43 朱隠し
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門下生 一平太は、メモを貼った。
2011/02/15(Tue) 12時頃
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[りん――…]
(163) 2011/02/15(Tue) 12時半頃
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[祭囃子に紛れて鈴の音一つ、屋台の群れの中に響く。 狐の面を被ったアヤカシが目に映るもの。 それはくるくると回る、赤い風車で]
……欲しい。 親父、負けてはくれぬか?
[店の主とどうやら値段について交渉している模様]
(164) 2011/02/15(Tue) 12時半頃
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――… 鈴。
[耳に届いた音に、ふと、そちらを目指し歩いて行く。 辿り付く、屋台の1つ]
ウト、何をしているんだ?
[赤い風車の前、狐面を見つければ声をかけた]
(165) 2011/02/15(Tue) 12時半頃
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おお、華月斎か。 なに、この風車が欲しいのだが……親父が負けてくれぬのよ。 あいにく持ち合わせがちと足らんでな。
[ちゃり、と。 懐から取り出した金は、微々たるもので。 狐の面のアヤカシはしょんぼりと肩を落とした]
(166) 2011/02/15(Tue) 12時半頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2011/02/15(Tue) 12時半頃
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[しょんぼりと肩を落とすウト>>166に軽く笑うと]
……俺が作ってやろうか?
[店主の前、大きな声で言うのははばかられた。 顔を耳元に寄せて、囁くように]
(167) 2011/02/15(Tue) 13時頃
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[耳元に齎された囁きに、こくこくと大きく頷く。 面を被っていても、その喜びようが判るほどに]
まことか? では、頼む。
赤い奴が良いぞ。くるくると良く回る、愛らしいのを頼む。
(168) 2011/02/15(Tue) 13時頃
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[はしゃぎ喜ぶ様子>>168に、にかりと笑う]
では、人のあまりいない所へと行こうか。
赤だな、ああ、よく回る愛らしいの、だな。
[注文を聞きながら、境内の裏手か、屋根の上か、さてどこへと向かおうか、思案する]
(169) 2011/02/15(Tue) 13時頃
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飛ぶのは面倒じゃの。 境内の裏で良い。早ぅ作ってくれ。
[弾む声で応え、華月斎の袖を引く。 歩く度にりんとなる鈴も、今ばかりは楽しげにその音を響かせているだろう]
(170) 2011/02/15(Tue) 13時頃
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…………。
[背後からかけられた声に、ゆっくりと顔を上げて振り返る。 相手が誰なのかを知ると、柄杓を持ったままの手で涙を拭ってから口を開いた。]
……共に居たいと願っても、叶わぬなら?
それに……俺などと、共に居たいと思ってくれる者が居るとも思えぬ。 足の事だけではなく……俺のような性根の歪んだ人間には、独りが相応しいのやも。
[知らず知らず、以前会った際とは違う、素の口調で言葉を返す。 先程まで自分が清水を浴びせていた白い手を見つめ。寒さ故か、その手は小刻みに*震えていた。*]
(171) 2011/02/15(Tue) 13時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/02/15(Tue) 13時頃
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ああ、はいはい。
[袖を引きせがまれる、まるで幼い兄弟でも持ったような心持ちになる。
人気の無い境内の裏手、僅かに湿る縁台に腰掛けて。 懐から取り出した紅色の布を広げれば、]
[ ふわり ]
[その上に、ウトの眸と近い、赤い色をした真四角の紙が、どこからとも無く現れる。 いつの間にやら手に握っていた鋏でそれを切り いつの間にやら布の上にあった竹棒に織り込む赤を固定する]
(172) 2011/02/15(Tue) 13時頃
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[それはまるで、手妻のように]
[瞬く間に、作り上げた風車に、ふう、と息を吹きかければ
からり
良く廻るそれを、ウトへと差し出した]
(173) 2011/02/15(Tue) 13時半頃
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[まるで手妻のような]
[紙や道具を己の家から引き出した妖の術と 男自身の手際の良さ]
(*14) 2011/02/15(Tue) 13時半頃
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[わくわくとした面持ちでその手腕を覗き見る。 またたく間に出来上がる赤い風車を差し出されれば、 まるで幼子の様にぱちぱちと拍手を贈った]
感謝する。 これじゃこれじゃ、俺の欲しかった風車。
[受け取り、風羽へとふぅと息を吹きかけて。 からから回る風車に、にぃ…と眸を細めた]
(174) 2011/02/15(Tue) 13時半頃
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何ぞ、礼がしたい。 欲しいもの等有るか?
