗具合を確認する。 転倒防止の溝は磨り減っているがまだ使えそうだ。 座りながらいつもの革靴に踵まで押し込み、 立ち上がった途端、足全体に広がる疲労に嘆息。 回した腕は関節が鳴り、酷い異音に呻いた。]
あーーーー、くそ。 歳はとりたくないないもんだな、畜生。
[まだ若い、と言われる歳でもあるが、 ティーンエイジャーからすれば立派なおじさん。 パパきらい、なんて反抗期の娘がいても良い歳だ。
ゲイという前提がある以上、前者は強く刺さるが 後者は知るか、と一蹴してしまえる。 踵を床に擦り付け、苛立ちを居残らせてやろうと。]
(84) 2019/05/18(Sat) 23時半頃
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[靴屋でミリ単位の採寸をして作られた靴は どれだけ歩いても疲れない、とは聞いている。 男の価値は靴で決まる、という話も。
だが、毎日出勤退勤の行き帰りに飯を食い、 簡単な自炊の材料と小腹を膨らませる携帯食を買い、 時々必要な生活必需品を買いに行き、 金曜にタヴェルナに向かう以外、 外に出ることを嫌っている節があった。
仕事柄人と接する時間が長いせいなのか、 人のいない空間、時間を酷く恋しがってしまう。 珍しく煙草を吸わぬ気分の夜でも タヴェルナの窓際で外を眺めてしまうように。
あとは、単純な話。]
(85) 2019/05/18(Sat) 23時半頃
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[立派な靴を履いて歩き回れるような、 上等な人生を歩んでいない。
───…という、明確な自虐だ。]*
(86) 2019/05/18(Sat) 23時半頃
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