164 天つ星舞え緋を纏い
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おおそうじゃったそうじゃった。なんぞ小洒落た名は覚えづろうてのぉ……儂はお主の名を好いておったのじゃが…。
[まぁだ、といわれたのを聞くにどうも前にも一度、もしくは数回は彼に同じことを聞いているのかもしれない。毎回忘れるのもあるが、その裏には彼の元の名への思い入れが強い事からくる、あてつけのようなものかもしれない>>176]
む、それは尤もじゃろうが……して、どこも似たような惨状じゃ、儂も同行しよう。
[同行を申し出、しかし顔をわずか怪訝そうに曇らせる。華月斎はいい。だがしかし… 先日会った夕顔からは、こんな……言いようもないような不安を感じただろうか。]
(180) 2014/02/16(Sun) 23時半頃
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― 通り ―
死んでる、なぁ……。
[撒き散らされた死。 その中を女は歩く。]
……明日は、我が身、かな……。
[対抗手段があるとは言え、異形たちはまだまだ数が多い様で。 これまでだって、何度も襲われた。 精神的にも肉体的にも、疲労しているのが自分でわかる。]
あんまし、酷い死に方はしたくないんだけど……。
[呟きながら角を曲がれば、雷門の屋敷。 その門前に3人の人影が見え、咄嗟に角に隠れた。]
(181) 2014/02/16(Sun) 23時半頃
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─ 畦道 ─
[鎮める、と言い放ったのはごく自然なこと。 内にある銀の光が、より強く求めるのはそれだと思えたから]
……言われずとも、やってやる!
[何故そうしなければならぬのか、はわからぬけれど。 それが自分の成す事と思うから]
(*16) 2014/02/16(Sun) 23時半頃
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…… な、に。
[まじまじと見詰めた手に、外傷は一切見当たらない。 齎された痛みは日向を守る光からなのか、彼女自身からなのか、どちらにせよ一平太の知る処ではないが。 再び伸ばされた手を見るも>>179、今度は取ろうとはせず、逆の手で庇うようにしながら]
わかんねぇ、けど。 ……触んの、だめみてぇだな。
[相変わらず眩しさは消えてはくれない。 灼かれてしまいそうな錯覚を覚えて、目を背けた]
(182) 2014/02/16(Sun) 23時半頃
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……っ、と!
花橘も 匂うなり 軒のあやめも かおるなり 夕ぐれさまの 五月雨に 山ほととぎす 名のるなり!
[駆けて来る炎の帯>>*15は、寸での所で横に飛び、避ける。 着地の直後にくるりと身を返し、紡ぐのは今様歌。 本来の歌い方とは程遠い、早口のものではあるけれど。 笛には確り、気が宿る。 夏の日差しの、苛烈な光。 それを宿した横笛を手に、己が身の『時』を速めて踏み込んで]
……はっ!
