298 終わらない僕らの夏休み!
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誰かの「明日」を引き換えに――……?
[>>60たった一発言にまとめられた、ループの発生条件。 それは『みんなと遊ぶ9月1日』に楽しみを見出していたところにやってきた、衝撃の条件だった。
いま、グループチャットで話してるのは何人? はじめは、何人いたんだっけ? ――いつの間にか、半分くらいになっている気がする。 5回目で半分、24時を超えたのは4回。 たぶん、ループを自覚する前の1回めと2回めの間にも誰かがいなくなったとして――今日を含めてあと2回くらいしか、9月1日は残ってないのかもしれない。 それも、思い出を犠牲にしながらの継続。]
(64) 2019/09/08(Sun) 22時半頃
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[そこから先のレポートは、ほとんど頭に入ってこなかった。 頭の中がそれどころじゃなかった、ってのもあるけど、単純に内容が難しかった。 川は地下にもいっぱいある、だからどこで何が起きても川での事故、みたいな扱いになる?くらいの理解度だ。
"事故った場所"については、ああ、事故だったんだ、と思うのと。 それが愛海先輩から全体共有されるってことは、きっとヒナコ先輩は、ここではもう発言しないんだろうな、って思った。 同盟の外に、また一人行ってしまった。]
(65) 2019/09/08(Sun) 22時半頃
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[グループチャットに新着。 あたしは外に出られる準備を済ませつつある。
内容をみると、一番最初に来た『願い川と叶い橋に関する伝承』は、あたしが既に愛海先輩に教えてもらってること。図書館で根岸と見て、気味が悪くなったのをよく覚えている。 さっき、千早ちゃん達にも伝えておこうかと思っていたものだった。]
(66) 2019/09/08(Sun) 22時半頃
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[二つ目は、しらない話だった。 すでに9月1日のループのことを忘れてしまった生徒会長からのメッセージ。
誰かの明日を引き換えに、ループが発生する。
……らしい……?
どう……いうことだろう……。 誰かの明日を引き換え……?
誰かに聞いたか、それとも会長が何か見つけた? グループチャットが出来た最初のほうでだけ、会長がチラッとしていた夢枕の話が頭をよぎる。それきり夢枕についての話は全然きいていない……。
会長は忘れてしまった。きっと聞き出せない。 この辺りももう昨日の時点で知ってたってことなのかな……確信がもてなかったからみんなには秘密にしたってこと?根岸のことも変に言いよどんでいたけど関係ある?(あたしはすでに混乱しているといっていい状態だ)
『明日を引き換え?』……意味はわからない。明日がこない理由がそれ?引き換えってことは、ループを忘れてしまうことに関係しているんだろうか。]
(67) 2019/09/08(Sun) 22時半頃
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[三つ目はかわいい字でいっぱいの画像だった。 ヒナコさんがまとめてくれたレポート、とのこと。
先輩こんなことしてくれてたんだ。……このレポートを愛海先輩が送ってくるってことは、雛子先輩も忘れてしまった、ってことなんだろうか。
なにかの本のコピーや、地図が重なったもの。 どうやらこの町の水路的なものが願い川に通じている、というものみたいだ。
『ここ、私が事故った場所』とある。]
(68) 2019/09/08(Sun) 22時半頃
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[少し考えて、いくつか返事を書く。]
『どこかに集合、わかった』 『商店街の横の、空き地のとこあたりにする?』 『紙、書いてく』
[共有された連絡事項には、触れなかった。]
(69) 2019/09/08(Sun) 22時半頃
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[すこし頭がぼんやりするような、新しいわけのわからない情報で混乱しているような。 うまく事態を飲み込めずにいる。
あたしが返信したのは、こうだ。
