怨むならそいつを怨め。まぁ、別に私を怨んでも構わないが。
[表情には決して出さないが。声を上げるたびに、体が軋む。
白狼は寒さには強い。相性としては悪くないのかもしれないが……それは大した慰めにはならないのかもしれない。
雨により奪われた体温。血を流し続けた背の切り傷。
削がれた頭の一部。そして、雷撃により引き裂かれたであろう、体中の筋繊維。
回復もかなわず、体も物質としての供物の姿も、満身創痍ではあったけれど、それでも強気で言い放った]
諦めろ。お前はもうお終いだ。
私は強い。だから、決してお前を逃さない。
[革袋をその場に捨てると、一歩踏み出し半身を晒し、白狼の毛皮を右手で掴む>>3:42。
目宿るのもあの時と同様、確固たる揺るぎない殺意>>3:43。
傷つき、おそらくは通常の人型魔物であっても満足に対抗できないであろう、熱い獣の殺気を放つ魔法使いは……この魔物の目には、一体どのように映るだろうか。
毛皮を掴んだ右手。
それが、崩れ去ったあの廃屋にいたころ>>1:109と比べ、何かを取り込み、激しく赤黒さを増していることには……魔物は気づいていただろうか*]
(23) 2013/06/19(Wed) 20時半頃