182 【身内】白粉花の村
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ー車の中ー
[キリシマの恩師のものだという一般病院。 そこからの迎えの車に無言で乗り込む。
見送りの職員は数名いたが、幼馴染の姿はその中には見当たらなかった。忙しいのだろう。と自分を納得させて手元の紫陽花を見遣る。
サナトリウムを出る際、職員から祝いの花を贈られたが。 豪華なその花束はなんとなく気に食わなくて、うっかり忘れたふりをして、ベンチへ置いてきた。 置き去りになった無駄に大きな花束に、誰か気がついただろうか。
ため息一つ、窓の外を見つめれば、景色は田舎の風景から徐々に都会のものへと移り行く。 今度のところは一般病院で、親族からの見舞いも許可されているし、頼めば外出許可くらいはもらえるらしい。
同じ『不成長病』のレティーシャならば、楽しめる場所もありそうだ。そう思えば少しだけ表情も和らぐ。
目立つ自分のこの姿では、外出許可がもらえたところで、外に出ようなどとは思えないし、訪ねてくる者もいないだろうけれど]
(@0) 2014/06/24(Tue) 13時頃
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[押しつぶされそうなビル群や、過剰な色使いの看板。 それ等を見ているうちに欠伸がもれ、気づけば夢の中にひきづりこまれる。]
ずっと一緒にいたかった…な。
[紫陽花の花を抱いて、車の中シートに沈み込む。 じきに穏やかな寝息を立て始める。]
(@1) 2014/06/24(Tue) 13時半頃
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[いつの間に到着したのか、運転手に揺り起こされる。 一瞬、回診の時刻が来た。と幼馴染に起こされたのかと錯覚し、相手の手をゆるく払いのけた。]
あ………。そうか。
[寝ぼけ眼の視界に写る景色。 それは、先ほどまでいたサナトリウムとはかけ離れた、5階だての大きな病院。
玄関の前にはロータリーがあり、そこには幾つかベンチと、ガラスで区切られた喫煙スペースが見受けられる。 人々の出入りも割りに自由なようで、入院患者らしきパジャマ姿の男性が、ベンチで新聞を読み耽る姿があった。]
はぁ……。
[促されるままに自動ドアを通り、先ずは1Fの診察室へ。 キリシマから渡された、紹介状を片手に扉をノックすれば、途中で連絡が行っていたのだろう。すぐに、診察室へと招き入れられた。
簡単な検査の後、病室に案内されるのだという。]
(@2) 2014/06/24(Tue) 15時頃
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[身長・体重等の簡単な計測と、血圧の測定や血液検査。 あとは単純な問診を終え、解放される。 新しく入ってきた患者が珍しいのか、それとも真っ白な自分が珍しいのか。恐らくはその両方だと思うが、看護師の視線が痛んだ。
どこまで情報が届いているのか『不成長病』だった。ということは恐らくは、看護師達に知られているだろうけれど]
あの時みたいだ……。
[保護される前、半ば幽閉気味に隔離されていた宗教施設、その場所を思い出す。 好奇の視線と僅かばかりの畏怖、そして哀れみ。頭を撫でる手を、こちらへと招く手を、振り払うだけで精一杯だった。
頭を擡げ始めた嫌悪感を誤魔化すように、自虐的な笑みを浮かべながら、案内された病室へと向かった。]
(@3) 2014/06/24(Tue) 18時頃
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ー5F廊下→自身の病室ー
[キリシマの病院と違い、外来患者も訪れるこの病院では、病室は2Fからとなっていて、女性患者は2〜3階、男性患者は4〜5階と割り振られているようだ。
看護師に付き添われながら、入院患者用のエレベーターに乗り込み、5階の表示がされたボタンを押す。
エレベーターの側面にも見取り図があり、各階に談話スペースが設けられていることや、1階に喫茶室や売店があることも記されている。 ここに来る前、病院のロビーや階段前でも、同じ見取り図を見たので、よほどの方向音痴で無い限りは、院内で迷うことはないだろう。
程なくドアが開き、5階の廊下に着いた。 教えられた自身の病室へと向かう。]
(@4) 2014/06/24(Tue) 18時頃
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ありがとう。
[病室に辿り着き、ここまで案内してくれた看護師に頭を下げる。 用意された病室は、大部屋ではなく個室で、そのことに少し安堵する。
キリシマから話が行っているのだろう。 備えつけの洗面室に鏡は無く、壁にも時計は見当たらない。 救急箱も、投げたり破壊したり出来そうなものは、全て取り除けられている。
心配性な幼馴染の顔を思い出せば口元に笑みが浮かぶ。]
つか……れた……。
[ベッドに身を投げ出すように倒れこむ。 病衣に着替えなければと思ったが、長距離の移動は確実に体力を削っていて、指先一つ動かすのすら億劫だった。
布団をかけることすらなく、瞼を閉じる。 看護師が起こしに来るまで、そのまま眠ろうと。]
(@5) 2014/06/24(Tue) 18時半頃
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/* がん…ばった…(ぱたり 見学が朝顔だったら、描写が地獄だっただろーなーとしみじみ。
私視点、表示が青いよ、どうしよう。
(-16) 2014/06/24(Tue) 18時半頃
