43 朱隠し
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[項垂れるように地を見詰めていると、その先に杖が見えた。 顔を上げれば、目を丸くする人の子が一人]
そんな顔しなくても良いだろう?
[無言で会釈する明之進へと、そんな軽口を投げる]
(10) 2011/02/16(Wed) 12時頃
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春松はメモ誤爆か??w
(-1) 2011/02/16(Wed) 12時半頃
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こんなにでーんと座ってるのに気付かなかったのか。 あはは。お前も真っ直ぐにしか物を見ぬ奴だな。
[楽しげに笑い、よいしょと掛け声を呟き立ち上がる]
ああ、賑やかなものだ。
お前も、何か供えに来たのか? 俺は喰い物が良いな。美味い奴。
(13) 2011/02/16(Wed) 12時半頃
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いや、いい。 其処までせずとも構わん。
[苦笑し、供物台に備えられる猫の置物へと視線を落とす]
これはまた。随分と愛らしいな。
[微笑ましそうに言いながら。 鏡へと明之進が気づけば、僅かに視線を反らし]
……藤の花に囚われた男からの捧げものだ。 気にするな。
(16) 2011/02/16(Wed) 13時頃
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そう言えば昨日会った人の子も、同じような事を謂っていたな。
[勝気な睨めつけるような眸を思い出し、くつくつと笑う]
じゃが置物よりも俺はやっぱり食べ物の方が良いな。 出来れば甘いもの。 綿飴というんじゃったか? しろいもこもこしたやつ。 あれを食べてみたい。
[だめか?と問う声は、アヤカシと思えぬほどに無邪気で幼い]
(21) 2011/02/16(Wed) 13時頃
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ウトは、春松には気付かぬまま、綿飴について無邪気に語っている。
2011/02/16(Wed) 13時頃
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[何者かが供物台へと近づく気配を感じ、 くるりと首を動かした。
ちらりと視界の端に、てっぺんを結わえた黒髪が見えて]
……誰じゃ?
[まさか先程思い出していたものとは思わずに、誰何の声を掛ける]
(26) 2011/02/16(Wed) 13時頃
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ベ、別に買って来いと言う意味ではないぞ。 ただちょっと……食した事がないので、興味があるのだ。
[ぷい、とそっぽを向いて。 買ってこようかと明之進が申し出れば]
いや、そこまでせずとも……う、うむ。 明日で、その構わぬ……。
[言葉を濁し、ごにょごにょと呟く]
(27) 2011/02/16(Wed) 13時頃
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[飛び上がる人の子に、こちらこそ赫い眸を瞬かせた。 それから遅れること数秒]
……ぷ。あははははっ。
[その唇から洩れるのは心底楽しげな笑い声]
よいよい。 そなたも供えに来たのであろう? 俺の事なぞ気にせずとも、よい。
[目ざとく零れ落ちた包みを見て、 アヤカシは其の堤へと手を伸ばした]
(30) 2011/02/16(Wed) 13時半頃
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本当か…? お、お前は良い奴だな。
[面の下の眸を輝かせて、アヤカシは嬉しそうな声を出す]
この礼はいつか必ずしようぞ。 これは手つけじゃ。
[そう謂い、帯に差した赤い風車の端を差しだした]
(32) 2011/02/16(Wed) 13時半頃
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[取り返そうとする春松の手を避けて、 届かぬ高さに手を上げる]
……甘いものでなければ、なんじゃ? 俺に、供えに、来てくれたのであろう?
[問う声は、楽しげに響きを十分に含んで。 赤い顔もまた愛らしいと、くつくつ笑いながら見下ろした]
(35) 2011/02/16(Wed) 13時半頃
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うむ。其の心がけ、誠に殊勝である。
[明之進の言葉に眸を満足げに細め、鷹揚に頷く。 差し出した風車を受け取るのを見、呟きを耳ざとく聞いて]
そうであろうそうであろう。 華月斎が作ってくれたのじゃ。大事にしてくれよ。
(37) 2011/02/16(Wed) 13時半頃
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やっぱり俺への供え物か。 では、有難く戴こうとしよう。
[座り込む春松を尻目に、するりと包みを解く。 朝食の麦飯を握ってくれたのだろうそれは、未だ微かに湯気を上げていて。 アヤカシの目には、白米のそれよりも美味そうに見えた]
……美味い。
[一口頬張り、嚥下する。 昨日の兄への想いとはまた違う、だけどそれとはまた別の想いが込められているのだろう握り飯は、大層美味く感じて。 そのまま一口二口と、美味そうに平らげて行く]
(39) 2011/02/16(Wed) 14時頃
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[指についた米粒まで綺麗に舐め取り、 すっかり平らげてしまうとぺろりと唇を舐めた。
背を向ける少年へ、アヤカシはにぃっと笑い]
……俺の事を想うて握ってくれたのであろう? 大変美味であった。
甘いものも好きじゃが、俺はお前の握り飯も好きじゃぞ。 毎日でも食べたいぐらいじゃ。
[まさかこの少年が自分の朝食を抜いて作っている等知らぬため、無邪気に強請った]
(42) 2011/02/16(Wed) 14時頃
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楽士 ウトは、メモを貼った。
2011/02/16(Wed) 14時頃
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[明之進が風車を帯に差せば、満足げに其れを見詰めて。 そういえば、と。 初めて会った時に付けていた犬の面がない事に、今更ながらに気づく]
そう言えば、今日はしとらんのだな。 俺たちと同じになるのは、もうやめたのか?
