158 雪の夜に
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サイモン! 今日がお前の命日だ!
2013/12/22(Sun) 01時頃
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― 集会場 ―
[男に如何を尋ねても、彼はまともな言葉も口にしないまま立ち去ってしまいました。 やがて集会場は一時の眠りから覚め、男が立ち寄ったことすらなかったかのように、会場の空気は流れていきます。 宴の夜、そして冬の夜は長いのだから……。]
(0) 2013/12/22(Sun) 01時頃
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お使い ハナは、メモを貼った。
2013/12/22(Sun) 01時半頃
お使い ハナは、メモを貼った。
2013/12/22(Sun) 21時半頃
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― 早朝 朝凪亭裏口 ―
[身体3分の1ほどもある桶をもって、少女は井戸と宿とを往復していました。 歯を食いしばり、口をへの字に曲げて、小さな身体で踏ん張って。 冷たくかじかんで固まった手のひらが、朱色を肌に散らしています。]
[引きずるようなその姿も、少女にとっては毎朝の出来事でした。 まだまだ小さな女の子ですが、人を遊ばせておく余裕はありません。 朝はこうして水を運び、お昼に自由な時間があって、夜にはまたお手伝いです。 子どもに対する女将さんなりの配慮なのかもしれません。
もっとも。
スープを焦がしつけるような……仕込みを満足に手伝えないハナだけかもしれませんが。]
[裏口にその姿を見つけ、ハナは思わず桶の中身をぶち撒けてしまいました。]
(82) 2013/12/22(Sun) 21時半頃
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ハナは、比喩なしに跳び上がって、視線から逃げるように落とした井戸桶を手にとりました。
2013/12/22(Sun) 22時頃
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[井戸桶と男の姿を見比べて、少女は大きく頷きました。 表情に現れているのは確かな決心。 なるほど、彼女にとっては大変勇気のいることだったようです。
中身を失って軽くなった井戸桶を抱えて小走りに。 ハナはヒューを大きく迂回して扉に取り付き蹴開けると、目前にある男の姿に今更驚いて、一歩二歩三歩と後じさりして、こけました。]
(86) 2013/12/22(Sun) 22時頃
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[薄く積もった雪のお陰で、少女は無駄な負傷を作らずに済んだようです。 ごろごろと桶を抱えたまま二度三度転がって立ち上がると、付着した雪が身体から滑り落ちていきました。 遠巻きに、女将さんと男のやりとりを見つめます。]
(94) 2013/12/22(Sun) 22時半頃
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ハナは、呆けていたことに気づいて、慌ててへたくそな口笛を吹いて踵を返そうと
2013/12/22(Sun) 23時半頃
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ご、ごめんなさいっ!
[いったい何に謝ったのか…… 今度こそ少女は踵を返し、井戸桶を抱えて走っていきました。]
(113) 2013/12/22(Sun) 23時半頃
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[息を切らし井戸の近くまで来ると、口さがない人々のうわさ話がハナにも聞こえてきます。
『聞いた? サイモンさんのこと』 『何かうらみでも買ってたんだろうか、こわいねえ』 『あの人はおかしいって思ってたんだよ』 『うえのひとは人狼じゃないかって思ってるみたいだよ』 『えーっ』 『自警団の連中が慌ててたから、そのうち通達があるんじゃないかしら』 『いやだいやだ、想像したくもないよ』
ハナは鼻をすすると、言葉もなしにつるべを落としました。]
(116) 2013/12/23(Mon) 00時頃
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おわったよ、おかみさん
[仕事を済ませて、少女が戻ってきました。 いつもなら無駄なほどに溌剌と報告するはずなのに、なんだか元気がありません。 雪が少し積もっているのに加え、先に水をこぼした井戸桶を抱えていたせいか、ハナの衣服はいくらか濡れていました。]
(118) 2013/12/23(Mon) 00時半頃
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うん……
[セレストと女将さんに気のない返事をして、そのまま少しの間うつむきます。 やがて意を決したかのように顔を上げました。]
みんなが、じんろうが出たっていってたよ。 外に出られなくなるっていってた。 ねえ、どうなっちゃうの?
(126) 2013/12/23(Mon) 00時半頃
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そっかあ……
[言外に他人事を伝えるような二人の言葉にも、ハナはなんだか浮かない顔でした。 つぶやくように、続けます。]
つかまったら、どうなるのかなあ。 おとぎ話みたいに、つられちゃうのかなあ。
[広場にある絞首台も、今は昔。 誰にも手入れされぬまま雪の積もるまま、たまに子どもを怖がらせるネタにされるくらいのものです。
けれどそんなハナの表情も、セレストが続けた言葉にすぐに吹き飛ばされてしまいました。]
ほんとう!? やったあ!
じゃあねじゃあね、ううん うううううううん。 パンプキンパイがいいな!
