126 生贄と救済の果てに〜雨尽きぬ廃村・ノア〜
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ヴェラに4人が投票した。
コリーンに1人が投票した。
ヴェラは村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
ヤニクが無残な姿で発見された。
現在の生存者は、ホレーショー、コリーン、ソフィアの3名。
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貴方は、弱くなんかない。強かった。 心も、身体も――……。
[ヴェラが、ヴェスパタインに向けて言っていた言葉>>2:97。 頭の中で、反響していた。]
(0) 2013/06/21(Fri) 00時頃
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[即死はさせない。 辛うじて生きた状態ではないと喰う事も出来ないからだ。
鉤爪は急所から僅かに外した場所に食い込ませて ヤニクの身体を潰す様に抑え付けた。 肋骨の折れる音を聞きながら『喰う』為に人型へと戻る。
ヤニクにはまだ俺の姿は見えているだろうか。 砕けた棘は凍り付き、腕に張り付いた。
人型に戻った今なら……。 まるで腕に刺青が入っている様に見えるだろう]
(1) 2013/06/21(Fri) 00時半頃
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悪いな……。
[生き延びる為に人型の姿に戻り、 瀕死の魔法使いに黒い右腕を伸ばす。
謝ったのは、誰に対してか。 まだ人だった俺にやたら絡んで馬鹿言っていたあいつにか。 あいつと関わりがある、 命尽きようとする目の前の魔法使いへか。
ただそれ以上は何も言わずに、 ヤニクを『贄』にしようとした**]
(2) 2013/06/21(Fri) 00時半頃
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[右手に集めた力。 涸れ果て、力尽きる寸前だった身体に、命の泉が湧いてくる様で。 彼が息を引き取った後も、泣きながら、抱き締めたまま。]
[そうして、もう彼が寒さを感じないのは、分かっていたけれど。 背に負って、一番近い廃屋まで運んで、横たえさせ手を組ませる。 その横には、傍に落ちていた、ツェツィーリヤの物と思われるローブ>>4:65、白狼の毛皮>>4:67。それと。 落ちていたなら、イアンの服>>4:92、死神の指先、鉤爪の破片、雷の矢尻、そしてロケットのペンダント>>4:12>>4:14。]
[ロケットのペンダントは、中を見る事はしなかったけれど。 想像は、合っているのではないかと思う。 私も、同じ様な物を、身につけているから。]
後で必ず、迎えに来るから。
[そう言って、廃屋を後にした。]
(3) 2013/06/21(Fri) 00時半頃
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ヴェラさんと、イアンさんと、ツェリさん……。
[ヴェラの願い、差し出された右手、途切れ途切れにだけれど、確かに聞こえた2人の名前>>4:97。 目の前で霧散したイアンと、残された遺品。 ヴェスパタインの魂の行方は、まだ、分からないままだけれど。 今、私の右腕に宿るのは、きっと。]
[そっと、右腕に触れた。**]
(4) 2013/06/21(Fri) 01時頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2013/06/21(Fri) 01時頃
店番 ソフィアは、メモを貼った。
2013/06/21(Fri) 01時頃
店番 ソフィアは、メモを貼った。
2013/06/21(Fri) 02時頃
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―現在・???―
[降り止まぬ紅き雨の中、ソフィアは歩く。 決して急がず、しかしその足取りはしっかりと目的を持って。
…焦って走り回ったとしても、探しモノは見つからないだろう。 今、体力を無駄にするわけにいかない。 だから、消耗しない程のギリギリの早足で。]
[その足の向かう先にあるもの、 少女が目的としていることは――
――ホレーショーの『殺害』。]
(5) 2013/06/21(Fri) 20時半頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2013/06/21(Fri) 20時半頃
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―回想・今より少し前、森にて―
[広場を離れ森の奥へ、強力な魔法が発動された場所まで早足で駆ける。>>74 ホレーショーが森に消えてから、どれほど時間が経っただろう? ヤニクを刺した後は気が動転していて、森の中をどう移動したのか、時間も記憶も曖昧だった。]
(…初めて。初めて、人を刺したんだ……)
[身を護るため、魔物を攻撃することはあったけれども。 会話の成り立つ相手、意志や感情の顕著な”人”を傷付けたのは、これが最初。]
(6) 2013/06/21(Fri) 21時頃
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[さくり。と
これまで対峙してきた硬い毛皮や甲殻と違って、柔らかな感触が手に伝わる。
レイピアはいとも簡単にヤニクの左手を突き抜け、その先の感覚器を破壊した>>63。]
.