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/* というか、発言量だけ見ると、私どんだけ多弁なの?っていう。
実際は、流れを大体想像→ソロル部分は時間がある時にメモに前持って書く。 って感じなんだけどね。
(-19) 2014/06/24(Tue) 21時半頃
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[どれくらい時間が過ぎたのだろう。 ドアがノックされる音がして、目を開いた。]
あいて…います。
[今までの病院にいた時の癖で、ついぞんざいな口の聞き方をしそうになる。 自分がいかにあの場所に、慣れ切っていたのかが、離れて見て嫌という程わかる。理解できる。
訪ねてきた看護師は、どうやら様子を見に来ただけのようで、"何も変わったことはない"と答えれば、足早に去って行った。 大きな病院のこと、きっと忙しいのだろう。
やることもなく、病衣に着替えると窓から外を眺める。 都会の病院とはいえ庭はあるようで、芝生と小さな噴水のある、さほど広くはないスペースが自室の窓から見えた。
テーブルの隅に、自らが置いた紫陽花の花瓶と、中庭とを交互に見比べる]
(@6) 2014/06/24(Tue) 22時半頃
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/* あと描写しといた方がいいところは……、とくにないかな? しいていえば治癒過程? でも、更新ごとに日が進んでるわけじゃないかもだからなー。 その辺はみんなの反応を見てからにしよう。
(-52) 2014/06/25(Wed) 05時半頃
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/* うわぁい、院長権限……w
(-57) 2014/06/25(Wed) 09時頃
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[窓を開くと白いカーテンが、バタバタと風にはためく。
都会なだけあって、こちらの方が暑いようだ。吹き抜ける風の中に焼けたアスファルトの匂いを感じれば、顔をしかめる。
鳥の声よりも大きな車の音、その騒音に辟易として窓を閉めようとした時]
………ん、電話?
[ベッドの方から聞こえてきたのは電話の音。
何か書類に不備でもあったのか。それとも回診の時間でも知らせるのかと、窓を閉めようとした手を止めてベッドの側まで向かう。]
ー…………。
[一瞬の戸惑い。 電話がかかってくることなど、もう何年もなかったから。何を言えばいいのかわからなくて。 けれども、ベルの音を放っておく訳にはいかないと、一度だけ深呼吸して、電話に出た。]
はい。もしもし?
(@7) 2014/06/25(Wed) 09時半頃
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/* 男性RPの場合の擬音語の使い方を、もすこしかんがえないと。だね。 またどっかに飛び入りするかー……。
(-58) 2014/06/25(Wed) 09時半頃
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!?キリシマ……?
[受話器の向こうから聞こえてきたのは、幼馴染の声。 治療法が見つかった今、自分に用はないのだ。と、どこか見捨てられたような気がしていたのに。]
疲れてはいないよ。 ここに着いてすぐに仮眠した。
[彼の声を聞けば、離れたばかりなのに懐かしさがこみ上げてきて、戻りたいと思ってしまう。 その気持ちを隠すように、出来るだけ素っ気なく言葉を紡ぐ。
なんでこんなに寂しいのか、自分でも理解できないのだ。]
こっちは……退屈だよ。 車の音も、排気ガスの匂いも。不快だ。
[だから、そっちに居たかった。 口には出せない願望を、この環境への不満にすりかえて幼馴染にぶつけるのはきっと、甘えているのだろう] キリシマは…なにか変わったことあった?
(@8) 2014/06/25(Wed) 11時頃
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[相変わらず心配性な幼馴染の言葉>>*3 一歳しか違わないと入っても、こちらの方が年上なのに、これではまるで逆みたいで、情けないなと苦笑する。 電話の向こうの相手には、伝わらないだろうけれど]
倒れたりはしないさ。 具合が悪くなっても、どうせすぐに医者が来る。
[吐くように言った言葉は、精一杯の負け惜しみ。 実際、幼い頃から体調を崩すことは多かった。 奇病に罹ってからはなおのこと。 だから、きっとこんな負け惜しみだと見破られてしまうんだろう]
暫くの間……か。 わかってる、経過を診るんだろう。
[迎えに来るなんて、そんな相手の心算など知りはしないから、繰り返す言葉はどうしても、冷たくなってしまう。]
(@9) 2014/06/25(Wed) 13時頃
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[ここから出てその後は、家族の元へも戻れない。奇異の目で見られるのも耐えられない。行く場所がないのなら……。 視線は自然と窓の外、5階の空に注がれた]
病院であることにはかわりがないから。 どこでも大差はないよ……。 話し相手がいないのはつまらないけどね。
[そう、話し相手がいないのはつまらない。 それだけなのだ。と、どこか感じていた寂しさを抑え込む]
ああ。花束……うっかりわすれた。 送らなくてもいいよ。大きいし邪魔だ…。 キリシマが……飾っておけば?
