194 花籠遊里
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[花籠から溢れ地に落ちた花に何の価値があろうか。
それもいつまで経っても蕾芽吹かせ咲き乱れることのない八分咲。
水を滋養を与えたところで綻ばず、泥に花弁を染める花に見向きされることはない。
拾うのはきっと、唯の物好き。 穢れを知らぬ稚児と清純な心を持つ指と──…]
『あの花を返して貰えるかな』
[厭らしい三日月を乗せた唇。私利私欲に肥えた厚い肉塊。 あの日銀糸を乱れに乱れて引き連れた男そのものが鎮座し、銀月に科せられた金子を容易く支払っていく。]
(*1) 2014/09/19(Fri) 11時半頃
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『雨が止んだ頃合いに迎えに来る』
[楼主の返事も待たぬまま身を翻すお客人。 一連の流れを耳にしたのは、割り当てられた室内にて。告げに来たのはまだ芽吹かぬ一輪の蕾>>2:*3
乾き切った双眸に、被せられた布の気配はもう消え失せた。 だというのに鉢に浮かぶ顔色は憔悴し切ったもの。
淡藤の様子を眺めていた綻ばぬ蕾が少しばかり憂いを持ったように萎んでしまうもので、気になり声をかける。 すると小さな椿色の唇は滑り転び、やがて淡藤は鏡花が欠けてしまったことを知る。>>2:*68]
(*2) 2014/09/19(Fri) 11時半頃
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[視線は自然と窓辺へ。 しんしんと注ぐ天雲へと向かう。 霧雨に隠された月は朧気に鈍く。 庭の花を鵐に濡れしていく。]
…有難う。
[思い出したように背後にて控える花見習いに告げれば小さな足音を立てて姿を失せる。
そのまま指先を雨露降り注ぐ窓に伸ばせば、懐かしむように瞳を閉じる。ゆっくりと口遊むは雅楽の音>>0:6 せめて雨が藤を濡らさぬようにと、そっと]
(*3) 2014/09/19(Fri) 11時半頃
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─夕刻・自室─
[唇に乗せる音はもう奏でられることのない琴の旋律>>0:6 膝を抱えて小さく小さく声を乗せる。ぷかりと浮かぶ水珠と共に。
ふと、人伝に耳にした言葉を反芻させる。 記憶に浮かぶは花籠へ束ねられる前のこと。幾年か過ごした鉢の中、気紛れの気紛れに名を呼ばれてしまったのだとか。
花が籠を壊すことは出来ずとも、摘み取られることは出来る。 深く考えずに引き抜かれた花は、気紛れに水の張られた瓶へと生けられ、部屋の中飾られるのだろう。
それはいつかの日と同じ繰り返し。 胡蝶の夢とは異なり、紛れもない過去に刻まれた頁をまた歩み出す。
視界に入れた片黒衣>>2:124には双眸を見開かせ歪めながらも、結局その名を呼ぶことも、袋に手をかけることも、蝶の匂い残る革に触れることもせずに瞳を自ら手で*覆った*]
(9) 2014/09/19(Fri) 11時半頃
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ー宵闇ー
[それは赤い花の腕に抱かれる夢の中で果てた頃の事だったか。
荒く息を交わし見合わせていた花の顔がふいに後ろを向く。そして白い蝶の顔が僕の目に入る。>>2:204
白い蝶は赤い花に男を買えと言った。 それがどんな意味を持つのか僕には分からない。 ただ二人にはそれが大切なことなのだろうと記憶に留め、事後の倦怠感の中で少しだけ目を閉じた。
やがて謝罪の言葉が降り、目を開けると牢を去る白い蝶の背と、辺りに散らばる紙幣とがあった。
別に邪魔されたことに気を悪くしてはいないが、金にもなんの喜びも興味も沸かなかった。 ただの紙の形をした礼儀だ。]
(10) 2014/09/19(Fri) 12時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2014/09/19(Fri) 12時頃
座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2014/09/19(Fri) 12時半頃
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― 回想 / 地下牢 ―
