158 雪の夜に
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[傍で聞こえていた男の声が途切れる。>>4:125 ふと、ヒューの方を見たのと どさりと男の体が雪の中に倒れたのは同時だった。
辺りが、またどよめく。 倒れたヒューを診療所へと運ぶ為に人々が動いた。 ハナもまた、連れていかれる。
女はどこか、夢でも見ているかのように呆けて その一部始終をただただ見つめていた。
人狼の子供が連れていかれると人々はその場から捌けていく。 これで騒ぎは終わりか。 子供が一夜に2人も襲えるものか、 他に仲間がいるのではないか。 ざわざわ、ざわざわと新たな噂話を潜めきあいながら。]
(0) 2013/12/28(Sat) 01時頃
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[男は、ヒューは人狼と、ハナと話そうとしていた。 少女を、人狼を庇おうとしていた。 ヒューは悪くない。 ならどうして、こうなってしまったのだろうか。]
―――…、
[呆けていたら、>>4 肩を揺すられた。 ぼんやりと瞬いてヤニクの顔を見上げる。 痛み、それには首を横に振った。 もしかしたら少女の抵抗による傷があったのかもしれないけれど、きっとそう深いものではない。
何が悪かったのか。 少女はどうしてあんな仕打ちを受けてしまった、 ヒューが運ばれるのが遅くなったのは誰のせいだ。 群衆に気付くように、大きな声をあげたのは]
……あたしのせいだ…。
[片手で顔を覆って呟いて。]
(5) 2013/12/28(Sat) 01時半頃
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[それから、ゆっくりと立ち上がる。 自分の姿を見下ろして]
…にいさんの上着まで汚しちまった。
[洗って、どうにかなるだろうか。 呟いてから視線は診療所へ向けられる。]
(6) 2013/12/28(Sat) 01時半頃
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……そうさね。 悪いね、にいさん。 もうちょい借りとくよ…。
[ヤニクに、肯定の返事を返す。 ハナは診療所ではなく自警団に連れて行かれたのだろう。]
…あの子、どうなっちまうんだろう…。
[おざなりな処刑台がこの町にはある。 自警団は、小さな子供にどのような判断を下すのか。]
――…どうすりゃ、よかったんだろうね…。
(8) 2013/12/28(Sat) 02時頃
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……そうだろうか。 …いや、そうなのかもね。
[ヤニクの言葉を一度否定し、それから、肯定する。 一度頭を冷やした方がいいのは女の方なのだろう。 ゆっくりと息をついて、ヤニクの方を見る。 >>11 微笑まれると、 少しぎょっとしたように目を丸くした。]
…にいさん、よく笑ってられるね…。
[流石に女もそこまで早くは切り替えられない。 少女が、友達が、連れて行かれた後だというのに。]
(12) 2013/12/28(Sat) 02時半頃
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――……、
[温度の異なる唇の笑みと青鉄の瞳。 それを見つめて――…女はゆっくりと瞬いた。]
あたしは…、 にいさんを薄情だなんて思いたくないけれどね。
…これの礼もあるし、
[汚れた、赤い外套を広げて]
さっきまでのにいさんを見て…、 薄情だとは、思えないさ。
[緩く、息をつく。]
(16) 2013/12/28(Sat) 02時半頃
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―――…薄情なのは、あたしの方だ。
(-8) 2013/12/28(Sat) 02時半頃
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[ヤニクが、喪服姿の女性に話しかける。 自分が見られていたなんて女は気付かない。 少しの間、喪服の女性が話すのを待って、 苦笑いを零す男を見る。視線を雪へと落とす。 点々と赤い華が雪の上へと散っている。]
……ヤニクはこのまま宿に戻るかい?
