162 絶望と後悔と懺悔と
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[>>1成長した周の大きな手が、 短く切り揃えられた絢矢の黒髪を撫でる。
絢矢は菫色を地に落とし、小さく首を振った。
周やサミュエルはとうに気付いているだろう。 絢矢は──与えられる情愛を どこか拒んでいる節があった。]
(4) 2014/02/10(Mon) 00時頃
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[庇護されてはいけない。 寄り掛かってはいけない。
────この手は未だ、贖いを終えてはいない。*]
(8) 2014/02/10(Mon) 00時半頃
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/* くそ…………!
赤組痺れる……! かっこいいなみんな……!!(悔しい)
(-4) 2014/02/10(Mon) 00時半頃
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/* でも皆チップより幼いのか。 零瑠お兄ちゃんは完璧に学生モードか……。
(-5) 2014/02/10(Mon) 00時半頃
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/* どういうことなの…… 全員歪みなく心まで堕ちてるってひどすぎるwww 泣くぞwwwww
リ、リッキィ……!! リッキィだけは……無垢なままだよね!!? 信じていいよね!!???
(-7) 2014/02/10(Mon) 00時半頃
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─ 波羅宿 ─
[>>7帰ろうか──の声に、伏し目がちに頷く。
安吾の朗らかな笑みから目を逸らし、 瞳はただ、進む先を見据えた。
周の手も、安吾の笑顔も。 いくら目を逸らそうと、 絢矢の支えとなっていることに変わりはない。
しかし十六の少女に、 まだそこまで己の弱さを認める強さは備わっていない。]
(18) 2014/02/10(Mon) 00時半頃
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[わかるのは──。 >>14離れて行った手の後に 触れられていた髪よりも、胸の奥が冷えてゆくことだけ。
──それでも。 絢矢はそれを己の裡へと封じ込め、 いつか来る未来で目的を達する為に、 何者にも依存しない強さを理想とし、己の足で立ち続ける。]
(19) 2014/02/10(Mon) 00時半頃
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[報せを受けた絢矢の貌には、 もう僅かな緩みも残ってはいない。
張り詰めた弦のように 再び真っ直ぐに顔を上げると、 怪我はないか──との安吾の問い>>17に頷いた。]
(22) 2014/02/10(Mon) 01時頃
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始祖──。
[絢矢は──まだ始祖を直接みたことがない。
ジャニスの脚を容易く砕き、 たった一人で一部隊を壊滅せしめる力を持つ 恐るべき化け物である──と、隊員から聞くのみ。
周とサミュエルは始祖を見、対峙した数少ない隊員。 その際何があったかは教えてもらえなかったけれど、 周の口調から、某かの因縁を感じ取り、 僅かに思案げに菫色を後方へ流した。]
(23) 2014/02/10(Mon) 01時頃
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[刀を研ぐ暇がない。
聖水銀の力で顕現した得物ではあるが、 実戦を終えた絢矢はいつも刃を丹念に研ぐ。
夜の庭園を流れる川の如き 漆黒の刃紋が砥石と触れる涼やかな音を聞いていると 波立たぬ表情の下で漣だった心が 穏やかに凪がれてゆくのを感じられるからだった。
厭な予感──予兆とも言うべきものを感じ、 絢矢の表情はいつになく翳りを帯びた。]
(24) 2014/02/10(Mon) 01時頃
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[絢矢の手が、 鞘の下緒に絡む若草色の菊結びを握る。
あの日、孤児院から持ちだした寄木細工の箱の中には この飾り結びが入っていた。
養母に教わって、 何度も失敗しながら一生懸命作った飾り紐。 当時は無意識だった選択が、 記憶の中の母が手遊びに作っていたものだったと 知ったのは試練の夜の明けてから。
五年の歳月を経て、 血塗れたTシャツは流石に処分したが、 これだけはずっと捨てられず、 御守のように身に付けていた。]
(35) 2014/02/10(Mon) 01時半頃
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[変わるものがあり、変えられぬものもある。
成長し、世が世なら 思春期と呼ばれる年齢に達した絢矢の貌は 母──芙蓉の面影を宿し、 唇は紅引かずとも薄紅に濡れるようであった。
日々の鍛錬で筋肉のついた躰。 けれど、人よりも華奢なところ相変わらず。 背だけは間もなく五尺になろうかという処。
──陸軍駐屯地の惨状を目にした菫色は、 秒に満たぬ時間、震えて瞑目した。]
(37) 2014/02/10(Mon) 02時頃
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─ 陸軍駐屯地 ─
[安吾の部隊が駆けつけた時、 既に隊長──檜江春樹は血の海に沈んでいた。
報せは周が敵と切り結びはじめてから届き、 そのまま中央突破を試みそうな勢いの周へ 絢矢は静かな声を掛けた。]
周ちゃん、駄目。 多分──ここは落ちる。
[敵の士気が高すぎる上に、 自軍は隊長の死によって連絡系統が乱れ始めている。]
(41) 2014/02/10(Mon) 02時半頃
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[横からの敵を警戒し八方に視線を走らせながら 周と背中合わせに小太刀を構え]
ボク達は退路の確保に──
[後方を守るよう伝えようとした矢先、 涼平が先へと駆け出した。]
──!