[とんとん。とんとん。 鼓膜を敲く夢物語。背中に伝う僅な振動。>>3:201 我儘と笑うなら、笑えば良い。 ただ蝶は自分を飾る何かを探して翅を伸ばすのだから。
そう、微睡の中幼心を露にしながら。 堕ちた脳内、沈み行く夢沼に。]
(11) 2014/09/19(Fri) 14時頃
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[――そうして明方。月も星も薄らんだ色の空に溶けては消え、 彼方から陽が上る頃。 乱雑な翅音にぼんやりと目を開けると、格子の先に浮かんだ毒蝶>>3 「お楽しみだったかい」 そんな言葉は朦朧とした脳に沈み、顎先はぼふんと枕に乗せ。 呆けた瞳で蛾を視界に捕らえると、何を言うでもなく蛾の歌を耳に通し。]
(12) 2014/09/19(Fri) 14時頃
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――てっきり、してるものかと思ってたよ。
[うたにはうたを。蝶共の歌に詩を乗せる。 眠気の残る声色は、ただちいさく牢に反響せずに吸い込まれ。
忍び寄る聲は、如何とも取れずに。 独り言か、世紡ぎ事か、星取りの話には黙して耳を傾ける。
蝶が何処まで羽ばたけるかなど、知らずに。 籠の中の蝶は宙を想いただ夢を追う。 籠から脱する事もせずに、ただ焦がれに焦がれその胸を焦がし。 ――飛べばまるでイカロス。真空にその翅を捥がれてしまうのだろうか]
(=3) 2014/09/19(Fri) 14時頃
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――嗚呼。
…宙から月を 引き摺り下ろすことだって。
[星を落として踏み月に翔ぶのもまた良いだろうか。 然しそれでは月は、何時迄も誰彼構わず微笑んでしまうから。
蝶は籠の中で一人想う。 如何にして月を此方へ寄せようか。 手繰りの糸でさえ届かぬ場所に咲く銀月を。どうしてこの翅に止められ様か。 まるで気高い月をこの手に収める方法。――そうして覚醒した脳は、稚拙にも思惑を張り巡らし。]
宙まで行けないなら、水面に咲く月を捕まえれば良い。
[さてその声色は、果たして毒蝶には届いたか。 蝶と云うには毒が強い、蛾の耳元に。]
(=4) 2014/09/19(Fri) 14時頃
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[独り言に歌を返すこと、ひとつ。ふたつ。 軈て吐息を洩らしたならば、隣に眠る花を他所に格子を潜り、沈む月の籠へと歩みを向ける。
鳴る踵はただ反響。 明方独特の仄灯りに影が伸びる。 眠る銀月常闇に包まれ。 草臥れた躯は陽の光と代わる事を望んでいるだろうか。]
…――また、後でキミを。
………迎えに来るよ。
[夜に眠る銀月の、その視界を遮るものを開いて。 纏いの無い手でその頬に触れたのならば、目元を腹の指で撫でること、二度。 疲れた躯は如何するのが良しなのか、解らぬけれど。ただ布団を掛けて遣ったのならば、軈ては朝日の下へと蝶は翅を伸ばした*たろう*]
(13) 2014/09/19(Fri) 14時頃
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[ 夢の終わりは夢人でなければ終止符を打てない。
月が消えたのならば、宵闇は如何に惑うだろうか。 ――そんな事、解ろうとさえしたくはないけれど。]
……雨、か。
[しとしと。しとしと。 立ち込める霧に、翅を濡らす雫に。 ただ蝶は眉を寄せ、館の扉を潜ったのならば人へと成り。
――強欲にその胸を*燻らせる。*]
(=5) 2014/09/19(Fri) 14時頃
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/* まってはな一睡もしてないってハアアン東雲っていつやっけ
(-20) 2014/09/19(Fri) 15時頃
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[この館に訪れるのはもう三度目か。
片手に包みを持って、この館に似つかわしくない陽の明るさを身に纏った金糸雀は舞い降りた。
