30 ─今夜、薔薇の木の下で。
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―――… ……
[セシルの姿を見送ると、翡翠から笑みは消えて。 その姿はまた寮へと溶け込んでいく。 あまりに自然で、声を掛けるのも忘れるくらいに。
ぽけっとに手を入れればから…と小さな音。 大事な硝子玉は部屋でも荷でもなく、其処に納まっている。 部屋に戻るまでに、誰かとすれ違うことはあっただろうか。 普段と違う様に、翡翠は気付いてしまったかもしれず…。**]
(474) 2010/09/03(Fri) 14時頃
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― 自室 ―
[ベッドの下段に座ったまま、彼の返事を待っている。 暫しそのまま待っていたけれど、酷く心が疲れていた事もあってか、 ぎし…とベッドのスプリングの音を鳴らして、いつの間にかその身体は横になっていた]
……ドナ、ル…ド……。
[途切れがちに名前を呼ぶも、意識はすでに眠りの中に。
無防備に制服のシャツの少し乱れた襟元から白い首を覗かせ、 少年は規則正しい呼吸を繰り返している**]
(475) 2010/09/03(Fri) 14時半頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/09/03(Fri) 14時半頃
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― 食堂 ―
[そこに誰が居たとしても、寄ることなく。 独り席に座り、中途半端な時間の食事を取る。 食事を受け取る際、食堂員の年配のご婦人には「あら、珍しいわね」などと、謂われもしたか。
物憂げに半眼に閉じられた紫の下。 食事が減るスピードは常になく遅い。
と、聴こえた音に視線が上がる。]
―――……セシル、相席佳いか?
[尋ねながらも有無を謂わさない調子で、真正面の席へと移った。 用件は語らずとも識れようか……―――今朝方己の部屋の前でのことと。セシル本人への口止めと、ロビンがどこまで悟っているか、それができれば席を立つ気で。
とりあえずは、彼が食事を終えるのを待とうと、ディーンも己の食事を進めた*]
(476) 2010/09/03(Fri) 14時半頃
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小悪党 ドナルドがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(小悪党 ドナルドは村を出ました)
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─ 自室 ─ [狭い寝台に小さく小さく身を丸めて、本当にこのまま縮んで消えてしまえたら良いのに。 胸の中に秘めた、どす黒く凶暴なケダモノ。 それを飼い慣らす術を発展途上の魂は知らない。
自分もあいつらと同じ汚らわしい生き物なのだと気付くたび酷く惨めで。 高潔で慈愛に満ちた同室の彼に、気遣われるたびに胸が痛む。
歳不相応に育った体躯と共に持て余す衝動。 慎ましく抑える術も知らず、高潔な彼の傍では、こっそり発散させて捨てるなんてできない。 気まずい自己嫌悪は日増しに募るばかりだ。]
(477) 2010/09/03(Fri) 15時半頃
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ドナルド出て行っちゃった。 ……しつこかったかな? ごめん><
(-75) 2010/09/03(Fri) 15時半頃
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>>408>>409
[木漏れ日の下での眠りがラルフに取ってつかの間の安息であったのは、零れるように落ちた手を、受け止める他者の手があり、そして、セシルの膝に抱かれて眠った所為だったかもしれない。
「フィル先輩、やっぱ子守唄のほうがいいんだろうか? ラルフもそう?」