涼ちゃん──…
[絢矢はその行動に僅かに目を瞠り、 刹那の逡巡の後、 その背を狙う鬼を牽制しながら後を追った。]
(42) 2014/02/10(Mon) 02時半頃
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/* どうしよう赤の量が怖い予感しかない。 最終日はジャニスさんに任せてとっとと落ちて赤を読みたい。
(-25) 2014/02/10(Mon) 02時半頃
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/* まじ何があったんだよお前ら……。
(-26) 2014/02/10(Mon) 02時半頃
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/* あとボクは直円さん大好きです。 死角からの奇襲を迎え撃ちたい……。
(-27) 2014/02/10(Mon) 02時半頃
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/* 直円さんきたー!(歓喜)
めっちゃ戦いたいわwwwでも涼ちゃんがwww
(-29) 2014/02/10(Mon) 03時頃
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『退路を塞がれた!!』
[後方から、別部隊の隊員の声が上がると、 涼平を追っていた絢矢の足は止まる。]
…────、
[一瞬迷う素振りを見せた後、 周に涼平を追うよう視線で合図を送り、 自分は後方の退路確保の為、周達とは逆方向へ走った。]
(45) 2014/02/10(Mon) 03時頃
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[退路を囲むように布陣された鬼の数は想定以上。]
──、
[踵が砂を噛む音に自身の緊張を知り、 一歩下がりながら群れの統率者を眼で探す。]
(47) 2014/02/10(Mon) 03時頃
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/* 円△
まさかの族ですか。 周の舎弟ですか?
(-32) 2014/02/10(Mon) 03時頃
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/* あぁ……だから眉がないのか(察し)
……ボクこのこと同室厭だ(真顔)
(-33) 2014/02/10(Mon) 03時頃
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/* 直円さん何人部隊?w
(-34) 2014/02/10(Mon) 03時頃
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/* あかん直円さんはあかん。 ジャニスか安吾を呼ぼう、数で負けてるw
(-35) 2014/02/10(Mon) 03時頃
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安吾さん、応援を。
上を取られてる。 この人数じゃ──…
[不利──。
人数差、地形の不利さを鑑み 呼んだ安吾に絢矢は告げた。**]
(49) 2014/02/10(Mon) 03時半頃
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/* 円来てくれたwww 実は密かに突破期待してたけど来てくれないかと思ったwww
(-36) 2014/02/10(Mon) 03時半頃
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/* 真弓が雪の妖精で零瑠が学生服で理依がアオザイで……随分愉快な事になってるじゃないか……と思っていたけど自軍も相当愉快な格好をしているよねこれ()
(-41) 2014/02/10(Mon) 09時頃
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[聞き慣れたエンジンの重低音。 音のする方へ顔を向ければ、巨大な単車を乗り回す 白い軍服の少女が群れの向こう側に見えた。]
ッ───
[息を吸ったのは驚きが為ではない。
鬼達の視線が逸れ浮き足立った一瞬に、 距離を詰めて最後尾の一匹を仕留める。
無防備な背を、肋骨の下から黒刀で貫き、 柄頭に両手を掛けて更に踏み込み、 心臓まで刃を通す。
一瞬で絶命した鬼から刃を引き抜き 紅の軌跡を撒き散らしながら 気付いた別な一匹と切り結ぶ。]
(61) 2014/02/10(Mon) 09時半頃
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/* サミュエル初回落ち(吸血鬼化)狙いでしょうか。 それはそれでとても美味しいよね。
(-47) 2014/02/10(Mon) 10時半頃
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─ 陸軍駐屯地・東端の傾斜下─
[頸を狙って上段から振り下ろされた爪を 交差させた二刀で受け止めつ、引く刃で手首の先を奪う。
咄嗟に急所を庇う動きを見せた鬼の前で 絢矢は深く膝を折った。
華奢な体躯が鬼の視界から消え──]
───邪魔。
[──背後から肋骨の隙間を縫うように、 漆黒の刃が鬼の胸から生えた。
狙いは部隊長格。 背後を取られて焦る鬼達に指示を出すのは──?
