18 'Cause I miss you. 〜未来からの贈り物〜
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[ フランシスカの呼声に、残酷な笑い声で答えた。>>1:*26]
何処? ……俺の処に決まってるじゃねえか。 人でなしのお前なら声を辿ることくらい簡単だろう?
(*0) 2010/07/01(Thu) 01時頃
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………便利なんだね。これ。生憎と誰かさんみたく人でなしじゃないから気付かなかった。
[震える“声”を隠すように、ごまかすように軽口を叩く。
意識を集中させてみれば確かに“声”の居所は知れた。
はぅ、と胸中で溜息を吐いて。家へ帰る前、“声”を辿ってドナルドの元へと行くのだろう。]
(*1) 2010/07/01(Thu) 01時頃
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[ フランシスカの声にくつりと笑う。>>*1]
俺のこの声が届いているんだ。十分ひとでなしじゃねえか。
[ 軽口を叩いてはいるものの、その声は硬く、弾んでいないことは手に取るようにわかる。 狩る側とは思えないその声が可笑しくて。]
ははッ……。
[ 思わず笑いがこぼれ落ちた。]
(*2) 2010/07/01(Thu) 01時半頃
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………っ。
[“声”が届くから。届いてしまうから。
自分が、“人”でないことは、わかっては、いるけれど。認めたくは、なくて。 何か返すでもなく、ただ唇を噛んだ。]
……なに。
[届いた笑い。悔しさからか涙が出そうになったけれど、堪えて。堪えて。短く、問う。]
(*3) 2010/07/01(Thu) 01時半頃
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なあに、気にするな。
[ フランシスカの不快そうな声を聞いたところで、一度こぼれた笑いを止めることはない。>>*3]
そんな事よりも、だ。 お前は何処が好みだ? 肉か? 骨か? 内臓か? それとも――。
[ もうすぐ現れるであろう獲物の味を想像しながら、舌舐り。]
(*4) 2010/07/01(Thu) 01時半頃
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[“声”>>*4に答える気がなさそうなのを感じ取ると溜息をつく。]
………どこでも、
[嫌悪感を隠すでもなく“声”にしっかりと表して]
い や。
[きっぱりと伝えた。]
(*5) 2010/07/01(Thu) 01時半頃
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[ 不快感を隠す事無く叩きつけられた言葉に、声なき笑みを浮かべた。]
……そうか、目覚めたてだったな。 なに、一口でも喰ってみりゃ嫌でも知るだろうさ。
[ にやり、と笑ってみる。]
……と、憐れな子羊の御到着だ。
神よ、この者を救い給え。アーメン――とまあ、こんな具合か。
[ こきり、と首を回した。]
(*6) 2010/07/01(Thu) 01時半頃
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―サイモン宅前―
[ 辺りを伺うようにして、家に駆け込む男の影。 左右を見渡して玄関へと吸い込まれたのを確認して、玄関へ。
玄関の前でしばし待つ。獲物は必ずここから現れる、と知っているからだ。 内の様子は手に取るようにわかる――それこそ、男が再び玄関に手をかけた事まで。]
よう、サイモン。こんな夜更けにどうした?
[ とびきりの笑顔で迎えた。 何が起きたか分からなかったのだろう。 白痴のように某とした顔を浮かべる男。 その顔色が恐怖と絶望の色で染まるまでの間に、全ては決まっていた。]
(*7) 2010/07/01(Thu) 02時頃
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じゃあな。
[ 振り上げた右腕――人のものとは明らかに違う太く、長く、毛で覆われたそれの先には、短刀もかくやという爪。 無造作に振り下ろし、それでサイモンは六つにスライスされた。 右手を赤く染める温もりに酔いしれ、爪にこびりついた肉に口付ける。]
そうそう、この味だよ……く……くははははははッ! 早く来いよフランシスカ! 折角のご馳走が冷めちまうぜ!?