『 引き換えってみんなが 忘れてくことと関係ありますか?』
『 雛子先輩すごい。 事故って何かあったんですか? 』]
(70) 2019/09/08(Sun) 22時半頃
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[集合の提案にあわせ、愛海先輩からの具体的なお願い事が添えられている。(>>62) 『9月1日が終わり、9月2日が訪れますように』と紙にかこうという内容だ。
すでにわけのわからない状態だから、なんでも出来ることはしたい。あたしはそれに『お願い事、わかりました。あたしも書いていきますね』と返事する。あたしは紙とペンを用意した。
七夕の短冊みたい。もうずいぶん経ったけど……
颯成のいう商店街横の空き地に集合で、あたしはとりあえず了解した。
『じゃあ空き地で』と返事をかえして、家を出ることになる。**]
(71) 2019/09/08(Sun) 22時半頃
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[紙、紙、何に書くといいんだろ。 こういうのって和紙とか、そういう紙のがよかったりする? とはいえ和紙なんて――]
そうだ。
[勉強机の奥にしまい込まれている習字道具を引っぱり出す。 そこには薄いなりに、そこそこ丈夫な和紙が入ってる、はず。]
(72) 2019/09/08(Sun) 23時頃
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……――。
[9月1日が終わり、9月2日が訪れますように。 その一文を書くまで、迷いに何度も手が止まった。 インクが滲んで、文字の所々に変な点々がついている。 ちなみに、さすがに書いたのは筆じゃない。サインペンだ。
例えば、誰かの明日を奪って9月1日がやってくるなら、誰がやってるのか、その人はどうしてやってるのか、とか。 川に祈るより考えることが多すぎた。 それでも書ききったのは、書くって宣言しちゃったのと、流すかどうかは実際後から考えればいいやって思ったから。]
(73) 2019/09/08(Sun) 23時頃
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CC レイは、メモを貼った。
2019/09/08(Sun) 23時頃
師範棋士 千早は、メモを貼った。
2019/09/08(Sun) 23時頃
[何より、その"誰か"のあたりがついているので。
なおさら、どうしていいかわからない。
優しく言葉をかけてくれたのを、肩に手をおいてくれたのを覚えてる。
友達になって、向こう側に線を引いて、手を繋いだのを、覚えてる。]
……聞いてみようかな。
[いったい何から聞けばいいのかわからないけど。
ループさせる手段?
明日を奪う人選?
どうしてループしたいの?
誰もいなくなったら9月2日は来るの?
――来たら、レイ姉はどうなるの?]
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[書き終えた半紙をカバンにしまい込んで、出かけてきますと家の中に声をかける。 出しなに『ちょっと、顔赤いよ。熱でもあるんじゃないの』って呼び止められて、ぎくりと肩が跳ねた。]
……暑いだけだって。
[やば。まだ赤かった。 思春期には刺激の強い一日だったから、これだけ別のことを考えても、なかなか集まった血は解散してくれないみたいだ。 空き地にはゆっくり行こう。 顔の赤みが引くか、本当に暑くて顔が赤くなるのを狙って*]
(74) 2019/09/08(Sun) 23時頃
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― 家の外へ ―
[あたしは、とくに迷いもなく、その内容をあっさり紙にかいた。
どういうものに書くのがいいのかわからない。あたしはわからないなりに、殆ど使わず余りっぱなしの水色の便せんに、その内容を書いた。あたしの字はたびたび小さいと言われるけど、今回も余白がすごい……でも、いっか。
愛海先輩からのメッセージにあったやり残し。そういえば……あれに返事してない。でも、あそこにはちょっと書く勇気なくて……。 あたしのやり残しはやり残しのまま。 けど、それをあたしはそれを些細なことと片づける。
そんなことより9月2日がきてほしい。みんな不安だろうし。
家を出た。あんまり一人でいたくないのもあって、すぐに。 商店街横の空き地に向かって歩いている。
