30 ─今夜、薔薇の木の下で。
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[うまく飼いならす方法も知らぬまま、力だけはついてしまったから。 …首輪も鎖も無かったら、狂犬の暴走を止められる奴は恐らく居ない。 今は不在の隣室の男ならば、あるいは…といったところかもしれないけれど。
訳在りの危険物の監視に、敬虔で真面目なベネットをつけた大人たちの目論見は、それなりに正解ではあったのかもしれないけれど、 寮生達の複雑で後ろめたい人間関係までは、大人たちも把握してはいなかった。 様々なしがらみや慣習や人間関係を教えるには、真面目な彼は些か不向きだったのかも知れぬ。
押さえの効かぬケダモノは、寮内において危ういバランスを保っていた人間関係を知らず掻き乱していくかもしれない…]
(96) 2010/09/04(Sat) 10時半頃
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[先程の気まずさを誤魔化す様に、早口で告げる。
本当は傍に居たい。 だけど彼が何を自制しているのか……気づいていない訳じゃないから。
もしドナルドがその衝動に身を任せてしまえば、 きっと自分は拒めない。
敬虔な主のしもべの顔をして、 毎朝彼の寝顔を見て想う事は、自分も同じなのだから]
(97) 2010/09/04(Sat) 10時半頃
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[手洗いシンクの上の小さな鏡を、長身を無理に屈めた姿勢で覗き込みながら、 額にぺたりと貼る湿布は、なんとも情けなく滑稽な姿。]
…うーわ、かっこわりぃ…… [濡れた前髪をあげたり下げたり…なんとか誤魔化そうとするもなかなかキマらないようだ。]
(98) 2010/09/04(Sat) 10時半頃
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――プールへの途中―― [やや先を行くロビンに、少し足は早めて追いつく。少女めいたその横顔を隣で見つつ、思い切って口を開いた]
……ねえ、ロビン。 サイラスってどんな人だか、知ってる。 ディーンと同室の三年生。
[少年が知る事といえばおよそその程度。他に知るのは、休暇に入ってからの日常で見かける雰囲気くらい。 質問の理由を訊かれたなら、困ったように暫く*黙りこむだろう*]
(99) 2010/09/04(Sat) 10時半頃
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……どうして謝るの?
[緩く首を傾いで、湿布を受け取るドナルドを見詰める]
君は、いつもそう。 僕には何も話してくれない。 僕を立ててはくれるけれど、その実僕に触れようとはしない。
[一つ距離を詰める]
……そんなに、僕が嫌い?
[ぽつりと呟いた声は、静かな医務室の中、大きく響いた]
(100) 2010/09/04(Sat) 10時半頃
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靴磨き トニーは、メモを貼った。
2010/09/04(Sat) 10時半頃
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[その言葉はさほど大きな声では無かったのだろうけれど、 胸には鋭く突き刺さるようで。]
…嫌いって訳じゃ、ねぇんです。
[低い声は、室内の静かな空気を僅かに揺らす。
この複雑な感情を、未熟な魂はうまく伝えられない。]
(101) 2010/09/04(Sat) 10時半頃
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― 夢に見る過去の話 ―
[ディーンには、5つ下の弟と、更にそこから3つ下の妹がいる。 5つ下の弟は、ディーンとは性質が異なる ――……例えるならサイラスやヘクターに近い。 女ばかりの姉妹で育ち、いつまでたっても少女のような母からすれば手に余る子のようであった。
それはディーンが中等部に上がった、つまり親元を離れて初めて帰省をした夏のこと。 弟と比べ優等生であった兄を溺愛していた母は、父曰くいつも以上に張り切って火事をしていると笑っていた。幼い妹も、娘が欲しいと母が願った末の子ということもあり、愛情を注がれているのが判る育ちぶりだった。
――……だから、今になれば判る。 弟が何故、あのような行動を取ったのか。 母の気を引きたかったのだと。
沢山の花を無造作に煎じた液体は、きっと妹に母が聞かせていたお伽噺から。それを本当はどうしたかったかは、本当は呑ませる心算だったか判らねど。 子どもの他愛も無い悪戯だったのだ。 煎じた花の中に毒素が含まれていたのは不幸な事故でしかない。 それが、兄の左眼に入ってしまったことも、また。]
(102) 2010/09/04(Sat) 10時半頃
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……じゃあ、どうして?
[シンクに向かう背中に、言葉を重ねる。 自分よりも低い彼の声に、どくんと。また一つ心臓が高鳴るのを感じながら]
(103) 2010/09/04(Sat) 10時半頃
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―プールへ行く途中で―>>99 サイラス?
