84 戀文村
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ミッシェルはベネットを占った。
ベネットは人間のようだ。
山間の小さな村から、
駐屯軍が居なくなり何日経っただろう。
――……その日は、朝から雨であった。
村人の一人が、ラジヲを手持無沙汰につけた。
立地故に、元々ノイズが多かったが……。
その村人が、我が耳を疑いラジヲを小突いたのは、
そのラジヲが古さ故に役立たずになったからではない。
(#0) 2012/04/01(Sun) 00時半頃
ラジヲから流れてきた音は、
しかし、真実、終戦を告げるものだった。
その間にも、多くの人の涙のような雨は、
静かに雪を溶かし長い長い冬を流して行く。
やがて大地は、再び草花を芽吹かせ
――……春が来る。
芽吹くものは、草花だけではなく
そして美しいものだけでもないだろう。
それでも、春は来たのだった。
明けぬ冬は、ないのだと、示すように。
(#1) 2012/04/01(Sun) 00時半頃
その春の中、一人の老女が、ゆっくりと立ち上がる。
雪解けの大地から救い出すかのように、
手に取るのは、彼女が護ってきた種(手紙)。
その種が、どのような花を咲かすのか、実をなすのか、
それとも……それは、撒こうとする今、判らない。
けれど、願わくば、優しいものであることを、彼女は願う。
(#2) 2012/04/01(Sun) 00時半頃
ナタリアという老女に託された手紙。
差出人の生存が確認された場合は、本人へと戻された。
差出人の死亡が確認され、受取人が生存している場合。
彼女が行ける範囲であれば、彼女の手から
そうでない場合は、郵送にて終戦後すぐに渡された。
差出人が生死不明で、受取人が生存している場合。
受取人が望むならば直ぐに、そうでなくとも半年を目安に
送られることとなる。
(#3) 2012/04/01(Sun) 00時半頃
残念ながら受取人も亡くなってしまった場合。
そこに秘められた想いを、なかったことにしたくはないと、
暫くはナタリアの手元に保管されることとなるが……。
受取人が判明した最後の手紙が、彼女の手を離れてすぐ、
まるで自分の役目を遂行できたことを満足するように、
その老婆が亡くなってからは、村役場の片隅で保管されることとなった。
(#4) 2012/04/01(Sun) 00時半頃
その後、流れて行く年月の中、
いつしかそこで保管されていることは、忘れ去られてしまう。
しかし、戦後半世紀も経った頃、役場の職員が残された手紙を見つける。
薄れ行く戦争の悲惨さを、今ひとたび世間に知らしめることとなるが
――……それは、また別の話。
(#5) 2012/04/01(Sun) 00時半頃
季節が幾度となく巡るように、人が人を想う気持ちは、
人が居る限り繋がって行くものだから。
― *戀文村・了* ―
(#6) 2012/04/01(Sun) 00時半頃
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