1 とある結社の手記:6
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[ 扉に車椅子。 キャサリンの姿を認めれば、先ほどの事を思い出し、これでまた、嫌われるだろうかなどという考えが浮かぶ。
ベネットの視線。 受けて、頷く。何となく、自分と同じ目つきをしているのだろうな、と思った。
ピッパは? 立ち上がって。カルヴィンを見つめている。 気立ての優しいピッパには堪えるだろう。 元気付けるように、笑みを作って見せて。
皆を見回して、大きく息を吸い。]
(467) 2010/02/27(Sat) 03時頃
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――カルヴィン。 キッチンに行くんならよ、ウェーズリーも呼んできてくれ。
[ 声を掛ける。 勤めて、常の声で。]
ああ、ひと段落してからでいいぜ。 で、落ち着いたらよ。
……飯にでもしねえか?
[ 笑みをみせ、そんな事を言う。 涙が流れる事を堪える事は出来なかったけれど。
それでも、笑ってみせた。]
(470) 2010/02/27(Sat) 03時頃
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[ その手を包んでくれるピッパの手。温もり。 作った笑みが、涙で歪む。
肩に顔を預けて……声を殺し涙を流した。]
(478) 2010/02/27(Sat) 03時半頃
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うん…………うん……
[ 頭を撫でる手の感触を感じながら、ピッパの震える声に頷いて。 悲しかった。 全てを持って行く事の出来ぬ自分に、憤りを覚えずにはいられなかった。 どうしようもない事。それがくやしかった。
けれど……顔を上げた。 ピッパの頬にも涙が伝う。 感謝を込めて笑みを向け、頷いて。 その涙を指で拭った。
そして、カルヴィンへ向き直り、キッチンへ向かうその背を見送った。]
(486) 2010/02/27(Sat) 03時半頃
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うん……ああ。
[ ふ、と。苦笑いと照れ笑い、その入り混じったような笑みを浮かべながら、それだけ返し、涙を拭う。]
ふ……やっぱり…… ピッパには敵わねえな。 ……ありがとな。 ピッパがいてくれて……良かった。
[ 笑いながら、けれど、最後の事は心の底から。 本当に、そう思った。]
(494) 2010/02/27(Sat) 04時頃
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なんだよ、もう、調子に乗りやがって。
[ こちらも、くく、と声を漏らして。]
そうだな。 連れて来られたのがここだったってのは、良かったんだろうな。 もし、他の場所で俺が死んでたら…… どうしてた?
[ こんな風に、戯言を返す余裕も、何とか戻ってきて。]
(497) 2010/02/27(Sat) 04時頃
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おいおい、そりゃあ――
[ 言いかけて、続くピッパの言葉。]
ああ。 死なない。絶対に。
[ 普段見せない真剣な顔で、声で、頷いて。] ――なあ、ベネット。 それは、きっと……神様にでも聞かなきゃ、分からねえ事かもな。
[ 友に笑みを残し。 ピッパに頷き、手を繋ぐ。
この温もりを、失わずにいられた。 その為に、押しのけるものがあったとしても。
大切な、守りたい……愛しい女。 二人、広間から歩いてゆく……**]
(504) 2010/02/27(Sat) 04時半頃
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