17 吸血鬼の城
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>>*13 [視線を感じて、チラと視線を戻す。 貌を掴まれると、苦しげに呼気を整えようと…。]
そんなことは……あのときは、自分は……
[そうあの時、吸血の魔族になったとき、 自分からなかったもの、そしてあふれ出していたもの。 それは、理性と、欲望と……。]
――……ッ
[認めざるえない感情にやはり目を伏せる。]
そうだ、そうだな、 自分は、君が………
欲しかったんだ。
[最初に見た蒼穹、そして、フロレスクであるという事実。きっとその時から、彼には特別な感情があった。]
(*14) nostal-GB 2010/06/26(Sat) 11時頃
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>>*14 [目を伏せたそれからは、触れた手を離して、 白薔薇は断罪者の如くそれを見下ろすように]
―――…なんて、罪深いこと。
あなたはつまり、自分の欲望を魔の本性と挿げ替えて、 己自身をも騙そうとしたのではありませんか。
[青はその眼差しを狭める]
そのその事実から目を覆い、逃げたのでしょう? 己の本心を認めたく、なくて。
[足元には広がるは、棘持つ白薔薇、漂う薔薇の香気]
(*15) sen-jyu 2010/06/26(Sat) 11時頃
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>>*15
[己さえも騙して、の言葉にはっとするけど、 また眸を閉じて…]
――……
[否定はできず、でも肯定をできる強さもなく、 ただうなだれた。]
(*16) nostal-GB 2010/06/26(Sat) 11時頃
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>>*16 [沈黙が返れども、 白薔薇は容赦なく断罪の言葉を紡ぎ続ける]
そして逃げ出したまま、命をも投げ出した。 あれはあなたが施したもの、なのでしょう? ――…責任でもとったつもりですか。
さぞ、満足でしょうね。 醜い己自身の欲望と向き合うことなく、綺麗に死ねたのですから。 ――…あなた自身は、私にフロレスクたる汚辱と、 己の浅ましさと、向き合うことを強いたというのに。
(*17) sen-jyu 2010/06/26(Sat) 11時半頃
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>>*17
[白薔薇の呪うような言葉は止むことなく、 逃げ道を塞ぐように己を責めてくる。
否定はやはりできず…だからといってもう、為してしまった業にどう応えていいのかもわからない。]
――……そうだな。 吸血鬼たる自分からも、逃げたかった。
[認めるといった口調で、深く深く息をついて、
やっと、逃げてはいけないのだと、その眸に向き直った。]
――……で、君は私に何を? 君の怒りをどうすればいい?
[じっと、乱れた髪の向こうから彼を見つめる。]
(*18) nostal-GB 2010/06/26(Sat) 11時半頃
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>>*18 [揺らがぬ白薔薇とて裁く立場になどあろうはずがない。 けれどその言の葉は止まず]
己の欺瞞もお認めなさい。 ――…本当に、救いがたいこと。
[しばらくして、その沈んだ色が向き直れば、 向けられる問いに、ただ、問いを返して]
赦されたいですか? ―――それとも、償いたいとでも?
[そして自らの言葉に微笑う。 後者もまた罪悪感よりの欺瞞に過ぎないだろう、と蔑むように]
(*19) sen-jyu 2010/06/26(Sat) 12時頃
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>>*19 [白薔薇は開放しないとでもいうように問いを問いで返して……。
そして、赦されたいか、償いたいか、と訊いてくる。]
赦されるのか? ましてや、償えるのか?
君は私をどうしたい? 私は君に何ができる?
いや、きっと、何もできない。
だが、一つ確かなことがある。
これだけ言われてもなお、私は君を……救いたいとも思う。
[まさに欺瞞……。]
(*20) nostal-GB 2010/06/26(Sat) 12時頃
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>>*20 [それは噴き出すように笑って]
ははッ っく……
――……ああ あぁ……
[白薔薇が胸の薔薇を手にすれば その棘持つ枝葉が、目の前の者を打たんと振り下ろされる]
なんという傲慢、欺瞞。 あなたの罪悪感に付き合えとでも? そんなものあなたの自己満足でしかないでしょう。
だいいち、 何も出来ない者がどのように私を救うというのですか?
[静かな怒りの滲む眼差しが、見据えて]
(*21) sen-jyu 2010/06/26(Sat) 12時半頃
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>>*21 [笑う白薔薇、振り下ろされる白薔薇、 それが貌を打って、目の下に引っかき傷を作った。 じわり、と染み出す赤い色。 瞬時は目を伏せたけど、それでもまた開いて……。]
そうだ。 自己満足で、欺瞞かもしれない。
[打ち下ろされた白薔薇を拾い上げる。]
でも、放っておけない。
[白薔薇を眺め、その棘に指を押し当てる。 指先は切れて、やはり赤いものが滲む。]
薔薇は、棘が痛い。だけど、
美しい。
(*22) nostal-GB 2010/06/26(Sat) 12時半頃
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>>*21 [染み出す赤に打ち捨てられた薔薇を男が拾う、 清廉な純白を侵す1滴の あか ]
――それは、
今度は私に―― 憐れみでも施すおつもりですか?