(135) 2013/12/23(Mon) 01時頃
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たららたらららー♪ ごはん、ごはん、ごはんのあとはーパンプキンパイ アイとユーとイーはあるけれど〜エーもオーもなーいパンプキンパイいいいん
あ、おはよ。
たららたらららー♪
[漸く起き出してきたホレーショーにおざなりな挨拶をして母に叱られながら、そんなこともどこふく風。 ハナは奥へと着替えに行きました**]
(145) 2013/12/23(Mon) 01時半頃
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お使い ハナは、メモを貼った。
2013/12/23(Mon) 01時半頃
お使い ハナは、メモを貼った。
2013/12/23(Mon) 21時半頃
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― 宿屋「朝凪亭」周辺 ―
こっちがー、おかーさんのでー こっちがー、おとーさんの。
[木彫の人形とボロ布で出来た人形の前に、なんだかよくわからないものが置かれます。 かまどに忍び込んで作っていたものです。 女将さんが他の仕事にかまけている間にこっそりと。]
(187) 2013/12/23(Mon) 22時頃
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よくできたねえ そうだよ〜ハナもーお料理できるようになったんだあ
[言いながらままごとを続けるハナには、どこかあこがれというものがあるのでしょう。 やがて物々しい格好をした男たちが、宿のほうへと入って行きました。 その様子を見て、大人たちが噂します。
『しばらくのあいだ、町は閉鎖するんだってさ』 『えーっ。こまるよそりゃ』 『人狼をみつけたら報告にくるようにっていうけど』 『そんなのだれだかわかりっこないよ』 『じゃあそれってこっそり告げ口しても』 『ま、悪いこと考えるわねえ』
ころころと下世話に嗤うかれらも、子どもの視線に気がついてかバツの悪そうに解散していきます。 ハナは、何事もなかったかのようにままごとを続けました。]
(188) 2013/12/23(Mon) 22時頃
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[>>201 黒衣の女性の視線に気が付き、ハナは顔を上げました。 彼女の姿をどこで見たのか、少女は小首を傾げたようですが、すぐに悩むのをやめてしまいます。]
おねーさん? いっしょにやる?
[人形を持った片手は、雪の寒さでかじかんで赤く染まっています。]
(208) 2013/12/23(Mon) 23時半頃
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うん! かぞくごっこしてた! こっちがねー、おとーさんで、こっちがねーおかーさん! おかみさんはねー、まだできてないの。 おとーさんはね、りっぱな人だったっておかーさんがいってた!
[木彫と、ボロ布の人形をそれぞれ持ち上げて、彼女は楽しそうに説明します。 話の内容が飛び飛びなのはご愛嬌ですが、父親に関することは伝聞の、それも過去形であることに気がついたでしょうか。]
おねーさんはおかみさんやる? いもうとやる?
(215) 2013/12/23(Mon) 23時半頃
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あー! おかえり!
[ぽぽいと先に家族と称した人形を放り出して、赤い男を出迎えます。現金なもので、頼んだ相手も変わっていることに手を伸ばしてから気が付きます。]
あれ? おみやげはセレストのねーちゃんじゃなかったか? にーちゃんは、お使いか?
あっ!
[びゅう と、冷たい風が通り抜けました。 舞い落ちる雪を巻き込むように、黒い帽子が高く浮かび上がります。 少女は目を見開いて、その様子を見送りました。]
(226) 2013/12/24(Tue) 00時頃
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[貴婦人の言葉に、少女は無念げに嘆息します。]
そっかー。 じゃあまた今度ね?
爺ちゃんも、またな!
[立ち去る老人も快活に見送って、ようやっとパイを受け取りました。]
うん、ありがと! よくできたねえ、いいこいいこしたげよっか?
[しっかとちいさなちいさな手のひらにまさるパイを受け取って、少女は漸く、貴婦人の様子がおかしいことに気が付きました。]
ねーちゃん、寒いの?
(236) 2013/12/24(Tue) 00時半頃
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そう? ごきげんよう! はじめてきいた!
[特徴的なご挨拶に目を瞬かせて、少女は貴婦人を見送ります。 その姿は儚げで、雪に溶けていくかのようでした。 余韻に浸ることもなく、赤い男に向き直ります。]
そうか? いいこいいこされたらうれしいけどなー?
おとーさんはね。 しゅのみもとにいるんだよ? ちょっと忙しいけど、イエスさまといっしょによみがえるっていってた!
[教会で聞いたことをそのまま受け売りしているのでしょう。 少女の言葉には、どこか軽い響きがありました。]
(242) 2013/12/24(Tue) 00時半頃
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/* 村側じゃなかったんですか!(笑)
(-54) 2013/12/24(Tue) 01時頃
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[赤い男に抱えられて、少女は目を白黒とさせました。 父親にあってみたいかと問われたなら、邪気のない顔をして頷きます。]
うん! おかーさんも寂しがってるしね! ひとこといってやらなきゃなんない!
(251) 2013/12/24(Tue) 01時頃
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