168 LOVEorDEATH2〜死者は愛を知りたいようです
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-飲み会中-
[ビールをハイペースで開ける。]
…っはー。次は焼酎にすっかな。
[天使のコスプレしたおっさんに、焼酎ロックで、と頼むとグラスを渡される。 さすがにビールほどではないが、ほかの人よりはハイペースだったろう。 周りの会話をゆるゆると眺め、時には茶々を入れたかもしれない。
飲み会なんて何年振りだろうか。ハナと二人だけになってからは飲み会や遊びの誘いは全部断ってきたのだ。]
(395) 2014/03/17(Mon) 07時半頃
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[もともと酒は強いほうだが、全く酔わなくなったのはあの時からだ。 辛さから逃げたくて浴びるように飲んだが、それでも全く酔わない。 ただ泥のように眠るためだけに酒を飲んでいた。
それに比べたら、今飲んでる酒は――]
――よっし、俺服着替えてくるわ。
[気づけば、まだ作業服のままだ。さすがに気が休まらない。 自室はどれだろう、と少し考えたが、手近なドアに手をかけた。]**
(396) 2014/03/17(Mon) 07時半頃
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-飲み会中- [若者たちの会話を聞いていると、手品師の女性がビールを飲む白石に何やらつぶやく。>>299 続いて白石が酒の名前を挙げるが、あいにく俺はこじゃれたのなんてわかるはずもなく。]
…何か酒も久々に飲んだ気がするなあ。あ、ちょっともらうぞ。
[そういって、柿の種を少し白石から分けてもらう。少し横顔を眺めて、さっきのことを思い出した。 自分のダメなところを見せてしまって気恥ずかしいというべきか。 向こうが嫌な思いをしてなければいいんだが。]
えっと、あんたは…
[手品師の女性に話しかけようとして、名前を知らないことに気付く。というか、さっきの自己紹介をあまり聞いてなかったのだ。 女性二人の会話から、先ほどスイーツを作っていた男性は甲斐田という名前だとも分かった>>304 彼が作ったケーキの残りを見てため息をつく。]
――すげーなぁ。俺全然料理ダメだから尊敬する。
[ケーキとか作れたらハナもきっと喜ぶだろうなあなどと。]
(518) 2014/03/17(Mon) 21時半頃
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[グラスが空になれば、天使の格好をしたおっさんがまた新たな焼酎のグラスをくれた。]
おわっ…お、おう、ありがとな。
[こいつなんなんだいったい。]
(519) 2014/03/17(Mon) 21時半頃
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『会社を離れたら、私なんて、なにも出来ないものね……。』
[白石がそうつぶやくのを聞いて、くくく、と小さく笑う。]
…んなこたぁねえよ。あんたがいることで助かってる人もいると思うぞ? まあ生きてるだけで丸儲けだ。
[言った後に、あ、と気付く。そうだよ死んでるよ俺たち。]
あ、ああ、てかさ、俺頭悪いから、こう、会社員やってる人は尊敬するわ。 うん。俺には無理。うん。
[慌てて話題を変えようとして、どんどんドツボにはまってる気がしなくもなく。 台所では槇村が上機嫌で、田端と名乗る女性と、影木とワイワイやっている。]
(520) 2014/03/17(Mon) 21時半頃
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――…なんか、こうやってたらほんとに現実感ねーわ…
[そういっていつの間にか空いている手元のグラスに、テーブル上のスピリタスを注いで呷った。 喉を焼くアルコールに、少しだけ肉体の実感を持つけれど。]
酔わねえなぁ…
[せめて死んだあとくらい酔わせてほしいのにな。
周りを眺めれば、白石や影木がぶっ潰れていた。 部屋まで運ぶかどうするか逡巡していたが、槇村が天使のおっさんから毛布を受け取り、二人に掛けている。 まあ寒いわけでなしたぶん大丈夫だろう。
千鳥足の田端が食器を台所に持って行こうとすれば。]
ああ、俺も手伝うわ。
[料理は苦手だが、皿洗いくらいは手伝える。自分の周りの皿やグラスを持って、田端の後へ続いた。 皿洗いが終われば、自分の服に気付いて部屋に戻るだろう。]
(521) 2014/03/17(Mon) 21時半頃
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-飲み会の後、自室-
[どれが自分の部屋かは見当つかないが、ひとまず適当に部屋を開けると。]
…これ…は……
[そこにあったのは――。
部屋の中に入り、ちゃぶ台をなでる。 目の前のテレビの上には、小さなウサギの置物。布団はすでに敷かれていて、クローゼットには自分の洋服ときれいなピンク色の花柄のワンピース。]
(529) 2014/03/17(Mon) 22時頃
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[あの日、一緒に棺桶に入れたはずのワンピース。呆然とそれを見つめる。 二人で出かけるというと、必ずと言っていいほどこれを着ていた。 あの時、一緒に灰になったはずだ。
呆然と布団に突っ伏すと―――]
――――っ…!