(7) 2013/06/21(Fri) 21時頃
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(ヤニクさんを刺したことは、本当に正しかったの?)
(彼らが私達の敵だとしたら、)
(どうして…)
(どうして…?)
[戦う姿勢を見せず。むしろ無抵抗でさえあって。
剣を構えるソフィアに対して投げられたのは、 円環ではなく、真実を求める言の葉…>>51]
(8) 2013/06/21(Fri) 21時頃
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[悩みながら辿り着いた先が広場だったのは何の因果か>>4:69。]
[ここに置いていったのは、 ――迷う心。躊躇う心。>>4:73]
[でもそれは、 正しい判断を下すために、必要なもので。]
[…きっと。 正解を求めて、ここに取り戻しに来たのだ。]
[だが今は、その"心"の在り処が、何処かわからない――>>4:74]
(9) 2013/06/21(Fri) 21時頃
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[わからなかった。
何が、正しいのか。 誰を、信じたらいいのか。
自分は、どうしたらよかったのだろう。 この先、何をしたらいいのだろう…?]
[拠り所を失くした思考は、ふわふわと彷徨う。
縋るように探した姿は、 何時も優しく見守ってくれたヴェラだろうか、 力強く頷きを返してくれたホレーショーだろうか…]
(10) 2013/06/21(Fri) 21時半頃
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― 回想・廃屋で ―
[それは、廃屋を出る前のこと。 運んだ遺品の中にあったのは、未来を詰めた皮袋。>>4:82]
[また、涙が溢れて。 最後に、ヴェラの頭を撫でてから、その場を後にした。]
(11) 2013/06/21(Fri) 21時半頃
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[光の柱が立ち昇ったと思しき場所を目指したのは そこで何かが起きただろうという確信もあったけれど、
――心の何処かで、光を、 明るい未来の存在を、求めたからかもしれなかった。]
[…しかし実際に、そこに着いてみれば。]
[派手に荒らされた泥濘。 たくさんの魔物と人の足跡。
雨にも関わらず周囲の木々は焦げ付き、 水溜りだったものには氷が張っている…]
(12) 2013/06/21(Fri) 21時半頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2013/06/21(Fri) 21時半頃
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― 現在・廃屋→ ― ッりゃァァッッ!!!
[4人の魔法使いが戦い、3人が命を落としたこの場所。 血の臭いに引き寄せられた下級魔物達が、大挙して押しよせてくる。]
[円月輪の欠片を開放して、投擲し、まとめて狩っていく。 大分消耗したであろう、供物の修復を行いながら。]
(13) 2013/06/21(Fri) 21時半頃
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[戦いの、跡。 それはあまりに明確で、疑いようもなく。]
[――しかし何も。 何も、残されてはいなかった。]
[遺体の一つも。遺品の一つも。
それがあったことを示す跡はあるのに、 まるで世界には、ソフィア一人しか存在しないかのように――]
[一体ここで、何があったというのだろう。
…何か。何か手掛かりを。 懸命に泥濘を探すけれど、雨で流れた地面に残るものは少なくて。]
[しかし、ふと顔を上げれば。 かなり遠いが、ふらりふらりと人を背負い歩く人影>>4:100]
(14) 2013/06/21(Fri) 21時半頃
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ていうか、何で私が追いかけなくちゃいけないのよ! ムカツク!!
[追いかけているのは、私の勝手だけれど。 姿を見せたと思えば、見つけたと思えば、すぐに居なくなるホレーショー。]
[3人の魂が、自分の右腕に宿っているならば。 自身とヤニクを除けば、残るのはソフィアと彼のみで。]
[ホレーショーから聞けた言葉は、『殺し合わないと…生き残れない』>>4:4。その言葉だけ。]
貴方が魔物じゃなかったら。 やるべき事は、『対象』を殺す事。 殺し合う事じゃない。 やっぱり……そういう事なのよね?
