[何度目になるかわからない夢を見た後、メオの叫び声>>10で目が覚めた。
ゆっくりと目覚めていく頭で事態を飲み込んでいく。こうなるかもしれないことはわかっていた。だけど今は、現実から目を逸らしたくて、この穏やかな微睡みの中に残っていたくて、外へ出て行く枕元の足音を拒むように布団を被った。
おそらく、奴が現れた。伝承通り。養父様の言う通り。
親友の叫び声が聞こえたということは、きっと彼女はまだ無事なのだろう。少なくとも声を上げられる程度には。それだけは本当によかった。
だけどこのまでは、明日の朝には次の死体が見つかるだろう。
キャリーケースに目をやり、この島に来る前に、養父様と交わした会話を思い出す。]
私たちの手で、人狼を殺す…
[零れた言葉は震えていて、それは決意というより寧ろ言い聞かせるためのものだったのかもしれない]
(35) 2014/05/30(Fri) 21時頃