有るならば、取って来て見せようぞ。 ものでも、人でも。
[くるくると回る風車越しに、覗き見るは狐の目。 赤い眸に爛々と、灯が燈る]
(*15) 2011/02/15(Tue) 13時半頃
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[拍手には、笑みを浮かべて小さく頭を下げて]
喜んでもらえたなら、俺も嬉しい。
[道具を布の上に置いたまま、折りたたみ、小さく小さく何も包んでいない大きさに丸めると、再び懐へと仕舞い込む]
また何か作って欲しいものがあれば言ってくれてかまわない、 とは言っても、紙細工専門だがな。
(175) 2011/02/15(Tue) 13時半頃
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他にもか? うぅむ。 今は思いつかぬ。また何ぞあれば華月斎に頼もう。
そなたは面白いうえに手先も器用で、良い奴じゃの。
[からから笑うと、 回る風車の赤い花を眸を細めて見やる。
もし此処に蝶が止まれば、それこそ本当に華のようだなどと思いながら]
(176) 2011/02/15(Tue) 13時半頃
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欲しい、モノ、か。
[灯の灯る赤い眸を、じ、と見詰め返す。 からからと廻る玩具が、その表情に込められたものを強くしている、気がした]
……無いな。
[しばらく考えて、呟くように答えた]
(*16) 2011/02/15(Tue) 13時半頃
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ああ、喜んで作ってやる。
良い奴、だろうか?俺は、そんなに面白いか?
[縁台に腰掛けたまま、軽く首を傾げて笑う。
ひらり と、2人の間に、 1羽の白い蝶が現れ出でて。羽ばたいて。
風が止み、静かに成った赤い華の上で羽を休める]
(177) 2011/02/15(Tue) 14時頃
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[返る答えに、拍子抜けした様に息を一つ吐く]
……そなたは欲がない。 稀なアヤカシよの。まるでじぃのようじゃ。
[自らを枯れたと言う妖老―― 慶三郎を思い出し、つまらなそうにもう一度溜息を吐いた]
(*17) 2011/02/15(Tue) 14時頃
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― 境内裏手 ― おう。 ここに居ったか。 [狐と蝶と。 ふたつの妖しの影のそば。 ゆらり、老妖は姿を現し。]
(178) 2011/02/15(Tue) 14時頃
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面白い。 人の子のように、俺達とは違う理・感情でお前は生きておる様に見える。
[やがて蝶が赤い花に留まれば、ますます嬉しそうに弾む声。 蝶がとどまる赤い花を帯に差し、大事そうに手で包みながら]
元は人であった藤よりも、そなたの方が人に近い。 なんとも不思議な事じゃ。
[くすくすと笑う。それはとても楽しげに]
(179) 2011/02/15(Tue) 14時頃
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おお、じいではないか。 如何した?
[蝶の留まる風車を手にし、掛けられた声へと振り返る。 その手にはまだ鼻緒の切れた履物があるだろうか。 まだそこにあるのならば、ちらりとそれへ狐の面の下の赫を向けるだろう]
(180) 2011/02/15(Tue) 14時頃
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切れよっての。 [胸の高さまで持ち上げた下駄。 ぷらり、頼りなく緒が揺れる。] 巧く、直らん。 [それから、ややあって。] なんぞ。 邪魔したかの。
(181) 2011/02/15(Tue) 14時頃
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欲が無いわけではない。 欲しいものならば、無くは無いが……
それが何であるのか、俺にもわからないだけだ。
[つまらなそうな様子に、苦笑する]
(*18) 2011/02/15(Tue) 14時頃
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これはまた、偉くぷっつり切れたものじゃ。
[からからと笑い、貸してみよと手を出した]
邪魔? 何を邪魔な事があろうか。じいも此方に来て混ざれ。
(182) 2011/02/15(Tue) 14時頃
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[りん――…]
[飴を作る手が一瞬、動きを止める。屋台の雑踏に紛れて、澄んだ音が聞こえた気がしたのだ。>>163 けれど、今度は最後まで作りきって]
………。
(183) 2011/02/15(Tue) 14時頃
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欲しいものが判らぬとは、 ますます人の子のようじゃ。
[小声で呟き、やれやれと肩を竦める。 もっと心の侭に生きればよいのに、と思いながら]
(*19) 2011/02/15(Tue) 14時頃
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[記憶の中にある鈴の音が、“共に鳴り響いた”ような気がした。屋台の前の人の流れを、じっと観察し…]
あ……
[ちらりと視界をよぎった姿。華月斎と、その横にいる人物。狐の面をしているように見えて>>170]
…華月斎さん!?え、そんなまさか。
[華月斎が、アヤカシに連れていかれるのではないか。そんな心配が胸の内に湧き上がる。もしかしたら勘違いかもしれないが、気になって仕方ない。追おうかどうしようか、しばし迷い]
(184) 2011/02/15(Tue) 14時頃
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[純血のアヤカシに、人のようだと笑われて。男は曖昧な表情を浮かべた]
――…と、これは慶三郎殿。 いいえ、邪魔などでは。
今は、ウトに風車を作ったところで。
[持ち上げられた下駄には、災難でしたね、と同情を見せる]
(185) 2011/02/15(Tue) 14時頃
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ああ。 見事なもんじゃろ。 頼む。 [下駄と、裂いた手ぬぐいと。 ゆるく笑みを浮かべ、ウトへ手渡す。] おう。 ……ああ、それか。 [風車を見遣れば、眼を細め。] 良い色だの。
(186) 2011/02/15(Tue) 14時頃
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