162 絶望と後悔と懺悔と
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―むかしのおはなし― [>>175 すぱっと言ってしまった後、 直円の激昂したような言葉にぱちくりした。 こわかった、というより、ただただ吃驚したのだ。
直円のこんな様子は始めて見た、 やっぱりあの読書会のせいで直円は変わってしまったのだ、 なんとか言い返さないと、と難しいことを言う直円の言葉を必死にひろった]
……革命が隠されてるって、でも、えっと、 逃げてきてる人、いるじゃない!だから別に隠れてない! それにきっと逃げるくらいだから、そんなにいいことじゃ……
[帝都の内側に住んでた頃、そんな人たちを見てた、 そう確か亡命って言ったはずだ。でも言葉が不意にとまったのは不確かな知識だったから、ではなくて]
直君……、
[方法とかは本当にそれでいいのかな、って思ったけれど、 勉強して努力しなくちゃいけない、っていうのはそうだと思った。]
(245) 2014/02/09(Sun) 00時頃
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わかった。
[全部が納得できたわけじゃなかった、 だから少ししこりは残ったけれど、もう止めなかった。
直円は勉強して努力してえらくなって、 きっとみんなを幸せにしてくれるのだと思ったから*]
(246) 2014/02/09(Sun) 00時頃
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水?水ならここに……、
[>>*135 明乃進の覗くものはここからは見えない。 だから、水がほしいのかと差し出そうとして、 ――何故か言葉を失ったような明乃進に気をとられた]
明くん……?
(*139) 2014/02/09(Sun) 00時半頃
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あっ、……、
[いきなり水差しを奪われた、 零瑠のこんな乱暴な様子はみたことがなくて]
ちがう……?
[その言葉に水を求めたのに、 喉首をさしだした女性のことを思い出す]
っ、明くん……!
[その手を引いて、 咄嗟に零瑠から遠ざけようとして、 けれど自分の手はきっと届かない]
(*142) 2014/02/09(Sun) 00時半頃
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[零瑠から離れない明乃進に、 どうすればいいのか、助けを求めるように見やって、 けれど気づけば直円は――>>*146]
直くん……?!
[彼は一体何をしてるのだろう、 口をぽかんと開けて見つめてしまった]
(*147) 2014/02/09(Sun) 01時頃
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― サミュエル ― [多磨の川の向こう――今は多魔の川と呼ばれているけれど、 そこに住んでいた頃は世間知らずで、大人しい子供だった。
そもそもここには同じ年の女の子がいなかったのが原因だ。 小さい子たちは遠慮なくぶつかってくるし、 男の子たちも小さい子たちと似たようなものだった。 ――結果、本性が露になったのだろう。
一月違いの誕生日の男の子。 サミュエルは最初はあまり話さない子だった。 あまり聞きなれない言葉遣いに、 率直に何度も聞き返してしまったせいかもしれない。
話すようになった切欠はわからない。 真弓にとっての認識は本当にいつの間にか、だったのだ。 なんとなく隣にいて、なんとなく話してて、寒い日の洗濯物干しが大変とか、綺麗な包み紙で小さい子に折鶴を折ってあげたとか、どうでもいいことに相槌をうってくれた。
一緒にお使いに行って、荷物は半分ずつだった。 本当はサミュエルが半分より少し多く持っていてくれていたことを知らない]
(252) 2014/02/09(Sun) 01時頃
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[見つめている先があることを、 気づかれてしまっていることを知らない。 小さな優しさや、小さな寂しさのあることを知らない。
ただ、何気ない日常が変わっていく寂しさは感じていた。 一緒にいられなくなっていく、同じことが出来なくなっていく。 それを強く感じさせるのがサミュエルだ。 半分ずつだったはずの荷物は、3分の1になってしまった。
身長だって今までほとんど変わらなかったのに、 いつの間にか少し、自分より大きくなっていた。
あの橋の向こうを見つめる回数が増えたのは、きっとそのせい*]
(254) 2014/02/09(Sun) 01時頃
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[零瑠が明乃進を捕らえる、 漆黒の少女が直円を捕らえる。
何が起こるかは、わかってしまった。 >>*149 しゃがみこんだままのリカルダと視線が合う]
リカちゃん……、
[彼女の傍に歩み寄る、 適うのなら抱きしめてその目にこれから映るものを、 どうにか見ずに済ませてあげたかった。]
(*154) 2014/02/09(Sun) 01時半頃
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……直くん!
