17 吸血鬼の城
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[白薔薇の執事の謝罪に自分の失言に気づいた。 ふるりと首をふれば亜麻色が揺れる]
……気にしないで。
[ぽつと零されたのはぎこちない言葉。 如何してこんなに心が落ち着かないのか分からず 不安ばかりが色濃くあらわれる]
勿体無くなどないわ。 勿体無いのは………
[貴方をあの眷属に与えた事。 その言葉を紡げばまた余計に軋んでしまうから 女はそれを言わず曖昧な笑みを浮かべた。]
(193) 2010/06/22(Tue) 05時頃
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― 白薔薇香る広間 ―
[執事に促されるまま席につき器用な男の手元に見惚れる。 漂う香りにふっと表情が和らいだ]
今日はミルクで頂きましょう。 セシルのおすすめ、なのでしょう?
[緩く首を傾げ強請る仕草は 白の葡萄酒を強請ったあの時にも似て]
――…如何して、そんな事を聞くの?
[問われた事にぴく、と指が小さく跳ねた。 そんなにうろたえていたのだろうか。 心乱したその時の事を思い出せば また、ツキリと胸が痛んで 不安げな表情を隠せぬまま焦がれる天国の青を見詰めた**]
(194) 2010/06/22(Tue) 05時頃
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水商売 ローズマリーは、靴磨き トニーに話の続きを促した。
2010/06/22(Tue) 05時頃
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[白薔薇の芳香に加え広間には紅茶の香りが漂う。 花にも似た甘い香りは好ましいもの。 茶器の縁に浮かび上がるゴールデンリングが 微かな振動に揺らいでみえる。 和らいだセシルの眼差しに僅かに過ぎるは安堵]
――…セシルと同じが良いの。
[そのままで、と紡ぐ執事に緩く首を振り]
ミルクはどれくらい入れれば美味しいの?
[訊ねて彼と同じ飲み方を希望する。 同じものを口にしても同じ事を感じられるとは限らない。 彼と自分の違いを感じながらも同じを望んで――]
(220) 2010/06/22(Tue) 14時頃
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[天国の青を見詰めながら想うのは
そのままであって欲しいという願いと 自分と同じであって欲しいという希求。
相反する心に気付き視線を落した]
嗚呼……、 貴方には情けない所ばかりみせているわね。 案じて呉れてありがとう。 ――…少し、苦しかっただけなの。
[何がとは言わず、 視線を戻した先にある彼の笑みに瞬き一つ。 女はこの人の微笑みが好きだった。 失いたくないのだと自覚すればまたツキリと胸が痛む]
(221) 2010/06/22(Tue) 14時半頃
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水商売 ローズマリーは、墓荒らし へクターに話の続きを促した。
2010/06/22(Tue) 14時半頃
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城主さまーーーっ 赤レス遅くてごめんなさい。 気配に気付こうかどうか。 気付かれたくないって事はないと信じて動くかなぁ。
(-80) 2010/06/22(Tue) 14時半頃
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愛しいお兄様……。
[城主の聲に返すのは何時もと同じ言葉。 蒼空と紡がれれば思考は其方に向かう]
留めておきたい。けれど彼は逃げなかった。
[これからも逃げずにいてくれるだろうかという期待と 離れていってしまうかもしれないという不安が交錯する]
………これが、執着?
[全ては執着ゆえのことだろうか。 兄が言うならそうなのかもしれない。 女から反論の聲はあがらなかった]
(*45) 2010/06/22(Tue) 15時頃
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[不意に滲む気配に女の睫毛が微かに震えた]
(*46) 2010/06/22(Tue) 15時頃
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[霧に混ざる気配はいくら薄かろうと間違うはずのない。 女に計り知れぬ影響を与え この城で誰よりも圧倒的な力を持つ者。 その気配を察し、女の睫毛が微かに震える。
ゆるく視線をめぐらせれば 広間の片隅に佇む兄の姿が翡翠に映りこむ]
お兄様……?
[呼び掛ける声は何処か不思議そうな音色]
(226) 2010/06/22(Tue) 15時頃
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[新たな眷属の立てた音>>225が鼓膜を震わす。 す、と細まる眸は僅かに愉しげな色を湛え]
――…サイラス。 お兄様の命をしかと成し遂げて
お兄様が喜んで下さるように――…
[囀る聲には常と同じ甘い響き]
(*47) 2010/06/22(Tue) 15時頃
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あー…、幽界あればユリシーと話せたか。 墓下一人は寂しいよね。
(-85) 2010/06/22(Tue) 15時半頃
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[新たに迎え入れた眷属の小さな返事]
――…そう。 いいこね、サイラス。
[愉悦の滲む聲には くすくすと愉しげな音が混じった]
(*52) 2010/06/22(Tue) 15時半頃
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[心酔する城主の言葉に異論を唱えることはない。 生ずる感情の名さえ女には思い出せていないのだから]
愛しい……
[兄の言葉を繰り返せばまたツキンと痛みがはしる]
――…嗚呼。
[切ない吐息を聲にのせ女は心を揺らす]
(*53) 2010/06/22(Tue) 15時半頃
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[――私の、と。 城主にそう呼ばれる事は女にとって当然の事。 サイモンに呼ばれた時とは違い取り乱す事などない]
お兄様……?
[逸脱とは何をさしているのだろう。 女は不思議そうに首を傾げ薄い笑みを刷く兄を見詰める。 薔薇達、と兄は言う。 其れは私を含めての事だろう]
私は――… お兄様から逃れようなんて思わないのに。
(231) 2010/06/22(Tue) 15時半頃
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お兄様……
[兄の言葉の先が気に掛かる。 何を思うのか女には分からない]
私はお兄様の傍に居ても良いのですよね……?