[ちょんちょんと自分の狐の面を叩き、少しだけ残念そうな聲でそう尋ねる]
(44) 2011/02/16(Wed) 14時半頃
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[くぅと小さな音が少年の腹から聞こえて、ぱちぱちと目を瞬かせた。 其処で漸く、この少年が朝食を抜いて自分のために此れを作ってくれたことを思い知る]
………あー。ええと、すまぬ。 無理を謂うた。
[絶句する少年へと申し訳なさそうに呟き、ぽり…と頭を一つ掻いて。 続く言葉には、此方が言葉を失うか]
……お前がどうしても兄に会いたいと言うのなら。 会わせてやらぬ事も無い。
[歩きだす背に、そう声を掛ける。 ただしそれは、人の世の全てを捨てることと同意である事は云わぬままに]
(46) 2011/02/16(Wed) 14時半頃
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そうか。 お揃いの様で、俺は嬉しかったのだが、な。
寂しさなど、お前たちが謂う山の神になったとしても、 埋められたりはせぬよ。 寂しさを埋めるのは、同じく寂しさを持つ心であろう。
[まるで自身に言い聞かせるように呟き、溜息を一つ漏らした]
(52) 2011/02/16(Wed) 14時半頃
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[顔を輝かせて振り返る少年に、アヤカシは無言で頷く]
代わりにお前は全てを捨てなければならぬ。 幽世の里で人は住めぬ。俺たちと同じものになる必要がある。
もう二度と人の世には戻れなくても良いのなら、 祭の最後の晩に俺がお前を連れて行こう。
(54) 2011/02/16(Wed) 14時半頃
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寂しさや孤独とは、何時になれば癒えるのであろうな。
[ぽつりと呟きが地へと落ちる。 長き時を生きているからこそ、埋められぬものがある。
アヤカシは己が胸へと手を当てると、きゅっと着物の端を握りしめた]
(57) 2011/02/16(Wed) 15時頃
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[緩く笑むその顔を見るアヤカシの眸に、 憐憫の色が混じる。
兄のいる場所のみが己の世界だと言う少年とは裏腹に、 其の兄が弟の事などとうに忘れてアヤカシとして生きている事等謂えずにいて。 無意識に唇を噛んだ]
判った。 そこまで決意が固いのであれば、最後の夜に、此処で待っているがよい。
俺は約束を違えぬ。 必ず、お前を連れて行こう。
(59) 2011/02/16(Wed) 15時頃
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[触れあえぬと識っていて、 それでも差し出された小指に己のそれも同じように差しだした。
約束だと嬉しそうに云う少年へ、狐の面がこくりと頷く]
(60) 2011/02/16(Wed) 15時頃
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握り飯も食べたし、俺は一度寝どこに戻る。 約束の晩までに、準備をしていると良い。
[そう言葉を残して、 りん、と鈴の音を響かせアヤカシは風に溶けた*]
(61) 2011/02/16(Wed) 15時半頃
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ウトは、明之進には風車と、
2011/02/16(Wed) 15時半頃
ウトは、春松には約束を残して――**
2011/02/16(Wed) 15時半頃
楽士 ウトは、メモを貼った。
2011/02/16(Wed) 15時半頃
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華月斎が其れを望むのであれば、 俺はお前の望みを叶えてやりたい。
じいたちが構わぬなら、力を貸すぞ**
(*7) 2011/02/17(Thu) 00時頃
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楽士 ウトは、メモを貼った。
2011/02/17(Thu) 01時頃
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[りん――…]
(123) 2011/02/17(Thu) 03時半頃
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[誰もいなくなった供物台に現れる白い手。
それは綿飴を一つ掴むと、ゆらりと霞んで。 はじめから何もなかったかのように、風に溶ける]
(124) 2011/02/17(Thu) 03時半頃
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あいつ……本当に良い奴すぎる。 アヤカシの戯言を真に受けて、こんな……こんな。
[白い綿を口に含めば、ほんのりと甘い]
(*14) 2011/02/17(Thu) 03時半頃
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あいつも喰らえば、こんな風に甘いのだろうか。
[もう一口、齧る。
口中に広がる上品な甘さはまるであの人の子のようで、 酷く、胸が、痛い]
(*15) 2011/02/17(Thu) 03時半頃
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嗚呼…。 あの白い肌も、その裡に秘めた寂しさも。
全て全て愛して喰らってしまえたなら――……。
(*16) 2011/02/17(Thu) 03時半頃
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[りん――…]
(*17) 2011/02/17(Thu) 03時半頃
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[鈴が鳴る。 その裡の痛みを音色に響かせて]
(*18) 2011/02/17(Thu) 03時半頃
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[りん――……**]
(127) 2011/02/17(Thu) 04時頃
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