[寄りかかるリカルダを抱きしめながら、 >>*155 その諦めた宣言のような言葉を聞いた。 どうして、と眉根を寄せる。
死にたくない、という言葉、 もちろんその意味はわかる、けれど]
直くん……、直くんは、 みんなのためにえらくなりたかったんじゃ、なかったの……
[それは単純な自己保身に聞こえて、 だからそうだと信じていた彼の姿を問う。 土下座なんて、そんな姿を見たくなかったのだ]
(*163) 2014/02/09(Sun) 02時頃
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―むかしのおはなし―
[――もしかして私も喧嘩を売られるのかな?
>>234 彼が自分の顔をまじまじと見た時に、 そう思ったのは、>>131気絶してた彼を交代で看病したからだ。 どっちが見ている時に目が覚めるかな、なんて話してた相手は誰だったか。結果、彼の目覚めを見ることは無かったけど、彼がどうしてこうなったかその経緯はもちろん聞いていた。
看病の間、寝顔を見ていたせいか、 その少しきつい眼差しもあまり怖いと思わなかった]
(278) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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[彼が来た頃には、もう今の自分と殆ど変わりが無かった。 つまり、町の子に絡まれたら加減もわからず言い返してた。 それはきっと危なっかしく見えてただろう、けれど]
……え、別に大丈夫なのに。
[自覚は無かった]
でも折角だから一緒に行きましょう。よろしくね。
[その頃にはもう、 彼は年下さんたちからの絶大な信頼を受けていたから。 “ヒーロー”くんにはもちろん興味があったのだ]
(279) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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[なのだけど、吃驚するくらい会話が続かなかった。 ――これはもしかして、嫌われているのかもしれない。
話題として気絶してるの看病してあげた。 というのもあったけれどそれはさすがに言えなかった。 むしろ、こちらが喧嘩を売ることになってしまう。
>>236 足音の他に、小さなため息も混ざった]
(280) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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[彼がふと足を止めたのは、 自分のため息が聞こえたせいだろうか。
頼まれていやいや来てくれたのかもしれない、とか。 やっぱりヒーローくん律儀なんだな、とか、 そうならそうでちゃんと断ったのに、とか。 いやでも、嫌われる理由はあったかな?とか。
ぐるぐるしてたので、すっかり悲壮感漂う顔になっていた。 それで彼はきっと吃驚したのだろう、と思う。 ――逆光なんて、背負ってる側からはわからなかったのだ]
……周くん、わたしのこと嫌い?
[問いかけは思いつめてのものだったが、 彼にはきっと少年たちに絡まれるよりずっと唐突な災難だっただろう*]
(285) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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[どうなるのかというリカルダの問いに、答えることはできなかった。出来なかった姿こそがもっとも雄弁な答えになったかもしれない。
>>*166 その優美な影に抗うことも出来なかった。 ――リカルダを守らなければ、 思ったときにはもうその腕に捕らわれていた。 咄嗟にのけぞる様に逃げようとしてしまったのは、 その青く脈の浮かぶ喉首を簡単に差し出す結果になっただけ。
――喉の薄い皮膚の上を、黄金が擽っていく。 感じたのは冷たい熱、痛みよりも激しく鋭く貫かれるような、 仰ぎ見た天井、灰色の眼差しにうつるそれが曇る]
……いやっ、っ、 ぁ 、
[震えて、跳ねたからだが冷えていく。 流れ出していくものはなんだったのだろう]
(*171) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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[首を振る、いやいや、と幼子のするように。 冷え切った体が、沸き起こる衝動のままに、熱を求めている。
まず視覚が鮮明な緋色を捕らえた。 それから嗅覚が酩酊を伴う甘さを感じた。 ふるえる指は自ずと自らを捕らえるものの首筋をつたう、 緋色の一筋に触れようとする、指を握りこんで]
……いや……、