[ 高く、天に吸い込まれるような哄笑。]
(*8) 2010/07/01(Thu) 02時頃
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[ 忘れはしない、この左目が最期に映したものを。
正規軍は撤退、時間稼ぎの捨て駒、部隊は壊滅。 生き残ったのは戦のいろはも知らなかった己、そして背を預ける戦友にして命を預ける親友。 猫の群に追われる二匹の鼠は月夜を逃げ惑う。 異なる神を掲げる敵の手はすぐ後ろに迫っていた。。
死にたくなかった/死なせたくなかった/生きたい/生かしたい。 無我夢中で敵の部隊に飛び込み、牙を/爪を振るう。 その姿は異にして威。 我に返った時には敵は逃げたか、死んだかのどちらかだった。
危機は去った、安堵と共に振り向く。
満月の灯火の下、左目に大きく映った白刃。 その男は背を預けた戦友にして魂を預けた親友――そして、どうしようもない程の信徒だった。]
(*9) 2010/07/01(Thu) 23時頃
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あぶねえ……。
[ 思考の鈍り。 久々にたらふく食べて気が緩んだからか。]
腹八分目ってのは大事だな……。
[ そう言いつつ頭に描くのは、今夜の食事の『献立』。]
(*10) 2010/07/02(Fri) 00時半頃
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[ 端で俯くヨーランダを盗み見る。]
ほう……相当ひでえ死に様みたいだったなあ、サイモンの野郎は。
[ 他人事の様に呟き、唇を歪める。]
フランシスカ。聞こえてるんだろ? 食ったか? 感想はどうだ?
[ ただの興味から、同胞の少女へと声をかけた。]
(*11) 2010/07/02(Fri) 01時半頃
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―回想―
[ 肩越しに本をのぞき見た後、顔を離す際にアイリスの首筋を目にした。 細くて白い、柔らかそうなそれ。]
美味そうだ……サイモンよりよっぽど上等な味だろう。 なあ?
[ その呼びかけは誰に対してのものだったのだろうか。]
(*12) 2010/07/02(Fri) 09時半頃
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[小さな小さな兄妹。
楽しそうに笑って。言葉を交わして。
でも。
突然、紅く、紅く、染まる。
――いやだ、いやだ、おにいちゃん!
響く声。届くことはなくて――]
(*13) 2010/07/02(Fri) 16時半頃
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[夢を遮ったのは、届いた“声”>>*11だった。 その“声”に否応なしに思い出させられたのは、昨夜のこと――
集会所を出て、思い足取りでサイモンの家へと向かった。
そこには既にドナルドの姿はなく。 あったのは、“サイモンだったモノ”だけ。
「――うっ……」
むせ返るような、紅のにおい。 思わず口を押さえる。
懐かしい、におい。紅い世界が交差する。
「にい、さん……」
その場に膝をついて咳き込む。 浮かび上がる紅い記憶。]
(*14) 2010/07/02(Fri) 17時頃
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[そして。
「い、や……いやだよ、なに、なんなの…」
気付いたのは。
「あた、しは…ちが、う……」
自分の中にある、紅に対する高揚感。
「いや……いやああああああああああああああああ」
あげた声はきっと誰にも聞こえなくて。 逃げ出すように、身体を起こすとその場から走り去る。
でも。本当に逃げだしたかったのは。
――自分の中の、“何か”から。]
(*15) 2010/07/02(Fri) 17時頃
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――…朝から何よ。ほっといて。
[“声”に浮かぶ嫌悪感は、果たして、誰に、何に対してか。
それは、少女自身にもわからない。]
(*16) 2010/07/02(Fri) 17時頃
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[ 不機嫌を隠すことなく呟くフランシスカを見た。>>*16]
なに、これだけ選り取り見取りのメシを前にして仏頂面してるのがおかしくてなあ?
ダイエットか? 無理はやめとけ。
[ 言って、声なき声を上げて笑う。]
今日は……そうだな、アイリスなんかどうだ?
[ 笑い声をかみ殺しながら提案する。]
(*17) 2010/07/02(Fri) 17時半頃
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[絵に触れたまま“声”をきく。 兄は今の自分をどう思うのだろう。]
ダイエットなんてあたしには必要ない。見てわからない?
[そう、軽口で返すけれど。]
――え?
[続いた言葉。あげられた名前。思わず集会所のほうへ視線を動かし素っ頓狂な“声”を。]
(*18) 2010/07/02(Fri) 18時頃
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たく、同族殺しとは醜い連中だぜ。
[ 同族に向かって口元をつり上げてみせた。]
で、お前は誰を喰いたいんだ? 希望がないなら俺が決めさせてもらうぜ?
