17 吸血鬼の城
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私が狂わせた……そうか。
[ヘクターの返答を聞くと、城主は満足そうな笑みを浮かべる]
……宴を利用…… 我が僕となれば力など分けてやろうものを あくまで抗うなら、好きにすれば良い。 其れもまた、一つの見世物。
[招きよせたセシルを黒の夜着で包み、 ふわりと、塞いだ扉の前から黒檀の窓辺へと身を移した]
精々、試してみるといい。 人間が我等にかなうかどうか――
(324) 2010/06/22(Tue) 22時頃
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どうした、サイラス……?
[城主は薄く哂う]
力が足りぬと言うのなら 我が身に流れる純血を――ひとたび分けてやらなくも無いが。
(*56) 2010/06/22(Tue) 22時頃
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安堵せよ、白薔薇 お前は私が選び此処へ置いた、大事な従者 其の命、奪わせる気は無い。
[細腕の何処に力があるのか。 従者を傍らに抱え、音を立てて開いた窓辺に腰掛ける]
サイラス……その者ならば、許す。 お前の血、その人間にくれてやる事まかりならん。
[彼に命じていた罰を解く。 傍観を決め込みながら、グロリアの声に顔を上げた]
(338) 2010/06/22(Tue) 22時頃
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[ヘクターの目的を聞き、 ローズマリーの囁きを受け、城主もまた許可を下す]
……其の男を、喰らえ。 二度と其の槍持てぬように
(*61) 2010/06/22(Tue) 22時頃
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―窓辺―
……グロリア 会うのは何度目か、数えているわけではないが 名を聞くのはこれで二度目だ。
[>>329初対面と似た挨拶を受け、 城主は一度血の色をした瞳を戸口へ向ける]
宴の出し物を、見て行くか?
[二人が対峙する様子を、止めず そんな風に告げて薄く笑みを浮かべた]
(342) 2010/06/22(Tue) 22時頃
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嗚呼、問題無い。
……愛しいローズ 狼藉者を相手にさせたくは無いが……
滅多に見れぬ見世物かもしれぬ。 ……来るか?
(*63) 2010/06/22(Tue) 22時半頃
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―部屋内・窓辺―
人と魔の境界――…
[>>344人の口から飛び出た言葉に、 緩く首を振る。 黒薔薇が部屋へと足を踏み入れるを見遣り]
構わぬ、黒薔薇 手助けを許す。
[>>350許しを請う彼に一つ頷いた]
(353) 2010/06/22(Tue) 22時半頃
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最早此処にしか存在せぬ吸血鬼と 魔物狩人の対峙を、か?
[此処でなくても見れると言う女に ふ、と哂う]
……無粋な銃は好かんが 刃物が煌く様は、良いな。
[身を引くグロリアへ、それ以上視線をくべる事無く 目前で起こっている出し物へとまた意識を向ける。 部屋の外で十字を切る娘も、いまは興味の対象外]
(359) 2010/06/22(Tue) 22時半頃
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狩人が死ぬのは、嫌か……? 其れでは、薬師が消されるのは、どうだ?
[>>354腕に抱いた従者へ、問い掛け]
そう、境界を越えるなど愚かな事
[同意を示し、薄笑いを敷いた]
ひとは人でしかなく 魔と変じた人間は最早、人ではない。 静かに、見ているといい。 この哀れな舞台の結末を。
(362) 2010/06/22(Tue) 22時半頃
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――世界、か? 幾百年と独り渡り歩いた私に愚かな問い掛けだ。
数年の月日しか生きぬ小娘の知では 私の足元にも及ぶまいに。
[背を向けたグロリアを見遣る事なく声を落とす。 聞こえずとも、気にした素振りは無い]
(369) 2010/06/22(Tue) 22時半頃
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おいで、私のローズ。 ……白薔薇が少し、心散らされている。
[心を持たぬ城主には 彼を静める術が無い。 音も無く傍らに現れたローズマリーへ 城主は僅かに眉を寄せた微笑みを向けた]
(*66) 2010/06/22(Tue) 22時半頃
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[床に毀れた血を啜るヘクターを 其の背を踏みつけるサイラスを 見つめる城主の瞳は深紅]
私のローズ
[傍らに現れたローズマリーは、城主の表情に何を見たか。 闇で包む白薔薇を、其の髪を戯れに食みながら 黒薔薇の持つ鋭い刃に視線を流す。 煌く刃は足止めとなるか、止めの一撃となるか]
(377) 2010/06/22(Tue) 23時頃
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――…ヘクター
[世界が視得る。 其れは、先刻の女が見てきた世界など 片隅程にしか思えぬ程の莫大な量。 知識、記憶、深い闇と――]
お前が知るには、重すぎるだろう
[>>379未だ人間である彼へ、城主は低く呟いた]
(381) 2010/06/22(Tue) 23時頃
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[>>380白薔薇の呟きが傍にある。 城主は、吐息を洩らし首を振った]
物事には必ず結末があるものだ。 ……大人しく、見ているが良い。 ひとの……お前の手では止められぬ。
[暗く翳りを帯びた貌は少しの間俯く]
(389) 2010/06/22(Tue) 23時頃
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私のローズ
[頬に触れる細い指に気付き、 そっと包むように手を這わせた]
少し、この場のにおいに酔っただけだ。 何も心配はいらぬ。
[終わらない、永遠の闇の果てにあるもの。 たどり着くには未だ、彼等には時が足りない]
(393) 2010/06/22(Tue) 23時頃
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慈悲など……
[煌く刃。 残された言葉。
目は、逸らせない]
(400) 2010/06/22(Tue) 23時頃
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