なぜこの館に来るのか。 それは今度菓子を持ってくると約束したからで…否、未だ識りたいことがあるからだ。
未だ、宵闇の暗さを。 太陽が如きこの身に教えて欲しい。
普通にしていれば太陽は己が照らし出した物の裏に潜む影を目にする事はできぬのだから。
僕は三度目ともなる花主の挨拶を耳にすると、それは恒例の文句なのだろうとやっと察して。 そのまま誰かがやって来るのを持つように館の入り口に留まった。]
(14) 2014/09/19(Fri) 19時頃
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許婚 ニコラスは、メモを貼った。
2014/09/19(Fri) 19時頃
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―昨晩の地下―
[一度熱を吐き出させるよう促すと、枕元に転がる仮初の蜜を後ろへと塗り込めて、彼に女を教えること。 其れが、今宵の赤い花の務め。
痛みを記憶に塗れさせぬ様、快楽を共に、ゆっくりとした速度で。
快楽を強請り、見上げて来る異国の色の瞳。 綺麗ですね、と言葉を紡いだ唇で、その目元に口付けた。]
(15) 2014/09/19(Fri) 20時半頃
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[ぬるついた感触を沈め、すべてを終えるまで、花は決して、蝶を労わる事を止めずに。
其れは、金色の頭を抱き寄せ、休息を取る頃合にか。
不意に訪れた一羽の蝶。>>2:204>>2:205>>10 強引に合わされた視線と、意味を捉えきれない言葉。]
判り、ました。 ……もしも、僕がこの花籠から無事、出る事が出来たのならば。
[四日後の約束は、今決まり。 其れよりも遠い果てに位置づけられた。
何故、と問う前に。 何かを隠した蝶は、去り行き。*]
(16) 2014/09/19(Fri) 20時半頃
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半の目 丁助は、メモを貼った。
2014/09/19(Fri) 20時半頃
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/* もしかして今夜人少ない?
ちょっと休んでいいかな(体調がなんかあまりよくない)
(-21) 2014/09/19(Fri) 20時半頃
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[男は今日もまた、陽がすっかりと暮れてから館に顔を出した。
霧雨を逃れ、冷気を払い、夜の暗がりに隠れるよう、 軒先に滑り込ませた身体は僅かに湿気っていた。
水気を厭う癖、男が傘を持ち歩くことは無い。
傘だけに限らず、男は何一つ、連れてきた事がない。 その身一つで月のない今宵も、花籠へと舞い降りる。]
(17) 2014/09/19(Fri) 21時頃
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[夢覚める頃。 花主様の御言葉を、垂れた頭の上に受け取った。
素直、に自嘲が零れても、地ばかりを視界に収める花の表情は、花主様には判るまい。
しかし、"罅割れ"というのは。
――予感は僅かに、脳は肯定を拒む。]
(*4) 2014/09/19(Fri) 21時頃
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[館に足を踏み入れた途端、思い出すのは昨夜の続き。 月輝を穢して、蝶を刺した、悪辣なる夜明け。>>=3>>=4
彼は夜迷い事にも案外真剣に耳を傾けていたように見えた。 何処まで本気かは知らない。何処から気紛れかも知らない。
けれど彼が漏らした危うさは、花主より世間話のように聞いた悲恋を連想させた。>>1:0>>1:1>>1:#0 ハイリスクローリターンの博打に出るなど、余程の阿呆か勝負師だけだ。手に手をとってなど、上手くいった話は聞かない。 ―――それでも、己は、若い彼が打つ、一手など知らない。]
―――まぁ、精々。 火傷ついでに路地裏で薬漬けされにゃ良いがね。
[思ってもいない心配事は、悲惨な未来の一つを思わせて。
