30 ─今夜、薔薇の木の下で。
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…すんません。
[なんだか今日はずっと謝ってばかりだ。 セシルにも、ベネットにも。
彼はダメで、彼なら別にいいのか。 そんな己の醜さに自己嫌悪は募るばかりで。
情けない表情を見せたくなくて、背中を丸めてそっと出て行く。]
(123) 2010/09/04(Sat) 12時半頃
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[感情の籠らない声は、彼の耳に冷淡に届いたかもしれない。 でも、もうどうでも善かった。
距離を置かれるのならば、此方からも距離をおけばいい。 そうすれば皆が望む仮面をかぶり続ける事が出来るから。
それだけの事だと、自分に言い聞かせて。]
…………。
[扉のしまる音を背中で訊いて。酷く疲れた顔で眸を閉じた]
(124) 2010/09/04(Sat) 13時頃
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―プール―>>122 [トニーの怒りを見れば、ちょっと不用意な言葉だったかと、ちらり後悔が過ぎる。 どうも自分はこういう時相手の気持ちになって考えられず、親身になって相談に乗ってやるというのができない。 ふう、と溜息をつき、]
男同士だけれどもさ。 「好き」って気持ち自体は、そういうの関係ないんじゃないかな。 友達の間柄だって、誰よりも一番の親友だと思ったらその一番て位置は取られたくないって思うだろうし。
[トニーの気持ちを考え、性的なことは抜いて、純粋に好意という意味で説明を試みた。]
(125) 2010/09/04(Sat) 13時頃
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─ ランドリールーム ─
[送風機があるランドリールームに向かい、何時間か置きっぱなしにしてしまった図書館の本を回収する。誰も部屋には来なかったのか、水濡れはなく、その事に安堵した。]
置き忘れで、本を破損したり紛失したりしたら、 せっかく司書の先生に信頼を失ってしまう。 預かってる図書館のスペアキーを返さなきゃならない。 そんなの、不名誉だ……。
[背表紙を撫でながらそんな事を漏らすのは、堅苦しい性格でもあるのに、睡眠不足で注意力が欠けている事の自覚と焦り、それに、同じくスペアキーを貰っている者の顔が浮かんだ所為。 干して取込んだ洗濯物を回収時と同じように入れて配る籠がランドリールームないあたり、セシルは物干し場あたりにいるのだろうか。置きっぱなしにしていた本は、最後の10ページほどを残して読み終わっていたけれど、図書室に行く前に物干し場を確認しようとラルフは思う。]
(126) 2010/09/04(Sat) 13時頃
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─ 中庭/物干し ─
[廊下を歩きながら徐々にハッキリしてくるのが、自分が浮き足立っていると言う事実だった。 ユーリィは案外図書館にいるのでは考えたはずが、斜め後ろからモノクルに反射する小さな光の煌めきを見付けた時の記憶が甦える。嗚呼、自分はディーンの書き文字を何時から記憶していたのだろう等。]
あ、れ セシル?
[片手に本を抱えたまま、物干し場に辿り着き、その場所の様子にラルフは首を傾けた。大きなランドリーの籠二つ、取り込み掛けのまま放置されている。フィリップがすでに拾った後なので、飛んで行った洗濯物が幾つかあった事には気付かずに。]
中断があったならすぐ戻ってくるよね。 取りあえず、取り込めば良いか。
(127) 2010/09/04(Sat) 13時頃
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[ロビン自体に性的な禁忌はない――あるのはただ、他人に弱みを握られたくないという自己愛による強烈な抑制だけだ。
幼いうちから賢過ぎ、色々な知識を貪欲に身に付け過ぎた彼は、一方で道徳よりも知と利を愛するエピキュリアンで。 自分の性向については早くから書物で調べて知っていたし、世間からはどういう目で見られるかについても学んでもいた。
だからこそ。 自分の不利益になるかも知れぬ、他人との交流なぞ論外であったし、軽はずみに欲望に負けて自分の人生に汚点を残すつもりはなかった。]
(128) 2010/09/04(Sat) 13時頃
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ラルフは、セシルは、当然、洗濯物を取り入れ終わっても戻ってくる事はなく。
2010/09/04(Sat) 13時頃
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[重い扉が閉まる音は、広い廊下に響いた。
そこに立っていたのは…長い銀髪を揺らした少年の姿。 小柄な彼はうなだれた隻眼を見上げて、まだ赤味の残る目元を、少し細めた。]
『おなじ、だね。』
[かけられた声に、訝しげに瞬くと、下級生はクスリと寂しそうに笑った。]
『だって…君も、さっきのわたしとおなじ目、してる。』
[面食らうこちらへと、しがみ付いてくる華奢な腕。 銀の長い髪が揺れるたび、漂う濃厚な薔薇の香りにどきりとした。 耳元で微かに囁かれるのは、先ほど庭で匿った事への礼と…。]
(129) 2010/09/04(Sat) 13時頃
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― 中庭・青薔薇から少し離れた場所 ― [セシルが再び目を覚ましたのなら、翡翠の硝子は 再び人の色へと戻る。ほっとしたように息をついて。 けれどもセシルの、後輩の瞳は…このような色だっただろうか。 約束を交わす前にそれほど仲がよかった訳でもない。 だから今までの色が見間違いなのではと思うほど。]
…セシル、大丈夫? 夢…、見てたの…?…どんな?
