43 朱隠し
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[昨晩はどのくらいまで朧と話をして居ただろう、別れるまでに随分と二人の距離は縮み親しくなったと思わせただろうか]
――――朧、さん。朧。
[はにかみながら擽ったそうに名前を呼ぶ様はまるで恋をしているようで。 音の響きが気に入ったと狙いを定めた狩人の瞳は獲物を見る時、常の淡い藤色から鋭い金にちらりちらりと変わる**]
(5) 2011/02/14(Mon) 09時半頃
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藤之助は、社の屋根の上で日向ぼっこ。――騒がしい声は聞こえている。
2011/02/14(Mon) 12時半頃
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[ごろりと寝転んだ隣にいつの間にやらもう一人のアヤカシ]
どうやって知ったやら、しかしあの男は最初アヤカシに浚われてしまいたいと泣いていた。
なのにこの怒り振りはなんなのだ? 望み通りアヤカシに会えた事を喜ぶのが先ではないか?
[ひねくれたアヤカシは、嫌がられば嫌がられるほど構いたくなり 探されれば探されるほど逃げる天の邪鬼。 もっと疎んでくれるなら、里へ攫ってしまいたい]
(36) 2011/02/14(Mon) 12時半頃
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あの男、俺に触れもせずにアヤカシだと確信する理由は……
あの鏡か。
何故あんな物を信じるのだろう。
[朧の手にしていたそれを、語り合った自分より信用しているらしい事実にチリリとした不快感を感じる]
(38) 2011/02/14(Mon) 13時頃
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藤之助は、しばらくは、屋根から降りるつもりは無いだろう**
2011/02/14(Mon) 13時頃
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―屋根の上― [子供だと笑われてやや膨れてみせる。姿ばかりは成長するものの、心の中はウトと出合った時のままそう進んではいないのかもしれない。
ふと表情を戻し先に下に下りた華月斎の背中を見ていた、アヤカシとて同じ好奇心が無くなれば死んだも同然。
己の好奇心を刺激してくれる不思議な蝶々を操るこのアヤカシの事は結構好きだと思う]
(89) 2011/02/14(Mon) 22時半頃
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[続きの聞こえない声に首を傾げ、改めて屋根から下りようとしてこちらを睨む青年の姿を見る>>93
先ほど華月斎に意図的に近寄った面の男だ、つまりウトの悪戯ではなくアヤカシに気づいた人間なのだろう。 前にも睨まれたな、と思いつつニヤリと笑みを返すとひらりと目の前に飛び降りて対峙する]
俺に何か用がありそうだね。 あの時もそういう瞳をしていた。
(96) 2011/02/14(Mon) 23時頃
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俺はもともと人間だったけれど、ね。
[楽しそうに肩を揺らすとすっと表情を素に戻し]
意味は言葉通りだと思うよ。
(98) 2011/02/14(Mon) 23時半頃
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それはそのアヤカシによるんじゃないかな。 望むのがどちらでも有り得ると思うし。
[キセルを銜えふうっと香る煙を吐き出す]
人にも個性があるように、アヤカシだって個々考える事は違うっていう事だよ。
(100) 2011/02/14(Mon) 23時半頃
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[一平太の嫌そうな顔にもう一度深くキセルを吸い込む]
目星、そうだね。 今なら君を選ぶのが一番楽しいだろうね。 心底嫌がってくれそうだから。
でもね、これは俺だけの考えでもないと思うんだ。 望むものばかり連れてゆくのなら、「アヤカシに攫われるから夜中の一人歩きは気をつけろ」なんて人間は思わなくなるでしょう。
(105) 2011/02/14(Mon) 23時半頃
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[事実望まぬまま攫われた人間の方が多い、それも自分がアヤカシになる前から。
きまぐれな者ばかりなのか、自分のようにひねくれた者が多いのかは知らないし 他のアヤカシがどういう理由で人間を攫うかはあまり興味が無かった。
そも、あの里にどのぐらいのアヤカシが居るのかも、よく知らない]
(106) 2011/02/15(Tue) 00時頃
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[新しい玩具を買い与えられた子供のように、金の瞳は輝いている]
へえ、そんなことも出来るのか。 ならば余計に選ぶのは、オマエがいいな。
自分でも“連れ戻す”事が出来るならな、里を観光して帰ればいいだろう。
[どういう結果が出たとしても、其れは自分の知らなかった話。 興味深いその言葉に意識は奪われる]
(113) 2011/02/15(Tue) 00時頃
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へえ、自分には使えないものなのか。面白いな、それ。
俺は嫌がらない相手でも連れ帰ることがある。 アヤカシは気まぐれだし面白い方を優先するのは当たり前だろう?
