17 吸血鬼の城
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――…でも、貴女は貌を隠す必要はない かと。 とても可愛らしくあらせますし……。
[父に怒られる、にそのように答え、続くはしゃいだ声も頷いて聴いている。 大きな声で歌ってしまった…と聴いたときは、
ぼんやりと、空(くう)を見た。
確か、あの時、唄が聴こえていたのに、聴こえなくなって…。]
(224) 2010/06/22(Tue) 15時頃
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ガチャン
[そして、唐突に薬瓶を一つ取り落とす。]
――……あ、
[ローズに噛まれたこと、鮮明に思い出せば、苦しげに息を吐き、 眸はずんずんと澱む。
眼は閉じ、目頭を押さえた。]
す、すみません。ちょっと疲れて……。
[頭に城主の声がフラッシュバックする。 マーゴとメアリー、彼女らに自分が魔になったことを見せよと。 そんな命。]
(225) 2010/06/22(Tue) 15時頃
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[迷いを許さないといったローズマリーの声が
嬉しげに響く。]
(*48) 2010/06/22(Tue) 15時半頃
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――……はい
[小さく答える。]
(*49) 2010/06/22(Tue) 15時半頃
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>>227
[手に触れてくるマーゴの指にピクリと身体は震えた。]
――…いえ、大丈夫です
から。
[だけど、その開いた眸の色は、紅へと変化している。]
――……くッ
[同時に凄まじい渇きが身体の奥から涌き出て……。 自分でも自分が信じられないといった表情を見せてから、貌を伏せた。]
(228) 2010/06/22(Tue) 15時半頃
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[渇きに、また苦しそうな息遣いになった。]
――……ッ
[しかし、城主の、食らうな、の命に唇は震える。 そして、震えてなお、小さく小さく、やはり、はい、と返事をした。]
(*54) 2010/06/22(Tue) 15時半頃
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>>230
[マーゴと瞬時目があった。 それから、彼女の口がぽかりと開いて、
その貌たるや、驚愕の形に……自分が以前の自分でないことを知られたこと、理解する。]
――……マーゴ……。
[それでも、思わず呼びかけた言葉は、想像以上に弱弱しく、己にも聞こえた。]
――……ッ
[後ずさる姿に、眉を寄せ、己の喉に片手を当てる。もう片手はテーブルを押す。]
――……自分は、もう……
[その紡いだ言葉、先は言わずとも伝わるだろうと思った。]
(235) 2010/06/22(Tue) 16時頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/06/22(Tue) 16時頃
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>>238
[へたりと座り込むマーゴをチラと見やり、また目を伏せる。 城主の声が裡に響く。]
(お前は暫くひとを喰らうな。)
[その制止の命令を心内に繰り返す。 繰り返し繰り返し、
だが、それを耐えようとするほどに、眸の紅は増すのだが……。 それでも、己の首をぐっと己で絞めるように掴み、首を振って……。]
――……逃げるんだ。
[そう、告げる。]
(241) 2010/06/22(Tue) 16時頃
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/*
ニューサイラス、デビュー
やっぱ車みたいな名前だ。
(-88) 2010/06/22(Tue) 16時半頃
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>>245
[マーゴが伸ばしてきた手を自分で制止するのが見える。それでいい、と思った。 その貌が怯えに染まるのは、悲しい。なぜかそう思った。 なれば、消えてほしい。
それは、反するけど、願いでもあった。
そのとき、ノック音がして、またそちらに無防備に紅の眸を晒す。 メアリーの姿を見止めると、また、瞬時見開いて、何か言おうとして、押し黙った。]
(247) 2010/06/22(Tue) 16時半頃
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――……