──ほら。]
(102) 2014/02/10(Mon) 19時頃
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いた──。
[>>52隊の最後方で叫ぶ声がする。 おそらくは──あれを倒せば後は烏合の衆。
鬼の群れを迂回する形で扇状に掛け出した絢矢の足は しかし、次の叫びを聞くと僅か鈍った。]
(103) 2014/02/10(Mon) 19時頃
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[今──]
───、
[確かに、『陰謀』──と]
…──集中。
[──気のせいだ。 誰でも言う言葉。
声も喋り方も似ているけれど── きっと特徴的だから錯覚しているだけだ。]
(106) 2014/02/10(Mon) 19時半頃
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/* ん……? バイク“部隊”……?>>54
円ソロだよね……?
(-61) 2014/02/10(Mon) 19時半頃
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/* サミュエルくっそ強いな……。 ボクちょっと終わりのセラフの主人公側の戦力がわかってないから、一瞬で複数人バラバラとか言われるととても困惑……。
そんなにも強いものなのかい……?
(-62) 2014/02/10(Mon) 19時半頃
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/* バイク部隊だった……www
(-63) 2014/02/10(Mon) 19時半頃
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[心の琴線に触れようとするものを無理やり押し込め 機動隊と鬼との衝突とは並行に駆ける。
敵の指揮官は──]
──…え、
[誰にも先駆けて、敵陣へと向かって行く。
離れてゆく背中を、 困惑した絢矢の視線が見送った。
ここからでは顔も見えないが、 あの様子なら間も無く機動隊に仕留められるだろう。]
───…。
[絢矢は──少し離れて足を止めた。]
(110) 2014/02/10(Mon) 19時半頃
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/* ひっ……
毛虫を素手で……? こわいこのこ……。
(-65) 2014/02/10(Mon) 20時頃
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/* いるんだけどさー ちょっと悩み中
(-66) 2014/02/10(Mon) 20時半頃
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/* 大丈夫、円頑張って。
さすがに機動隊の圧勝ですよ機動力大事。
(-67) 2014/02/10(Mon) 20時半頃
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/* お兄ちゃん(涙)
(-69) 2014/02/10(Mon) 20時半頃
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[退路確保の目処は立った。 機動力で上回る機動隊が地理でも有利を奪ったのだ。 退路の制圧は時間の問題だろう。
絢矢は東端の戦陣を離れ、 周達の元へ戻るべく踵を返す。
そこへ──>>130]
…────っ
[勢い良く、絢矢は振り返った。]
(135) 2014/02/10(Mon) 21時頃
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円、駄目──!!
[円の見立ての正誤は知らねど もし、正しければ──
────否、正しいのだろう。
絢矢は、その声、その顔、その喋り方。 ひとつとして忘れたことなどないのだから。
予兆を振り払うように足を止めたのは その先に待ち構える哀しい運命を 絢矢は既に“識って”いるから──。]
(137) 2014/02/10(Mon) 21時頃
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[取り戻した記憶の中の──、
──父を追って屋敷から消えた母の。 戻って来たその腕に抱かれた 父の頭部を愛おしげに撫でる母の。
長い睫毛に縁取られた瞳の真紅を───。]
(138) 2014/02/10(Mon) 21時半頃
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[あっさりと機動力の優を手放し 無防備に近付いてゆく円と鬼の──、
──直円の前に、絢矢は無理やり躍り出た。
円を庇うように漆黒を閃かせ、 近付く直円を牽制する。]
…──駄目。
[視線に、答えることが出来ない。
直視したくないものがそこにある。 識って欲しくない現実がそこにある。]
(144) 2014/02/10(Mon) 21時半頃
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[見たくない。 知りたくない。
けれど識っている。 出てはいけない囲いの外へ出たものの末路は、 家畜となるか鬼となるか──。
──その、どちらかしかないということを。]
(147) 2014/02/10(Mon) 21時半頃
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直お兄ちゃん──
[絢矢と直円の関係は、五年前で止まったまま。
守護部隊に保護された仲間の呼称を 戦場で呼びやすく短く変えても、 絢矢にとって、直円は今もお兄ちゃんのまま──。]
──どうして、ここにいるの?
