35 WWV 感染拡大
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[一緒に、そういうシビルに、哀しげにうつむいて]
『あのこも、そうおもってたのかな。
でもさ
なんで
オバさんが”死んで”折角”一緒”になれるのに
あのこはオバさんのそばに、いま、いないの?』
[うつむけていた顔を上げ、無邪気に首を傾げた]
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[注射器が刺さる。
痛い、痛い、痛い、痛い
キモチイイ]
ああ……、そう、もっと、 もっと、わたくしを、“しあわせ”に、して?
まだ、足りない、足りない、足りない、足りない、
[痛みを。 生きている証である、痛みを。 存在している事の証明である、痛みを]
(46) 2010/11/03(Wed) 01時頃
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欲しい、欲しい、欲しい、
それ……、もっと、欲しい、
もっと、わたくしを、“しあわせ”に、して?
[ケイト女史に1歩、また1歩と近づいて行く]
(47) 2010/11/03(Wed) 01時頃
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なっ…
[言葉を失う。]
お黙り!!私は、ずっと、あの子を生き返らせる為だけに研究してきたんだ!あの子を生き返らせる以外、私に幸せなんてないんだよ!
[癇癪を起こして、少年を突き飛ばそうとする。]
[突き飛ばそうと伸ばした手 突き抜けて怯えたような顔をした少年はそのまま霧散する]
テメェが幸せなら。
テメェの子供の気持ちはどうでもいいんだよなァ。
そりゃ生き返るはずもねーし、
お迎えもこねーわ
[膝を抱えたままの少年が、暗い瞳で女を見上げ、くつくつと哂った]
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[視線はヴェスパタイン博士。 身体はケイト女史。 おかしな方向に歪んだ身体は、震えながら、乞う。
痛みを、死を、
それらは自分が与えるもので、 自分が他者へ与えるもの。
手を伸ばし、 視線を這わせ、
乞う]
(48) 2010/11/03(Wed) 01時頃
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―廊下―
[そこは、既に狂乱の渦の只中にあった。
皆が互いに傷付けあって、誰のものとも判然としない鮮血がそこかしこに飛び散っている]
適合者のマネするのなんて、あたしだけだと思ってたのにね。
[それぞれに経緯はあるのだろうが、結果として皆が適合者のごとく、殺戮に走ったかのような有り様だ]
あれ……そういえばあたしを唆したあいつ。
どこ行ったのかしら?
[結局名前もわからなかった青年の姿は、目の前で争っている中にはないようだった]
―回想 廊下―
……うぜぇ、んだよ、その汚ぇ手を離しやがれ。
[耳元の低い声に肌が粟立つような気色悪さを覚える。
剣呑な視線で捉えた相手の顔は、歪に引きつっていた。
オカマの腹に膝を叩き付けると同時、
首筋でもう一度、ぷつりと微かな衝撃があった。
裂傷は一度目より深く、赤色が溢れる]
いっつ……
[頭がぐらつくのは多分、まだ失血の所為ではない。
押さえる腕が解かれた隙に距離を取ろうと踵を返し、
壁に手をついた所で背中に衝撃を受けた]
Twinkle...
Twinkle...
Little star...
[静かに口ずさみながら、見守るように。]
―回想 空き研究室―
[体当たりして来た男もろとも、床に転がり落ちる。
狂った平衡感覚でも立ち上がろうと宙を掻いた腕が、
どさりと床に縫い止められた]
誰、がっ
[相手の脇腹からも出血が見止められた。
それも少量ではない、じわじわと衣服に広がっている。
手負いのオカマ相手ならまだ逃げられる筈だと。
もがけば踏み付ける足に体重が掛けられ、
みしりと腕が軋んだ。
――コイツどういう腕力してやがる。
思うが早いか、刃が降って来る]
しあわせ……か。
[化物のような姿の少女の言葉に、少しだけ寂しげな顔で目を細める。
存在しないはずの心臓がずきりと痛んだ]
[ざくりと突き立つナイフはそのまま、
引き抜かれずに――ぎちりと捻られた]
が……っは、ぁ、ぐぅッ
[がくんと身体が跳ねる。歯を食い縛って、声は、耐えた。
相手の顔を睨み上げる事も止めない。
抵抗心を失わないこちらの様に嗜虐心を露わに、
次に男が取り出すのは針と呼ぶには長大なピック。
反応を愉しむように、キキ、と浅く皮膚を引っ掻いて、
それが肩の傷口を更に抉った]
ぎ、ぃッ ぁあああ!!!
[組み敷いた下で、絶叫し暴れる玩具を見下ろす眼は、
酷く陶然として。
両手の刃物と針が交互に、同時に、何度も何度も、
血肉を削り落とす]
ああああッ、クソっ、この……っの野郎、
――は、ッ!
[幾度目か。
振り上げられた切先に一瞬向けた視線は、
それはもう、本能的な恐怖だ。
目敏くその陰を見出した男の表情がぱぁっと輝いた]
……止めッぐっあッああああああ――――!!
[苦痛は終わらないような気さえした。
切り裂かれる灼熱感に寒気が取って代わり、
聞き取れる言葉も曖昧になって行った。
――ひゅぅ
ごり、と肋骨を擦るナイフに声は上がらない。
背筋はかくりと震えるような反応を残した]
――、…………
[黒の両目はもう霞んで役に立たない筈、それでも。
獰猛な獣のように、
今にも敵の喉笛を食い千切らんばかりに、
小さく光る殺意の先端を、
血に狂い切った鮮烈な笑顔を、
確かに捉えたのだ]
[ ―――― 殺してやるッ !!! ]
[ ドスン**]
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[ケイト女史の顔を、覗き込むように、ぐるりと首を回しつつ、近づく]
わたくしが、こわい、の……?
[後ずさっていくその姿に、さみしそうに、呟く。 近づく事は好意。 遠ざかる事は悪意。 そう、単純に――あながち間違ってもいないが――とらえる。 父への厭味を、厭味として受け取れなかったあの頃と同じ、単純さ]
(53) 2010/11/03(Wed) 01時半頃
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さみしい、さみしい、さみしい、さみしい、さみしい、
ねえ……、お母様。
わたくしを、殺《愛》して、
[混乱。
すべての女を母と認識し、 存在する事のなかった母親に想いを馳せる。
そして目の前にいるこの人を、母と誤認し、
愛を、乞う]
(54) 2010/11/03(Wed) 01時半頃
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―現在―
……――
[意識は永遠に闇に呑まれるかと思いきや。
笑い狂う連中を遠目に眺めている自分に気が付いた]
……何だ、こりゃあ
[くしゃりと顔を顰める。
散々自分を甚振り尽くした変態野郎が、
本人の目玉を手に高笑いを上げている。
心の底から気持ち悪い、と思った]
――っ!?
[少年は霧散し、勢いを殺しきれず、その場でたたらを踏む]
今のは…なんだったんだい…
[呆然と呟きつつも、プリシラの声が聞こえると、そちらに振り向き]
あんたに何が分かる。あの子だって一緒に居たいと思ってるに決まってるだろう。
[盲信。疑問が沸く度に押さえつけてきた言葉を呟くと、ここには用はないと。ケイトの研究室を後にした。**]
さー?
しらねェよ。
[幼少期の自分が現れるのが何故かなんて、自分でもわからないことに答えようがなかった。]
………しらねぇよ。しりたくもねェ
[何が分かる。その言葉には、ただそれだけ呟いた**]
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