外には法被のおじさんがやっぱり歩いている。 5回目のお祭りをしようとしてる。 空には昨日と同じような雲と、昨日と同じような色の空が広がっていて、天気も昨日と同じ晴れだった。
颯成も近所だから、もし姿を見掛けたら、空き地へ一緒にいって皆を待とう。**]
(75) 2019/09/08(Sun) 23時半頃
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[――ただ、自覚がないだけで熱っぽいのは事実だった。
考えてもみれば、もともと弱りかけの身体で、昼から日暮れまで水泳で体力を使い果たしたのだから、身体の防衛反応としては正常なはたらきだ。
繰り返す9月1日は、病の進行こそしないとはいえ、身体を治すこともしてくれない。
空き地につく頃にも、赤みは引かず頬は桜色に染まっている*]
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『 大丈夫です 』 『 こんなときだし 』 『 それに、なんとなくですけど 』 『 澪先輩のほうが分かるんじゃないかなって 』
[ 出口先輩の言うことが。 という意味だったのだけれど、伝わるかしらん。
返信がきたのを確認して>>48、 千早は手馴れた手つきで返信を打ち込んでいた。
千早は1年生で、まだひよっこマネージャーで、 選手じゃなくって……つまりそんな感じ。]
(76) 2019/09/08(Sun) 23時半頃
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[ 終わらない千早たちの夏休み。 日を重ねるにつれて、それにも慣れて、 一方で腹の奥底で渦巻くもやもやしたものが、 膨れ上がっていくような感覚もあって。
それが一体何なのか、 千早にはまだわからないまんまだ。
けれど、”あとでまた”>>50って言葉に、 すこうし、心が落ち着く。千早は一人じゃない。]
(77) 2019/09/08(Sun) 23時半頃
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『 はい、またあとで! 』
[ ──って、澪先輩に返事をしたころには、 グループチャットのほうが活発に動いていた。
中でもとりわけ目を引いたのは、 BBQにはしゃぐ男子中学生──じゃなくて、
安住先輩から送られてきた、 大量のレポートや情報の断片。
千早の知らなかった事柄に順に目を通し、 集合場所を頭に叩き込む。
もう家を出ちゃったから、 どこかで紙とペンを調達しなきゃって、 持ち物のほうも確認しながら。]
(78) 2019/09/08(Sun) 23時半頃
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[ 誰かの明日を引き換えに。ってどういうことかしら。 千早は早足で街を歩きながら考える。
引換券にされちゃったのは、 千早たちのやってこない9月2日なのか、 それとも、このことを忘れちゃった人たちか。
少なくとも、何かを引き換えにすることを、 誰かが選んだなあ。って、千早は解釈する。
それはもしかすると千早なのかもしれない。 安住先輩が送ってくれた手順>>2:269なんて、 当時の千早は知らなかったし守ってないけれど、
ぱんっ! と手を叩いてお願い事をしたときに、 恋愛成就を祈るほどの脈もなくって、 明日が来なきゃいいって、頭の片隅で思った。]
(79) 2019/09/08(Sun) 23時半頃
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[ ぐるぐると思考は巡る。 後悔とか、不安とか、そういうたぐいの。
ところで、千早は街を歩いていて、 ペンも紙も持ち歩いていなかった。
どうしようかしら。と思っていたら、 前方に見覚えのある背中を見つけて、 千早はいつぞやのように駆け寄る。]
すみません! そこの、根岸先輩。 どこ行くんですか? へえ、図書館。 涼しいですもんねえ。ところで根岸先輩。 紙とペンを持っちゃあいませんか。 貸してほしいんです。ちょっと、ちょっとね。
[ 千早があんまりな勢いだったからか、 根岸先輩がちょっと身じろぎした。気がする。]
(80) 2019/09/08(Sun) 23時半頃
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[ 何はともあれ、千早は紙とペンをお借りし、 指示にあったように、お願い事を書いた。
9月1日が終わり、9月2日が訪れますように。
