94 眠る村
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お使い ハナは、メモを貼った。
2012/06/17(Sun) 00時半頃
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―回想―
[消える、消える、灰になる紅茶屋。 最期の瞬間、彼はいったいどうしていたか。 少女の大きな二つの瞳は、じいと彼を見つめ続けたまま]
―――――…、
[やがて、此方へ手を伸ばすシメオン少年>>4へ、 ちらと顔をあげるけれど、表情は揺らがない。 頭を撫でられても、次の動作で、乱暴に老人から引き離されても。 抵抗する素振りすらなく、 小さな体はくたりと押さえつけられた]
" "
[何かを呟こうとするが、 周囲の制止の声でそれは音にはならなかった]
(89) 2012/06/17(Sun) 15時半頃
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[特に痛めつけられることもなく、祖父の腕の中へ戻ってくる]
…………。
[この状況になってなお、自分をかばう彼の姿に。 むける眼差しはどこか困惑の色が混ざる]
(90) 2012/06/17(Sun) 15時半頃
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あっ…。
[彼がケヴィンに服の裾をつかまれて、 少女の身体もかくりと揺れる]
―――――…。
[やがて自分のことを人間だというブローリンに。 一瞬だけ向けた表情は大人びた、困ったような笑顔。 彼にとっては、憎らしかろう、憎らしかろう――――]
(91) 2012/06/17(Sun) 15時半頃
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[祖父と共に部屋に戻る。 やがて睡魔に襲われるがその直前。 既に寝入った老人の隣]
…ティモシーお爺さん。
可愛そうな人。 どうして、どうして、…そんなことをするの。
[彼を撫でる小さな掌は昔と変わらぬまま。 そのまま、深い深い霧の中**]
(92) 2012/06/17(Sun) 15時半頃
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―朝―
[ぱちりと目を覚ます。生きている]
………。
[耳を劈くような悲鳴。 クラリスの声を聴けば、別に犠牲者が出たのだと知る。 少女はゆるりと体を起こして、伺うように外の様子を覗く]
嗚呼。
[そして犠牲になったのがラディだと知れれば、 一言感嘆の声をこぼして。 そのまま喧騒にまぎれるように、そっと宿を後にした]
(95) 2012/06/17(Sun) 15時半頃
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お使い ハナは、メモを貼った。
2012/06/17(Sun) 15時半頃
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―森の中―
[宿で扉が叩かれた>>65とき、まだ祖父と少女は室内にいたか。 その音で目を覚ましたものの、返事を返す間もなく。 悲鳴を耳にし、その後宿を後にしたのだった]
[やがて、訪れたのは森の中。 いつかも腰かけていた大岩の上、小川のそば]
眠れよい子よ 庭や牧場に 鳥も羊も みんな眠れば 月は窓から 銀の光を そそぐこの夜 眠れよい子よ 眠れや
[少女の声は、子守唄の歌詞を正しくなぞる]
(104) 2012/06/17(Sun) 16時半頃
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―森の中―
ごめんなさいね、紅茶屋さん。 あなたに恨みはなかったのだけれど。
[川に投げられる小石。 ぽちゃりと小さな水音とともに波紋を作る。 弔いというにはあまりに平坦な口ぶりで]
優しい人はたくさんいるけれど。
―――…"ハナ"には、 この村はあまり優しくなかったみたい。
(116) 2012/06/17(Sun) 18時頃
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……あら。
[森を横切る小柄な影を認めた。 ラディの連れていた猫だ]
おいで。可哀想に。 あなたもご主人様のところへ行きたいかしら。
[腕を差し出してみるが、猫はふいと別の方向へと]
ふふふ。冗談よ。 人狼の主食が、猫ではないといいわね。
[追いかけることはせず、そのまま空を眺める]
(120) 2012/06/17(Sun) 18時頃
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―自宅―
[家に戻って顔を洗って湯を浴びた。 子供ながらに、その手つきは手慣れたもの。 だって、ずっと"見てきた"から]
…もっと、大きいと思っていたけれど。 意外と背も伸びていたのね。
[着替えるのは、 薄紫色の生地に花の刺繍のしてあるワンピース。 姉からのお下がりであり、 母が若い頃来ていた服を仕立て直したものらしい]
(139) 2012/06/17(Sun) 21時頃
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[元より片付いていた(姉が片づけてくれていた) 自室の荷物を、更に簡単に整理する。 寝台の下には隠す様に小さな木箱が。 その中仕舞ってある日記帳の存在は、家族すら知らないだろう。 最後に何か書き足して、再び同じ場所にしまった]
お母さん。
[誰もいない家を、扉の前で振り返る]
いってきます。
[そして、足取りは宿屋へと]
(140) 2012/06/17(Sun) 21時頃
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―お宿―
[少女が扉をくぐるのと、 ローズが声を上げたのはほぼ同刻]
…あら。
[普段ならびくりと肩を跳ねさせて怯えるであろう少女は、 今は大きく瞬いてから、ちらと視線を向けるだけ]
(145) 2012/06/17(Sun) 21時頃
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……今晩は。
[誰へともなくそう告げて、次に顔を向けるのはブローリンへ]
猫が辺りを歩いていたわよ。 あなたに一番懐くでしょうから。
面倒、見てあげてね。
[そして止める者がいなければ、隅の方の席へと。 足取りは落ち着いても、幼い歩幅は狭いまま]
(149) 2012/06/17(Sun) 21時頃
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ハナは、ブローリンに話の続きを促した。
2012/06/17(Sun) 21時頃
ハナは、ティモシーに話の続きを促した。
2012/06/17(Sun) 21時頃
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――…ティモシーお爺さん。
[よろめく姿に瞬いて、祖父が近くまでくれば立ち上がる。 立ち上がったとしても、跪く彼と視線の高さはそう変わらない]
私は、どうもしないわ。
私は、そう、そうね。人間よ。 ティモシーお爺さんが、そう信じてくれるなら。
(153) 2012/06/17(Sun) 21時半頃
