17 吸血鬼の城
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 23時半頃
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―最上階・廊下―
[白薔薇はようやく、窓辺から降り立った]
……ああ、ひどい。 旦那様のお部屋の前だというのに。
[空気に触れた毒血は、すみれ色へと変わっていく。 一度欲したそれにはもう、なにも揺らがない。 ただ死せるものを影が片付けていく――。
もっとも墓標が示すように、同属は墓持ち弔われる。 片付けられるは贄の少女のみ]
―――……、 戻ってきてしまった……
[それが戻ってきてしまったのは、 焦がれたものに届きそうになったからか、 あるいはそれを託した男が死んだからか――絶望を託した男が]
(11) 2010/06/23(Wed) 23時半頃
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――ああ、眷属の死には、 墓を用意せねばならないのですね。
[思い出したようにぽつり、呟き]
(*0) 2010/06/24(Thu) 00時頃
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―最上階―
[少女が「片付け」られれば、残る亡骸を見る。 影の手で装束が整えられるに、語りかける。]
墓穴を用意して下さい。 ――…これは私が運びましょう。
[魔性になりきれなかった男、 指先を伸ばしかけて、手袋を外す。 その襟元を直せば――慈悲の刻印は閉ざされた。 死者を前に常に紡いでいた聖句は、もう思い出せない]
ああ、なんて、救いがたいこと……
[両腕にそれを抱えれば、窓よりその身を投げ出して。 降り立つのは――中庭]
(24) 2010/06/24(Thu) 00時頃
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―中庭― [それに気づいた者があれば、 白服の裾が翼の残滓を残し、かろやかに降り立つ瞬間で。
―――降ってきた姿は、見えない。 ただトーニャの紋章には強い反応が示される。
魔性、2人分のもの]
(27) 2010/06/24(Thu) 00時頃
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救いがたい、という言葉。 それは救いたかったという意味なのだろうか。
わからない。
(-8) 2010/06/24(Thu) 00時頃
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―中庭―
―――……、
[白い執事は黒服の男を両腕に抱いて、 闇を見る目で人の姿を知るが、墓所へ抜ける道。 躊躇うように、一度足を止め]
[少女の怯えた素振りに、す――とまなざしを向ける]
(37) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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[>>45 近づく娘を見るは穏やかな眼差し。 それは訪れるのを待っていたかのように]
亡くなられましたよ、 ――…ヘクターの仇でもある方が。
[それは戻ってきてしまった絶望のせいか、 常の白薔薇と変わらぬ抑揚で、娘に語った。 抱えた姿をそっと見せ]
如何様に思われますか?
[明日の天気でも問う様に]
(47) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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[思わず襟でも正そうとしたものの、 両手の塞がるに気づいて、主と同じく吐息を零した]
(*4) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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[グロリアの言葉には一度瞬く。 吸血鬼に変じた知人が死んだ、 その反応としては余りにも不自然なそれ]
―――…ご存知もなにも、 ああ……ああ、そうだ。 黒いヴェールの……葬列の乙女も、同様に。 たしか、自ら喉を突いて。
自死など、まこと罪深い……
(55) 2010/06/24(Thu) 01時頃
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>>57
――白薔薇で結構ですよ。
[それは名乗りで己の本分を 思い出したかのように、薄く笑って]
……おや、
てっきり仇を討ちたいとか、 そういうお心ではないかと思っていたのですけれど。
(61) 2010/06/24(Thu) 01時頃
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[リンダの呟きが届けば、 それはゆるやかに首を傾げて微笑み、 常と変わらぬ気配を繕う、薔薇の香もいまだかすか]
[>>63 婦人の問う声にはゆるやかに頷く]
あの方は、主様方の眷属ではありませんから。
――もっとも、自死であれば、 街でも正しき弔いは受けられませんでしょう。
[それは小さく、眉根を寄せる。 己とて幾度自死を思い、その罪深さに留まったことか]
(68) 2010/06/24(Thu) 01時半頃
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>>71 この方は毒を飲んで亡くなられました。
旦那様には効かずとも、 私や黒薔薇は人間ですので、方法は如何様にでも。
[顔色一つ変えずに 人間 と嘘を紡ぎながら、 白薔薇自身、己を殺す方法とは如何様なものか考える]
いいえ、旦那様は、何も。 ―――そもそもそれほどまでに あなたを気にされてると思われますか?