[訊いても苦しそうな吐息が返るだけ。 また薔薇の香を感じそうなそれに、伸ばされる手に 小さく身体が震えたけれども平静の声で努めて返して。 部屋で休みたいと謂うセシルにうんと頷くと、 そっとその手を取って部屋までいざなおうとその手を引く。]
(130) 2010/09/04(Sat) 13時半頃
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部屋、送るから。 洗濯物は俺がやっておくよ。 …誰か呼んだ方がいい? それとも何か欲しいのある?
[少し気を許した相手に甲斐甲斐しくしてしまうのは性で、 嘗ての同室者からはパシりのようだと揶揄られたことも。 セシルを部屋まで送り届けた後に、彼にそう訊いて。]
[ころころ、からり。]
[どのような返事が返ってきただろう。 セシルを部屋まで届けて、その部屋出たのは その答えを訊いた少し後のこと。]
(131) 2010/09/04(Sat) 13時半頃
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『…忘れたいんだ。
苦しくて欲しくてたまらないのに、あの人は夜空の月みたいに遠いの。 叶わないんなら、いっそ壊れてしまいたい…。』
[華奢なその白い手が、アイパッチ越しに横顔を撫でる。 その手首に残る鮮やかな赤。
髪の香り、薔薇の香り。それがあまりに濃厚で、思考は次第に染められる。 まだ乾ききらぬ襟足へとまわされる白い腕。爪先立ちの不安定な姿勢で、唇の先端だけを重ねてくる。]
…まて、…お前…。 俺、優しくなんか、できな…っ [言いかけた言葉と共にふさがれた唇。 蕩けるような感触に思わずへたり込めば、丁度小柄な彼からしやすい高さになってしまって。 貪られる唇は、あまりに優しく情熱的な感触。]
『もう…いいの。優しくなんてしなくていい。』
[いっそ投げやりな態度で、縋りついてくる下級生の誘惑になにも抗えぬまま。]
(132) 2010/09/04(Sat) 13時半頃
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『─今夜、薔薇の木の下で…逢って。』
[耳元に残った、囁き。 惚けたまま、揺れる銀髪が遠くなるのを眺めていた。]
(133) 2010/09/04(Sat) 13時半頃
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─ 中庭 ─
[セシルは戻らないけれども。軽く息一つ吐いて、洗濯籠を持って戻ろうとした時、聴こえたのは木立を抜ける風のざわめき。何か背筋がぞくりと粟立つような気配が駆け抜けていったような気がして。 ラルフは薔薇園のある方角を振り返り、大きく銀灰色の瞳を見開いた。]
──… ッ!
[見えたのは二つの人影。 くるくるとした巻き毛のシルエットで片方がセシルだと言う事はすぐに分かった。咄嗟に、近くの茂みに隠れてしまったのは何故だろう。洗濯物と言う障害物が無かったから、フィリップとセシルにもラルフの姿が見えた可能性はある。]
(134) 2010/09/04(Sat) 13時半頃
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フィリップは、ラルフに気付くことはなく、セシルはどうだっただろうか。
2010/09/04(Sat) 14時頃
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─ 中庭/茂み ─
[なるべく存在しないものになろうとするかのよう、息を潜める。 セシルはフィリップに半ば抱えられるようにして寮へと戻って行く。セシルの瞳の変化にラルフが気付くほどの距離には居ないにも関わらず。 フィリップの肩に回されたセシルの腕のしどけなさ。巻き毛に隠された輪郭、薄く開かれたまま吐息を零すくちびる。]
… ぁ
[心臓の音が耳には五月蝿いほど響き、本を抱えている腕が震えた。 こんなセシルは見た事が無かった。フィリップはあのセシルの側に居て、何とも無いのだろうか。それとも。フィルはさておき、それなりの“交流”や“経験”がありそうなセシルが別の貌を持っていたとしても、おかしくは無いのかもしれない。 背筋を這う何かがとても気持ちが悪い。気持ち悪いのだけれど、濡れたようなくちびるから目が離せなかった。
ひどく動揺しながら洗濯籠をランドリールームに運んだものの、もし此処にセシルが来たらどんな顔をすれば良いのかと、畳む事はせず、逃げるように図書室へ向かう*。]
(135) 2010/09/04(Sat) 14時頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/04(Sat) 14時頃
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――プール―― [ロビンの説明を何とか飲み込もうと、自分の言葉に置き換えを試みる。 少年は腕を組んで暫く考えている様子だったが、]
あー、もう! 混乱してきた!