[短い気合と共に、横一閃に振り抜いた]
(*17) 2014/02/16(Sun) 23時半頃
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生きて、たんだ……。
[いたのは、華月斎と、夕顔と。 もうひとりは、恐らく昔寺子屋で世話になった沼太郎だろう。 軽く胸をなでおろすも。
先の老婆のように化け物扱いされるのは嫌で。 そもそも、剥き身の刀などを手にしているなど不審に思われてもおかしくない。 ともあれ今は角から様子を伺うのみ。]
(183) 2014/02/16(Sun) 23時半頃
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─ 通り ─
……今は華月斎名乗っとるけど、わいが琥珀なんは変わらんで。
[芸名を名乗ってはいるが、本名を捨てたわけではない。 親から貰った名をどうして捨てられようか。 捨てるくらいだったら、里にも戻らず完全に縁を切っているはずだ]
ほな一緒に……────
[沼太郎の申し出>>180をありがたく受け、移動しようとした矢先。 間近から信じられぬ言葉>>178を聞く]
……夕? おまえ、何言うて……。
[自分の鼓動が跳ねる。 このまま抱きかかえているのは危険だと、何かが身体のうちから叫んでいて。 夕顔を支える腕が刹那、緩む]
(184) 2014/02/17(Mon) 00時頃
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一、にい……。
[一平太の手を庇う仕草>>182に、今度こそ日向も手を退かざるを得なかった]
ん。そうみたい、だ。
[胸の内がざわざわとする。 自分と一平太は相容れぬ存在だと、本能に言われているような気がする]
ごめん、一にい。 あたし、もう行く、から……。 ちゃんと、安全なとこに逃げといて。
[目を背ける様子に、心の別の部分が疼いたけれど、諦めたように一歩、二歩と下がる。 それから、くるりと背を向けて]
死なんでよ、一にい。
[その一言を絞り出すように言い、それを合図としたように駆け出した]
(185) 2014/02/17(Mon) 00時頃
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子守り 日向は、メモを貼った。
2014/02/17(Mon) 00時頃
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[己を抱く華月斎の温もりが、安らぐはずのそれが、おぞましい。 唇が、勝手に動く。 ざわり、影が不自然に、蠢く。]
だって おじいさま
わたしのことはたすけてくれなかったのに
ゆうがおは たすけるって 言ったから
[幼い顔に似つかわしくない笑みを模る。]
だから わたし
おじいさまを ころしたの
(186) 2014/02/17(Mon) 00時頃
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― 畦道 ―
[焔の帯が躱されたのは、ある意味予定のうち、だが、その後は違った]
なん...?!
[早口の今様の紡ぎ出された次の瞬間、離れていた筈の明之進の姿が、目前に迫る]
おおうっ!
[笛を振り抜くその動きの始めは辛うじて目に留まった故に、それを錫杖にてたたき落とそうと振り上げて...だが、眩しい輝きにその軌道は大きく逸れた]
(*18) 2014/02/17(Mon) 00時頃
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[そして問いかけに振られる首と>>177 拙い声から紡がれる残酷な告白に>>178
閉じているかのような老人の目が一瞬、鋭くその黒目を光らせる。が、すぐに元の眠たげな眼に戻ると]
……夕顔や、いろいろあって気が動転しているのであろう。華月……あーなんじゃ、この方向、屋敷へ戻るのであろう。そこで休むとよかろう。 それと……ふむ、この騒動について雷門が何か言ってはいなかったかのぅ?
[やや強引に話を切り上げようとする。幼い思い込みで片づけることもできなかった、しかし、今ここでこれ以上踏み込んだ話をするのも憚られて、曖昧にしてしまう。
死の身近なこの年で、この惨状でも人の死に大きく揺れ動くこともなかったが。 雷門の死は少なからず心に暗いものを落とした]
(187) 2014/02/17(Mon) 00時頃
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……夕顔、は、助ける…。
[しかし、淡い希望はすぐに曖昧を許さない何かに歪められる。 雷門邸前まであと少しというところで。 夕顔の譫言のようなそれを紡ぐ小さな口が、形容しがたい笑みを作り……>>186]
お主は……誰じゃ?
(188) 2014/02/17(Mon) 00時頃
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うん。 ごめん、なぁ。
[手の痛みはとうに引いていたが。 掛かる言葉>>185にも、目は向けないままで]
…… ひなも、無事で。
[遠ざかって往く足音に、向けた言葉は届いたかどうか。 ちらとだけ向けた目に、その背はやはりまぶしく映る。
――いっそ、あの光が洩れ出さぬ程深く埋めてしまえば。
仲良くしていた相手の筈であるのに、憎悪に似た気持ちすら沸いた]
(189) 2014/02/17(Mon) 00時頃
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─ 通り ─
[間近で見る夕顔のかお>>186。 己が鼓動が警鐘を鳴らすように速く鳴る]
…… おまえ、 誰や。
[連なる声に思わずそんな言葉を返した。 夕顔であって夕顔ではない気配。 身の毛が粟立つような感覚を覚え、抱えていた夕顔を身から離すべく、腕から力を抜いた]
(190) 2014/02/17(Mon) 00時頃
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