………うううう。
そんでなそんでな、村のいじめっ子らが、俺に言うねんな。
『アヤカシに会ったの怖い』『本当は嘘ついてるんだろ』『山の神様から嫌われたから神隠しにあわなかったんだろ』とかな。大人も、俺の事変な目で見てるのおったしな、
[酒を呑み始めてしばらく経った頃。泣き上戸が出来ていた。
定吉が泣くのにあわせ、慶三郎の家の周りにだけ、霧雨が降る]
だからな、悲しくて、やっぱり泣いとったら、上のあやめ姉ちゃんは『男やったらやりかえせ』言うし、下の静姉ちゃんはいじめっ子らを代わりにやっつけに行ったりな。あれは強かったなあ。嬉しかったけど、よう嫁行けたと思わへん?
爺ちゃん婆ちゃんは、『山の神様に気に入られるくらい飴細工うまかったって言えばいい』と助言くれて、そんで俺、言う事聞いて、飴売る時の宣伝に使ったりしとって、そしたら売り上げ良くなったりしてな。どんな事も考え方変えたらいい事になるねえ。
[泣いていたと思ったら、今度はけらけら笑っている。
*べらべらべらべら*]
(+71) 2011/02/18(Fri) 18時半頃