[唐突にそう叫んで立ち上がった。 不恰好な結び目のネクタイを弛めて投げ捨て、ワイシャツは第二ボタンまで外して肌着ごとくるくると脱ぎ去った。革靴と膝丈の黒靴下を脱いで、ソックスガーターを外す]
(136) 2010/09/04(Sat) 14時頃
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泳ぐっ!
[ロビンに制止するだけの猶予があったかどうか。 半ズボンだけになってそう宣言するやいなや、大きな水飛沫を上げてプールに飛び込んだ]
(137) 2010/09/04(Sat) 14時頃
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―中庭― [扉の閉まる音、から…硝子玉はポケットの中に。 そっと目を伏せて、指が触れるのは少し厚い自分の唇。 輪郭なぞるようにすれば思い出すのは長い交換の時で。]
―――……
[浸るように甘く零れそうになった吐息を押し込めて、 緩く首を横に振って、洗濯物を取り込みに向かう。
既に、ラルフがそれをやってくれていることは知らず。 連れ立つ姿を見られていたことも知らず。
洗濯物がそこにないのなら次にやるべきことが直ぐに思い浮かばず、力が抜けたかのように物干しの近くに座り込む。
ほう、と見つめた先には赤く咲き誇る薔薇園が。 その上には青い空――交じり合う、あの硝子玉と同じ色。]
(138) 2010/09/04(Sat) 14時頃
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トニーは、水底に沈んだまま、三十秒ほど浮き上がってこない。
2010/09/04(Sat) 14時頃
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――プール―― ……ぷはぁっ!
[水面に顔を出して、大きく呼吸する。 晴れ晴れとした笑顔でロビンの方を見やった]
やっぱ、考えてても僕にはわかんないや。 頭、冷やした方がいいね!
[そして壁際へと泳いでいき、手すりに掴まって片手を上に差しのべる]
ロビンも、どう? 泳がない?
(139) 2010/09/04(Sat) 14時頃
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トニーは、ロビンをじっと見て、*笑った。*
2010/09/04(Sat) 14時頃
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―プール―>>137 お、おい!ちょっと!
[するすると服を脱ぎ始めたトニーを制止しようと慌てるが、間に合わず。 ざんぶと大きな水音の後、盛大な水飛沫が降り掛かる。 咄嗟に腕で庇ったが、眼鏡に水滴が飛び、ズボンやワイシャツにも点々と水濡れの染みが。]
ああ、もう。 水着着ないで、服のまま入っちゃいけないんだぞ。
[濡れて張り付いたワイシャツの腹の辺りを気味悪そうに肌から離しつつ、顔を顰める。]
(140) 2010/09/04(Sat) 14時頃
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―プール―>>139 [飛び込んだままトニーがなかなか顔を出さないので、少し不安になって水面を覗き込む。 と、彼が急に飛び出してきて、また眼鏡に盛大に水飛沫が飛んできた。 慌てて眼鏡を外してハンカチで拭きつつ、妙に晴れ晴れとした笑顔のトニーを見遣る。
ぼやけた視界の中、差し出された手。 眼鏡を掛け直してそれを確認すると、途惑って彼はトニーの笑顔と掌を交互に見詰める。]
(141) 2010/09/04(Sat) 14時半頃
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ドナルドは、ベネットが居るはずのドアの向こうを一度振り向き、背中を丸めて其処を後にした。
2010/09/04(Sat) 14時半頃
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― 医務室 ―
[扉の向こうで行われていたユーリィとドナルドのやり取りなど知る由もなく]
……何の、音?