[腹が空いたと言っていたから、そう訊いて]
(19) 2013/12/28(Sat) 02時半頃
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そうか。 …なら、宿のことはにいさんに頼んでいいかね。
あたしは…、 ちょいと自警団に行ってくるよ。
[診療所ではなく、 ハナの連れていかれた自警団のある方角を見て]
…今更、 あたしなんかが行ってどうすんだって話だけど。
(20) 2013/12/28(Sat) 03時頃
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[泥棒よけ、その言葉に女は騒動の後 初めて瞳を細めて微かに笑ってみせ]
充分にお役立ちさね。
[向けられる忠告、そうだろうとは思う。 それがなくとも、女は自警団に捕えられて 素性を調べられてしまえば少々困ることになる。 ―――××××の、子供。]
…そうだね…でも、 あの子が処刑されちまうかもしれないのを、 黙って見ておくってのもね…、
[人を殺した子供だ、それもわかっている。]
(26) 2013/12/28(Sat) 03時半頃
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…何をすべきなのかもわかんないよ。 わかんない、わかんないから…、 それを考える為に、動くしかないのさ…。
[それももう遅い事なのかもしれない。 ヤニクへと力ない苦笑を浮かべて]
…ヤニク、 やっぱりあたしにはあんたが薄情には見えないね。 色男に騙されちまってるだけかもしれないけどさ。
それじゃ、行ってくるよ。 宿に戻る前ににいさんも診療所に寄った方がいい。
[傷だらけだ、とそう言って。 小さく手を振る。女は自警団へと向かった。**]
(27) 2013/12/28(Sat) 03時半頃
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/* んんん、読めてない。 役職もだけれど展開も読めてない。
パピと2人で逃げるつもりなのか、 それともパピが囮で捕まるつもりなのか、 わからないので委任でぽち、逃げちまうといいんだよ!
(-11) 2013/12/28(Sat) 03時半頃
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/* あっ、 委任するんで、 あたしのことは処刑か襲撃にして欲しい…。 これで無傷で残るのはただの生き地獄。
と言ってると残るフラグが建つんですね…。
(-12) 2013/12/28(Sat) 03時半頃
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/* 霊能の仕事、しなくてすみません**
(-13) 2013/12/28(Sat) 03時半頃
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―自警団― [女はヤニクと別れた後自警団へと訪れていた。 捕まったダーラとティモシーは調べの結果、 人狼ではないだろうと結論付けられたようだ。 それに人狼は、捕えられた。
けれども…、そう言葉を区切って女に話をしていた 新米の自警団員は難しい顔になる。
噛み痕が、合わないのだという。 ハナが襲ったのであろう少女の母親の傷と、 はじめに襲われた、サイモンという男の傷が。]
……それってどういうことだ。 …人狼が…まだ他にいるって言いたいのか。
[そう決まったわけではない。 けれども。可能性が消えたわけでもない。 話をしすぎたと新米団員は女を追い返そうとする。]
(34) 2013/12/28(Sat) 19時半頃
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なあ!ハナは… あの子は、どうなっちまうんだ。
[女の問いに、団員はもう答えようとしなかった。]
(35) 2013/12/28(Sat) 19時半頃
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…処刑されちまうのか? それはなんとか、避けられないだろうか。
だって、 あの子はまだ小さいんだ…。 それに、母親だって亡くしちまった。 これ以上の仕打ちを与えなくたって…いいじゃないか。 もう捕まえたんだから…誰も襲えやしないんだろう?
[女の言葉に、団員の顔が険しくなる。 人が死んだんだ!怪我人も出ている!団員が声をあげた。]
人を死なせちまった過ちってのは、 死をもって償わないと赦されないものなのか!?
[女も声を上げると、気付いた他の団員達が数人寄ってくる。]
(36) 2013/12/28(Sat) 19時半頃
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[あの子供を押さえていたのはお前だろう。 他の自警団員が女に言い放つ。 ハナが捕えられたのは、女が逃がさなかったからだと。]
…それは…、
[女は、言いごもる。 だって、違う。あの時はただ、 ハナにこれ以上誰も傷つけて欲しくなかった、 いや、それも違う。あの時はただ、 目の前にいたあの友人を殺されたくなかった。 だからヒューの言葉にも、ヤニクの言葉にも耳を貸さず 自分の大事なものだけを考えて、少女を押さえつけた。
少女を、自警団に差出したのは誰か。 取り押さえられる。これ以上少女を庇うようならば、 人狼の仲間と見做して捕えると警告されて、
女は自警団から追い出された。]
(37) 2013/12/28(Sat) 19時半頃
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セレストは、自警団に追い出される前か、後か、黒い喪服の女性の姿を見た。*
2013/12/28(Sat) 19時半頃
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[黒服の女性とは何か話はあっただろうか。 来た道を戻り赤い華が点々と残る雪の上を歩いて宿へと向かう。
『人殺しの子供』
そんな言葉が聞こえてきて、足を止めた。 誰かと誰かの会話、恐らくハナのことだ。 ゆっくりと息を吐いてからまた歩き出す。
―――…人殺しの子供。
思いだすのは墓石にもならない記憶の石だ。 名も知らない母親の、唯一の記憶。 セレストの母親は、人殺しだった。]
(39) 2013/12/28(Sat) 23時頃
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[誰を、どうして殺したのかは知らない、 父親は何も話さなかった。 ただその石の扱いと冷たい父の横顔を見て、 恐らく母は人を殺した結果処刑されたのだということと、 父は母をもう愛していないということはわかった。
父親の事を冷たい、とは思わなかった。 その時少女だった女にとっては、見たこともない母親よりも 生きている父親の方がずっと大事だったから。
けれど、 母親のことを知ってから、ふと、たまに考える。 母は本当に死ななければならない程の罪を犯したのか。 何か別の、償い方はなかったのか。]
(40) 2013/12/28(Sat) 23時頃
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[途中、坂道で立ちつくしたソフィアを見つけると 温かくしてから診療所へ向かうようにと告げた。]
…奥の方だよ。
[ホレーショーの運ばれた病室のことだ。 それと、ティモシーのことも伝えた。 自警団にいることと、彼の人狼の疑いは晴れたこと。 それから、 他に何か話しただろうか。
ソフィアとも別れて宿に戻る。 閑散とした酒場に暖炉が灯っていた。]
(42) 2013/12/28(Sat) 23時半頃
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にいさんか。 …寝てたのかい?風邪引いちまうよ。
手紙かい?