(15) 2013/06/21(Fri) 22時頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2013/06/21(Fri) 22時頃
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[ふわりと、ブーツを使って"飛ぶ"。 その人影の背後、木々の後ろに音もなく。
何事か話しているようだが、気付かれないように少し距離を取ったため、声はくぐもり聞こえづらい。]
[見えたのは、酷く傷付いた誰かと、涙を流すコリーン>>4:103の背で、 地面に横たわるその人をぎゅっと抱きしめ、彼女は何事か囁いて、]
(16) 2013/06/21(Fri) 22時頃
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[その右腕に何かが流れ込むのを、
――それが、死に瀕した魔法使いに対して向けられる行為であるということが、 離れた位置にいる少女にもわかるほど――
とても強い力が彼女の腕に宿るのを、ソフィアは感じた。]
[相手が誰なのかは、ここからではわからない。 しかし。 泣きながらその命を奪ったコリーンは、魔物には見えない…]
(17) 2013/06/21(Fri) 22時頃
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(彼女が魔物でないとしたら。 敵ではないとしたら。
……私がしたことは。)
[コリーンが"人"であって欲しいという気持ちと、 自分が犯した間違いを認めたくない気持ちと。]
[真実を確かめたくて、コリーンの後をつける。 遺体と遺品を大事に背負い、コリーンは村の方へと―近くの廃屋へと、それらを運んでいく>>3]
[彼女が廃屋を後にしたのを確認して。 ソフィアはその中へと、入っていく。]**
(18) 2013/06/21(Fri) 22時頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2013/06/21(Fri) 22時半頃
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[その時、僅か耳に届いた悲鳴>>4:106 びくりと身体を震わせて。]
[赤い雨を跳ね上げて、全力で駆け戻る。 ヤニクと別れた、廃屋目掛けて。]
[そこで見た光景は。>>2]
……何やってんのよ。
[震える声、涙声で声をかける。 ――……私こそ、何やってんのよ。 隙をついて、攻撃するべきなのに。**]
(19) 2013/06/21(Fri) 22時半頃
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− 村の中で −
[ヤニクの僅かに上下する胸元に右手を置いて贄にしようと 手を開き掛けて、動きが止まる]
……あのお人好しの馬鹿が助けたのは…お前なのか。
[底なしのお人好しだった。 彼が禁忌を犯したと言う噂を聞いたのはいつだったか。 しかも見知らぬ子供を助けたと言う。 もうその時には俺は魔に堕ちていたかどうかすら。 思い出せない。
ただ、今ある感情とすれば羨ましいと言う感情か。
助けたかった命を助ける事が出来た魔法使い。 どれだけ禁忌と言われても、代償を払っても。
俺の出来なかった事を成し得た魔法使いが羨ましかった]
(20) 2013/06/21(Fri) 23時頃
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自分を犠牲にしても…助けたかったか……。
[俺が魔に堕ち、大切な者の記憶を失っても 得たかったもの]
(21) 2013/06/21(Fri) 23時頃
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[贄にする筈の右手は動かない。
右腕と『聖杯』に奉げた魔の俺がヤニクの命を求め、 飢餓の声を上げる。 その本能とも言うべき声にまだ従わないのは、 恐ろしく冷静な俺が、ある事に気付いてしまったからだ]
(22) 2013/06/21(Fri) 23時頃
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[どれだけ逡巡していたのか。 近付く気配>>19にすら気付けないほど。
掛けられた声に、 まだ上下する胸からゆっくりと右手を離す。
そして振り向くことなく、背を見せたまま]
広場で決着付けようか。
[掛けた声はそれだけで、コリーンの目の前で 氷を纏う蜥蜴の魔物へと姿を変える。
そしてそのままただでさえ脆い廃屋の壁を 突き破り、広場へと消え去った]
(23) 2013/06/21(Fri) 23時半頃
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− 広場 −
[紅い雨はまだ止まなかった。 残っていた雑魚を喰らっても、完全な回復にはほど遠い。
何故ヤニクを喰わなかったかと責め立てる様に右腕が疼く]
(24) 2013/06/21(Fri) 23時半頃
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……泣いているのか…。
[俺の行動に怒っているのだろうか。 誰が怒っているのだろうか。 俺はどうしてこんな事をしているのだろうか。
失いかけた魔力や体力の回復に記憶が代償として消えていく。
愛した女性の存在どころか。
愛した事さえ。
泣いた事さえ。
一瞬とは言え感じた幸福も、全て消えていく]
(25) 2013/06/21(Fri) 23時半頃
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[そして広場に、心無くしたただの魔物が残った]
(26) 2013/06/21(Fri) 23時半頃
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[決着の場所だけを告げて>>23。 ホレーショーは目の前で姿を変え、また、雨の中に消えて行った。]
[残されたヤニクの頬に、手で触れる。 涸れたはずの涙は、やっぱりどんどん溢れて。]
[零れて行く彼の命を、かき集めたいと思った。]
[『派手に使い切ってくれ』>>0:134 会ったばかりの時に聞いた言葉が、頭の中で反響する。 それは、私に言った言葉では、ないけれど。 このまま、どちらも選べないまま時を過ごす事だけは、絶対にだめだ。]
(27) 2013/06/22(Sat) 00時半頃
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私、貴方の事、守りたかったの。 守れなくて、ごめん……。
私だけの力じゃ、アイツを倒せないから。 力を、貸してくれる? 2人で、アイツをぶん殴りに行きましょう。
[翳した右手は、震えて。何度も失敗をしながら。 ヤニクを《生贄》に、《生贄魔法》を発動した。]
(28) 2013/06/22(Sat) 00時半頃
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[浮き上がる彼の身体。]
[涙が溢れる。]
[彼の中から無数に溢れ蠢く、管の様な茨の有刺鉄線。 それは私の両の腕に絡んで、それを背後に負う様に纏って、廃屋を後にした。]
(29) 2013/06/22(Sat) 00時半頃
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ッッりゃァァァッッ!!!