[遠くから聞こえる水音に、緩く首を傾げて。 プールに近い窓を開け、はしゃぐ二つの影を認めて眸を細めた*]
(142) 2010/09/04(Sat) 14時半頃
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……いいよ。僕は。
[眉がハの字に下がる。 水中だと眼鏡が掛けられない――つまり、よく見えないので楽しくない(ついでに言うと泳ぎは得手でないし、足元が滑るので不安だというのは内緒)……と渋った。]
(143) 2010/09/04(Sat) 14時半頃
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フィリップは、薔薇の赤を見て思い出すのは、1人の後輩の姿で。
2010/09/04(Sat) 14時半頃
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[額に湿布を張ったままの滑稽な姿は、前髪を引っ張って降ろしても結局どうにもならなかった。 頭痛がするのは打ったせいか、それともあの子の香りに当てられたせいか。 だらしなく羽織ったままのシャツに香る、薔薇の残り香。
少し部屋で休もうと思って、ふらりと廊下を行く。]
(144) 2010/09/04(Sat) 14時半頃
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―中庭― [から、ころ、ころ] [手の中で硝子玉を転がして、大きな赤と青を仰ぐ。 歪みのない世界はきらきらと輝いて、あまりに眩しくて、 その眩しさから目を逸らすと廊下に赤が見える。]
――……
[目が合うことはあっただろうか。翡翠を、細めて。]
(145) 2010/09/04(Sat) 15時頃
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[窓越しに眩しい夏の日差し。
隻眼を細めれば、咲き誇る薔薇の茂みと金色の髪。 目があったような気がして、小さく会釈した。]
(146) 2010/09/04(Sat) 15時頃
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フィリップは、ドナルドへ「おいでよ。」と誘う言葉は声として届くか、唇の形で判るだろうか。
2010/09/04(Sat) 15時頃
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――プール―― ……むう。 ノリ、悪いなぁ。一緒に遊ぼうよー。 だって、今くらいだよ? 服のまま泳げるの。
[気の乗らなさげな反応に口を曲げつつ、手すりを半分ほどよじ登った。身を乗り出して、ロビンの手首を捕まえる]
だ、か、ら♪ ……空いてる方の、手。 ……眼鏡、押さえといた方がいいかも。
[悪巧みの笑みと共にそう告げて、一気にプールへと倒れこんだ]
(147) 2010/09/04(Sat) 15時頃
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ベネットは、トニーとロビンがプールで遊ぶ姿を微笑ましく見詰め、窓辺に佇む*
2010/09/04(Sat) 15時頃
靴磨き トニーは、メモを貼った。
2010/09/04(Sat) 15時頃
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[呼ばれたような、そんな気がして庭へと降りる。 じり…と熱い日差しが黒革のアイパッチを焼いた。]
…そこ、好きっすよね、先輩。 [水やりをしていた姿を思い出して、そんなことを言う。]
(148) 2010/09/04(Sat) 15時半頃
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セシルは、また夢を視ていた。
2010/09/04(Sat) 15時半頃
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―プール― ちょ、
[掴まれた手を振り解く間もなく、]
わひゃっ?!
[間の抜けた悲鳴を残して、バランスを崩した身体は水の中へ。 眼鏡を押さえる余裕などありゃしない。]
(149) 2010/09/04(Sat) 15時半頃
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[ざっぱーん!!
大きな水柱と飛び散る水飛沫。 着衣のままのロビンがごぼごぼとプール底に沈んでいった。]
(150) 2010/09/04(Sat) 15時半頃
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[赤い髪が降りていると年相応の幼さが見える。 その姿を少し不思議そうに見上げて、 ドナルドからの言葉には翡翠が笑う。 そんなことを謂われたのは、初めてだった。]
そうだね。 昼の此処は、好き…赤と青が混じって綺麗だから。
[薔薇園は姿を変える。 昼と夜に、或いはその香りに誘われた時に。]
―――…『今夜、薔薇の木の下で、』
[悪戯に甘く誘うような声は、銀色の少年の言葉と被り、 しかし翡翠の言葉はその意味を為さない。 その言葉を知っているかとドナルドに訊くもので、 この時期には暑そうな目の覆いを眺めて]
…何か、辛いことでもあった? ――…なんか、見る度に苦しそうにしてるから、さ。
(151) 2010/09/04(Sat) 15時半頃
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―プール― [一頻り水中でもがいた後、やっとのことで浮上する。 水が鼻にでも入ったか、ごほごほと咳き込みながらトニーを睨みつけた。
秀でた額はあくまで白く、眼鏡が無いと彼の顔は少女人形のように瞳が大きいのがいっそう明らかになる。 長くカールした睫毛の先端にはきらきら光る水滴ががガラスビーズのように宿っていた。]
(152) 2010/09/04(Sat) 15時半頃
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