[暖炉の傍にいたのはヤニクだ。 テーブルの上には便箋のようなものだ。 訊いてから、借りっぱなしの外套を脱いだ。 暖炉でかわかすのではなく水に浸けに行く。 それから濡れた手を擦りながら暖炉の傍に戻ってきた。 手の先を暖炉にあてて温める。]
…自警団に行ってきた。 ダーラのねえさんはそろそろ釈放されそうだ。
(44) 2013/12/28(Sat) 23時半頃
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ま、ねえさんなら上手いこと持ち直すさ。 時間はかかるだろうけれどね。
…それ、誰に出すんだい?
[訊いてから、指先を丸める。 冷えきった指はなかなか温もりを取り戻さない。 幼い日の、父の手を思い出した。]
……自警団に行ったらさ。 なんか…傷が違うらしいんだ。 ハナの母親と、もう1人襲われた男と。
人狼、まだいるんじゃないかってさ。 そんな話、してたよ。
(47) 2013/12/29(Sun) 00時頃
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行商で故郷はないって聞いた気がしたからさ。 手紙、出す相手がいるんだって。
[悪戯っぽい笑みには、緩く首を傾ぐ。]
…なんだい? 勿体ぶるような相手なのかい?
[ヤニクの言葉に、そう、と短く返事をする。]
ねえさん達がまだ出てきてないのは、 その確認が済んでないからみたいだね。
[人狼が、まだ町に潜んでいるという確証がない。]
封鎖が解けるのもその後だろうさ。
[ゆっくりと、息を吐く。暖炉があってもやはり冬は寒い。 ふと、ヤニクの青鉄の瞳を見た。思い出すのは――――]
(49) 2013/12/29(Sun) 00時半頃
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……なあ。 にいさん、人狼なんじゃないのかい?
(50) 2013/12/29(Sun) 00時半頃
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…おやおや、 深くは詮索しない方がいいかね。 まあ、手紙を出せる相手がいるってのはいいもんだ。
[艶の乗った瞳に冷えた指先を仰ぐ素振りを見せて。 咽る、様子。ヤニクの姿に女は苦笑を見せた。]
突拍子もないかね。 まあ、そうか。 いいや…容疑者だからね。疑ってみたのさ。
[ちっとも温まらない指を組んで]
にいさんが人狼なら訊きたかったことが訊ける、 …とも思ったのさ。
――悪かったね、忘れてくれ。
(56) 2013/12/29(Sun) 00時半頃
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……忘れてくれって、言ったのに。
[椅子を、目で指される。 女は眉を下げると、示された通りに 斜め向かいの椅子を引いてそこに座った。 視線は、ヤニクへとは向かない。暗い床へと落ちる。]
(58) 2013/12/29(Sun) 01時頃
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…あたし達は…、 どうやっても、人狼のあんたの気持ちを わかってやることはできないのか…。
あたし達人間と…人狼は、 互いに傷つけあわず…、 共に暮らすことはできないのか。
[言葉は、ヤニクに向けられたものではない。 言葉の先には、小さな少女の姿があるのだろう。 呟いた後、床を見つめたまま長い長い溜息をついた。]
(59) 2013/12/29(Sun) 01時頃
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/* ああ、そうか。幽界トーク。
(-39) 2013/12/29(Sun) 01時頃
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――…家畜の肉じゃ、だめなのか? 満腹に食べさせても、 人間を食わないと生きていけないんだろうか。
[可能性はあるとヤニクは言う。 ハナに、人間を食べることをやめさせればいい。 自分が人狼だという自覚のなかった子供。]
もう、人間を食うのはやめて。 ――…やめて、一緒に暮らそう。
……もしもにいさんが人狼だったら、 …そう言われたら、どう思う?