[そして弱弱しい娘へと告げる言葉は]
しかし弱気なことですね。 あなたではかつてのヘクターのように、 ここを出ることなど出来ないかもしれません。
[それが意外と泣いていたことは、名誉のために伏せておいた]
(75) 2010/06/24(Thu) 02時頃
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[>>73 娘へ向けていた、 かすめる笑みを残したまま、婦人を見やる]
赦しとは、懐かしい言葉をきいたものですが。
申し訳ございませんが、 それは私の了見が及ぶ範囲ではございませんので。 ――そもそも、死者は言葉もたぬ者、 弔いなど生者への慰めに過ぎませんでしょう――…ッ
[不意にさしだれた掌、 傷ついたそれに血が滲んでいれば、ふと漂う薔薇の香気]
……ええ、それはもちろん。 これが終わりましたら、お部屋にお持ちいたしますよ。
[ふわりと、笑みを返した]
(77) 2010/06/24(Thu) 02時頃
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[>>78 白薔薇は小さく首を傾いだ。 いまだ銀の枷はそのままにある]
私が魔物になった と、 ……おかしなことを仰られますね?
でも、もしそうだとして、 私とあなたが同じなら――
あなたも、魔物になってしまうかも、しれませんね。
[両腕の亡骸を抱えなおせば、 白薔薇は弔いを果たすべく再び墓地へと、眼差しを滑らせる]
(81) 2010/06/24(Thu) 02時頃
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[婦人に向けられた言葉>>84] [ざわめきのようなものを感じて呟く]
旦那様――…
[立ち並ぶ墓標、その慰めは誰のためのものか]
(*10) 2010/06/24(Thu) 02時半頃
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[>>84 一度彼方へ向けた眼差しをもう一度戻せば]
――ええ、私も ちょうど、それを疑問に感じていたところです。
[ふと眼差しを落とせば、表情は消えて。 嘆息する婦人へは、一言]
人の世の理など、 人ならざる者の領域で、通ずるはずもありませんでしょう。
(86) 2010/06/24(Thu) 02時半頃
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[目覚めたときの昂揚は遠く。白薔薇は憂う]
――…はい、それは。 然りと、お伝えいたします。
[言いよどむような間の後]
……ただ、わたしはふと…… あれほどの同胞の死を、旦那様が見つめておられたこと。
今までそれに気づかずにいたことを、知りました。
(*13) 2010/06/24(Thu) 02時半頃
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[>>87 人ならざる耳は その鼓動が少しだけ乱れるを聞く、一度目蓋を閉ざして
婦人が言葉にうすい笑みを返した]
ああ、知己……そうだったのですか。 貴女の慰めになるのでしたら、幸いです。
――…では、失礼いたします。
[そして、白薔薇が墓地へと歩みされば。 ――中庭からは薔薇の香気は消えるだろう]
(90) 2010/06/24(Thu) 02時半頃
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[>>91 聞こえた言葉に振り返る]
―――…、埋葬?
ああ、あれは……ああ、そうですか、 そういうことなのですね。
[廊下の痕、余り聞いていなかった黒薔薇の言葉 ―――繋がれば、ふと微笑う、青の和らぐ色]
それは、ありがとうございました。
[深く――適う限りに、 深く一礼をしてから背を向けた]
(93) 2010/06/24(Thu) 03時頃
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奏者 セシルは、立ち並ぶ墓標に彼方を見やる
2010/06/24(Thu) 03時頃
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――……ただそれが、 とても寂しいことだと思ったのです。
[並ぶ墓標をみやれば、 主が声に応えるように呟いた]
(*16) 2010/06/24(Thu) 03時頃
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―墓所― [立ち並ぶ墓標、墓穴と棺が用意は既にある。 漸くそれを棺におろせば、胸に挿す白薔薇を手に取り、]
……あなたには相応しくありませんね。
[手首を鋭い犬歯で噛み切る、 その傷は血を滴らせ、そしてすぐに塞がって。 ――黒赤く白薔薇は染まる]
私はあなたを憎んだのでしょうか、 ――――そして、あなたは……、
[人に聞こえぬその囁きの気配を思い出す。 花を手向けようとも死者は沈黙するばかり、 やがて棺の蓋が閉じられれば、白薔薇は手袋をはめた**]
(98) 2010/06/24(Thu) 03時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/24(Thu) 03時半頃
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……海の泡になどなるくらいなら、
刺してしまえばよろしいのに――
[かすめた囁きに、ぽつり呟いた]
(*19) 2010/06/24(Thu) 04時頃
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[>>*21 呟きは無意識のもの 聞かれていたことに、それは目を眇める]
まさか、そのようなこと。
……ただ、童話を一つ思い出しただけです。
[儚い人魚の――人ならざる者の御伽噺]
お嬢様を刺して、
私が「戻る」ようなこと、あっても困りますでしょう?