[絢矢は感情を抑え込んだ人形のような眼で ただ真っ直ぐに、直円を視た。
見たくなかった、その瞳の色を確かめるために──。]
(148) 2014/02/10(Mon) 22時頃
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/* 直円さんいつ来るんだろう……。
これ直円さんの反応あるまで動けない……。
(-73) 2014/02/10(Mon) 22時頃
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/* 円も。
(-74) 2014/02/10(Mon) 22時頃
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/* めっちゃ眠い。 絢矢はもう黙った方がいいほど喋ったから寝るか……。
(-76) 2014/02/10(Mon) 22時頃
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[>>156振り返らず、首を振る。
そうだ──とも言えない。 違うとも言えない。
直円であって、直円でない──]
───…円、
[静かな──けれど何か堪えるような、 掠れた声が漏れた。]
(162) 2014/02/10(Mon) 22時半頃
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[>>159息を呑む気配。 俄に曇った表情は言葉以上に雄弁だ。
なのに直円は──>>160]
直、 お兄ちゃ、
…────、 そう。
[紅玉を思わず紅の虹彩を見据え、 絢矢は──ゆるやかに膝を曲げ、腰を落とした。]
(164) 2014/02/10(Mon) 23時頃
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──ごめん。
[短い宣言は、背後の円へと向けたもの。 しかし直円へ言ったようにも取れるかもしれない。
機動隊と鬼の衝突は未だ続いているけれど、 地の利も機動力も勝る機動隊に 鬼達は徐々に数を減らしている。
その中心で、絢矢は母に似て来た目許を伏せ、 次に視線を上げた時──]
鬼は──、殺す。
[機械か人形を思わす、 感情乏しい眼差しで直円を見た。]
(175) 2014/02/10(Mon) 23時半頃
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[左足を軽く引き、 直円との距離を詰めようと爪先に力を籠めた時、 上空から舞い降りた漆黒の影に、絢矢の肌は粟立った。]
──ッ、
[咄嗟に円の腕を掴み、後方へ飛び退る。
菫色が周囲の状況を素早く見渡し、 東端の陣地を巡る戦況を確認すると]
全員散って──逃げて!!
[滅多に上げぬ張り詰めた声で 機動隊の面々へと呼び掛けた。]
(178) 2014/02/10(Mon) 23時半頃
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[声に反応した者もしない者も、 現れた少女の刀の前に瞬く間に切り裂かれてゆく。
ホリー=ニルヴァーナ。 始祖と並ぶ吸血鬼側の司令塔。
眼にした瞬間わかる、特徴的な外見と 肌に感じる圧倒的な威圧感。 養成所で知識としては聞いていたものの 実際に対峙して初めてわかる実力差に 絢矢のこめかみから、一筋の冷たい汗が落ちた。]
円、
[僅かに逡巡を滲ませて円の名を呼ぶ。]
直お兄ちゃんを任せた。
ボクはホリーを止める。 ──このままじゃ、機動隊が全滅する。
(190) 2014/02/11(Tue) 00時頃
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[次々に斃れてゆく機動隊の只中に、 絢矢は単身飛び込んだ。
円に直円を任せることは 円にとって酷だとわかっているけれど、 今取れる最善は、それしかない。
絢矢の姿が一瞬、鬼達の視界から掻き消え、 機動隊の一人の首筋へと揮われた刃の前に現れる。]
────ッ!!