「子守唄は好きじゃない、よ。 あくまで……俺はだけ、ども。」
フィリップは分からない。その時のラルフが思い浮かべた旋律は、子守唄ではなく何故か、賛美歌312番。眠りが意識を混濁させていた。
いつくしみ深き 友なるイエスは 罪とが憂いを 取り去り給う 心の嘆きを 包まず述べて などかは下ろさぬ 負える重荷を。
与えられた慈しみには気付かぬまま、意識の無いままそれを食んだ。 ラルフは目を醒まして。──それから。]
(478) 2010/09/03(Fri) 16時頃
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>>413
[目の前には主の教えを口にするベネットが居た。 「個々が感じている 苦しさとか痛みは他人には実感出来ない>>401」ラルフがベネットに言った言葉を要約するならば、目の前の苦しげなベネットを見てもラルフは何も痛みはしないと言う事だ。
「最初から理解し合う事を諦めていたら、きっと誰も救えない、から……。>>413」それがベネットの答え。ラルフのベネットへ向けた淡々とした眼差しは、侮蔑を孕んだものに変化する。透ける情欲を感じ取りながら、]
──ふうん。 君は、そう言う姿を人に見せて 誰かに救ってもらいたいの? そう言う都合の良い救済があると思ってるなら──
思ってるならだけど、
醜 い よね。
(479) 2010/09/03(Fri) 16時頃
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[顰められるラルフの眉。 弱った態度を見せて同情を引く、憐れみや愛情を乞う、やさしさや庇護をくれそうな相手を嗅ぎ分けて甘えると言うのは、ラルフにとっては許せない事柄だった。これだけ不幸だから愛してくれと言うのは、とてもとても、気持ちが悪い。
そして、その言葉は自分自身にも向けられるべきナイフの切っ先。]
(480) 2010/09/03(Fri) 16時頃
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>>421 1人で、倒れたりしないし、 水を取りに行くだけだし。
[歩きはじめると、赤と緑のインクが染みて混じりあう奇妙な模様が視界に混じる。ロールシャッハーテストを受けているかのよう。つまり、まだフラついていると言う事だったが、付き添ってくれているディーンに状態を悟られるのが嫌で、何でもない表情を浮かべる。真っ直ぐ歩く努力はおそらく成功する。 身長だけではない、脆弱でない肉体が欲しい。自分は足りない。 それから、弱さに甘えない精神が。]
じゃあ。 ユーリィの話をするかは、 トニーの様子を見てからが良いかな。
── 嗚呼、 中等部の彼等は兎も角、 ディーンみたいな人が同室者と揉めるなんて少し意外だった。
[トラブルとは言え、一晩の同室が嬉しいと言う事は後ろめたくて言えない。サイラスと上手く行かないなら、俺で良ければ彼と話をするとも、生真面目な調子で言って別れた。]
(481) 2010/09/03(Fri) 16時頃
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ラルフは、ディーンと別れる時、自然を装ってディーンの腕をぽんと叩いた。
2010/09/03(Fri) 16時頃
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…ほっといてくれよ。頼むから…
[小さく漏らす拒絶の声は届いたか否か。
情けをかけられるたびに、自分の惨めさに気付いてしまうから。
半端で萎えてしまった欲望はただただ自分を苦しめるだけ。]
(482) 2010/09/03(Fri) 16時頃
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― 自室 ―
[規則正しい呼吸を繰り返しながら、少年は夢を見ていた。 中庭でのやり取りを夢は辿る。
心まで溶かしてしまう様な夏の日差しのせいか、ラルフの銀灰の眸は影になってよく見えない。 だけどその声は、痛いほどに耳に届いた]
……そう言う姿?