[ くつくつと笑い、一人の少女へと視線を動かす。]
(*19) 2010/07/02(Fri) 22時半頃
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[視線を向けたのと同時、つりあがる口元。]
……あたしは食べない。
[そういって、目をそらそうとした。
けど。]
は、あんた、何を。
[ドナルドの向けた視線の先。
そこにいたのは。]
(*20) 2010/07/02(Fri) 22時半頃
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[ 同胞の言葉をあざ笑う。>>*20]
ったく、すだけ殺して腐らせたって勿体ねえぞ? ……ああ、美味そうに見えないってか? あれはきっと上物だぜ?
[ 殺すなら、首筋に噛み付いてその悲鳴ごと――。 その味を想像して、笑いを殺す。]
(*21) 2010/07/02(Fri) 22時半頃
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ちょ、あんたアイリスに何する気。
[思わず腰を浮かしそうになるけれど。
それをしては自分のこと、わかってしまうから。 必死で堪えて。
スープを口にしながら、“声”を飛ばす。]
(*22) 2010/07/02(Fri) 22時半頃
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決まっているだろう……何度も同じこと教える気はねえぜ?
[ 一度鼻で笑い、首を回した。]
アイリスじゃダメな理由はあるのか? ……ああ、「女の肉は食いたくない」ってのはナシだ。 俺だって昨日サイモン食ったんだしよ。
[ あれはあれで悪いものではなかったが、と心のなかで付け加えた。]
(*23) 2010/07/02(Fri) 22時半頃
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だ、だって、アイリスは、あたしの
[大切な幼馴染。
浮かぶのは彼女と共に遊んだ日々。]
……それよりも、あんた疑われてるじゃない。いいのそんなに動いて。知らないよ。
[どうにかして、話をそらせないかと。]
(*24) 2010/07/02(Fri) 23時頃
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……ああ、お前の獲物か、そいつは悪かったな。 だが、独り占めは良くないぜ?
[ テッドを前にして苛立ちを覚えつつも、そう皮肉る。]
ああ? こんなもんビビったヤツから死んでくんだよ。 俺のやり方に口出すんじゃねえ!
[ 怒りに任せて怒鳴る。]
(*25) 2010/07/02(Fri) 23時頃
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獲物だなんて、そんな意味じゃっ
[皮肉られているだけだなんて、気付かずにそう“声”を荒げる。
そして怒鳴る彼の言葉に、身を震わせる。]
(*26) 2010/07/02(Fri) 23時頃
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ほう? じゃあどんな意味だ? まさか「友達」だとか言わねえよなあ? ハハッ、いくらテメエが底なしの間抜けでもそれはないだろう?
[ 笑い転げたかったが、皆の手前険しい顔を作り続ける。]
(*27) 2010/07/02(Fri) 23時頃
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[倒れたテッドを見ても、“ドナルド”を知っているせいか、動くことができなくて。]
友達よ。あたしの大切な幼馴染だ。それがどうしたっていうの。
[き、っと睨むだけしか、できなくて。 笑っているような雰囲気のするドナルドが、とても腹立たしかった。
でも。 一番腹立たしかったのは、何もできない自分。]
(*28) 2010/07/02(Fri) 23時半頃
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マジか! ハッハハハハハッッ!!
[ 友達、という言葉に哄笑を抑えられなかった。>>*28]
そうか、友達か、ハハハ! だったら言ってやるがいいさ!
[ 湧き上がる可笑しさを殺すために、一拍を取る。]
友達の間には隠し事なんて無いんだろ? わたしは人狼だけど、あなたを食べたりしません。 これからも友達でいてくれますか……てなぁ!?
アイリスのヤツどうするんだろうなぁ?
ハーッハハハハハハハハハ!!!
[ 一度止めた哄笑が、再び堰を切る。]
(*29) 2010/07/02(Fri) 23時半頃
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な、なによ。
[突如響いた笑い声。
続いた“提案”。
それは、とても。]
――…そ、んな。こと。
(*30) 2010/07/02(Fri) 23時半頃
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[言えない。
言えない。
アイリスの返答が怖かった。
人狼だと、ばれて殺されるのが怖かった。
兄が救ってくれたこの命。絶やすわけには。
ああ、でも。 兄の敵は。
ぎり。唇を噛む。
血の、紅の味がした。]
(*31) 2010/07/02(Fri) 23時半頃
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[ 戸惑うような同胞の話に、低い声で呟く。>>*30]
経験者からの忠告だ……一度しか言わねえぞ?