[キリシマが持ってくるなら。と言いそうになり頭を軽く振る。 予想以上に疲れているのか、環境が変わったことに負荷がかかっているのだろう。と一人納得した]
(@10) 2014/06/25(Wed) 13時頃
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/* ヤニクさんに縁故ふらなくてよかったー(しみじみ
(-72) 2014/06/25(Wed) 14時頃
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[自らがわざと置いてきた花束。 無駄に大きく華美なだけのあれを、果たして本当に飾るのだろうか。]
キリシマには……花は似合わないね。 木の方がよく似合う。
[無理に飾らずともいいと、そう言おうとしたものの、先の子供扱い>>*4もあってか、皮肉じみた言葉になってしまう。
けれども、花よりも木の方が似合うと思ったのは事実で。 なぜならば、木の下なら自分は少しでも長く居ることができるから。 もっともそんな意味も幼馴染には伝わらないだろうから、ただの皮肉と取られてしまうのだろうか。]
なにかあったら……。 ああ、じゃあ暇つぶしに何か。 君が選んだものでいいから、本を。
[読書は特に好きではない。 けれどもここで時間を潰すには、それが最適と思えたから。
題名もジャンルも指定しなかったのは、彼がどのような本を選ぶのか気になったから。]
(@11) 2014/06/25(Wed) 19時頃
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/* この村は精神科も、併設した方がいいと思いの。 体だけじゃなく、みんな心もやんでるから。
(-106) 2014/06/25(Wed) 22時半頃
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/* デレても通じないすれ違いっぷりが……。
(-141) 2014/06/26(Thu) 08時半頃
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[『木』という表現がピンとこなかった様子の幼馴染。 電話の向こうのその表情を想像すれば、思わずククッという押し込めた笑いが漏れる。]
花のがよかった? 僕は木の方がいいと思うけどな。 動物や鳥を休ませられるからさ。
[やっぱり皮肉に取られてたか。とわざと残念そうな声で付け加える。
木の下で鳥や動物をやすませる。その表現が、あの病院で他の患者を治そうとしている彼には、相応しいと思えたから。
その中に自分もいたのだ。とは口が裂けても言えなかったけれど。]
花は何もできないからね。 存在してても役に立たない。
[その言葉の中には、自分の力で生きていけるキリシマへの羨望も確かにあって。 けれども、その羨ましさも彼には伝わらないのだろうな。と斬り捨てるように言葉を投げた。]
(@12) 2014/06/26(Thu) 10時半頃
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無理しなくていいさ。 余裕ができた時に見繕ってくれれば。
[むしろ、自分に構っている時間はないのでは。という懸念が頭を過る。
そのことに、気づかない振りをして本の話題にのみ触れたのは、恐らく臆病さ故なのだろう。
役にも立てない、奇病でもなくなった今、幼馴染に構ってもらっている理由はどこにもなくて。 いっそあのまま死んで、解剖でもしてもらった方がよほど役に立ったのではないか。と思ってしまう。]
ああ。そろそろ回診の時間だ。 悪いけど、もう切るよ。
[暗い方へと引きずられる思考。それを隠すように、軽く声を上げる。 回診の時間なんて嘘、医師である幼馴染が一番よくわかるだろうけれど。
『こちらからかける』甘えを見せるようでその言葉は言わずに、そっと受話器を置いた]
(@13) 2014/06/26(Thu) 10時半頃
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/* そっちに聞かれても……ディンさんとカリュは接点ない。 負縁故結び損ねたやつ
(-148) 2014/06/26(Thu) 12時半頃
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[通話が終われば、そのままベッドに腰を下ろす。
"次はかけてきて欲しい"幼馴染からの意外な言葉には、易易と返答をすることはできなかった。]
仕事……忙しいんだろうが…。 僕なんかに、構ってられないだろうに…
[自身の体温の残る受話器にそっと触れる。 『明日もかける』そう言ってしまえば、どれだけらくだったか。
けれども口からこぼれた言葉は……
『考えとく』
例え自らの時が動きだしとしても、この隔たりは埋まるのだろうか。
そんなことを考えながら、生ぬるいシーツに身体をうずめた]
(@14) 2014/06/26(Thu) 12時半頃
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/* キリシマさん忙しくなりそうだったから、電話切っといて正解だったかな。 きびしいもんねー。さすがに、