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/* 姉さんから、凄い振りが来た気がする。
(-77) 2012/06/17(Sun) 21時半頃
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…狭い村なのに、もう顔を忘れられてしまったかしら。
[問いかける低い声に、少女はくすくすと笑う]
私はハナよ。
それ以上でも、それ以下でも、ないの。
(154) 2012/06/17(Sun) 21時半頃
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[姉の様子が目に留まり、一度にこりと微笑んだ]
うふふふ。
[やがて、問いを投げるブローリンへと向き直り]
私が何か答えたとして、 あなたはそれを信じるのかしら。
私を人間だといったあなたの言葉は、 本当に信じられるのかしら。
…人間、ということにしてくれるなら、 それでも私は構わないけれど。
(158) 2012/06/17(Sun) 21時半頃
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…そんな顔を、したら。マリー姉さんが、悲しむわ。
[傍らの祖父の頭を、撫でる手。 そのぬくもりだけは悲しいほどに、変わらない]
(162) 2012/06/17(Sun) 22時頃
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人殺しの私が、死にたくないだなんて言う 権利があるとは思ってはいないわ。
[視線を浮かせて呟く言葉]
そう、素敵ね、ブローリンさん。 死人が出ないようにできること、よければ私にも教えてくれる?
(163) 2012/06/17(Sun) 22時頃
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/* 姉さん!私、そんなつもりはなかtt(ぱーん)
(-78) 2012/06/17(Sun) 22時頃
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お使い ハナは、メモを貼った。
2012/06/17(Sun) 22時頃
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――…叶えられるお願い事なら、聞いてくれる?
[ケヴィンを真っ直ぐ見つめながら、答える]
(167) 2012/06/17(Sun) 22時半頃
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…そうでしょうね。
[声を荒げるブローリンに驚いて瞬くが、 続く言葉>>169はあっさりと肯定する]
(174) 2012/06/17(Sun) 22時半頃
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言わないわ。
[ケヴィンの言葉に肩を揺らし、 隣のローズマリーへ向ける視線は穏やかで]
今日は私を呪いなさいな。 きっと、面白い物が見えるわ。
(175) 2012/06/17(Sun) 22時半頃
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――…ティモシーお爺さん。
[力ない祖父の言葉に。 少女はこの場に来て、初めて困ったような表情を見せた]
私、私は…。
[逡巡するような、間。長い長い、間]
……ふふふ。はは、あはは。
(181) 2012/06/17(Sun) 23時頃
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そうね、"あなたのハナ"は。 知恵遅れで、それでも愛嬌のあるハナは、人なんて殺さないわね。
[悲しげに笑う。 そう思わせてあげるのが、祖父にとっての心の安寧となるならば]
[頬を打つ音が響く]
私は、誰かしら。ふふふ…。
あなたの知らない、誰か、かしら。
(184) 2012/06/17(Sun) 23時頃
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おかあさん。
この村はね、ハナには、優しくないみたい。
(-81) 2012/06/17(Sun) 23時頃
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…そう。そうね、それが私の望み。
[痛む頬を感じつつも、なおも少女は諦めたように笑う]
マリー姉さん。 どうか、どうか、大切な人とお幸せにね。
私に祈られても、嬉しくないかも、しれないけれど。
(186) 2012/06/17(Sun) 23時半頃
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ハナは、静かに肩を揺らし、ローズマリーを背伸びして抱きしめた。
2012/06/17(Sun) 23時半頃
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/* 悪役はもっと悲惨に退場するべきだと、私思うの。
この待遇、いいの!?(おろおろする)
(-83) 2012/06/17(Sun) 23時半頃
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ケヴィンさん。
もうひとつ、お願いがあるの。
(190) 2012/06/17(Sun) 23時半頃
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私の部屋の寝台の下に、木箱があるわ。 その中に日記帳があるの。 それが、私が内緒にしていた"面白い"もの。
それを。
読まずに燃やして灰にしてほしいの。
(193) 2012/06/17(Sun) 23時半頃
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…おねがい、ね。
(194) 2012/06/17(Sun) 23時半頃
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ねえ、やめましょうよ、ほら。
あなたたちが大切だったハナは、もういない。
私はただの、頭の狂った人殺し。
…ティモシーお爺さん。 あなたの思い出の中に、きっと可愛い孫娘がいるわ。
(197) 2012/06/17(Sun) 23時半頃
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[事実、ハナという人間はただ、一人の人間である。 二重人格というたぐいでも、憑依のたぐいでも"ない"が。
それも日記を燃やしてしまえば、だれも知らぬ事実となる。
そして、それが彼女の望み]
(199) 2012/06/17(Sun) 23時半頃
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ハナは、ローズマリーをあやすように撫でて。
2012/06/17(Sun) 23時半頃
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さようなら。
[と、終わりを確信したかのように呟いて、目を閉じた**]
(200) 2012/06/17(Sun) 23時半頃
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