32 ABSOLUTELY CHRONO LIMIT―絶対時空極限―
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― 黄昏の白昼夢 ―
[ひとりぼっちの世界。 青年は膝を抱えるように蹲ったまま。 遠くで”姉”達の声が聞こえた気がする。 ふと視線を上げると、ぼろ、と服の端が光の粒子になる様子が目に映った。]
嗚呼、もう…終わるんだね。
僕の、負けか。
[自嘲気味に笑う口元。 赤い世界の向こうでは、闇《夜》に光《朝》が訪れようとしている。 崩壊の刻《シヴァの瞳》の消滅は、贄となった青年の消滅。 辛うじて留まっていた精神《いしき》も、その刻限を迎える。]
(*0) sunao 2010/09/28(Tue) 01時半頃
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――――…僕は、何が出来たんだろう。
僕は、何も変えられなかったのかな。
[ほろほろ、ほろほろ。 淡い光が解けるように零れていく。 懐かしい歌と共に、その光は暖かさと優しさを確かに届けて。 胸が、苦しくなる。]
…僕の、幸せを? [男の声>>16を追いかけるように、呟く。 ふわり、頬を撫でる風が吹いた気がした。]
(*1) sunao 2010/09/28(Tue) 01時半頃
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…Зоя?
[身体から零れる光に少女の顔が映る。 その表情は柔らかな笑みを湛えて、淡く消えた。]
みーちぇ、カリュちゃん、ベネ、みんな。
[続けて吹いた優しい風。 青年は立ち上がって風を追うように見上げる。 浮かぶ光に、大切な人達の笑顔が灯って消えていく。 こみ上げる熱いものが瞳から零れ落ちて、赤い世界に透明な音を奏でた。]
―――――…テッド?
[最後に残った、一際輝く小さな光。 今にも朽ちてしまいそうな腕を必死に伸ばして光に触れようとした刹那。]
(*2) sunao 2010/09/28(Tue) 01時半頃
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――― パァアアン! ―――
[赤い世界に亀裂が奔って罅割れ弾け飛び、茜色の光になって闇へと還って逝く。 青年だった光も同じように弾けて、茜色の光と共に闇へと喪われていった。
青年《少年》が伸ばした手。 その手が、焦がれた光に届いたかどうかは―――*]
(*3) sunao 2010/09/28(Tue) 02時頃
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