88 吸血鬼の城 殲滅篇
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―― 地下聖堂 ――
[ゆるりと瞼を開け、身を起こす。 見覚えのない天井が見えた。
濃密で甘い芳香が漂っている。 まるで夢の中にいるような心地でぼんやりと座り込み。 視線を彷徨わせて人がいる事に気づいた。]
―――…。
[アヴァロン伯とラルフの姿。 アヴァロン伯は灰になって散った事を思い出す。 ならきっとそういう事なのだろうと理解した。]
そう…私は死んだのね。
[そっと首筋を撫でる。 痛みも苦しみもない。 自分に手を掛けた彼は優しかったから、きっとそのおかげだと思った。]
(+0) 2012/05/02(Wed) 00時半頃
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病人 エリアスは、メモを貼った。
2012/05/02(Wed) 00時半頃
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魔女…。
[そう答える声に力はない。 私は人として死ねる、そう言った時のドナルドの反応を思い出す。 彼は心は人間のままにあった、そう感じた。 なら、目の前にいる彼女――アヴァロン伯もそうなのかもしれない。]
……魔女狩りのように貴女を狩り。 私はもうすでに魔女だったのかもしれません。
[保身の為に異端審問に突き出そうとした事実は消えない。 醜悪なのは吸血鬼であるアヴァロン伯よりもきっと。]
私は神の元には行けませんね……。
[悲しげにそう呟いた。 このまま朽ち果て、忘れ去れてしまうのだろう。 それも宿命なのだと受け入れるしかなかった。]
(+2) 2012/05/02(Wed) 00時半頃
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…貴女はとても綺麗な世界で生きてきたんですね。
[純粋に羨ましい、そう思う。 汚い世界を見たから綺麗事ばかりを述べる事など自分には出来ない。 彼女が悪いわけでも、自分が悪いわけでもなく。 ただ、生きてきた世界が。 見えていたモノが違っていただけ。
彼女のように綺麗な世界で生きていたい。 もう死んでしまった自分には叶わない願い。]
…まだ、死にたくなかった。
[小さく呟く。 人として死ねる幸せ、それは紛れもなく本音ではあったけど。 本当は生きていたかったのだと、はっきりと悟った**]
(+4) 2012/05/02(Wed) 01時頃
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/* 眷属になるお誘いが。 誰とも縁故結ばなかったし吸血鬼になる事は多分ないんだろうなーとか思ってました。 PL的には美味しい。 エピで吸血鬼になるロール回せるし。 しかしエリアス的にはどうなんだろう。 ドナルドに人間として死ねるとかどうとか言ったくせにという。 …どうしましょうかね、欲望に忠実に行くべきでしょうか。
(-32) 2012/05/02(Wed) 13時頃
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……え…貴女のように?
[アヴァロン伯の言葉(>>+5)に視線が揺れる。
人として死ねたのは幸せな事――本当に? 目の前にいるアヴァロン伯は闇に堕ちても人と変わらぬ心を持っているように見える。
――私も同じように。
甘い考えが胸の内で渦巻いて離れない。 一度死にたくなかったのだと自覚した身では抗う事は難しい。]
本当に…まだ生きていてもいいの?
[縋るような瞳でアヴァロン伯を見つめる。 生きて。 魔女と謗られる事もなくひっそりと生きていければ。 それはなんて素敵な事だろうと思った。]
(+6) 2012/05/02(Wed) 13時半頃
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[諭すようなアヴァロン伯の言葉(>>+8)に逡巡するように俯く。
人であった頃と全く同じではない。 血を欲し、血を与えた親に従う。 それが辛い事なのかは分からない。
人でありたい。 死にたくない、生きていたい。
相反する願いが胸中を渦巻いて苦しい。]
…私は。
[保身の為に異端審問に突き出そうとした。 すでにこの心は魔女と同じであると、そう思う。 もう汚れているこの身ならば。]
それでも生きていたいと、そう願ってしまいます。
[罪深い願いに自嘲するようにそっと笑みを洩らした。]
(+10) 2012/05/02(Wed) 15時半頃
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[アヴァロン伯の手が頭に触れ、優しく撫でられているのが分かる。 涙腺が緩みそうになるのを堪える、素直に泣けない程には年をとっていたから。]
…過去を消す事など出来るのですか?
[過去は生きてきた証でもある。 それを消してしまうのもまた罪深いような気がして。 それでも全てを忘れて新たな生を歩む事が出来るのなら。 それはとても有難い事だと思った。]
(+12) 2012/05/02(Wed) 16時半頃
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[悪戯っぽい口調に吊られるように小さく笑い。]
魔女…そうだったんですか。 それならそれくらい簡単に出来ますね。 …ではお願いいたします。
[そう言うとそっと目を閉じる。 神への不敬を詫びるようにロザリオを手に取って口付け。 静かに祈りを捧げると、ロザリオを外して床へと置いた。 それは神への決別の意思の表れであった**]
(+14) 2012/05/02(Wed) 17時頃
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