[何故トニーの口から急に万年不良上級生の名が出てきたのか、不思議に思い鸚鵡返しに聞き返した。]
知っていると言えば知ってるような、知らないと言えば知らないような……
ここだけの話。 僕が夜見回りやってるの知ってるだろ? あの人、しょっちゅう寮を抜け出してるみたいなんだよ……上手く誤魔化してるようだけど。 あの分だと、飲酒や喫煙もやってるんじゃないかな。 決定的な証拠はないけど、それらしい痕跡は結構見てる。
[忌々しげな顰め面。 彼の中ではサイラスは「手に負えない不良」というイメージらしい。 よくつるんでいるヘクターと並んで、セシルに悪い影響を与える困った人物という位置づけだった。]
(104) 2010/09/04(Sat) 11時頃
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―プールへ行く途中で― ……僕が言ったことは内緒にしてくれる? まだ確証を見つけてないのに、印象で人を貶めたみたいになったら困るから。
[とトニーに釘を刺したところで、最初の疑念が蘇る。]
でも何でサイラス? 何か気になることでもあった?
[同じ寮内に居ても、この夏期休暇が始まるまでは最上級生のサイラスと一番年下のトニーとでは接点など殆どなかったはず。 何かあったとしたらこの数日の話だろうと、トニーの顔色を窺いつつ尋ねた。]
(105) 2010/09/04(Sat) 11時頃
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[不幸な事故の傷跡は、未だクリーヴス家に根付いている。
事を大げさにしたがる医師の、もしかすれば将来失明するかもしれないという診断は、一時母を狂わせ、弟に向けられたのは酷い仕打ち――……果てに、罪を贖う為に神道へ行くことを半場強制的に今も強いている。
ディーン自身も家ではなんでもない風を装っていたが、中等部1年という多感な時期に、将来失明するかもしれないという不安が、火遊びを覚えさせた結果となる。]
(106) 2010/09/04(Sat) 11時頃
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― 夢から醒めて現在の図書室へ ―
ん……―――? 寝ていた、か。
[夢は中等部1年の冬に家に帰った際、弟が向けてきた貌を映したところで途絶える。
夢から醒めたばかりの潤んだ紫は、閉まろうとする図書館の扉の向こうに、ロビンとトニーが連なって行くを映す。そのまま窓に視線を向けてプール傍を歩いて行く二人を見るとは無しに見るのは、張り付いた弟の、恨むような悲しむような諦めるような、そんな表情を忘れたいと無意識に思うが故に。]
救いも許しも、神は与えてくれはしないからな……―――
[ポツリ零す言の葉は、何に掛かっていたか。 思い起こすのは、中等部の冬以降、あまり帰らなくなった家のことか、それとも……―――。 深い息を吐き、そのまま外を紫を細めて見ている*]
(107) 2010/09/04(Sat) 11時頃
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[トニーが急に困ったように黙り込んでしまったので、それ以上追求しようがなく。]
……ま、いいけど。
[興味はあれど、基本的に他人に情の薄いロビンはあっさりと引き下がった。*]
(108) 2010/09/04(Sat) 11時頃
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/* >>61 ドナルド ちょwwwユーリィにみられてるwwww(芝ふさふさ)
というのが、今朝の一番の反応でした。 ソロール(過去設定)にPT大量に使って申し訳ないorz
(-18) 2010/09/04(Sat) 11時半頃
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/* >>108 リアクション指定して ごめんね! でもワンクッションは置かないとと思ったんだ。 要望に応じてくれるロビンかわいいよロビン。
(-19) 2010/09/04(Sat) 11時半頃
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[ドナルドが口を開くよりも前に、また一つ距離を詰める。 背中に寄り添うように身を寄せ、 後ろから伸ばした腕は、羽織っただけのシャツから覗くドナルドの素肌へと回されて]
……僕を嫌いじゃないと言ってくれるのなら。 僕を拒絶しないで。
[縋る様な弱々しい声を洩らしながら、 ドナルドのシャツの背中を翠に滲む涙が僅かに濡らす]
僕は……君が……。
[続く言葉は声にならなくて。 回した腕にぎゅっと、力を込めた]
(109) 2010/09/04(Sat) 11時半頃
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/* あと、そろそろ携帯の予測変換が ろ→ロビン→かわいい→よ→ロビン→かわいい→よ→(ry ってなってきた。 無限ループってこわくね?
(-20) 2010/09/04(Sat) 11時半頃
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…ベネさん。
[プール上がりの冷えた肌。その背中に感じるぬくもり。
少なくとも自分の中では、この年上の少年は真面目で高潔で綺麗なままだから。 穢れたどす黒い自分の中のケダモノが、それを壊してしまいそうで怖い。]
…たいせつ、なんすよ。
だから、アンタみたいな人が、俺に関わっちゃ…いけない。
[鏡の中の自分の顔はあまりに情けなくて、見るに耐えなくて目を伏せる。]
(110) 2010/09/04(Sat) 11時半頃
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[背中に顔を埋めているから、 彼がどんな顔をしているか少年には判らない。
ただ関わっちゃいけないと、告げられば、 まわした腕から力が抜けて]
……僕みたいなって?
