126 生贄と救済の果てに〜雨尽きぬ廃村・ノア〜
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[それは、ほんの一瞬の出来事だったのだろう。
ヴェラは、冷たく濡れた前面の感覚により、ぼんやりと意識を取り戻していた。 倒れこんだ衝撃と、打ちつけてきた地の水たまり、そして赤い雨の冷やかさが、千切れた糸を僅かに繋ぐ。
体が、まったく動かない。 まるで、鉛の中に閉じ込められてしまったように。
ひどく低い視界の中で、遠くにかすんで見えたのは、先ほど投げ捨てた革袋>>23。 ヴェラは知らないことではあるが、それはソフィアが意図的に、広場に置き去っていったもの>>73だ。
彼女は過去の自分のことを、その中に詰めていたけれど。 ヴェラは、あるはずの未来>>0:36を詰めていたはずだったのに。
聞こえてくる、重々しく亀裂の走る、巨大な足音。 氷の魔物が視界に割り込み>>71、遠くに見えていた架空の未来を、遮った]
(82) 2013/06/20(Thu) 20時半頃
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[視線を送るは、圧倒的な巨体で見下ろす氷の蜥蜴。 彼が、一瞬でも毛皮に目を取られて>>70いなければ、ヴェラがこの光景を目の当たりにすることはなかっただろう。 この状態に至ることも、きっとなかったことだと思う。 声はもう、出てこない。体は変わらず、動かない。 見てみたかった未来はかき消され、迫る予感は、終焉の予感。
震えるヴェラの右手が、魔物に向かって伸ばされる。
軋む体を、意思で動かした訳ではない。 それは、ほとんど本能に従ったものだったのかもしれない。 ぴくり、ぴくり、と痙攣する右手を差し出し。 魔物に向けて『止めてくれ』と、助命の懇願をしているかのように。
魔物は沈黙でそれに答える。 そして、おそらくはヴェラの命を絶つために、鉤爪を振り上げて>>71……]
(83) 2013/06/20(Thu) 20時半頃
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[ヴェラは同時に、差し向けていた『右手』に力を込めた]
(84) 2013/06/20(Thu) 20時半頃
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[それは、今から1年くらい前のことだっただろうか。
人型魔物の殺害を終えたヴェラは、狼の姿でそれこそ死んだように丸まって、疲弊しきった体を休ませていた。 そこへ、遅れて訪れたヴェスパタインが通りがかり。
瀕死と勘違いした彼は、おもむろにその右手をヴェラへと差し出したのだった。
「や、やめろ馬鹿者!」と、慌ててヴェラは飛びあがり、彼に厳重に抗議した。 早とちりに気付いたヴェスパタインは、「紛らわしいことをするな」と言いながらも、緊張していた頬を緩ませて……。
これは、そんな他愛もない、昔話。 物騒とはいえ、魔法使い同士らしい、ちょっとした笑い話だ。
ただ、ヴェラはあの時に触れた感触を、今でもしっかりと覚えている。 発動しかけたヴェスパタインの力は、生に満ちたヴェラでさえも、体から何かを掻っ攫っていく荒波を受けたように感じていて。
……死に瀕した者であれば、たやすく飲み込まれていくものなのだろうなと。 そう、体感したのだった]
(85) 2013/06/20(Thu) 20時半頃
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[あの時の感覚は、『喰われる』という意識がもたらした、単なる錯覚だったのかもしれない。
それでも、ぎりぎりまで追い込まれた体がとった行動は、その記憶に委ねたもの。 魔法使いの力は、平時の者に対してさえも、何らかの作用をもたらすのではないかと。
そんなこと、できる訳がない。そんなことは分かっている。 けれど、これだけ接近してきた魔物に対し、今ヴェラが向けられる力は、一つしか残っていない。
ツェツィーリヤも、イアンも封じ込められた右手が、強く赤黒く明滅する。 多くの魂を帯びた右手が、目の前の魔物と対峙する。
供物を手放した狼の、最後に残された本当の牙>>66。 それは、多くの魂が宿った、魔法使いの原点、『右手』。
『死の淵に立つ者』に対してではなく……『生の途上にいる者』に対する、『生贄』]
(86) 2013/06/20(Thu) 20時半頃
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[それは、まったく徒労に終わる、無駄なあがきだったのかもしれない。 このまま鉤爪が振り下ろされれば、抵抗することは叶わない。
そうでなくても、このまま未来を歩むことすら、できるかどうか危うい体だ。 だから、多くは望まない。
獲物はあいつだ、と、自らの右手に告げた。 できるなら力を貸してくれ、と右手の魂に呼びかけた。
例え、その一欠片でもいい。表面を打ち割るだけでもかまわない。 厚い氷で閉ざされた内側。おそらくは、その深く深くに眠っている……
『何者かの魂』に、力の限り『喰らい付け』、と。
振り下ろされる鉤爪の、風斬る音は聞こえてくるか。 薄れてゆく意識の中、ヴェラは最後に力を振り絞り。
生者に対する『生贄』の力を、発動させた**]
(87) 2013/06/20(Thu) 20時半頃
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風来坊 ヴェラは、メモを貼った。
2013/06/20(Thu) 20時半頃
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[雨を跳ね上げながら、走る。
どこに居るかなんて、分からないから。 先程村に訪れた、夜明けの光>>3:110。 その光源の方へと、向かって。]
[そこで見た光景は、振り下ろされた鉤爪と。 そちらへ右手を翳す、ヴェラの姿。>>87]
(88) 2013/06/20(Thu) 20時半頃
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だめぇぇええッッ!!!