あの、娘に与えたように。
[気高き白薔薇の棘が、 男の指先を傷つけるをただ目を狭めて、見る]
(*23) sen-jyu 2010/06/26(Sat) 12時半頃
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>>*23
――………。
[憐れみを施す……その言葉は、また心のやわらかいところに刺さる。
どうすればいいのか わからない。
きっと、このまま抱きしめたとしても、 彼は、なお、閉じこもるだけじゃないだろうか。]
――……君に与えられるものはあるのだろうか。 いや、それを考えるのも欺瞞なのか?
[それでも白薔薇を打ち捨てない。**]
(*24) nostal-GB 2010/06/26(Sat) 13時頃
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>>*24
沈黙は肯定なのでしょう。 ―――実に愚かな偽善、ですこと。 憐れみだけでも赦しがたいというのに、 ましてや唯一ならざるものをこの私に――。 [気高き白薔薇は、 その自尊心を害すことを、許さず]
何故、私に与えたいなどというのです。 ―――傲慢な。
[偽りを許さぬ、青はただ静か**]
(*25) sen-jyu 2010/06/26(Sat) 13時半頃
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[何を言っても、態度が崩れない。 段々と、本当にどうしていいかわからなくなる。
いっそ、放っておけばいいのか、と、思うけど、 それだけができなくて……。
なぜだ、と考えて……。 またその姿を見て……。]
――……そうですね。 君に何か与えてあげよう、とか、無理かもしれない。 だけど……。
[そこまで言いつつ、言葉に詰まる。]
(*26) nostal-GB 2010/06/26(Sat) 18時半頃
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>>*26 [与える、その言葉に眉根を顰め、 迷うような沈黙と揺れる視線に、苛立ちをまた誘われる]
理由も言えぬとは、 つまらないこと―――己の意思もないのですか。
はっきり仰いなさい。 いまだ己の浅はかさを認めがたいのですか。
[白き薔薇は飽いたように眼差しを流す]
(*27) sen-jyu 2010/06/26(Sat) 19時頃
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>>*27
――…だから、憐れみとか、そういう気持ちじゃないんだ。
[そして、はっきり…といわれ、向き直り……。]
憐れみじゃない、 護ったのも、そして、君に、あんなことをしたのも。
私は、君を……。
愛してるから。
(*28) nostal-GB 2010/06/26(Sat) 19時頃
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>>*28 [白薔薇は重たげに、 その睫毛を瞬かせながらゆるやかに首を傾いだ]
――……ああ、
ああ、なんて都合のよい言葉。
[男を覗き込む白薔薇の双眸は濡れて]
あなたはただの欲望に、 そのような名を付けるのですね。 ―――よいでしょう、ならばそれが違う、と。
証明して差し上げればよいのでしょう?
[両の腕は男の首に絡められて、薔薇は微笑む]
(*29) sen-jyu 2010/06/26(Sat) 19時半頃
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>>*29
[白薔薇の手が首に絡んで… そうか、絞めるのかと思った。]
――…ただの、欲望じゃな い。
[否定の言葉を絡みつく前に吐き出して……。 そのまま、濡れた眸を見た。
そう、 瞬時に護ったのも、最初に欲しくなってしまったのも…もうそれしか理由が浮かばなかった。]
(*30) nostal-GB 2010/06/26(Sat) 19時半頃
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>>*30 [絡んだ指先、一度だけ力が込められると その指先は掠めるように這わせながら背へとまわされた]
――お黙りなさい。
[白き薔薇の口唇、口付けは甘く されど情欲を煽るみだらなもの――離れて、吐息を零せば]
[消えない憎悪、それはただ欲望に踊らされるを暴かれたが切欠――男自身はそれをごまかしているというのに。それは同属ゆえの嫌悪にも似て]
ならば、あなたも貴方の言葉を証明なさい。
……私は貴方の浅ましい姿が見たいのです。
[薔薇はその執着の名を知らず]
(*31) sen-jyu 2010/06/26(Sat) 20時頃
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>>*31
[その指先は首に食い込むが、すぐに離れ、悩ましげに身体をすべって…
その指先を目が追った時、口唇が濡れる。]
セシ……
[黙れといわれて、でも黙る意思の前にそれは塞がれて……目は一瞬見開かれる。]
――……
[そのまま、抵抗などするわけもなく……。]
(*32) nostal-GB 2010/06/26(Sat) 20時半頃
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>>*31
[証明しろといわれて、目を細める。 もう二度、戯れた躯。離れた口唇をまた追いかけて、押し当てた。]