(-152) 2014/06/26(Thu) 13時頃
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ー回想ー
「カリュクス君。だね。」 はい……。そうですけど。
[医師とはいえ初対面の人間に、下の名前を呼ばれたことに不快感を覚える。 尤も文句を言う気などさらさらなく、早く解放してもらいたさから、口元に儀礼的な笑みを作っただけだが。]
「キリシマ君から、新薬のことは聞いているかね?」
[問いに。首を軽く左右に振ることで応える。]
ここに来る前、昨日の朝・昼・晩と、車に乗り込む前に2種類の注射を受けた。
今迄そんなものは治療の中に含まれていなかったので、恐らくそれのことだろうと察しはついていたが。]
(@15) 2014/06/26(Thu) 14時頃
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「君の投薬は、一日に3回。決まった時間に行われる。」
………。
[最初に注射を打ったあとの、あの嫌な気分を思い出し、眉間にしわを寄せる。 額に脂汗を浮かべる自分を見て、幼馴染は酷く慌てていたな。と。
入院期間が最も長く、データが集まっているはずの自分でさえ、そうなのだから、レティーシャや他の患者はもっと、不調を起こすかもしれない。
そう考えれば医師の数の少ないあそこではなく、都会のこの病院で。とキリシマが考えるのも理解はできて。]
「不調を起こす可能性もあるから、投薬後1時間は起き上がらないように。何かあったらすぐに看護師を呼ぶように。」
わかりました。
[それでもどことなく、見捨てられたような思いを感じながら、初老の医師に頷く。]
(@16) 2014/06/26(Thu) 14時頃
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医師の説明は一々尤もで、反論することも、口を挟むこともできず。
せめて他の患者の治療について…と、問いかけようとしたのだが]
「一人一人の、闘病期間と症状に合わせて、新薬は作成されている。全員の治癒も夢ではない今。君は、まず自分の病を治しなさい。」
[どこまでこちらの事を知っているのだろうか。 治療により病自体は治ったとしても、失った時間は、家族は。 そしてなによりも。
味わった苦い経験は消えはしないのだ。と心の中で呟きながら、静かに頭を下げた。]
………わかり、ました。
[『奇跡の子』とされたあの時から、人に触れられることを嫌悪するようになった。この姿を恨むようになった。 自らを抱く手などなくていい。]
キリシマ……。
[震える声で呟いた名前。心許せる幼馴染に届けばいい、と。]
(@17) 2014/06/26(Thu) 15時頃
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[溜息をつきベッドの上で、ただ天井を見上げ、まっすぐに腕を伸ばし掌をみつめる。
記憶にある父親のものや、幼馴染のものとも違う掌。 度重なる怪我で、いくつか消えない傷跡はあるものの、ゴツゴツと骨ばることもなく、滑らかなそれはまるで女の手のようで。 奇病を患う前ですら、こうではなかった。と、塞がりかけた傷に爪を立てる。
そんなことをしても、追いつくことはないとわかっているのに。]
20年か……長すぎたよ。
[成長が止まったのは恐らく、12〜13才くらいの時だろう。
元から体が弱かったから、少しくらいの成長の遅れは、気にも留めなかった。 けれども、身長も体重も全く変動せず、いつしか周りとの差が開いて行き。
終いには弟にも追い越された。 異変に気付いた両親が、大きな病院に…と連れて行ったのが15の時で]
(@18) 2014/06/26(Thu) 19時頃
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キリシマはそこにいたんだよな……。
[彼も体が弱かったのか。 もしくは他に事情があったのかわからないが。 その前にも、幾度か病院で顔を合わせていた。言葉を交わすこともあったから、仲良くなるのに時間はかからなかった。
"一過性の成長ホルモンの不足"もっともらしく、能書きをつけられたそれは結局のところ誤診で、半年の入院生活でなに一つ、変わりはしなかったけれど。]
それでも、あの頃はまだマシだった
[まだ家族がいた。と唇を歪め、手のひらで顔を覆う。
真っ白な長い髪、紅い瞳。引き抜けるものなら、抉り出せるものならば。
こんなものさえなければ、成長が止まったままでも、家族に売られることはなかったのだろうか。]
(@19) 2014/06/26(Thu) 19時半頃
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/* 20年というか、正確には24年なんだけど…ね。 止まっていることに気がついてから。だと20年だし……。 まぁ、いいや。
(-177) 2014/06/27(Fri) 00時半頃
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