[走りながら、思う。]
[氷蜥蜴が、ホレーショーじゃなかったら? ――……でも、もしもそうだったら、取り返しがつかないよ。]
[もしホレーショーでも。 私とヤニクを、殺そうとしたのよ?]
[――……それでも、嫌なの。]
(89) 2013/06/20(Thu) 21時頃
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[私は咄嗟に、氷蜥蜴を背にする様に、右手を翳すヴェラの前に身体を滑り込ませた。 私が、氷蜥蜴に殺されるだろうか。 私が、生贄にされるだろうか。
――……それでも、足が止まらなかったの。**]
(90) 2013/06/20(Thu) 21時頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2013/06/20(Thu) 21時頃
風来坊 ヴェラは、メモを貼った。
2013/06/20(Thu) 22時半頃
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− 森の奥 −
[鉤爪を振り被った直後、遮る様な声>>89と共に コリーンが飛び込んで来る。 動く体温を素早く察知した片目がぎょろりと見つけ、 その身体もろともヴェラを切り裂こうとした]
…………。
[だがその鉤爪は途中で寸でで動きを止める。 庇うコリーンの向こう、突き出したヴェラの右腕>>87と それに応じる様に、 イアンの遺骸が霧散して雨に消えるのが見えた]
(91) 2013/06/20(Thu) 22時半頃
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[ヴェラの最期を認めたくないと言う様に、 見たくないと言う様に雨に消えたイアンの遺骸の あった場所と、脈打つヴェラの右腕に 蜥蜴は無言のまま鉤爪を降ろし、地を蹴った]
…………。
[コリーンの傷も浅くない、もしかしたら生贄の魔法は コリーンに発動するのかもしれない。 魔物の本能的な危機察知か、 それともそれ以外に何か思う事があったのか。
大事な贄になる筈の目の前の餌を捨て、 蜥蜴はその場から走り去った]
(92) 2013/06/20(Thu) 23時頃
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腹ガ減っタな。
[色々思い出して嫌になる。
あの女も俺の前に飛び出してきた。 首が無くなる直前の事だ。
魔に堕ちる事を厭わないほど、 堕ちる事を望んだほど大切だった。
殆ど残っていない記憶が冷たい氷の心の奥で疼く]
(93) 2013/06/20(Thu) 23時頃
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―右手と鉤爪の対峙―
[そこで行われたのは、ほんの一瞬の出来事だったのかもしれない。 『生贄』を発動させたヴェラに対し、振り下ろされた氷の魔物の鉤爪>>88。
そして、割って入る誰かの姿>>89。
視界はかすみ、姿はおぼろげではあったけど。 それがコリーンであることは、聞き馴染んだ声で分かった。
馬鹿者。詫びて撫でろ。
鈍った神経伝達を受けて、心の中でそう呟いた。振り下ろされる鉤爪のイメージ。 切り裂かれる自分と群の仲間の姿……]
(94) 2013/06/20(Thu) 23時頃
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[けれど、鉤爪の動きは裂かれる寸前でぴたりと止まった。 近くで霧のように散って行ったのは、なんだったのか。 視界がかすみ、それすらも判別できない。ただ、呼応するように右手が脈打ったように感じ……。
……お前か? 礼を言うぞ。
その脈拍が、かつてよく触れあっていた相手のように感じて。 ただの気のせいだったのかもしれないが、そう思わずにはいられなかった。
先ほど何かが散った場所と共に、右手に撃ち落とされる、氷の鉤爪>>92。 もはや、痛みは特に、感じない。
ただ、宿らせていた『生贄』の力が、その場で消滅していった。 ぬかるみに打ち込まれた右腕は、もう動かない。魔物がどうなったのかも分からない。 ヴェラはただ、持ちあがる力さえないその右手を、ぼんやりと見つめることしかできなかった]
(95) 2013/06/20(Thu) 23時頃
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[背を裂かれるはずの鉤爪は、届かないまま。>>91 ヴェラの後ろ、イアンの遺骸が雨に霧散するのが見えた。]
[氷蜥蜴は、再び私の前から姿を消して。>>92]
ヴェラさん。ごめんなさい。 あの魔物、ホレーショーかもしれないの。 もしも、そうなら。 《生贄》、に……。