[もう、言葉をかける事もなく。 『約束の場所』で、見えたその姿に、背負った茨の有刺鉄線を投げつける。 対象に絡みつく事ができたなら、まるで生きているかの様蠢き、握りつぶすように圧縮する動きをするだろう。]
(30) 2013/06/22(Sat) 00時半頃
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[ぎょろりぎょろりと、餌を求めて忙しなく動かす目に 力満ちた命の色が映った。
他の雑魚など比べ物にならないほどの魔力と 眩しい命の色に引き付けられる様に猛然と氷蜥蜴は 突進しようとした。
だが不意に、 紅い雨が止んだ様な気配に首を傾げた次の瞬間。
降り注いだのは茨の雨>>30]
(31) 2013/06/22(Sat) 01時頃
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[今しがた喰い損ねた魔法使いの供物だと気付くと、 目の前の魔法使いが生贄にしたのだと知れる。
魔法使いが発動した時の比では無い、 圧倒的な、叩き付け、潰す程の茨の雨に 魔力も体力も完全ではない体は消耗する]
(32) 2013/06/22(Sat) 01時頃
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[叩きつけ、潰す様に、絡みつく茨の雨。 緩んだとしても。
間を置かず、更に幾度も横薙ぎに走る閃光は、円月輪。]
(33) 2013/06/22(Sat) 01時頃
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[降り注ぐ茨の雨は確実に尾だけでなく、 体幹も絡め取る。 めり込む傷はたちまち凍りつくが、凍る表面も突き破り 肉深くまで突き刺さる。
一部はそれこそ地面に繋ぎ止める様に突き刺さった]
ガアアアァァァァッッッ!!
[あがる悲鳴はもう人の声では無かった。 茨を引き千切ろうと足掻きのた打ち回る。
動く目は魔法使いを凝視したままで、茨を引き摺りながら 女へと近付こうとした]
(34) 2013/06/22(Sat) 01時頃
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ウオアアアアアアアアアッッ!!
[伸ばした舌は円月輪に切り落とされる>>33 茨を縫って切り裂かれた体、棘に貫かれた傷からも 血が溢れ、雨の代わりに紅く体は染まっていく]
ウ…ガァ…ァァ……。
[それでも蜥蜴は地面に鉤爪を突き立てて、 擦り切れた命を引き摺って前へ、前へと進んでいく。
そして距離感も判らないまま、 地面に突き立てていた鉤爪を振り上げて コリーンへと斬りかかろうとした]
(35) 2013/06/22(Sat) 01時半頃
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[茨を引きちぎろうとのた打ちまわる姿を、見つめる。 もう言葉を交わす事はないと、心に誓ったのに。それでも。 魔物の姿、人のものではない悲鳴、茨を引き摺りながら近付いてきた姿に>>34。 一瞬だけ、円月輪を持つ手を止めてしまった。]
ねぇ。貴方の願いって、何?