色町で焦がした身は、淫堕落に落ちるがお決まりなれど、 美しい銀月と月下蝶を、浮浪者やら悪漢やらにくれてやるにはやや惜しいと、美術品でも愛でるかのように、他人事めいた吐息を漏らした。*]
(=6) 2014/09/19(Fri) 21時頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2014/09/19(Fri) 21時頃
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― 遊里来訪 ―
[そうして、訪れたる花籠。 連日連夜の来訪も厭わず、恙無く迎え入れる花主に軽い会釈を向け、パイル地の手拭借りて水気を孕んだ短い髪を拭った。]
嫌だねぇ、涙雨の様なんて芝居がかりすぎちゃいねぇか。 最近は色町もキナ臭せぇ。
[独り言を漏らしながら廊下を闊歩する長躯は、目先に先客を見止め>>14一日と開けず、籠へ通うようになった金の蝶へと眼を細めた。]
―――よう、ニコラス坊や。 謳歌しちゃいるかね、花の美麗は愛でたかね。
それにしちゃあ、浮かない顔だ。 まだ、遊び方を知らぬと見える。
――――…夜の深さを、知らない顔だ。
[タオルで雑に口元を拭い、ニィと笑んだ顔を向ける。 物怖じしない彼に、裏を作らぬ声で語りかけた。]
(18) 2014/09/19(Fri) 21時頃
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ー昨晩の地下ー
くっ、は… やっぱり、優しい人じゃないですか…
[それは丁寧に慣らされた入り口に徒花の雄蕊がゆっくりと沈んだ頃だったか。>>15
口では耳を喜ばせる言葉を紡ぎ、穏やかな口づけを落とす。そしてその指は僕に快楽のみ味わわせようと丹念に慎重に僕の身体を行き来した。
これでどうして幻滅させるかもなどと口にするのか、僕には分からなかった。
指で確かめられた好い所へ楔を穿つその動きまでもがひどく優しかった。
けれども。 優しいだけでは物足りなくて、 僕は絶頂へと昇りゆく中でこう口走った。 もっと激しく、と。
それは自身への快楽の為ではなく、 赤い花の優しい以外の面を目にしたくて。*]
(19) 2014/09/19(Fri) 21時半頃
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―翌日―
[藤色の花の姿が無い事を、何時にか己は知るのだろうか。 知った所で、探しに行く事など、出来る筈も無いのだけれど。
花を気遣う花。 彼の不在に、哀しむ顔は、幾つも容易に想像がついた。
細かな雨の香りを窓の外に見やり、一つ、溜息を吐いた。]
(20) 2014/09/19(Fri) 21時半頃
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―いつの日かの霧雨の日ー
[霧雨は嫌いだ。下町のこの娼館に引き取られた日の事を思い出すから
何時もの様に客に奉仕を終えれば気だるい身体を叱咤して、客に愛想を振りまいて]
旦那様、もう褥を仕舞うお時間でございます。
[客に旦那様と呼べと躾けられたのはここに来てすぐだった。一夜に何人も、なんてこともあるし覚えて居られないだろうからそれで統一しろと主から云われたのだ 上等な藤の着物はくたびれこそはしないが昨夜は乱雑に肌蹴られ追い遣られた為皺になってしまっているだろうか]
旦那様、旦那様。
[強請る様に口吸い交わし、またのお越しをお待ちしておりますとうっとりした笑みを見せる。心にもない笑みを そうして得たいくばくかの賃金は、全てこの身に課せられた借金へ充てられてゆく ああ、でも霧雨で好きな事がたった1つある だって霧雨の日の夜は
月が、見えないから]
(+3) 2014/09/19(Fri) 22時頃
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あ、ヘクターさん。
[毒蛾を名乗る彼が風雅な台詞と共に笑みを向けてくれた。>>18 そのことと彼に会えたことが僕は嬉しくて、目元と頬とをゆるりと緩ませて微笑んだ。]
こんばんは。 そうですね、色々と普段ではしない 体験をさせてもらって楽しいですよ。
でも……そう見えますか?夜を知らない。 そうですね、僕もそう思います。