[漆黒を重ねてホリーの力を受け止める。
あまりの衝撃に編み上げた革靴の底が砂を抉った。]
(196) 2014/02/11(Tue) 00時頃
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[ジャニスから歩法を授けられたのは周だけではない。
周の機動力の目覚ましい向上に気づいた絢矢も、 後を追うようにジャニスに指導を求め、 周に及ばずともそれに近い瞬発力を身に付けた。]
させな──い、
[当然、ホリーの眼に 絢矢の動きは捉えられていただろう。
実力差は刃を交わさずともわかる。
それでも絢矢は退けない。 機動隊は必要な戦力だ。 ここで失うわけにはいかない。]
(199) 2014/02/11(Tue) 00時頃
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[>>194自信なんてない。
そうするべきと判断したからそうしているまで。 無謀の代償は心得ている。]
キミは有名人──だから。
[視線だけは一歩も引かない。
押し切られる前に小太刀を弾き、 押し返そうとするのでなく、 己の躰を後方へ押し出すように距離を取った。]
(203) 2014/02/11(Tue) 00時頃
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/* 円www動いてくれないと二対一www
(-95) 2014/02/11(Tue) 00時頃
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[首筋に殺気。
しかし接近は察知している。 察知する──というより、 直円自身が喋りながら近付いて来るので その行動は予測出来る。
首を狙って揮われた鉤爪>>201は 片手を地に突き、 その手を軸に直円の手首を蹴り上げることで逸らした。]
(208) 2014/02/11(Tue) 00時半頃
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/* >>207 すごいドS感
_人人人人人人_ >酷い展開の予感<  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y
(-96) 2014/02/11(Tue) 00時半頃
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/* ホリーにまかせていると部隊が全滅しかねんので 結構強引に機動隊を守りに行ってますw
(-97) 2014/02/11(Tue) 00時半頃
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/* バトル村でぺらぺら喋りながら攻撃して来る相手の攻撃は、連撃でない限り喰らわないことにしています(シビア)
(-98) 2014/02/11(Tue) 00時半頃
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[ホリーと直円の 二人共を視界に収められる距離を取り、 また、低く腰を落とす。
一瞬の攻防の間にも 絢矢の目線は周囲へ間断なく巡らされていた。
逃げに徹した機動隊の動きは早い。
東端の広い傾斜地から、 一台を残し駆動音は遠ざかる。
次に彼らが何処へ向かうかまではわからなかったが ここでの全滅は免れ得たと思っていいだろう。]
(216) 2014/02/11(Tue) 00時半頃
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|
[直円が意味深な言葉を発しても その意味を問う声は返らない。
機械人形のような瞳がただ真っ直ぐに二人を見ている。
正直、言葉を発している余裕もないのだ。 瞬時に情報を分析し 最も無駄なく一部の過失もない動きに変えるには 極度の集中を必要とする。
その証拠に、たったこれだけの対峙で 絢矢の息は軽く上擦っていた。
ホリーはそれほどに“規格外”なのだ。]
(223) 2014/02/11(Tue) 01時頃
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[直円を前にしたせいか、 円はまだ動き出していない。
無理なら逃げろと口を開きかけた矢先 無表情に近い絢矢の眉が一瞬不快げに跳ねた。]
…──キミが、直お兄ちゃんをその名前で呼ばないで。
(224) 2014/02/11(Tue) 01時頃
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やめて───
[言葉通りの『虫』のように、 直円は地を這いホリーの爪先に躙り寄る。
その唇がホリーの靴に口付ける瞬間、 絢矢の声はハッキリと低く震えた。]
(227) 2014/02/11(Tue) 01時頃
|
|
/* ま、円ちゃあん!
(-102) 2014/02/11(Tue) 01時頃
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|
[だから──その瞳>>232から狂気の翳りが消えた時 絢矢はまた、僅かに目を瞠った。]
お兄ちゃん──…、 …───わかってる。
[そして静かに、答えた。]
お兄ちゃんは虫じゃない。
[諦観を、静謐で見据え]
直お兄ちゃんはボクの──… わたし、の
今も昔も大切な『家族』だよ。
(243) 2014/02/11(Tue) 01時半頃
|
|
だから、謝らないで。
お兄ちゃんは、ボクがちゃあんと──…
殺してあげるから───ね?
(244) 2014/02/11(Tue) 01時半頃
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|
/* [直円の紅を過ぎった一瞬の揺らぎ>>213。
常なら気づけていたのかもしれない。 完全とはゆかずとも、その奥に潜む真意を 読み解く切欠くらいは掴めていたのかもしれない。
先入観がなければ──。
──けれど。 絢矢は囚われていた。
狂気に呑まれた母、芙蓉の 贖いを求める狂った声に。]
これwwwwくそwww投下し忘れたwww 何がだからなのかわからないwww
(-107) 2014/02/11(Tue) 01時半頃
|
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『贖いをなさい──菖蒲』
[耳の奥で聲がする。
己の罪を贖えと、玉を転がすような聲で言う。]
(258) 2014/02/11(Tue) 02時頃
|
|
[優しく笑う直円に やはり絢矢は笑顔を返せぬまま]
うん、識ってる。 こんな痩せっぽちのボクより、 直お兄ちゃんは、きっと強い。
だけどボクは──敗けない。 ボクはこの日の為に、訓練を続けて来たんだからね。
[会話が始まると手を出さなくなったホリーを横目で見て その参戦意志のないことを確かめると、 絢矢は編み上げブーツの下の地面をジャリと踏んだ。]
(259) 2014/02/11(Tue) 02時頃
|
|
周ちゃんやお兄ちゃんを見習って ボクも偶には口上を述べるべきかな?