[朧が側に近づいている事に気づくが、今はアヤカシを見破る鏡より連れ戻せるという一平太の話が気になるようだ]
(121) 2011/02/15(Tue) 00時半頃
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[ゆるりと視線を朧の方へ、昨夜と同じ柔らかい表情になると]
俺に答えることのできるもの、なら何でも。
[少しだけ寂しそうにそう答える]
(125) 2011/02/15(Tue) 01時頃
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[去ってゆく一平太の背を見送ると伸ばされる手を見て瞳を閉じる。
まるで抱きしめられるのを待ち望むよう。
しかし、その体に触れることは叶わない]
朧はもう知っているのだろう?
[体の中を腕がすり抜けてゆく感触に肌を粟立たせながらも瞳は閉じたまま]
(129) 2011/02/15(Tue) 01時頃
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[ゆるりと瞳を開くと其処には鏡、手を伸ばして鏡へ触れる――前に落として割られてしまう]
朧はアヤカシを探していたのだろう? 何故喜ばないのだ、望みが叶ったのに。
(137) 2011/02/15(Tue) 01時半頃
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つまり、俺に会う事無く死にたいと思いながら生きていく方が良かったと、朧は思うということか。
[またも腕がすり抜ける、その不快感に眉をしかめ]
何故?アヤカシかと問われなかったからにほかないだろう。
(142) 2011/02/15(Tue) 02時頃
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俺がアヤカシでなければ、とうの昔に朽ち果てていただろう。この村で会うことも無くな。
[朧の言い草に腹が立ってきた、あまりに身勝手でとても人間らしい。 そう思うと冷静に返す事ができるのもこのアヤカシの悪い所だろう]
勝手に勘違いして勝手に惚れた挙句に誹られるいわれなど俺には無い。
(146) 2011/02/15(Tue) 02時頃
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なんだこれは……
[激昂し走り去る朧の後姿を見送りながら、奇妙な胸の痛みに手から落ちたキセルがカラリと音を立てた。
しばらくそのまま立ちすくみ、しかし瞳は金に輝いたまま**]
(151) 2011/02/15(Tue) 02時半頃
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[しばらく呆けていただろう、手にキセルが無いのに気が付くとゆるりと屈んで拾い上げる。ぽん、と灰を空けると新たな葉は詰めないまま手に弄び。
つきんつきんと鼓動に合わせ痛む胸も、落ち着いたようで歩き出すとバシャバシャ水の音がしてそちらへ。 手水舎に一人の青年、後ろからでも誰か分かる特徴的な姿]
そうだな、独りはとても寂しい。 だから…………共に居たい相手を探して居るんだ。
[すすり泣く明之進の言葉に返事をする。
同じ血だからなのだろうか、この青年を弟と重ねて見てしまうのかほっとけない**]
(161) 2011/02/15(Tue) 10時頃
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明之進には、ちゃんと名乗っていなかったな。 俺はその昔加賀屋藤之助という名前だった。
先日話してくれた「加賀屋の先祖で神隠しに遭った人」それが俺。 望んでアヤカシに攫われたのも、俺自身。
[空のキセルを仕舞うとゆっくりと足を進め、手水舎の元へ]
あの家を捨てて全てを押し付けた弟の身代わりにしようとしてるのかもしれないが 俺は明之進には、幸せになって貰いたい。
[朧を前にした時とまた違う真面目な雰囲気で話を続ける。 それは人間だった頃の「兄」の顔]
共に居たい相手がいるのなら、俺が明之進ごと攫ってしまおう。
(193) 2011/02/15(Tue) 14時半頃
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[それからいくつか会話があっただろうか、増えるアヤカシの気配に足はそちらへ]
……勢ぞろいじゃないか。
[すっかり真面目な表情は消えうせもとの顔]
(194) 2011/02/15(Tue) 14時半頃
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華月斎に、慶じじとウトまで。
[もう一人、違う甘いにおいの人間も居るけれど]
俺も混ぜてくれないと寂しいだろう。 何していたんだ?