[彼の言葉に同意して、僕は初めて出会ったときのように彼の姿を改めて見回した。 やはり背丈ぐらいしか自分との共通点は見つかりそうにない、自分とはまったく異なる存在。 まるで宵の闇の中から生れ出てきたかのようだと僕は思った。]
じゃあ僕に教えてくれるというのですか? 闇夜の愉しみ方を。
[清廉な揚羽は誰をも厭わず、誰をも慕う素直さで、毒蝶に破顔した。]
(21) 2014/09/19(Fri) 22時頃
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─自室─
[一向に晴れる気配のない暗雲の元。 姿を見せない金月には一瞥も暮れず、鉢の中で泳ぐ4匹の金魚と戯れていた。
目覚めてすぐのこと。 身に被せられた掛け布のことを思い出す。
昨晩、閨を共にした男がこのような細やかな配慮をするのだろうか。 考え辛かった。
ならば誰が? 『花』の中の一輪だろうか。 いや、皆それぞれの夜を共にして忙しない筈。
それに花籠にて捉えられた花からすれば、昨晩身に起きたことはありふれた一枚にしか過ぎない。 だからこそ、そんな気遣いをする貌を脳裏に浮かばせることを]
…違う。
[唯々拒む。]
(22) 2014/09/19(Fri) 22時頃
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[水草の元、ゆらりと尾びれを煌めかせる魚達。 鮮やかでいて見るもの全てを虜にする美しさがあるというのに。 此処から出ては行きて行けぬのだ。]
……可哀想。
[くつくつと咽喉を震わせれば歪んだ視界にて入るは黒片布。 湧き上がる虚しさは一つ、二つと情事を思い出させ唇を引き結ぶ。
銀糸を左右に揺らす。雑念も何もかも薙ぎ払うがの如く。
それでも何処からか香る蝶の匂い>>18>>21に、左胸を疼く痛みが増して。 逃げるように部屋から出ては、硝子戸を引き霧雨降る中 唇歪めては立ち尽くした。]
(23) 2014/09/19(Fri) 22時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2014/09/19(Fri) 22時頃
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[人好きする柔らかな気配は常と変わらず、二日続けて花を購った蝶には到底見えぬ彼。>>21 顔を合わせたのは決して久方ぶりではないが、彼は喜色を隠さない。]
普段は出来ない悪戯事を? お前さんに才能があった、それだけだろう。 俺は存外、目利きが上手いんだぜ。
[傲岸な自信家の物言い吐き出し、喉を揺らして見せた。 彼の知らない遊び方、人の心の暴き方、舌の上で転がし、彼の傍に翅を休め。
彼が毒を恐れぬのは無知故でないと知っている。 毒を孕んだ蝶に、同じ毒は効かぬだけ。]
それも余興の一つよな、―――なぁ、美しき人?
(24) 2014/09/19(Fri) 22時半頃
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/* そういやwikiでcoしたのと違うidで入っちゃったてへ☆
(-22) 2014/09/19(Fri) 22時半頃
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[夢の中にまで、しとしととした雨の音が届いておりました。 まるで雲に霞む月の泣く、催涙雨でしょうか。 それとも水面に浮かぶ銀月揺らす、悲しみの雫でしょうか。
『夢物語』を読みすぎたせいでしょう。
ひとえに『夢物語』と称しましても、幸せな結末を迎えるものは 実はあまりないのだと謂うことを 眠ってしまうよりも少し前に知ったのでございます。
すれ違いては、死を迎える話もございました。 涙のように泡となって、消えゆく話もございました。
まるで彩るように雨が、そっと降り注いでいるのでございます。]
(*5) 2014/09/19(Fri) 22時半頃
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>>*5 やっぱりロミジュリと人魚姫か。 ハムレット、リア王、オセロ…本当に、あまりないよね
(-23) 2014/09/19(Fri) 22時半頃
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