[そう、きっと、何も言わずとも、彼女らは逃げるだろう。 そう判断して、視線は薬瓶に戻す。
中から一つ、薄紫の粉が入ったものを取り出すと……。 マーゴとメアリーのほうを向いて、しゃがみこむと、それを二人に向かって転がす。]
――……薬です。 朝と眠る前に、一つまみずつ
飲むといいでしょう。
[姿は見ずに…。]
(248) 2010/06/22(Tue) 16時半頃
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出て行ってくれ……。
[マーゴがメアリーに抱きとめられるのが視界の隅に見える。 薬も、メアリーの手にある、
それを見止めると、
>>260 何か言いかけたメアリーの言葉の続きをさえぎるように、そう重く言い放った。]
(262) 2010/06/22(Tue) 17時半頃
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薬屋 サイラスは、マーゴとメアリーに背中を向ける。**
2010/06/22(Tue) 17時半頃
薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/06/22(Tue) 17時半頃
薬屋 サイラスは、マーゴとメアリーが出て行った後、扉をきっちり閉めた。
2010/06/22(Tue) 18時半頃
薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/06/22(Tue) 18時半頃
薬屋 サイラスは、長老の孫 マーゴがまた忘れていった帽子を眺める。
2010/06/22(Tue) 18時半頃
薬屋 サイラスは、奏者 セシルはどうしたろうかと思った。
2010/06/22(Tue) 18時半頃
薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/06/22(Tue) 19時頃
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[一人、部屋に残り、息をつく。]
[渇きを癒したくて、水差しから水を注いで飲み干すけれど]
[もちろん、そんな渇きではないのだから、効果はない。]
(*55) 2010/06/22(Tue) 19時頃
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―サイラスの部屋―
[とうとう真紅まで染まる眸の色。 そして、渇きも強くなり、我が身を抱いて、膝をついた。
両手を喉に宛がい、蹲り、苦しさに荒い息を吐く。
ふと、何か思いついたように、薬鞄からナイフをとると、自分の指先にその刃を当てて、ぷつりと切れた皮膚から出でる血を舐めたが…]
――……ぐぅ…ッ
[あまりの不味さに唾ごと吐き出した。
そして、また絶望の表情とともに、ベッドに座ると、そのまま横に倒れ、呻き声をあげる。*]
(287) 2010/06/22(Tue) 19時半頃
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―サイラスの部屋― [そして、ぐるぐると回る様々な苦しさ。 苦しみを別の痛さでごまかそうとして、またそれになお、苦しみを思い出して消すことを考える。
それがまた元にもどり、回転を何度しただろうか。
やがて、考えることは、 いかに死ぬかということになっていた。
ただ、血が吸えないからといって、吸血鬼が餓死するのだろうか、とか、 いわゆる、普通の武具で死ねるのだろうか、など。
自らの薬鞄にある毒のことも考えて、
でも、毒を考えると、マーゴのことを思い出し、 また、酷い苦しみに苛まれる。]
――……ッ
(296) 2010/06/22(Tue) 21時頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/06/22(Tue) 21時頃
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――……!
[最初に香ったのは確かにフロレスクの血だった。 軽やかになるノックの音に薄目を開けたのだ。]
――……君は……
[ドアから現れたのは、白薔薇、 その匂いが、また餓えを助長させる。
出て行け、といおうとしたが、彼がその入り、そのドアを閉めた瞬間…。]
[聴こえたのは、ドアが、その役目を放棄する音。 破壊音にさすがに貌をあげる。]
――…あ…
[目を丸くする。紅の眸を。]
(300) 2010/06/22(Tue) 21時頃
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ヘクター?!
[ドアを蹴破り現れたのは、ヘクターだった。 彼の手には、大降りの槍が握られて……]
セシル?!
[と、同時に、吹き飛ばされたセシルを>>303受け止める。]
――……待て!