[しないで。と、小さく呟くのは。 『傷つけないで』ではなく、《生贄》というのは。 ……その対の意味に、気付くでしょうか。]
(96) 2013/06/20(Thu) 23時頃
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[コリーンの声が聞こえてくる>>96。 話しかけられるということは、当面の危険は去ったと言うことなのだろうか。 あの魔物が、ホレーショーかもしれない。 その言葉はすんなりと受け入れ……続く言葉の意味までは、朦朧としているせいか、ヴェラにはうまく受け止めることができなかった。 ただ、『生贄』という言葉に、伝えなければならない事実を思いだす]
イ、ア
[イアンと、ツェツィーリヤがこの手にいる。 途切れ途切れに発した2人の名前と、無理矢理持ち上げようとした右手の腹で、彼女に意味が通じたかどうかは分からない。 それでも、伝えておかなければならない。 おそらくは……自分も群から離れる時が、近づいてきているのだから]
(97) 2013/06/20(Thu) 23時頃
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[『詫びて撫でろ』>>94 その言葉が聞こえるわけでは、なかったけれど。 向き合っているその顔が、優しい顔に、見えて。]
ごめんなさい。ごめんなさい……。
[ぼろぼろと零れる涙が、止まらない。 雨が降っていて、良かったと思った。]
(98) 2013/06/20(Thu) 23時頃
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[蜥蜴は考える。 コリーンがいると言う事は ソフィアが失敗したか、殺されたかだ。 もしかしたらもう生贄にして徒労に終わるかもしれないが、 今後の策を練るのに確認も必要かと、 先程戦っていた場所へと走る。
左右の目は忙しなく動きながら警戒を怠らない。
そして見つけたのは隠れていた場所で まだ動いている命の色>>75
とっくに死んで、彼こそ生贄になったと思っていたが。
丁度いい、とばかりに遠慮なく餌にしようと ヤニクに向けて尾を振った]
(99) 2013/06/20(Thu) 23時頃
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イア『ン』?
[持ち上げられた右手、両手で受け止めて。>>97]
無理しないで……。 今、雨を凌げる所に、運ぶから……。
[そう言って、彼をおんぶして運ぼうと。 ヴェラは小柄で、身長も自分の方が少し高い位だし。]
(100) 2013/06/20(Thu) 23時半頃
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[謝るコリーンの声がする。微かに顔をあげて彼女を見やる>>98。 聞こえてくるのは詫びの言葉。 狼であれば、赤い雨の薄まる頬の筋を、舐め取っていたのかもしれないが。 詫びるは……むしろこちらの方だ]
……っ。
[イアンとツェツィーリヤのことが通じたかどうかは分からない。 右手を受け止められ、そのまま運んでくれようとしていることは分かった>>100。 体を動かす力は残っていない。 小柄でも、脱力した体は重かろうと、精一杯首を振ろうとする。 おそらくは、もう長くないことは、自分でもしっかりと理解している。 だから、精一杯の力を込めて、訴えた。「頼、む……」と]
(101) 2013/06/20(Thu) 23時半頃
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[気配]
[見上げれば、迫るは冷たき尾]
[有刺鉄線は花咲くも、間に合わぬ]
(102) 2013/06/20(Thu) 23時半頃
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やだ。やだよ。ヴェラさん。 やだぁ……。
[涙が溢れて、止まらない。]
私、力持ちだから、なんて事ないのよ。 だから、乗ってよ。
やだ。頼まれない。 だから、頑張ってよ。
(103) 2013/06/20(Thu) 23時半頃
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[この場にコリーンもヴェラも、ソフィアもいない。 片目はヤニク>>102を、片目は周囲を警戒していた。
弱った相手1人と判断すれば、 増える多少の傷は覚悟の上で、確実に仕留める事を優先する。 花咲いた有刺鉄線ごと、氷の刃を纏ったまま 尾をヤニクへと振り下ろした]
(104) 2013/06/20(Thu) 23時半頃