[童話の道理は現実にはない、 からかうように囁いた]
(*24) 2010/06/24(Thu) 13時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/24(Thu) 14時頃
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アメシストを一つ、奪う。
(-42) 2010/06/24(Thu) 14時頃
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ああ、つまらない……
[――――許しがたき負感情、 その対象が失われることの、空虚であること。
白薔薇は香気漂わせ、城内へと戻る。 かすかな血の渇き――それは婦人の血を見たせいか]
――…仕事を果たさねばなりませんね。
[求められた薬をと――廊下を歩く。 その足音が ひたり 音を捉えて止まった]
(106) 2010/06/24(Thu) 14時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/24(Thu) 14時頃
奏者 セシルは、足を止めたは書庫の前
2010/06/24(Thu) 14時頃
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[人ならざる耳に届く紙を捲る音、 >>67 何かをたしかめるようなその呟き、 それは、あの深紅のドレスの少女のものであったか。
――彼女は果たして何をみたのか。 確かめるべく、書庫の扉を開ける]
―――……おや、 何をご覧になっていらした?
[深紅の花は書庫の奥、 戻されゆく書に、眼差しを向ける。 その所作と共にほのかな薔薇の香気]
(109) 2010/06/24(Thu) 14時頃
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[書庫の影が持ち上がった。 散った書物を即座にもとどうりに並べ、戻してゆく]
……なにも? いいえ、聞こえておりましたよ。
あなたがお嬢様の名を呟くのも、すべて。
[白薔薇は語る 人には聞こえるはずのない音を、聞いたと。
そしてゆるりと微笑めば]
(111) 2010/06/24(Thu) 14時半頃
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[問いに答える白薔薇は首を傾ぐ]
――……さあ、詳しくは存じ上げませんが、 ただ、余り宴を楽しまれておいでではないご様子。
あなたの兄君に心乱され、 同属の死もありましたゆえに 日々その憂いは増すばかりでございます。
[そして小さく呟くは、 「海の泡」などという単語、その意味は知れずともよい]
(114) 2010/06/24(Thu) 14時半頃
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[「どうして?」その問いには、いまだ答えず。 ただ視線は再び整頓された書棚へ一度、ちらと向かった。
背表紙と位置は覚えている。 あれは恐らく確かめる必要がある。
果たして 少女が見たものは、 ――――城の禁忌に触れるが否や]
(115) 2010/06/24(Thu) 14時半頃
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ええ、なかなか人の身では…… すぐに魔性にはなりきれぬもの、なのですね。 永の年月でも流れれば、少しは異なるのでしょうけれど。
[重ねる言葉に意図はあったか、 揺れる眼差しを捉えれば、目を細めた白薔薇はまた甘く香り]
人殺しの宴、などではありませんよ? ――我々には甘美なる食事、なのですから。
[そして白薔薇はゆっくりと手を伸ばす――]
[書棚との間に少女を挟むようにして、 手の伸ばされた先は書棚。 片手では少女の背を抱きすくめるようにして、書棚から離した。
きつくはない拘束、けれど 人ならざるその力に少女に抗う術があろうか]
(118) 2010/06/24(Thu) 15時頃
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[白薔薇が声、それに感情は伺えない]
試しても、よろしいのですか?
[人たる身であれば、 冗談でも言わぬだろうことを紡ぐ。 ぬくもりを失った心に残る感情は、負たるものばかり]
――ああ、でもそうでした、 それでは役割が逆でございますね。
正しき役割であらば――私は既に刺された身、でしょうか?
[やわりと微笑う音は途切れる]
(*27) 2010/06/24(Thu) 15時半頃
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[触れれば香る、乙女が赤き甘露 朝露に濡れる摘みたてのの野いちごを思わせる]
―――…ああ、
[湿った吐息は少女のうなじをくすぐって、 けれどゆるゆると首をふる――まずは、こちら、と]
しばらく大人しくしておいでなさい。 痛いのは、お嫌でしょう?