……なんて。 今はとりあえず、私を殺して、食べる事よね。 約束したものね。
[そう言って、緩く笑う。 答えが返ってくるとは、思ってないけれど。]
(36) 2013/06/22(Sat) 01時半頃
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[振り上げられた鉤爪は、肩を捕えて上半身を裂く。>>35 以前受けた傷と重なって、血が噴き出し、身体が跳ね飛ばされた。 氷蜥蜴が距離感を測り損ねたせいか、致命傷には至らなかったけれど。]
[身体を起こす反動のままに、尾をめがけて、胴をめがけて、円月輪を振るう。 その動きは、頭部は避ける様。]
(37) 2013/06/22(Sat) 01時半頃
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[その身を引き千切る様にして蜥蜴は進む。 振り上げた鉤爪は手応えを感じても、魔法使いはまだ生きていた。
生贄魔法の発動時間が終われば、解放されれば まだ勝機があるかもしれなかった。
だが魔法使いの問い>>36に一瞬動きが止まる]
(38) 2013/06/22(Sat) 01時半頃
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ヲ前に、生きてイテ欲しカッタ……。
[不意に重なった女。 黒い髪、黒い肌。 何一つ、目の前の女とは似ていないのに。 重なった女に俺は微笑んで。
円月輪の前に、自ら頭を差し出した]
(39) 2013/06/22(Sat) 02時頃
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だめぇぇえええッッ!!!
[その言葉に対して、何かを思う間も、無かった。 自身が投げた円月輪めがけて、その軌道を逸らす様に投げたのは、もう一つの供物。『五鈴鏡』。]
[力の解放は間に合わないから、軌道を逸らすだけの、それ。]
(40) 2013/06/22(Sat) 02時頃
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[目の前で逸れる円月輪>>40
それを掴もうと伸ばした手にはもう鉤爪も、 凍気纏う鱗もなかった。
茨から解放された体は引き裂かれ、貫通し、ボロボロだった。 だがやらなければならない。
『生贄』になる前に『死』を。
掴んだ刃で自らを終わらせる力はもう無かった。 だから…それを喉元にあてて、支える事の出来なくなった 体を重力に引かれるままに倒れ込んだ**]
(41) 2013/06/22(Sat) 02時頃
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[『聖杯』はきっと悪魔の盃。 尽きぬ望みの前に現れて、代償と引き換えに魔に染め上げて。 その盃を絶望と悲劇と欲望で満たす為なら どんな悪意ある奇跡も起こすのだろう。
最後の最後に。 俺の罪全て、愛した女の記憶と共に返すのだから**]
(42) 2013/06/22(Sat) 02時頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2013/06/22(Sat) 02時半頃
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[逸れた軌道。 『五鈴鏡』を投げたその勢いのまま、氷蜥蜴の方へ走って。 重力と共に落ちてきた頭を、抱き締める様に抱える。
勿論、支えられるわけなんて、なくて。 氷蜥蜴の体重と共に、重力で地面に叩きつけられれば。 口から、少し血が零れた。]
[彼の首に、どの程度刃が刺さったか分からない。 それでももしも、私の身体で作れた隙間か、何かで。 『完全な死』でも『生』でもなく、『瀕死』の状態になって、人間に戻れたならば。 私は、傍に落ちていた『五鈴鏡』に手を伸ばす。]
[それは『音』と『光』でできた、球体の、見えない反射の盾。 使用する際に、供物を激しく消費するそれは。 自身の身体が使い物にならない時、それでも、魔力だけでも残っていれば誰かを守れる様にと。 その時にだけ。 自分にではなく、誰かに使うために持っている物。]
(43) 2013/06/22(Sat) 03時頃
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私にも、私の、譲れない願いがあるの。 私は、人間の貴方に会いたい。 生きていて欲しい。
貴方の罪も、罪に苛む心も、後悔も。 私で良ければ、一緒に背負ってあげる。 一緒に、謝ってあげるから。
私、本当に一人になっちゃったのに。 貴方、これ以上、私を不幸にする気なの?
ていうか、貴方の右腕に、沢山の人が居るんだから。 一人だけ楽になろうたって、そーはいかないのよ。
[いつか交わした言葉>>1:125。 こんな時でも、最後に付け足したのは、やっぱり憎まれ口だったけれど。]
(44) 2013/06/22(Sat) 03時頃
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[『五鈴鏡』の力を、解放して。 左腕で抱き締めたまま、背にあてた右手は、力を込める。 選ぶのは――……《救済》。]
[でも、その一連の出来事は、全て泡沫の夢かもしれない。 だって、私の目の前は真っ暗で、何も見えないから。]
[私とホレーショーを包む、光と音の壁。 血に飢えた下級の魔物が集まってきたとしても、魔力尽きるまで、傷つけさせはしない――……。**]
(45) 2013/06/22(Sat) 03時頃
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