[声は微かに震えていたかもしれない。
中庭でのラルフとのやり取りを思い出す。 誰もかれもが、潔癖だと称する少年の本質を見抜いたのは、 結局のところラルフの銀灰の眸だけだった。
目の前の彼も。卒業して行った元同室の先輩も。 たいせつだといいつつ、壊れものに接っしながら。 その実、拒絶されている事を想い知らされ、涙が零れ落ちた。]
(111) 2010/09/04(Sat) 12時頃
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―プール― [そうこうしているうちに二人はプールに着いた。 青く煌めく水面には人影のひとつもない。 ただプールサイドには、誰かがそこから上がったと思しい大きな水溜まりがあって、まだ乾き切っていない足跡が転々と続いていた。]
(112) 2010/09/04(Sat) 12時頃
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[腕を解き、背を向ける。 涙をシャツの袖で拭ってしまえば、常の表情へと戻っていて]
……引きとめて悪かったね。 さっきも言った通り、僕は暫く此処に居るから。 五月蠅いのがいないうちに羽根を伸ばすと良いよ。
[感情の籠らない声で。ドナルドの背中にそう告げて。 棚に並ぶ本を一冊適当に取った。
自分以外は誰もいないかのように、翠玉を開いた紙面だけを見詰めている]
(113) 2010/09/04(Sat) 12時頃
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トニーは、ロビンの後を追うように、プールへと。
2010/09/04(Sat) 12時頃
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[ぐ、と拳を握り締めて、決壊しそうな理性を留める。]
壊したくない…んすよ。 …俺、壊し方しか知らない。
……だから。
(114) 2010/09/04(Sat) 12時頃
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――プール―― [周囲を見回しても、二人以外には誰も居ない。耳に届く音も、遠くから時折響く蝉の聲程度。 すぅ、と息を吸って、ロビンに向き直る]
……ここなら、誰も居ないか。 ……あの、ね。サイラスの事を訊いたのは、さ。
[緑色のプールサイドに視線を落とす。少年の声は低く、暗い]
ユーリィが呼んでた名前、だからなんだ。
(115) 2010/09/04(Sat) 12時頃
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―プール― 居ないね、ユーリィ。
[元より書物を好む大人しい下級生とプールは結びつかないのだが。 もしかして隠れているかもとシャワーや更衣室を覗いて見たりもしたが、やはり居ないものは居ない。
こうして無駄に終わった捜索を話し合い、ぼーっとプールを眺めていると、きらきらと光を反射して風に波打つ水面はいかにも涼しげだ。 それに比べて、遮るもののないコンクリートの床のプールサイドはじりじりと熱く。 容赦なく照りつける太陽が二人の黒々とした陰をくっきりと刻んで、不快なことこの上ない]
……何か余計に暑くなってくるな。
[はたはたと手で顔を仰ぎながら襟を緩めようとしないロビンは呟いた。]
(116) 2010/09/04(Sat) 12時頃
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―プール―>>115
…………え。
[衝撃の告白から間を置いて零れたのはそんな間の抜けた声。]
それってつまり、 夜中に呼んでた、相手、ってことだよね?
[我ながら何と言わずもがなの質問だと言ってしまってから気が付いた。]
(117) 2010/09/04(Sat) 12時頃
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――プール―― ユーリィがどうしてサイラスの名前を、って、ずっと考えてた。 でも、分からなかった。
[唇を噛む。胸を焼くのはほんの昨日まで、呼び方を知らなかった感情――嫉妬]
ロビンなら分かるかもって思って、一緒に来てもらったんだ。 ユーリィは、サイラスの事、『好き』なのかな。 そのせいで、僕は……『嫉妬』、してるのかな。
[ぽつぽつと口にして、少年は再び押し黙る。飛び込み台に腰を下ろし、ロビンを*見上げた*]
(118) 2010/09/04(Sat) 12時頃
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壊し方しか知らないのなら……学べばいいんじゃないかな。 壊す事以外の方法を。
[本から顔を上げず、感情の籠らない声で淡々と]
きっと皆教えてくれるよ。壊さずに、触れあえる方法を。 僕みたいなやつには無理だけれどね。
(119) 2010/09/04(Sat) 12時頃
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[トニーの声は深刻だし、表情も暗い。
サイラスがユーリィの想い人だとしたら。 まだトニーと変わらぬ幼い彼に、性的なあれこれを教えたのもサイラスで。 手首に付いていたと言う紅い痣をつけたのも彼、という事になる。
そう思い至ると、思いがけぬ興奮にカッと頭に血が上ったが、同時顔からに血の気が引く思いもする。]
(120) 2010/09/04(Sat) 12時頃
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靴磨き トニーは、メモを貼った。
2010/09/04(Sat) 12時頃
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>>118 [何か頭がくらくらしてきた。 額に手を当て眩暈を抑えながら、見上げるトニーの視線を受け止める。 水面の反射がギラギラして目に突き刺さって落ち着かない。]
うん、まあ……一般的にはそういう解釈が成り立つけど。
[徒や疎かなことは言えず、お茶を濁してしまった。]
(121) 2010/09/04(Sat) 12時半頃
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――プール―― [ロビンの言葉は何も意に介さない淡々とした風に聞こえ、少年の視線はきっと強くなる]
で、でも、そんなの、変だよっ! ユーリィもサイラスも男同士じゃないか! それに、僕だって―― ユーリィの事は、好き、だけど、でも!
(122) 2010/09/04(Sat) 12時半頃
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