[もがく少女を宥めるような声を落として。 薔薇の蔦は一度だけ、きつくその身を抱けば]
(121) 2010/06/24(Thu) 15時半頃
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[触れた指先、日記帳―――はらりと捲れば見覚えのある書体、 そしてその描かれた内容、それが“彼女”の失われた断片であろうことは、察しが付いた。]
―――……これは、
[恐らくこれは、本来あってはならぬもの] [彼女にこれを見せることは、主が望まれぬだろうもの]
ああ あなたは これを
ご覧になって しまわれたのですね――……
[腕の中の少女を優しい青は見下ろして、 けれどその双眸は煌々と濡れた輝きを放つ]
(122) 2010/06/24(Thu) 15時半頃
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/* ところでやっぱり お嬢様に嫌われちゃったよね
でも仕方ないんだ、くっ 愛に生きては仕事ができない……!
(-45) 2010/06/24(Thu) 15時半頃
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/* いや、愛なんだ。 ただ私の愛がどえすいだけなんだ……
旦那様とどうかお幸せに…!
(-46) 2010/06/24(Thu) 15時半頃
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[はしばみ色の睨みあげる様、 か弱き乙女の抵抗のなんといとおしいこと。 白薔薇は優しく微笑む]
ひとつ、教えて差し上げましょう。
望まぬ私を「このように」為されたのは、
あの方 なのですよ?
[そして遺す言葉を問うように、 白薔薇の口唇は静寂を保ち、書を書棚に戻せば]
(125) 2010/06/24(Thu) 16時頃
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[その指先、 白い手袋のそれはそっと、無防備に曝された首筋に触れる。 乱れた髪を直せば、とくり、暖かい脈動が伝わる]
――…ああ、お可愛らしいこと。
[乙女の小鳥が如きか弱き抵抗に、 白薔薇はその翼を折る愉悦を知る]
もっと囀って――…
[冷たい舌が一度その首筋を舐れば、 白き牙はその皮膚へと、深紅を飾る]
(126) 2010/06/24(Thu) 16時頃
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[化け物、と罵る言葉に、 一度赤く染まる唇を離す、とろり滴る赤い雫]
私とあの方は、同じもの、なのですよ?
[少女の耳朶を一度食めば、 その深紅は紅玉のように耳を飾る]
(130) 2010/06/24(Thu) 16時頃
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[縋るような乙女の瑞々しき肢体を抱きすくめれば、 やわらかな弾力白い肌のぬくもり、鼓動の儚さ その全てを愛しむように、空いた指先は甘く曲線をなぞる]
――……ああ、甘い…
[流れる命の蜜が如く、 乙女の血のまこと甘美なる。
人の身には過ぎたる愉悦を齎すそれは、 白薔薇にもまた陶然たる昂揚をもたらし、
白薔薇の芳香は書庫を満たす 目を閉じれば、そこはまるで花園のよう]
(131) 2010/06/24(Thu) 16時半頃
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[憐れに囀るはしばみの小鳥、 色ととりどりの あか に彩られ、珠玉がごとく涙を流す。
花の吐息は、甘露を一層甘いものとなし]
――――……、
[愉悦に震える花の稚さ 愉しみが苦痛に変わらぬうちに、 慈悲もてその命を手折らんとすれば――]
(135) 2010/06/24(Thu) 16時半頃
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―――……ッ、
[赤く染まる白薔薇の口唇、 滴る赤の軌跡を残して、頬を掠めたるそれを見やる。 皮肉なこと――それは己が所持を許した彼女の兄の遺品]
……慈悲はいらぬ、ということですか。
[乙女が肢体を掻き抱いた腕を離す。 頬を掠めた傷は、即座に塞がる――薔薇の身は金属では傷つかない]
(136) 2010/06/24(Thu) 17時頃
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[悩ましげな吐息を落とす、 甘い血で満たされ充溢する魔性の体。
いまだその首筋より、 流れ出でる乙女が甘き生命を青い瞳は優しく見つめる]
……我ら皆、 ガラスの囲いの中の薔薇、
―――……もう、 人の世では、咲けぬのですよ。
[それが>>132散り行く乙女が言葉への答えであった]
(139) 2010/06/24(Thu) 17時頃
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奏者 セシルは、見上げた乙女を見下ろす眼差しも柔らかく、
2010/06/24(Thu) 17時頃
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[白薔薇の口唇は謳う。 甘く優しい天上の音楽を]
ええ、苦痛なく 夢見るように甘き終焉を――
そう、あなたの兄君のように
それともそのまま、ここで、
命がただ流れ出るを待ちますか?