――……
[沈黙は肯定。 そういわれるまま、無言で……。
欲望の牙を見せて…。**]
(*33) nostal-GB 2010/06/26(Sat) 20時半頃
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[不意に城主の聲が響きます。 呼ばれた名は私が人であった頃の響き。 私のローズ、と慈しんで呉れた名残は感じられません。 感傷的になっていた心が冷静になってゆくのを感じました]
私はドナルドの血を頂いたばかり。 今は渇きなどありません。
貴方はもう私に興味などないのでしょう? 貴方の寂しさ、私には埋められないのですよね。
愛しいお兄様…… 私に時間と慈悲を与えて呉れてありがとう。 ――…お別れ、です。
[客人の事には触れず、 必要とされなくなった私は幸せを願った魔性に 別れを告げたのでした]
(*34) helmut 2010/06/26(Sat) 22時半頃
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>>*33 [追いかける口唇が重なる、 それはかつての官能の記憶を呼び覚ます。 冷たい熱が甘く溶けて重なりゆけば、薔薇の香は漂う]
[布を噛んで押さえ、手袋を外す、 その指先は男の胸元を弄り――触れたのは刻印 がりと爪を立てる 欲望が迫る 目元だけで微笑えめば]
――――……ん、 ぁあ……
[咥えた手袋は落ちる]
[白き薔薇はその執着の名を知らず、 されど男に標した刻印は決して消えることはない]
(*35) sen-jyu 2010/06/27(Sun) 02時半頃
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[甘美なる地獄に、救いがたき魂がふたつ
行為を愛と呼ぶ者 行為を欲と呼ぶ者
薔薇の褥に、艶やかなため息は、零れる――**]
(*36) sen-jyu 2010/06/27(Sun) 02時半頃
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――…何処へなりと、好きに行くが良い お前は……自由だ。
[低く暗い音 >>*34彼女の聲に漏らした音 興味が無いと 埋められぬと 其れは城主自身にもわからぬ事 答えは其れだけしか返せなかった]
(*37) Ayame 2010/06/28(Mon) 14時半頃
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私の愛しいローズは――泡と消えた そう、思う事にしよう。 お前の墓は作らぬ。
[ざわ、と風が森を騒がせる。 何時しか霧は弱く薄く 魔の結界はとけて消えた。 喰らってしまうぞと脅しにも屈する事の無かった彼女は 何処まで行くのだろう もう人には戻れぬ其の姿で。 霧の先を見通す事は、出来ない]
(*38) Ayame 2010/06/28(Mon) 14時半頃
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この黄昏の向こうは……別世界 あの者とて、数十年か数百年もすれば戻ってくるだろう
此処より先に ひとの住処には我等は立ち入れぬ。 我等が城に、人が足を踏み入れられぬと同じように
永遠を願うひとと、終幕を求める魔と 決して双方が相容れることなど、無いのだ
(*39) Ayame 2010/06/28(Mon) 14時半頃
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ベネット 私の大事な息子よ
外を眺めるのは、止めてしまえ。 黄昏の色も周囲を再び閉ざす霧も 我が力続く限り、永遠に変わる事など無いのだから
この城にいる限りは お前を怯えさせている魔物狩人も 獣たちも 誰もお前を傷つけることは出来ぬ。
――そう、私以外には……な
(*40) Ayame 2010/06/28(Mon) 14時半頃
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――…私の望みは『自由』ではなかった。 けれど、後悔はしていません。
これは私が望んだ事だから。
[兄と慕った魔性の聲は女の耳には届かない。 それでも時折女は語り掛けるように独り言ちる]
ねぇ、お兄様――… 貴方の『望み』は叶いましたか……? 貴方は今、しあわせですか……?
(*41) helmut 2010/06/28(Mon) 21時半頃
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>>154 [薔薇は微笑った、男の愚かさに]
――嗚呼、 ああ……
実に、実に愚かしいことですね。
それが貴方の語る 愛 なのですか。
[声をあげて薔薇は哂えば]
―――欺瞞もここまで限度を越えれば、笑うしかありませんね。
(*42) sen-jyu 2010/06/28(Mon) 23時頃
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[いばらは伝う、男の躯を。 白き薔薇の怒りはそれを止められず――]
[その青い双眸は濡れていたのけれど]
――――…もう、よいでしょう。 あなたの欺瞞は、聞き飽きました。
[そのいばらはやがては男の魂を砕くだろう**]
(*43) sen-jyu 2010/06/28(Mon) 23時頃
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