[試せばよいと口にする者に首を振る、 水ではないことは本能が伝える、どうすれば癒えるのかもわかる。 ――そういう存在になりかけている。
急速にもたらされる乾きに呼吸が酷く浅くなる。 耐えなければいけないと思うのに、そのことしか考えられなくなる]
(*173) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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[零れた涙が頬をぬらす、 嗚咽交じりに喉が震えれば、尚乾く。
どうして縋るようにその黄金を見つめてしまうのだろう、 その一筋の緋色が酷く優しいものに思えてくる、 惧れも嫌悪も抱く必要などない気がしてくる。
――ちがう、
行動はけれど裏腹だった、 細い指はその緋色をなぞる、 また腕に巻かれたままの包帯まで伝い汚れた。
涙は止まらないのに、 うっとりと陶酔するように微笑んでしまう。 もたらされる高揚は、悲しいほどなのに]
(*174) 2014/02/09(Sun) 03時頃
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[慈悲を請う様に縋りついて、口唇を寄せる。 差し出された小さな舌はその緋色の筋をなぞりあげた。 夢中になってその血を吸い上げたあと、残るものは――]
(*175) 2014/02/09(Sun) 03時頃
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[涙を拭う指の感触に目を細める、 始祖――わが身を支配する絶対的なこの血の源、 漆黒の少女が彼女を父と呼ぶ理由がわかる。 己にとっても、新たなる父に相違なかった。
その指に安堵する、 その指に嫌悪する、
そして矛盾し相反する敬愛と憎悪とを、 少女は内に飼い続けることに、なる]
(*185) 2014/02/09(Sun) 04時頃
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―むかしばなし― [>>292 予想していたのとは大分ちがった反応が返ってきた。 たしかに、ふへ? とした表現できないような声を聞いて、きょとんとした。――しているところに、まくし立てられた。]
えっ、顔がなに? えっ、そうじゃない?
[ふへ、の衝撃となにやらまくし立てられる焦燥に、 問い返す隙は無いまま、結論がそれは明快に提示された。]
そうなの?よかった……、 周くん、ほら、年少さんたちのヒーローだし、 嫌われてたらどうしようって心配になっちゃった。
[悲壮な顔はどこへやら、ぱっと花の咲いたように微笑った。 それから今度は微笑とは違う笑みが零れて、くすりと笑う。]
(305) 2014/02/09(Sun) 04時頃
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ふへ は、 みんなには内緒にしてあげるね。
[手当てをした来たばかりの頃もよく覚えていたから、 そんなふうに気の抜けた所が見られて、嬉しかったのだ。 それからよりいっそう遠慮がなくなることになる。
やっぱりそれも、彼には災難だっただろうけれど**]
(306) 2014/02/09(Sun) 04時頃
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―回想―
――……男の子はいいなあ。
[そう昔のことじゃない。 食堂の椅子に座って、ちらりと理衣を見ながら言ったことがある。 少女が理衣に主張するところを要約すると以下だ。
先日殴り合いの喧嘩(ではないと言ってた気もするが) >>315をしてた二人は、いつの間にか仲良くなっていたし。 サミュエルとだってやっぱりいつもどうりに仲良しで、 言い合いとかしててもなんだか楽しそう。
そしてこんな主張をしたのは、 サミュエルと少し喧嘩したからだということは、 理衣なら気づいていたかもしれない]
(336) 2014/02/09(Sun) 14時半頃
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「二人って仲がいいよね、 ……もしかして昔から知り合い?」
[切欠はサミュエルに向けたそんな言葉だ、 彼の答えをなんだか少し、言葉を濁すような素振りに感じたのだと思う。 ちょうど「女の子だから」を理由に、あれこれ制限され始めた時期だった。
過敏になってたせいで、些細なことで拗ねた。 男のたちだけで秘密を持ってる、仲間はずれにされた。ずるい。 多分、そんな気持ちに振り回されて、もういい、と席を立って、 それからサミュエルとほんのり気まずくなった。
後から反省して謝った、何で拗ねたりしたのか、 それが「さみしさ」のせいだったなんて気づいてなかった*]
(337) 2014/02/09(Sun) 14時半頃