[微笑めば、手を差し伸べる]
(140) 2010/06/24(Thu) 17時頃
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奏者 セシルは、問いに答えるべく言葉はもたない。
2010/06/24(Thu) 17時半頃
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[たおやかな手が差し伸べられれば、 身を沈めて、その手を越えて濡れるほうに指先を這わせる]
―――…何を泣くことがあるのです。
[その眦に一度口唇を寄せれば、 乙女が花の唇に落とす口付け、 それは彼女自身の血の味がしたことだろう。
そしてその白き肌を零れ流れた血の一滴まで舐めとろうと、 深紅がドレスに手をかければ、 乙女が柔肌を冷たい白薔薇の唇が蹂躙し―――
白薔薇の香は至上の愉悦と甘き夢とを誘う]
(144) 2010/06/24(Thu) 17時半頃
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[少女が語る――
白薔薇はその言葉に瞬き――]
魔性と約束をなさりたいとは――
なんとも稚いことですね。
[是とも否とも答えぬままに 白薔薇はただその花を手折らんとする手を止めず]
(146) 2010/06/24(Thu) 17時半頃
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[少女が言葉が、 白薔薇が心に棘を残すか――それは定かとはならず]
……もう、おやすみなさい、
メアリー・トレイン。
良き夢を。
[――ただ、定かなこと白薔薇の香気ただよう花園で、 その花の命はやがて、散り行くだろう**]
(147) 2010/06/24(Thu) 17時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/24(Thu) 18時頃
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/* 名前間違ううっかり執事
誤字脱字は文化とはいえひどい。
うわああああごめんメアリー。
(-54) 2010/06/24(Thu) 18時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/24(Thu) 21時頃
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―書庫― [ふわり広がったドレスの深紅の花の中、 憐れな小鳥の亡骸の乱れる衣装を整える。 幾分赤に染まった白手袋の指先は――転がるペンを拾い上げた]
――…如何いたしましょうか。
[渇望が満たされた白薔薇の嫣然たる微笑、 その眼差しの先が見るは、先ほどの日記帳――
しばし想いを廻らせれば、無言のままにそれを抜き取り、
いまだ消えきらぬ薔薇の香の中、 夢見るように 祈るように、永の眠りについた乙女だけを残してその場を去る。その亡骸が影の手で片付けられる前に、書庫を訪れるものはあるだろうか**]
(164) 2010/06/24(Thu) 21時頃
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[遺されたメアリーの亡骸に、噛み傷は残っていない]
(166) 2010/06/24(Thu) 21時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/24(Thu) 21時半頃
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[白薔薇の嫣然とした吐息、 満たされた今、揺らぎはなく、それは目覚めの時のように]
御伽噺の正しき道筋……
嗚呼、そんな終焉は訪れはしないのですから、
ではどちらにしても
我々は間違ってしまったのでしょうね?お嬢様――…
[彼女が「為した」者の手で、 彼女の「大事なもの」が奪われる、その因果]
(*44) 2010/06/24(Thu) 22時半頃
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―廊下―
―――…今はだいぶ、 満たされているのですけれど。 [自室に戻り、穢れた衣服を着替えた薔薇は、 約束の通りに薬を手にして廊下を歩く。 憐れな彼女と彼女の兄の形見のペンは胸にさして]
……お部屋には、おられぬご様子?
[影へと問えば、足はそのまま食堂へ]
(190) 2010/06/24(Thu) 22時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/24(Thu) 22時半頃
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―食堂― [かすかな薔薇の香気を残して、 白薔薇はゆるりと中の者に会釈をする。]
――…ああ、こちらにいらした、 本当はお部屋に伺うつもりだったのですけれど。
[そして3人の傍らへ、歩み寄る]
なかなか、お客様のお召しをいただかないので、 ご用件をいただけて嬉しかったのですよ?
[満ち足りて嫣然とした微笑みの浮かぶ、 その胸の薔薇の影には、形見のペン]
(199) 2010/06/24(Thu) 23時頃
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[小さな姿には気づかなかったよう、 トーニャの姿にも会釈を向ければ 婦人の声にゆるり頷く>>203]
ええ、皆様とは別の場所で。 ――従者たる者、皆様と同じ食卓を囲むようなことは。
[そして静かに眼差しを伏せれば、微笑う]
(209) 2010/06/24(Thu) 23時頃
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