[急いでヘクターに制止を呼びかけるが、>>302 彼は躊躇わず、その槍を振りかざし、まっすぐとこちらに突き進んでくる。
思わず、彼を抱きとめてから、庇うように後ろ向きになった。
もちろん、そこに、槍は襲いかかる。]
(307) 2010/06/22(Tue) 21時半頃
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――……ぐ……
[躊躇しない槍の切っ先は背中を貫こうとしただろう。 だが、魔物に変化した身体は貫通するまでにはいたらず……。さらに>>308軌道が微妙に変わったそれは、肩を掠め、そこから鮮血が飛ぶ。]
(312) 2010/06/22(Tue) 21時半頃
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薬屋 サイラスは、奏者 セシルの無事がわかればその身を離し、ヘクターに振り返る。
2010/06/22(Tue) 21時半頃
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>>313 [槍は肉を抉り、ヘクターの力がかかると、身体のバランスは崩れ、
結果、ヘクターに後ろから羽交い絞めにされる形になる。]
――…お前、なに、 する……。
[絞めにかかる腕に手をかけ、切れ切れにその行為の答えをきいた。]
(317) 2010/06/22(Tue) 21時半頃
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/*
ヘクターもつえええ、 城主もつええええ
いや、どうしよう、サイラスよえええええwww
(-109) 2010/06/22(Tue) 22時頃
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>>319
[そして、背にヘクターの掌が宛がわれれば、そこから、重苦しくも激しい気の弾が、衝撃を一点から身体全体に伝えた。]
ぐあ……ッ……
[紅の眸が一瞬どす黒く変化した。 そのあと、色が失せ、眸の色が青色へ戻っていく……。]
魔物…狩人……。
[だが、気を失うまではぎりぎりなく、 ヘクターの言葉を聴いて、項垂れる。]
(325) 2010/06/22(Tue) 22時頃
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[お前は暫くひとを喰らうな。
その禁忌が、頭の中で繰り返されている。]
(*57) 2010/06/22(Tue) 22時頃
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[聴こえてくるローズマリーの声に、ぼんやり
ああ、いいのか、と思う。思った。]
(*60) 2010/06/22(Tue) 22時頃
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[そして、眸が暗い泉の青色にすっかり変わってしまう瞬間、
何かが聴こえたのか、また、その色が変化しはじめる。]
――……
[>>333 薄い刃が引かれる時、そのヘクターの薄刃をもった腕の一点を彼は握りしめていた。
それはきっと激しい腕の痺れを起こす。]
――……
[そして、眸の色がまた紅に戻る。]
(339) 2010/06/22(Tue) 22時頃
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――………はい
>>338 [そして、城主の赦しの声が聞こえれば、 返事を返す。
そして、ヘクターの腕をさらに締め付け、腕の呪縛を解くと、振り返り、そのまま、ヘクターの首にもう片腕を伸ばす。]
(343) 2010/06/22(Tue) 22時半頃
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[紅の眸、より真紅に近づけば、
その力も、より強固になる。]
(347) 2010/06/22(Tue) 22時半頃
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血を、
与えてはならぬ…。
(*64) 2010/06/22(Tue) 22時半頃
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>>349
[槍が引き抜かれる様は、茫然と見た。 だが、その血を求めようとするヘクターの仕草を見れば、紅の眸は、冷たく光り、
その巨体をそのまま掴み、振り上げて打ち下ろす。
そう、まるで、棒切れを振り回しているように。]
――…血を与えてはならない…
(357) 2010/06/22(Tue) 22時半頃
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>>363
[床にたたきつけたヘクターが床の血を啜ろうとすれば、また冷徹に見下ろした。]
貴様は、まだ、人間だ。
[そして、その背中を踏みつける。 もちろん、人を超えた力で……。
やがて、その背骨が砕ける音が響く。]
(370) 2010/06/22(Tue) 22時半頃
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薬屋 サイラスは、ヘクターを踏みつけながら、ダガーを持った黒薔薇を見やった。
2010/06/22(Tue) 22時半頃
薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/06/22(Tue) 23時頃
薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/06/22(Tue) 23時頃
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[膨大な知識、記憶、
そして、深い深い終わらない闇の世界。]
真紅の眸は虚ろに…だが、その足は、彼を押し潰して……。
(387) 2010/06/22(Tue) 23時頃
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薬屋 サイラスは、ヘクターに2本のダガーが刺さる様を、ただ、見下ろす。
2010/06/22(Tue) 23時頃
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