──行くよ。
(260) 2014/02/11(Tue) 02時頃
|
|
右の漆黒は『菖蒲』 ──母を弑した罪なる名。
[左足を軽く後ろに引き、自然に腰を落とす。]
左の漆黒は『常磐』 ──父を黄泉路へ誘いし姿なき兄の名。
[右手をやや前方へ伸ばし、 左の剣先は急所を守るように心臓の前へ。]
(262) 2014/02/11(Tue) 02時頃
|
|
『妹』と『兄』
対の罪名(つみな)を以って贖いの刃と成す──。
(263) 2014/02/11(Tue) 02時頃
|
|
桜庭絢矢──、参る。
(264) 2014/02/11(Tue) 02時半頃
|
アヤワスカは、直円へと、一直線に駆け出した。**
2014/02/11(Tue) 02時半頃
|
/* Q.絢矢さんここは邪気村じゃありませんよ?
A.識ってますよ!!!
だけど……だけどね!? お兄ちゃんの名前どっかで出したかったんだもん!!!!11
(-115) 2014/02/11(Tue) 02時半頃
|
|
/* 御器被りめっちゃかっこいいね。 やばいね真剣に惚れる。
が、しかし。 本気で、落としに、行きますよ。 直円さん。
村側皆殺せなそうだから、予定通りボクが殺戮に走る。
後もう一個の武器(最初の予定の武器)は出せるかなぁ。 vsリッキィで手にしたいけど会えるのか。
(-118) 2014/02/11(Tue) 02時半頃
|
|
/* 縁故と過去設定の関係で小太刀にしたけど、この戦い方むず痒いので早く当初の予定武器を手にしたい()
(-119) 2014/02/11(Tue) 02時半頃
|
|
/* 明ちゃんどうなってしまうん? 絢矢と再会出来ずに往くの……?
それともなんか別のフラグ……?
零瑠さん周辺は遠巻きに縁故を重ねるけど、見てる方が美味しいので自分からは近寄りません。薔薇はそっと眺めるだけ。そなね
(-120) 2014/02/11(Tue) 03時頃
|
|
/* 兄に捧げた名前、 冷静に考えるとトしかあってない。 わかっていが、投下してから改めてみると もうちょい捻りたかった気がする。
漣桜もレしかあってないんですけとね。 漣桜は父の名前になります。
レオナルドじゃないよ!
(-122) 2014/02/11(Tue) 09時頃
|
|
/* ホリーに気に入られたwww 謹んでご辞退申し上げます(気に入りを)
(-127) 2014/02/11(Tue) 12時頃
|
|
無理。
[>>293皆で帰ろうと言う円に 残酷なほど穏やかに、きっぱりと告げる。]
一度鬼になった人間は、二度と人には戻れない。 養成所で、習ったよね。
[だから殺すしかない。 殺すしか──。
──嫋やかな手に導かれ、母の頚を断ったあの日のように。]
(308) 2014/02/11(Tue) 13時頃
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[円のホリーへの攻撃はあっさり防がれ、 逆に腹部を狙った膝蹴りが放たれる。
しかしやはり、殺気は感じない。
愉しんで──いるのだろう。 家族が殺しあう様を。
純血の吸血鬼に多く見られる残忍さ。 長大な寿命がそうさせるのか、あるいは種の性質か。
いずれ直円もこうなってしまうのだろうか。
やはり──。]
ここで殺してあげなきゃ───…
[呟くなり、絢矢は走った。]
(309) 2014/02/11(Tue) 13時半頃
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[数少ない、己より視点の低い相手。 左右に揺れるような動き。
戦いにくい──けれど。
下方から繰り出される鉤爪を左の『常磐』でいなし、 地面すれすれを這うように奔らせた『菖蒲』の剣先で 直円の右鎖骨を狙って切り上げる。
刃が当たろうと当たるまいと、 そのまま直円の後方へと駆け抜け、 振り向きざま懐から抜き出したくないを二本、 直円の下半身を狙って投擲した。
ただの鉄の塊であるくないは 当たろうとも傷はすぐに塞がってしまうだろう。
絢矢の目的は、 一瞬でも直円の機動力を削ぐことにある。]
(313) 2014/02/11(Tue) 13時半頃
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[剣先が皮膚を裂き骨を削る感触。 しかし断つまでには至らない。