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―むかしのおはなし― [器用だなあ、と思ってた。 その手が生み出すものは綺麗だったり、楽しかったり。 器用でちびちゃんたちの面倒見もよかったキャロライン。 怪我が多かった円は彼によく包帯を巻いてもらってた]
いくらキャロくん器用でも、 自分で手当てするのは難しいものね。
[>>312 彼が小さな怪我をしたのは、ガラスの破片のせいだ。 装飾品作りに使えないかと持ち込まれた、綺麗な蒼い色硝子。 それを拾ってきたのは自分だ、橋の近くにあった廃教会]
(338) 2014/02/09(Sun) 14時半頃
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[木造で壁もはがれてぼろぼろで、 窓も割れてあまり人も近づかない場所だった。
――もうこの町の神様は死んでしまったのだ。
そんな風に思ったのを覚えている。 それでも割れた窓から差し込む光の筋はとても綺麗に、 床に広がる割れて散った色ガラスを照らし出していた。
ステンドグラスは知っていた、何が描かれていたのは知らない。 白い硝子もあったから、その蒼は天使様の衣かもしれないと、 そんな話をキャロラインにした。]
私のせいで怪我したようなものだもの、 お礼なんていいよ。
[そう言って、お礼のことは忘れていたけれど。彼に渡したあの色硝子は何かに生まれ変わることが出来たのだろうか、と。時折、そんなことを思い出す*]
(339) 2014/02/09(Sun) 14時半頃
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[自失の時が過ぎて、皆が新しい誕生を迎える。 明乃進の拒絶、ここにつれてくるのを止められなかったのは自分なのだ。 ただ自分が言える事は、生きてほしい、それだけだ。
祝杯を拒絶しようとして、甘い香に耐え難い飢えを覚える]
(*205) 2014/02/09(Sun) 16時頃
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[しばらくは飢えと戦うだけの日々が続いた。 皆に会うことも出来なかった、 家族の血をほしいなんて思いたくなかった。 城のすべてを拒絶して、与えられた部屋に閉じこもる。 鍵をかけて拒絶しても食事の時間は、やって来る。
自ら首を傷つけ、血を流す。 かぐわしく甘いそれがどれほど恋しいか。 この給仕たちにはわからないのだ。 必死に押さえ込もうとしているのに、どうして。
――極限まで飢えの達した頃、 今日訪れた給仕は女だった、誕生の日にあった怯えた“家畜” やめて、と言った、私の前で血を流さないで、と。 けれど女は怯えながらも身を差し出す、 自分を変えようとする、その芳しい香を纏う。
その生贄に罪は無い。けれどはっきりと憎しみを覚えた]
(*206) 2014/02/09(Sun) 16時頃
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[――ふと気がつけば、 憎しみを覚えた女の姿はどこにも無い。
真っ赤になった自分の腕、 爪の先から足先まで血に塗れていないところはなかった。 ――円に巻いてもらった包帯、 怪我はもうないけど身につけていた其れも真っ赤に染まって、
肉片と臓物と、ばらばらになった欠片たち。 血の海の中に、立ち尽くしていた]
(*207) 2014/02/09(Sun) 16時頃
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[――響き渡る悲鳴は、 別の部屋までも届いたのだろう、誰かが来る足音。 自分の声だったのに、随分遠く聞こえた。
――それが最初の“食事”だった]
(*208) 2014/02/09(Sun) 16時頃
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[給仕が入った時のまま、 錠の降ろされてない扉は簡単に開く]
――……、明く ん ?
[血の洗礼を浴びて立ち尽くす。 ゆっくりと戸口を向いた双眸は緋色――、 不吉な月の色に変じてた。
そこにあるのが“家族”だと認識すれば、 大丈夫、と笑って見せようとして、表情は強張った。 そしてそのまま血の海の中に屑折れる]
(*215) 2014/02/09(Sun) 17時頃
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……明くん、 わたし、だめだった……、
[明乃進に支えられ、 問いかけるような眼差しで見上げた。
――どうすればよかったのか。
戸口からはほどなく側仕えの者が訪れるだろう。 こんなことは主にとっては計算済みであろう、 すなわち餓えの反動はより強い衝動となること。
雛はその身を持って、ひとつ、学んだのだ]
(*217) 2014/02/09(Sun) 17時頃
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