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[泣き声が聞こえてくる>>103。ヴェラは困ったようにシュンとなる。 頼みたいこと。それは、『喰って』くれ、と。 私が受け継いできた数々の魂を、かわりに受け継いでやってくれ、と。 そう伝えたかったが、コリーンが泣いているからか、それとも単純に口を動かす筋力が残っていなかったからか。
言葉はこれ以上出てはこなかった。
体が冷えて行くのを感じる。訪れる時が、すぐか先かは分からないが。 こうして看取られるのも悪くはないな、と動かぬ体は彼女に委ねた。 女はいい。温まるし…………などと思いながら、やがては瞼をゆっくりと閉ざしていくことだろう]
(105) 2013/06/20(Thu) 23時半頃
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コリーンは、ヴェラさん……。
2013/06/20(Thu) 23時半頃
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[絡みついた鉄線は、凍り付いて砕け散る]
うぁぁぁぁぁぁ…ッ!!!!!
[悲鳴は届いたか?それとも雨に掻き消されたか] [骨の軋む音、血の凍る音] [せめて逃がさぬ、とツルは足首へと伸びて]
(106) 2013/06/21(Fri) 00時頃
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ソフィアは、やがて森の奥、争いの跡地に辿り着くだろう。途中、その姿に気付く者がいたかは定かでない。**
2013/06/21(Fri) 00時頃
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……〜〜ッッ。
[随分血を流しているのに、涙は涸れないものなのね。]
私の体温で、温めてあげるわよ……。
[そんな言葉を交わしたのは、つい先程の事なのに>>0:26>>0:34>>0:37。 ずっと昔の事の様に、感じるよ。]
私も、また会えて、嬉しかったわ。
[それは、会っですぐの言葉>>0:18に。 素直に、そう言えなかった事に。]
(107) 2013/06/21(Fri) 00時頃
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[悪くない。誰かに看取られて終えるのは悪くない……が。
ただ、叱られそうだな、とは思う。 群れの仲間に対してか、右手に込められた魂たちに対してか。
だから、ヴェラは心の中で、すまんと一言詫びを入れた。 それは、傍にいるコリーンや群の仲間に対してと、ツェツィーリヤや、イアン。 この右手で受け継いできたはずの魂たち。
あんまり先の事を考えず、大言を吐き続けてしまったものだから。 今更引っ込めるのは、相当心苦しいのだが。
これ以上、群を守ることも、魂を引き継ぎ続けることも叶わない私は]
(108) 2013/06/21(Fri) 00時頃
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私……は、弱かっ、た……。
[吐き出す息と、ほとんど聞き分けられないだろう声。 すまない。
最後に口惜しげにそう呟いて、そのまま意識は遠ざかって行った]**
(109) 2013/06/21(Fri) 00時頃
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[耳に届く悲鳴>>106に周囲を警戒していた片目が更に素早く動く。 声に反応する命の色が無いかを探すなか、 腕に絡む棘の痛みに攻撃を受けたのだと気付いた]
シュルリッッッッ
[尾とは違う、鋭い音を立てて鞭の様な舌が右腕を狙う。 そして棘に引かれる様にヤニクへと駆けて、 棘が捕えた腕を爪を立てる様に彼へと突き出した]
(110) 2013/06/21(Fri) 00時頃
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[貴方の『頼み』は、分かっている。 だけど、貴方の願いと反してしまうかもしれない私が、受け継いで良いんですか?]
[冷えていく身体、ぎゅっと抱き締めながら。 その額に唇で軽く、触れて。]
貴方の事、好きだったわ。 …………おやすみなさい。
[過去系なのが、とても悲しかった。 そうして、強く抱き締めたまま、私は右手に力を集めた。]
(111) 2013/06/21(Fri) 00時頃
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ヴェラは、遅いではないか。そうは思ったものの、耳に聞こえた言葉>>107に、私もだ、と小さく首を……**
2013/06/21(Fri) 00時頃
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