[ずっとずっと離れていた、ユキの香り。 そうだ、ここはユキと一緒に暮らしていた部屋だ。 ここで毎日二人で飯を食べて、一緒に眠った。時には喧嘩をした。]
……これで、恋愛しろとかきついわ。
[ごろり、と寝返りを打つと、ずっとずっと耐えてきた栓が抜け落ちたようで。 そのまま、眠りに意識をさらわれるまで、涙を流していた気がする。]
(530) 2014/03/17(Mon) 22時頃
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-朝(らしい時間)- [どれだけそうしていただろうか。意識がふいに浮上して、飛び起きる。]
ハナ!
[朝飯作らなきゃ、と思ったところで、我に返る。部屋の中は眠りについた時のままで、当然ハナはいない。]
――マジか。
[夢ならよかったのに。そう思いながら、クローゼットから服を取り出す。 さすがに作業着はどうかと思ったので、適当にTシャツとジーパンを選んだ。 まだ薄膜のかかったような自分に活を入れようとほほを両手でたたく。]
っし……!
[目が少し腫れているかもしれないが、顔を洗えばおそらく気にならないだろう、と思いたい。部屋を出たら、食事のにおいで一気に目が覚めた。]
はよー…ってなんかみんな元気ねえな。
[二日酔いの様子の面々に思わず吹き出した。]
(535) 2014/03/17(Mon) 22時頃
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-回想・飲み会の中- 倉田さん、な。すまん、人の名前覚えるの苦手で。
[そういって苦笑いする。]
あんたからもらった花、娘が夜もずーっと離さなくてなあ。 ほんとありがとな。
[向こうは仕事なのだから、あまり覚えていないかもしれないが、ハナの笑顔を思い出して、少しくすぐったそうに笑った。 そうしてしばらく、スピリタスを呷った後、ふと横の倉田が目を丸くしているのに気付き。]
――ああ、俺あんま酔わねーんだわ。結構強い酒とかも。 こんなの飲むのは久しぶりだけどな。
[そういってテーブルの上のつまみをまたつまんだ。*]
(540) 2014/03/17(Mon) 22時半頃
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-朝- [朝飯のいい匂いにテーブルを覗き込む。]
おお、すっげ、これもあんたが作ったの? 俺ももらっていいか?
[朝飯の用意がされているってだけで何か幸せな気分になる。 普段はそれどころじゃないものなあとしみじみ考えてると。]
(544) 2014/03/17(Mon) 23時頃
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…んぁ?
[キッチンのほうで槇村と影木が険悪な雰囲気で>>538>>541 少しあたりを見て、頭を掻き二人のほうへ。 ほっといて殴り合いでも始めたら面倒だ。]
――なあ。 ちょっと、俺飲み物とりてーんだけど、いいか?