人間を信用して正体をバラせば、こうなる。
(*32) 2010/07/03(Sat) 00時頃
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まあ、俺はこの程度で済んだがな。 親友だと思ったところで、ヤツら人間は必ず刃を向けてくるぜ?
アイリスだってテメエを人狼と知れば、憎み、怒り、刃を持ち出すだろうなあ……。 それでもお前は、「親友」だなんて思えるクチか?
[ 問いかける。]
(*33) 2010/07/03(Sat) 00時頃
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[低い“声”>>*32にドナルドからアイリスへと視線を動かす。
ずっと、一緒にいたアイリス。
大好きな親友。]
………。
[彼女はどう思うのだろう。
自分が、人狼と同じ存在になってしまったこと。
わからない。わからなかった。
考えたく、なかった。]
(*34) 2010/07/03(Sat) 00時半頃
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くっ……はは。
[ 椅子に座り、笑いをこらえる。]
は……あのガキが何者かは知らんが……助かったぜぇ?
[ ヤニクに決選投票を申し込まれた時を思い出す。 ――冬の空の下に放り出されたような、骨の髄まで凍る思い。 だが……。]
たまらねえな、このスリルは……。
[ くつくつと笑いに身を歪めた。]
(*35) 2010/07/03(Sat) 01時頃
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――…何が、楽しいのよ。
[少年の後姿をぼぅっと眺めていたけれど。
笑う気配にそっと視線を動かす。
“たのしい”“たのしくない”
何度かここで聞いたセリフ。
ふと、なんとなはしに自分はどうだろうと、考えてみる。]
(*36) 2010/07/03(Sat) 01時半頃
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………たのしいだなんて、思うはず、ないじゃない。
[楽しくは、ない。
あるのは、恐怖。
何への?
死?
それとも――
――自分への?]
(*37) 2010/07/03(Sat) 01時半頃
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[ 同胞の囁きに、唇を歪めた。>>*37]
……楽しくない? 楽しくない、ねえ?
[ くつくつと笑い、告げる。]
その割には随分と悩んでるみたいじゃねえか。 初めての時はあんなにきっぱり嫌だと言ってた口がよぉ?
(*38) 2010/07/03(Sat) 01時半頃
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楽しくない、よ。当たり前、じゃない、こんな、こんなの。
[自分を抱くように腕をまわして身体の震えを抑えようと。]
なっ、悩んでなんかないっだいたいなにを悩むっていうのよっ
(*39) 2010/07/03(Sat) 02時頃
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[ 怖がるように体を抱く同胞を見た。>>*39]
へえ、その割に歯切れが悪いじゃねえか。 自分自身をどう騙そうかってツラだぜ? それは。
[ 首をすくめてみせた。]
(*40) 2010/07/03(Sat) 02時頃
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……騙そうだなんて、思ってない。
[首をすくめる姿から視線を外す。]
それに、自分なんて、そうそう騙せるような、相手でもない、でしょ。
[歯切れが悪いこと、自分でもわかっていたけれど。
それでも、“声”だけははっきりと。]
(*41) 2010/07/03(Sat) 02時頃
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他人を騙すよりはよっぽど楽だと思うがな? その証拠に……。
[ 盗み見るような視線をアイリスに向けた。 その空気だけで、何を伝えたかったのか知れるだろう。]
……な? 考えないようにしてて、そして忘れてただろ?
[ 意地悪く哂う。]
(*42) 2010/07/03(Sat) 02時半頃
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………っ。
[ドナルドの視線を無意識的に追えば、アイリスに辿り着いて。
意地悪げな哂いに、再び唇を噛む]
(*43) 2010/07/03(Sat) 02時半頃
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[ 視線の先に気づいたらしい。>>*43]
言ったぜ? 俺はアイツを喰いたいってなぁ?