[緩く首を傾ぐ。そして続く言葉には……微かに笑んで]
(483) 2010/09/03(Fri) 16時頃
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そうだね……僕は、とても、醜い。
[すれ違う瞬間に呟いた声はラルフに届いただろうか]
だからこそ……忠実なしもべで在り続けたかったのに。 それももう、出来そうに……ないよ。
[音に出さず、唇だけが言葉を紡ぐ。 苦しげに俯いていたから、それは誰にも届かずに。 中庭の地面に落ちて溶けて行った]
(484) 2010/09/03(Fri) 16時頃
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― 自室 ―
[ドナルドの拒絶する言葉すら知らずに、 少年は自分の罪を夢に見、その柳眉を苦しげに僅かに潜めていた。
潔癖だと彼が思っている自分が、その実一番欲深いのだと。 彼は未だ知らないから―――**]
(485) 2010/09/03(Fri) 16時半頃
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─ 水場 ─
[台所で食堂の人間と口をきくのが億劫に思えて、まずは1人で水場へ向かう。 淡々と水道の蛇口を捻り、ぬるい水をむさぼり飲む。喉に水がつかえる。唾液まじりの透明な液体を吐き出すと心地良さを感じる。熱された頭を冷やすように顔を洗い、それでも足らず頭から水を被った。]
──…ッ く
厭 だ。
[何がそれほどまでに受け入れ難いのか、よく分からなかった。
廊下を歩いていて縺れた頼りない脚だろうか。 それとも、簡単に頭痛を感じだした頭だろうか。 空腹による小さな吐き気だろうか。 ディーンが前髪に触れた時のあの──浮遊するような感覚だろうか。 何故だか分からない、ベネットの姿をみて何も分からないにも関わらず、鏡を見ているような心地がした事だろうか。ベネットがラルフの言葉に「そうだね」と微笑と肯定を返した事だろうか。]
(486) 2010/09/03(Fri) 16時半頃
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― 食堂 ― >>476 [食事を摂っていると、声をかけられて、見ると瞬く。]
――…ディーン先輩 ええと、ああ、どぞ。
[答えた言葉は食べながらだったので、小さかったけど、 正面に座って丁寧に食事をするディーンをまじまじと見ることになる。
というか少し、既視感を覚えたのは、昨夜紅茶を飲んだのが同じ席だったからか。]
ええと、さっきと服、違いますね。
[それからしばらく無言で食事をしたあと、粗方食べ終えれば、そんなことを言って、 それはさっきのその後がどうなったかわかっている、という暗喩だったけど…。]
コーヒー、ブラックでよかったです?
[注いできますよと、席を立つ。**]
(487) 2010/09/03(Fri) 16時半頃
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[頭から水をぽたぽたと滴らせながら、洗面所の壁にもたれかかる。 頭を空白にするために何を考えようか。と、何故か食事の時間に、タオルとハンカチを持って洗面所にやってきたロビンに気付いて、眼差しを向けた。]
──…… 今日の洗濯、もうとっくに終わってるけど**。
(488) 2010/09/03(Fri) 16時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/09/03(Fri) 16時半頃
掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/03(Fri) 17時頃
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[聞こえてきた寝息に、そっと様子を伺う。 苦しげに眉を寄せた無防備な寝顔にどきりとする。 いっそ、襲って穢してしまえばこんな後ろめたい気持ちに成らずに済むだろうか?
そんな思いを押しとどめ、ナップサックに詰め込む水着とタオル。 今ならすいているだろう校庭のプールへと、逃げるように向かった。
いまは、どうにかしてその火照る身体を冷やしたかったから。]
(489) 2010/09/03(Fri) 17時頃
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― 食堂 ―
[食事を取る最中、水を口にしたところで、ふっと思い出すのはラルフ。彼は無事に水を得れただろうかと思い馳せることで、思考の流れはラルフとベネットの会話へと移行する。
ラルフのベネットに向ける口調は、ディーンにとって意外なものだった。そのような一面があると噂で聴く事はあったとしても、ディーンの前のラルフにそれを感じたことは無い。密やかに丸くした紫は2人に気取られることはなかったか。
何も口を挟めないまま、すれ違い様にベネットからラルフに囁かれた言葉も拾えぬまま]
―――……諦めという言葉が使えぬ時も、あるということさ。
[ラルフと別れ際の会話、トニーの件には是と、サイラスの件には是とも否とも応えずに。 そして、別れ前、ラルフから腕に触れられたことに、再びの驚きを感じた事は悟られずに在れただろうか。]
(490) 2010/09/03(Fri) 17時頃
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救い、か……―――
[ベネットへと振り返る前、小さく零した言の葉に篭る感情は、痛みにも似ていた。 と、セシルより掛かる声に、思考が今に戻る。]
嗚呼、珈琲ならブラックだな。 ―――……飲むならお前の部屋に行かないか?