[返事を待たずに二人に割って入る形で冷蔵庫を開ける。 特に何が飲みたいとかはなかったけども、牛乳でもあったらそれをとっただろう。]
(545) 2014/03/17(Mon) 23時頃
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[割って入り開けてみた冷蔵庫から、申し訳程度にパックをとる。 あ、これコーヒー牛乳じゃん。ラッキー。]
『何か俺見苦しいことしてたらすんませんっした。』>>551
[影木の声には笑って返す。]
ばーか、酒の席は無礼講って決まってんだよ。 みんな酔いつぶれてたから一緒一緒。楽しく飲めたらそれが一番だろ。
[そういってくつくつとまた笑い、コーヒー牛乳をパックから直のみする。 娘のことを言われると少し表情は苦みを帯びた。]
――だな。…まーどうなるかはわかんねえけど。
[務めて軽く返す。重い話になって暗くさせるのも嫌だった。 そのまま影木はキッチンを出る。後ろを見れば、壁にもたれる槇村。]
(559) 2014/03/17(Mon) 23時頃
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おい――大丈夫か?
[そういってしゃがみこみ目線を同じにする。 顔色は良くわからない。二日酔いか、それとも。 そういえば影木とは顔見知りのようだった。]
二日酔いか―――? 立てねえなら肩貸すけど……
[もし影木との間に何かあったのなら、あまり深入りしないほうがいいのだろうか。 ややうつむいた槇村の表情はよく見えない。]
(561) 2014/03/17(Mon) 23時半頃
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―――ぁあ?
[槇村の頼み>>563に思わず変な声が出る。 しかしその声色は非常に真剣で。]
え、や、いいけど、おう。
[そういって差し出された手をとろうとする。 槇村って同性が好きとかじゃないよな?よくわからないが、その真剣さは何か考えているものがありそうで。]
(566) 2014/03/17(Mon) 23時半頃
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-回想・飲み会の後のキッチンで-
『それでは勇敢なる戦士早川さんには、食器拭きのクエストを依頼するであります。』>>552
[酔っ払って上機嫌の田端がおどけた様子でこちらに敬礼し、食器を洗っていく。]
――はいよ、了解。
[その様子に思わず吹き出しながらもその任務を受けることにした。 洗い終えて籠に入れられた食器の水気をふき取り、棚の中にしまっていく。]
『早川さん、手際いいねー。ご飯も自分で作る人?』
[鼻歌とともに軽い調子で聞かれた。]
ん、ああ。俺しかいねーからな。最近はハナも…娘も手伝ってくれっけど、まだ火とかつかえねーからなあ。 まあ料理の才能はねーわ。ぎりぎり食べられるものってくらいだな。
[そういいながら世間話の調子で返す。甲斐田くらい料理の腕があればまた違うのだろうが。]
(567) 2014/03/17(Mon) 23時半頃
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娘は、次4月で小学校なんだけど、かわいい。マジかわいい。嫁になんてぜったいやらん。 保育園で好きな男子がいるとかいっててよー、マジ嫉妬の鬼だわ。
[ハナのことを聞かれたら、顔がほころぶ。 親馬鹿なのは重々承知の上だが、それでもかわいいもんはかわいい。だが。 ハナのことを思い出して、ちりちりと胸が痛くなる。 俺までいなくなったら、ハナはどうなるのだろう。]
『…いきなりラブゲームしろって言われてもさ、困っちゃうよね。』
…んだな――もう恋愛の仕方とか忘れちまったよ。
[田端のつぶやきに、少しだけ本音が出そうになった。 どうすればいいのかわからない。 どうすれば。
誰かを好きになれるのか、もしほかの人を好きになったら―― しかしそれをしなければ、ハナを一人にしてしまうわけで。
不安な気持ちを隠すように、ただ自分の手もとの皿をふき続けた。*]
(568) 2014/03/17(Mon) 23時半頃
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[差し出した手を、槇村が握る。>>612 その顔は固く、少し青ざめているようにも見えた。
俺そんな怖いのかな…などと思ったがどうやらそれが理由でもないのではとも思えた。]
お前――
[大丈夫か、と声をかけようとすると、槇村は切羽詰まった声で謝りながら半ば走るようにキッチンを出る。>>613]
……えーと。
[その場で少し頭を掻きぼんやりと考えていたが、カミ様の露天風呂を作ったとの声に顔を上げた。 そういえば昨日は風呂に入ってない。 とりあえずさっぱりしてから考えようなどと。]
(617) 2014/03/18(Tue) 01時頃
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