[ 視線は獲物の首筋を捉えたまま。]
(*44) 2010/07/03(Sat) 02時半頃
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なんで。そんな、いや、だ。
[ドナルドの視線の先、アイリスを見つめて。
俯いて。
弱々しく、“声”にする。]
(*45) 2010/07/03(Sat) 02時半頃
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[ 弱々しい、吹けば飛ぶような細い声に顔をしかめた。>>*45]
みっともねえ声出してんじゃねえよ。 言っただろう? もう忘れたかこの馬鹿野郎。
[ 喰いたい奴が居るなら優先してやる、そう言ったのを思い出して、暗い笑みを灯す。]
(*46) 2010/07/03(Sat) 02時半頃
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…食べたくなんて、ない。
[同じように思い出して、す、と視線をそらす。]
そんな、食べなくても、いいじゃない。大人しく、してれば。
(*47) 2010/07/03(Sat) 02時半頃
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[ 大人しくしていればいい。その言葉にわずかに首を振った。>>*47]
今更無理だな。 俺も、お前も、人間どもも、今更止めることなんざ考えられねえ。
例え俺達が食わなくても、奴らは俺達を殺すまで誰彼構わず殺し続けるさ――俺達を殺すまでは、な?
[ 鼻を鳴らす。 過去を思い出し、一瞬だけ面白くない顔をした。]
(*48) 2010/07/03(Sat) 03時頃
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[届いた“声”にちらりとヤニクからドナルドへ視線を動かす。
一瞬見えた表情に、少し違和感を感じたりもしたけれど。]
……殺すまで。
[言葉を、反芻する。
殺し合い。
抵抗しなければ、ヤラレル?
ふるり、浮かんだ考えに、身を震わす]
(*49) 2010/07/03(Sat) 03時頃
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[ 視線を感じ取り、天井を眺めた。>>*49]
ああ、殺すまで、だ。 俺とお前が抵抗しなくたって、奴らは危機として殺しに来るぜ?
なんつったって……。
[ 怒りを押し殺すように、呟く。]
俺達はな、奴らにとっちゃ殺すべき敵だ。 その辺に転がってる本を見てみろ、確実にそう書いてある。 で、だ。
誰も、その事を疑問に思う奴は居ねえ。 お前の大事な大事なアイリスだってそう信じこんでるだろうさ。
(*50) 2010/07/03(Sat) 03時頃
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アイリスは、アイリスは…
[違う――そう、言いたかったけれど。
そう言えるだけの、自信が、今の自分にはなかった。]
(*51) 2010/07/03(Sat) 03時頃
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アイリスは……何だって?
[ 続けられるものなら続けてみればいい。>>*51 覚めた目で続きを待つ。]
(*52) 2010/07/03(Sat) 03時半頃
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ア、イリス、は……ち、が…
[目線から逃れるように、瞳を固く閉じて。腕にぎゅ、と。力がはいる。]
(*53) 2010/07/03(Sat) 03時半頃
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「違う」……と思いたいだけなんだろう? 自分を騙して安心したいだけだぜ、それは。
[ 唯一縋るものを砕くように呟く。>>*53]
(*54) 2010/07/03(Sat) 03時半頃
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………。
[アイリスを見送って、ヤニクに言葉を返して。
ちらり、ドナルドを見る。
それは、本当かもしれない。
でも、本当にしたくなかったから。
何も、言わなかった。
何も、言えなかった。]
(*55) 2010/07/03(Sat) 04時頃
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[ 黙りこくる同胞に、溜息をつく。>>*55]
まあ、生きてりゃ、その内嫌でも思い知るさ。嫌でも、な。
[ アイリスが出て行くのを目で追う。 結局は、止めなかった。 もはや同族だと、心中でほくそ笑む。]
(*56) 2010/07/03(Sat) 04時頃
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フランシスカ! 飯の時間だぜ?
[ 立ち上がり、首をこきりと鳴らす。 空気を震わす声なき声。 同胞の少女は何を思ったのだろうか。 その顔色を見て、嘆息した。]
しゃあねえ、今日も俺が殺ってきてやる。 ただし……だ。
[ 振り返り、睨みつけた。]
必ず、喰わせるからな?
[ 人の味さえ知ればもう面倒なことは考えないだろう。 己の辿ってきた道から、彼女から人間らしさが消えない故をそう結論付けた。
そして、階段へと――。]
(*57) 2010/07/03(Sat) 05時半頃
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