疾駆の勢いをくない投じると共に外側へ逃がし 直円の呼吸の乱れに乗じて地を蹴り その脇腹を再び下からの斬撃で狙う。]
(315) 2014/02/11(Tue) 14時頃
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[直円は気付いているのだろうか。 再会してから、 目の前の少女が一度も表情を変えていないことに。
一部の隊員から戦う機械と揶揄されるほど 無駄を排し正確さを追求した動きと、 それを可能にする集中力。
感情を殺すことで、僅かなぶれさえなくなった。
反面──一旦集中が途切れると脆い。]
(323) 2014/02/11(Tue) 14時半頃
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[『戦う機械』になりきったつもりだった。
罪を受け入れ、泣くことも笑うことも己に禁じ、 結果、無感情に家族さえ殺せる心を獲たはずだった。
なのに──]
───、
[眼前の敵──直円の発したか細い呟きを聞くと 無感情な絢矢の瞳に、一瞬動揺が過った。]
(324) 2014/02/11(Tue) 14時半頃
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[その──一瞬。 絢矢は直円の動きを追い損ねた。
視界から消えた御器被を探し、 咄嗟に背後を振り返った絢矢の上空から 鋭い爪が降下する。]
──ッ、
[避けるのは間に合わない。
絢矢は何とか腰を捻り、 利き腕に繋がる右肩僅か下に逸らせ その代わりに晒された左肩を庇うように 『菖蒲』の切っ先を突き出した。]
(325) 2014/02/11(Tue) 14時半頃
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[小袖の肩を容易く切り裂き、鈎爪が深く肉を抉る。]
──ッぐ、
[焼け付く痛みを訴える肩と引き換えに、 菖蒲は直円の片腕に傷を付けられただろうか。
彎曲したその形状故に、 腱を断ち切られることこそなかったが、 余りの痛みと衝撃にたたらを踏む。]
(333) 2014/02/11(Tue) 15時頃
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[バランスを崩した絢矢に鈎爪は尚も迫る。
ギリと奥歯を噛み痛みを噛み殺し、 右手一本で繰り出される爪を捌く。
まだだ──もっと。
もっと強くならなければ、 鬼と成った兄には届かない。]
(335) 2014/02/11(Tue) 15時頃
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アヤワスカは、血を吸い重くなった小袖の袖で、直円の右爪を絡め取ろうと**
2014/02/11(Tue) 15時頃
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[絡げた鈎爪──撃ち込んだ刃は逆に捉えられ膠着状態。
円とホリーの会話が聞こえて来る。]
逃げて──ううん、 安吾さんか、ジャニスさんを呼んで。
その鬼はボク達だけじゃまだ無理だ。
[袖が緩まぬよう強く引けば 傷口から血が溢れ地面に血溜りを作る。]
(370) 2014/02/11(Tue) 17時半頃
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───もう、喋らないで。
[静かな──怒気を孕んだ声が漆黒の少女へと。]
聞いちゃ駄目、円。 ボク達の家族は──あの時に死んだんだ。
ここにいるのは人の生き血を吸う鬼。 ボクらとは違うモノだ
(371) 2014/02/11(Tue) 17時半頃
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[ホリーが円を追撃するなら 直円に背中を晒してでも護りに行くつもり。]
直、お兄ちゃん──ねぇ、ひとつ教えて。
[捉えられた右の小太刀が鈎爪の間を滑り抜ける。 金属の擦れる耳障りな音を聞きながら、 唐突に直円へと倒れるように距離を縮めた。]
(374) 2014/02/11(Tue) 18時頃
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[感情のない瞳が間近に直円を見詰め]
お兄ちゃん“達”は───幸せだった?