何気なく書き始めた文字だったけれど、 はっきりと言葉にしてしまうと、 気持ちは切実なものに変わっていって。
不安定な場所で書いたせいで、 歪な仕上がりになってしまった。
しかも、ノートの切れ端にボールペン。 誰かが和紙だとか気を遣ってるなど知らず。
しかし、まあ。気持ちだけはこもっている。]
(81) 2019/09/08(Sun) 23時半頃
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ありがとうございます、根岸先輩。
……あ、そうだ。あのですね。 根岸先輩、水難の相が出ているので、 水場には近づかないほうがいいですよ。
私、こう見えて占いに凝ってるんです。
[ 特に意味はないかもしれないけれど、 念のため。千早の気持ちの問題である。
それじゃあって立ち去る千早を、 根岸先輩はやっぱり怪訝そうに見ていた。]
(82) 2019/09/08(Sun) 23時半頃
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──空地へ──
[ 軽やかに千早は駆けてって、 集合場所に指定された空地に駆け付ける。
財布とスマホと紙切れ握り締めて、 制服には不釣り合いな軽装備だった。
必要ならば商店街も近いわけだし、 買出しに行こうか。って思ったんだけれど、 ひとまずは誰かの到着を待つことにしよう。**]
(83) 2019/09/08(Sun) 23時半頃
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師範棋士 千早は、メモを貼った。
2019/09/08(Sun) 23時半頃
[すこし赤くなったほっぺの颯成をみつけた。
あたしは颯成に声をかけた。]
鬚ッ謌
[颯成と呼ぶ声にいつもの水音が被って二重になる。*]
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[まだ空き地に向かってる途中のこと。 背の高い見慣れた姿に一瞬足を止める。 レイ姉>>75だ。
そりゃそうだ、同じ所に近所から向かってる。 会わないほうがおかしいんだけど、何となく、特に意味もなく、顔の赤さがバレないで、少し遠回りして、時間をかけて着く。 そんな予定を勝手に立てていた。
いいや、暑くて赤いってさっきも言ったばっかだし。 今なんて外にいるんだから、家の中より自然なはず。]
レイ姉。
[気づかず通り過ぎるほうが不自然なくらいの間柄。 声をかけない選択肢はなくて、呼び止めて駆け寄る*]
(84) 2019/09/09(Mon) 00時頃
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[そうして呼び止めたせいか、名前を呼ばれる。]
……なに?
[溺れるみたいな水音が重なることにも、だんだん慣れてきた。
慣れてきたけど、聞きたいことがたくさんありすぎて、それをどうやって切り出すかまだ迷っていて、少しぎこちない返事になった。]
[あたしは見掛けたから呼び止めた。
それ以上でもそれ以下でもなく、宍井澪というあたしは、可愛がっている幼馴染の見知った顔があれば声をかける。そういう女の子だった。]
荳?邱偵↓縺?%
[9月1日のあたしの一緒にいこという声に、死んだあたしの溺れかけの音が重なっている。
颯成の返事は少しぎこちない。あたしは理由を別に聞こうとしなかった。
まだ午前の日光が降り注ぐなかを、並んで歩こうとする。
だって目的地は同じじゃなかったっけ。]
縺ェんか顔赤い
[ほっぺの赤さは暑いせいかな?]
[一緒に行こ、の誘いには頷いた。
そのつもりで近づいていったから、言われなくても一緒に行くのは確定事項だと思ってた。
ここまで来て別れる理由なんてない。
自然と隣を歩きながら、時々ちらりと様子を窺う。
本当に、レイ姉が、もしかしたらヒナコ先輩が、このループを起こしてるんだろうか。
信じたくない気持ちが、想定を確信にするのを嫌がる。]
あ、暑いから。
[顔赤い、って指摘されて、用意してた答えを返す。
触られたら、本当に少し熱いはず。]
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-自宅-
[目に付くあたりに送ったメッセージが返ってくる。 とりあえず、まだ『ループ』を繰り返している人間がいることは確かだ。]
(85) 2019/09/09(Mon) 01時頃
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