[いつか訊ねた問い掛けを向けるのは 在りし日の記憶がないから。 確認することで此処に居るという返事に代えた]
――…失礼とは思わないけれど お客様の目には毒かもしれませんね。
[強すぎるその色香は人間の身には毒ともなろう]
(239) 2010/06/22(Tue) 16時頃
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――…行ってらっしゃいませ、お兄様。
私は……大丈夫ですから……。 ちゃんと大人しくお兄様のお帰りをお待ちしています。 だから、如何かごゆるりと……
[柔らかな微笑を城主へと向けて静々と頭を下げた]
(240) 2010/06/22(Tue) 16時頃
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あ、pt増えてる……? これはメアリーちゃんよね。 いつもありがとう。
(-89) 2010/06/22(Tue) 16時半頃
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[ゆるゆると顔を上げた。 妹の目にさえ今の兄の姿は婀娜なるものを感じさせる。 トクリと跳ねる鼓動。 けれど甘やかすような兄のその調べに満ちるのは安堵]
――…はい、お兄様。
[人ならざる者となり 記憶も失った女には他に身を寄せる場所など無く。 同胞である兄の傍以外に自分の場所は無いのだと思い 彼に対してのみ己が居場所を求める]
(258) 2010/06/22(Tue) 17時頃
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[城主の気配が霧に紛れ遠ざかる。 セシルへと向き直れば城主の命を受け辞すところ。 何の用意なのかと問う事はせず]
――…ええ。 何かあったら貴方を呼ぶわ。
……いってらっしゃい。
[見送る言葉のみを向ける。 執事たる男の姿が見えなくなれば 白く濁る紅茶へと視線を落した]
嗚呼、似合うと言って貰えたのに ありがとうも言えなかったわ。
[仮令お世辞であったとしても 立場からの言葉であったとしても嬉しかったのに。 そっと口に含んだ紅茶は優しく甘く―― 淹れてくれたその人を想わせる**]
(261) 2010/06/22(Tue) 17時頃
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兄との出逢いは書きたいなぁとは思いつつ まだ朧にしか浮かんでないのでした。
長くは生きられないと言われていたローズが 宴に招待されて……? いや白薔薇の園でも絵になるかなぁ。 兄は憐れんで力を与えてくれたのかなーとそんな妄想。
(-93) 2010/06/22(Tue) 17時半頃
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― 広間 ―
[――カタ、と茶器が置かれる。 器の中身は既に飲み干され空となっていた。 影から何かが女に伝わる。 女の表情がふ、と曇った]
――…お兄様が其方にいらっしゃるなら 私が行かずとも問題はないでしょう。
荒事は――…苦手だわ。
[女の呟きに偽りはない。 女の身体能力は客人の女性と殆ど変わらない。 兄にも執事にも大丈夫といってみせたのは けれどそれを補う余りある魔力の存在と 無闇に危険には近付かぬように心掛けていたから]
(330) 2010/06/22(Tue) 22時頃
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――…お兄様はお優しい。
[遠く囀る聲に他意はなく ただ女の思った儘が紡がれている]
(*58) 2010/06/22(Tue) 22時頃
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――…喰らってしまいなさい。 咽喉が渇いて仕方ないのでしょう? 血が、欲しいのでしょう?
お兄様に刃向かう者には死を――…
当然の事でしょう……?
[新たな眷属となった男に甘く囁き誘う]
(*59) 2010/06/22(Tue) 22時頃
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――…問題ありませんよね、お兄様?
[緩く首を傾げ問う仕草。 女はこの城主のために在り 女はこの城主のために動くのが当然と思っている。 兄の聲に微かな安堵を過らせ]
手が足りぬ時は私もお使い下さい。 私は、お兄様のために在るのですから……。
(*62) 2010/06/22(Tue) 22時半頃
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サイラスの部屋大人気だな。 さて、私は何処にいこうか。
(-112) 2010/06/22(Tue) 22時半頃
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――…良かった。
滅多に見れぬ見世物……? それは、愉しそうね。
お兄様が呼んで下さるのなら 私は何処にでも参りましょう。
(*65) 2010/06/22(Tue) 22時半頃
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[女は静かに立ち上がる。 影に茶器を片付けるよう指示を出し 白いドレスの裾を翻した]
――…私も参りましょう。 お兄様の許へ……。
[その姿はす、と闇に溶けて――。 次の瞬間には城主の居る部屋の窓辺。 兄の傍に控えるように佇む]
(368) 2010/06/22(Tue) 22時半頃
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[この十二年――。 目覚めた頃よりこれまで同胞となった者を女は知らない。
だから、新たな眷属として迎えた者に 多少なりとも興味を覚えていた。
血の濃さは違えど同じ血が流れている。 淡い微笑を浮かべ血を流す眷族を見詰めた]
(371) 2010/06/22(Tue) 22時半頃
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――…そう。 困ったものね……。
お兄様と私以外に、心乱されるなんて……
[サイラスを見ていた翡翠が城主へと向けられる。 見上げた眸には城主の貌だけが映り込んだ]
(*67) 2010/06/22(Tue) 23時頃
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――…お兄様。 そんな貌なさらないで。
[常とは少しばかり違う城主の表情に 女は心配そうな声をあげた。 たおやかな指先が城主の端整な頬を撫でる]
(386) 2010/06/22(Tue) 23時頃
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――…其れは貴方にとって其れは“毒”よ。
[魔性の血を取り込んだ狩人に紡ぐ女の声は哀しげ。 つい先ほどまでは敵視したというのに――]
……………。
[慈悲を、と狩人の男は言う。 女は僅かに柳眉を寄せてその男を見た]
(394) 2010/06/22(Tue) 23時頃
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