(63) 2013/12/29(Sun) 01時半頃
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[人狼は人間ではなく獣だと、ヤニクは言う。 その言葉に違和感を感じるように眉を寄せる。 だって、ハナは言葉だって通じるし見た目だって。 あの爪と牙がなければ人の子供だったから。]
……体が弱くなっても。 死ぬよりは…マシじゃないか。
…死んだら、全部終わっちまう。
[ただの名もない石になる。 女の母親がそうなったように。
少女は、あの少女はどうだったのだろう。 あの自覚のない人狼はどうして人を襲ったのか。]
(66) 2013/12/29(Sun) 01時半頃
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[身を乗り出す気配がして、はっと顔をあげた。 女の瞳に、暖炉の灯に照らされた青鉄が映る。]
……試して…、駄目…だったのか……?
(67) 2013/12/29(Sun) 01時半頃
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――…、
[ヤニクの言葉に女は黙りこくった。 あの牙を見ても、爪を見ても、 女から見てハナは人の姿をした子供だった。 人の姿をした獣とは見られなかった。 人なのだから理性で制御できる筈だ、と、 その考えが頭から抜けきらない。]
(71) 2013/12/29(Sun) 02時頃
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[女がハナに肩入れする理由はなんだろう。 まだ小さい子供だから。そうだ。]
…違う。
[思ったことと違う言葉が口を突いて出た。 青鉄の瞳を見ていられなくなって、視線が落ちる。]
あの子が…、
…あの子が、 人殺し…だったから。
[ああ、と、小さく呻くような声が零れた。 両手で、顔を覆う。 どうしてこんなにも少女を助けたいと思ったのか。 違う、少女を助けたいわけではなかったのだ。]
…あたしは…、…最低だ。
(72) 2013/12/29(Sun) 02時頃
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[問いかけに、女は覆う手の隙間から旅人を見上げる。]
―――…、
[答えてはいけない。 素性を町の誰かに知られてしまえば、 船に乗っていられなくなるかもしれない。]
…名前も知らない…人殺しの女だ。
[罪を赦されずに、全てを奪われ処刑された石の姿。]
……あたしの…母親さ。
(77) 2013/12/29(Sun) 02時半頃
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…そりゃそうさ。 でも―――…
[きっと女は、証明をしたかったのだ。 死んだ母親が生きて赦される未来もあったのだと。 少女を助けることで、自分に納得させようとした。
旅人の言葉は謎掛けのようだ。 段々女の頭の中は混乱していく。
"もしも"の話だった筈なのに、 目の前の男が、本物の人狼に見える。]
―――…なんだい? 何かを明かしちまいたいって顔してるよ、
(83) 2013/12/29(Sun) 03時頃
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…もう、今更隠すことでも…ないんじゃないかい? なあ、ヤニク…。
[覆っていた手を外して。 暖炉の灯で艶の乗った旅人の瞳を見つめた。]
(84) 2013/12/29(Sun) 03時頃
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[謎掛けのようだった旅人の言葉が解かれていく。 ああ、やっぱり。 謎が解けて靄の晴れていく頭の中でそう思う。 悲鳴は零れない。 首に手を伸ばされても、不思議とこわくはなかった。 ただ、動くことができなかっただけかもしれない。
目の前の男は同じ姿のように見えるのに、 人間ではない―――…人狼だった。]
(89) 2013/12/29(Sun) 03時半頃
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―――…そうか。
[これが―――…辿りついた、答え。 そのまま爪で裂かれるのだろうか、 女は、ヤニクを見上げて、眉を下げて笑った。**]
……なあ、
(90) 2013/12/29(Sun) 03時半頃
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……これを最後に、もう船乗りは襲わないでくれ。
(91) 2013/12/29(Sun) 03時半頃
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[目の前の人狼に、襲わないでくれ などと 言えるはずがなかった。
だって、
女は、
あの小さな人狼の少女を、自警団に差出したのだ。]
(-46) 2013/12/29(Sun) 03時半頃
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―――…報いってやつかね…。
(-47) 2013/12/29(Sun) 04時頃
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