[只真っ直ぐに、透明な声で尋いた。]
(380) 2014/02/11(Tue) 18時頃
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[円の声と遠ざかるエンジン音>>387を聴きながら 兄の──兄だったモノの答えを待つ。
五年の歳月を経ても変わらない身長。 あのまま時が経っていれば 今頃見上げている筈だったのに。
聖水銀の力と訓練で、 絢矢達保護された子供らもまた、 純粋な人の躯には過ぎた力を得た。
絶望と、後悔と、懺悔と── 夜毎繰り返される悪夢の日々に、 連れ去られた兄姉達に、 僅かなりとも幸いあれと祈らなかった日はない。
例え──狂ってしまった母のようにでも 笑っていて欲しいと───。]
(409) 2014/02/11(Tue) 20時頃
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[>>388直円の返答に、絢矢は──]
──ごめんね、お兄ちゃん。
[唇の端を幽かに引き攣らせるように、 機械めいたぎこちない笑みを形作った。
その貌のまま、跳ね上がる左腕を見上げ、 僅かに身を引き振り下ろされる鈎爪へと、 昔より丸みを帯びた、滑らかな白い頬を晒す。]
(410) 2014/02/11(Tue) 20時頃
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[寸前で止まった鈎爪の先端が頬に冷たい感触を残す。
距離を取った直円へと、 絢矢は更に踏み込み距離を詰める。]
変わってないね、お兄ちゃん。
ボクは憶えてる。 お兄ちゃんはよく、ボク達に顔を大切にって言ってた。
──だけど
[満足に動かない左手から『常盤』を鞘に納め 右手で喉を狙って突きを繰り出す。
誘うのは鈎爪のひと薙ぎ。]
(413) 2014/02/11(Tue) 20時半頃
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[『狂った』ように喚きながら 横薙ぎに振るわれる爪の一閃。
誘い通りの攻撃を直円が振り被った瞬間に 絢矢は強く地を蹴り上げ、 鋭い先端が絢矢のいた位置を通る時には、 絢矢は既にその懐にいる。]
直お兄ちゃん
[>>416否定されても兄と呼ぶのをやめない。 もう家族は死んだと、円に告げた言葉の矛盾。
再び直円の攻撃が来る前に、 絢矢は直円の背に腕を回し、 怖がらせないよう、そっと抱き締めた。]
どんなに変わってしまっても お兄ちゃんはボクのお兄ちゃんだ──。
(420) 2014/02/11(Tue) 21時頃
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一人で『陰謀』に立ち向かおうとしないで。 お兄ちゃんが今辛いのは、 あの日、ただ護られることしか出来なかったボクの罪。
その辛さ──ボクに預けて、
もう、楽になっていいんだよ───。
(421) 2014/02/11(Tue) 21時頃
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アヤワスカは、直円の背を撫でながら、漆黒の刃をその項へとあてがった。
2014/02/11(Tue) 21時頃
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誰の陰謀でもない
───ボクの、願いだ
[母を殺めた罪の名が──兄の頸へと深く沈み込む。]
(423) 2014/02/11(Tue) 21時頃
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[痙攣する躯を左腕で強く抱き、 耳許に唇を寄せて頷いた。]
貰うよ──首も躯も。 血の一滴さえ、もう奴らになんて渡さない。
[桜の花の舞うように、絢矢は上体を後方へ反らし]
一緒に帰ろう──みんなのところに。
[腰を限界まで捻り、 戻る勢いを利用して────一閃。]
(427) 2014/02/11(Tue) 21時半頃
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[鋭い切断面を晒す首筋から 噴水のように噴き上げる血飛沫を浴び
転がる兄の頭部を──絢矢は凝(じっ)と見詰めた。]
(429) 2014/02/11(Tue) 21時半頃
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アヤワスカは、直円の首と躯を、ホリーから守るように抱き締めている**
2014/02/11(Tue) 21時半頃
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[転がった直円の、 まだ幼さを残す顔をを拾い上げ しっかりと抱き締める。
肩からの失血は思うより深く、 眩暈をこらえて二三歩たたらを踏むと、 絢矢は直円の躯の傍に膝を突いた。
歩み寄る足音に、首を抱えたまま、 頭のない肩を、ホリーから守るように抱き寄せる。]
(462) 2014/02/11(Tue) 23時半頃
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[無造作な動作で少女が軽く肩を蹴ると 見た目以上の力に絢矢の頬は地を擦る。
けれどすぐに直円の元へ縋り付き、 その躯に決してホリーが触れぬよう、 首を抱え込み、胴には上から覆い被さった。]
───っ、
[蹴りを防ぐ力は殆ど残っていない。
衝撃に漏れそうになる苦鳴を押し殺し 意志だけは挫けぬと示すようにホリーを見上げる。]
(465) 2014/02/11(Tue) 23時半頃
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[>>433ホリーの言葉には、 眉を顰めさえしない。
だって──ソレは鬼だから。
人を殺したのも 人の生き血を吸ったのも
直円じゃない──鬼だ。
そしてソレをさせたのは───]
オマエ達を──許さない。
[絢矢の声はあくまでも平静。 怒りも悲しみも、そこにはない。]
(487) 2014/02/12(Wed) 00時頃
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どうしてって、決まってるよ。
お兄ちゃんと“約束”したんだ。
首を持って帰るって。 みんなの所へ、連れて帰るって。
…──たとえボクが死んでも。
[もうすぐ円が、味方を呼んで来る。 そうと信じて、直円を守っている。]
(489) 2014/02/12(Wed) 00時頃
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