(199) 2011/02/15(Tue) 15時頃
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[すんすん鼻を鳴らしながら、華月斎の説明にウトの手の風車を見てふむと頷く]
へぇ、作れるものなのか。やはり華月斎は凄いな。 俺はあの蝶が矢張り好きだが、今度俺にも何か欲しい。
[器用さもその行動力も持ち合わせていないからか、玩具を強請る子供の顔には全面に羨ましいと書いてある]
縁、そうだな。ウトにもじじにも感謝している。
(208) 2011/02/15(Tue) 15時頃
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[鈴を鳴らして消えるウトを見送る、と浅葱色の蝶に視線を泳がせひらりひらり舞う様を眺める]
赤い風車は瞳のいろ、華月斎俺は藤色の鳥が良いぞ。
[そんな無茶振りをしてみる。
慶三郎に撫でられると心底嬉しそうに目を細め、擦り寄る猫の様な仕草で甘えてみせる]
飴、なあ。懐かしい味がしそうだ、一つ欲しい。
(215) 2011/02/15(Tue) 16時頃
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[蝶へ手を伸ばし、触れないギリギリあたりでくるくる指を動かす。 まるで操っている気分になれるこの遊びはお気に入りの一つ]
鳴き声はいらないから、長く動けば嬉しい。
[本物の鳥を捕まえて部屋に押し込めてみた事があった。 小さいそれは、アヤカシと流れる時間が違うがゆえに直ぐに動かなくなってしまって……それ以来拾うのは人間だけにしている]
(217) 2011/02/15(Tue) 16時半頃
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…………そうだったのか?
[きょとりと驚いて指を止め、華月斎を見る]
こういうイキモノかと思っていた、呼び寄せる力があるのだと。
カラクリとも違うのだな、それも面白い。 華月斎が一緒に居る限り鳥が動くならそれもいいな。
ただ、本当に欲しくなる前に止めないと際限無く欲は湧き上がる。 だから動かない鳥でもいい。
[むっと不満そうな顔を向けまた直ぐ戻して笑う、少年の駆け寄る足音が聞こえてきた]
(220) 2011/02/15(Tue) 17時半頃
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それ、俺にも真似できるだろうか。
[どうやって作り出しているのか皆目見当付かないが、自分も出来たら一人が寂しくなくなるかもしれない。
余計に寂しくなるかもしれない。
姿を見せる少年は、誰かに似ている気がした]
(226) 2011/02/15(Tue) 17時半頃
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一平太は華月斎がアヤカシなのを“知っている”よ。
[屋根の上でごろごろしている時に、確認している一平太を見ていた。 ふふんと得意そうな顔でそう春松と華月斎の間に割る]
そっちの甘い匂いの人もさっきのを「見てた」よね。
[仕舞ってあったキセルを取り出して指差す代わりに定吉の方へ向ける]
(230) 2011/02/15(Tue) 18時頃
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藤之助は、定吉に向けて手を差し出してみる。触れればわかるというように。
2011/02/15(Tue) 18時頃
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一平太は連れてゆく気は無いな、其れよりも興味深いことがあるし。 恋仲の?…………ああ、朧。あれは特別だ。
[視線が似ている男を知っている、そうだ。先の祭りで無理やり連れ帰った青年だ。 もしかしたらその弟が、目の前の少年なのだろうか]
そも、勝手にアヤカシを神だと言っているのは人間の方ではないのだろうか。
(238) 2011/02/15(Tue) 18時半頃
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ええ、朧には会いましたよ。その後なぜか怒られましたが。
[何故アヤカシなのかと激昂された理由は、今でもわからないままではあるが。
「兄が神隠しに」と聞けば確信する]
ああ、君は雪柳の弟なんだね。
[にやぁり、笑みを一つ]
(241) 2011/02/15(Tue) 18時半頃
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でも、アヤカシのいう事は信じないんだよね。 ……残念だ。
彼は今も元気だよ。
[空のキセルを銜えて吹かす真似]
(246) 2011/02/15(Tue) 18時半頃
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