112 燐火硝子に人狼の影.
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――嗚呼。 理由を、聞きそびれた。
[フランシスカが挑発めいた言葉を向けた理由。 獣であれば、と、男に言った訳。 彼女がアイリスと同じ力を持つと知らぬまま 手を掛けた獣の翡翠の眼は蕩けるような愉悦を滲ませる]
私はキミとは同じになれない。 人を喰らわねば生きられぬ獣が 人と同じになれるはず、ない。
[双子の妹でさえ、この獣と同じにはなれない。 得られぬと思うからこそ渇望する。 そろと腕の力をゆるめ、フランシスカを寝台へと横たえた]
(120) 2013/02/07(Thu) 02時頃
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[調理場からそう離れていない空き部屋。 その寝台に寝かせたフランシスカの傍らに片膝をのせる。 眠る女に迫るかのような形となるがそれを見る者は居ない]
有り難く頂こうか。
[独り言ちて金色の獣は女の柔らかな血肉を喰らう。 顔や腕、脚に手をつけぬのは彼女が踊りを生業としていたから。 臓腑を抉り咀嚼すれば、ぴちゃぴちゃと水音が静かな部屋に響く。 仲間を呼ぶのも忘れ、貪る様は獣そのもの。 ただ、喰い散らかすような無作法が無い事が、野獣との違い]
――…、嗚呼。 美味いな。
[満足げに呟いて、立ち上がる。 白いシーツを彼女の身体に掛ければじわりと色が移る]
(123) 2013/02/07(Thu) 02時頃
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[朝陽が顔を覗かせる頃には獣の姿は何処にも無い。 調理場に近い空き部屋に残るのは 床に散る血の跡と寝台に横たわるフランシスカの遺体。 被されたシーツを捲れば大きな獣に喰われたような痕がみえる。
拳一つ分、開かれた空き部屋の扉。 ドアノブには何も残らぬ代わりに その部屋の前の廊下に、何かあると示すような矢印が 赤い血で描かれて、鉄錆を思わせる匂いが辺りに漂っている**]
(124) 2013/02/07(Thu) 02時半頃
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[その夜はサリスに向けた囁きを最後に聲は響かない。 赤い意識にのる言葉は届いているが 目の前に在る獲物との時間を重んじるかのようにある**]
(*59) 2013/02/07(Thu) 02時半頃
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/* バリケードを静かに退かす策が浮かばず 二の足踏んでいたとかまさかそんな。
表に出て大暴れするのも考えたが 相方が出そうな気配を感じてお見合いしてt おいしいお誘いがあったから思わず出ちゃったけど。
(-94) 2013/02/07(Thu) 03時頃
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