[暗に判ってると告げた相手に、片方の眉を上げ此方も暗に2人きりで話がしたいと告げる。 セシルが珈琲を注ぐ間に、2人分の食べ終わった食器を片した*]
(491) 2010/09/03(Fri) 17時頃
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―廊下― [汚れ物を腕に抱えて、ランドリーに向かってとてとてと。 途中フィリップとすれ違ったので、遅い朝の挨拶をした。(>>474) フィリップが急に帰省を取り止めた事も、中庭だの廊下だのでの先輩方のあれこれも知らないから、至極平和なものだ。 いつものことながら、一人遊びの痕跡を悟られないかと少しだけ緊張したけれど。]
(492) 2010/09/03(Fri) 17時頃
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―洗面所―>>488 [入っていきなり目に飛び込んできた、頭から水滴を滴らせつつ壁に凭れかかるラルフの姿にギョッとして、一瞬立ち竦む。 こちらに向けられたラルフの視線、掛けられた声に篭った色。 何とか気を取り直して、平静を装い、少し離れてタオルを洗い始めた。]
――汚れ物、忘れてたのが見つかったんで。 明日の洗濯に回します。
[ラルフの方は見ずに答えた。 緊張を押し隠した横顔と平板な声。]
(493) 2010/09/03(Fri) 17時頃
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ロビンは、ラルフに話の続きを促した。
2010/09/03(Fri) 17時頃
ロビンは、ラルフに話の続きを促した。
2010/09/03(Fri) 17時頃
ロビンは、ラルフに話の続きを促した。
2010/09/03(Fri) 17時頃
ドナルドは、プール独り占め。ざぶざぶ。*
2010/09/03(Fri) 17時頃
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―廊下―
…洗濯?
[帰省するはずだったことを、多くに謂うつもりもなく。 荷物もまだ後輩の部屋の前に置き去りのまま、 だから部屋へ向かう姿は何時もと変わらない。 ロビンにそう声を掛けた時に気付いた訳ではなく]
随分と、少ないね?
[夏場にしては。そう思ったから口にして。 ラルフに向けたものと同じ返事が返ってくるのだろうか。]
(494) 2010/09/03(Fri) 17時頃
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>>494 [意外なところからの詮索に一瞬言葉を詰まらせたけれども]
……殆どもう朝のうちに出しちゃってますから。 これは出し忘れてた分。
[つらつらと言葉が出てくるのは、こういうことは初めてではないから。 立ち止まったら不味いと判断し、振り返らずにまっすぐ洗面所に向かったのだった。]
(495) 2010/09/03(Fri) 17時半頃
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―洗面所― […ということがあった後での再びの詮索は、予期していなかったところからだから、結構心臓が踊る。 ラルフがただならぬ様子なのも気懸かりでしょうがない。 とにかく早く済まそうと、無言でせっせと水洗いしている。]
(496) 2010/09/03(Fri) 17時半頃
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/* >>492 ととてとの繰り返しでゲシュタルト崩壊した。
>>496 気懸かりでしょうがないロビンかわいいよ?
(-77) 2010/09/03(Fri) 17時半頃
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[ふうん、相槌を打つ間にも後輩は真っ直ぐと振り返りもせず。 何時ものようでいて、逃げているようにも見える姿。 翡翠は少しだけ、細められて。]
…今は夏だから、さ。 もっと、タオル使うといいよ。
…汗拭くのとかにさ。
[去る背中に、潜むように控えめな声。 何かを教えてあげるかのような、そんな声。 きっと振り返らないのだろう後輩の姿を見送ると部屋へと戻る。]
(497) 2010/09/03(Fri) 18時頃
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におうよ。
[手洗いの洗濯をはじめたロビンに向かって、淡々とした声で言う。それは手洗いした洗濯物を仮干しせず、そのまま洗濯籠に入れた場合の話だったが、補足説明をするには、平常な親切心が今のラルフには欠けていた。]
(498) 2010/09/03(Fri) 18時頃
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