204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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[>>+77先祖がえり。 その内容だけを耳に留めて、ディーンの意識はニコラへと向かった。
聞こえない、見えないと分かっていても、意識をそこから逸らすことは出来ない。 >>386大きな音を聞きつけて問い掛けるベネットの方を見て、密かに溜息を吐く。 彼の声は、ニコラに届く。]
――…………ベネット。
(+78) 2014/11/23(Sun) 22時頃
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/* 過保護 多いな!!www
(-113) 2014/11/23(Sun) 22時頃
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/* いや ディーンさんも 基本的には 過保護だけど ただ なんかこう 望むようにしてあげられてないと思って 遠慮してる だけで
実際 シメオンが食べようとしてきてくれたら きっと 断り切れなかった
(-115) 2014/11/23(Sun) 22時頃
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[>>397寂しがっている、とディーンにはすぐに分かった。 しかし、いくら手を伸ばしても彼には届かない。 >>399鍋を踏む様子はまさに>>386癇癪と呼ぶに相応しい動作だ。
もし、自分が傍にいないことが、彼にそうさせているなら ――それは何と嬉しくて、悲しい事だろう。]
――……ニコラ。
[ディーンはニコラの腕にそっと触れる。 指を滑らせてなぞり、ニコラの指先に自分の指先を絡めた。 もし衝動が無かったとしたら。 食べられることを望むことが無かったとしたら。]
…………君が好きだ、ニコラ。僕は、ずっと君の傍にいたい。
[衝動などなくとも、願いは変わらない。]
(+80) 2014/11/23(Sun) 22時半頃
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[>>403ニコラの前に、ベネットの同行者が立ち塞がる。 ディーンはその隻眼をじっと見つめた。 彼もまたラルフのいう先祖がえりであったとは知る由もなく。]
――……もう、終わらせて やってくれ。
[ディーンの呟きは、ニコラの死を願うものだった。 今、生者の世界に彼を救う者は誰もいない。 今、死者の世界に自分を救ってくれる者は誰もいない。
欲に溺れた選択を間違っていたとは今も思わない。 だが、それでニコラが苦しむならば――。]
(+82) 2014/11/23(Sun) 23時頃
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[ディーンは、絡めた指先を強く握る。 彼が死んだとして、同じように欠片が残るとは限らない。 会うことすら叶わないかもしれない。
それでも、生者の世界が彼を傷つけ、苦しめ、孤独にさせるなら、 そこから逃がしてやりたいと、ディーンは願う。]
――――……ニコラ。
[声が届かないことがもどかしい。]
(+83) 2014/11/23(Sun) 23時頃
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[彼に惹かれた理由は明白だ。 彼に愛された理由も明白だ。 ただ、お互いしかいなかった。 歪んだもの同士だからこそ、その形がぴったりと触れあった。 他の誰にも触れられない歪みに、触れられた。
>>411ニコラの言葉はそのまま、ディーンの言葉でもある。 口を噤み続けたディーンの内にある、汚い感情の一つだ。 だからこそ、吐き出さずにおれない苦しさも、痛いほど分かる。 この胸に刺さった棘を抜けるのはニコラだけだ。 ニコラにとっても、それは同じであるに違いない。]
――……愛している、ニコラ。 僕の唯一。僕の太陽。僕の、かみさま。
[ニコラの横に屈みこんで、柔い色をした金の髪を撫でる。 ほんのひとかけらでも届けばいいと願いながら、卵を握る手に自分の掌を重ねた。]
(+85) 2014/11/23(Sun) 23時頃
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[>>430ニコラの言葉はまさに、ディーンの望んだことそのままだ。 腸を引きずり出されて、食べられたい。全部を支配されて、誰かのものになりたい。自分の血肉を美味しいと褒めてもらいたい。腕の中に包まれて、他の全てから目を塞がれて。 ――全部を、差し出したい。 想像するだけで幸せに満ち溢れたそれを、叶えてくれたのはニコラだった。気付いてくれたのは、ニコラだった。
しかし今、彼が望む幸せをあげることが出来ない。 あちら側に残るのは、ただ腐るのを待つ眼球だけだ。]
――……君が苦しいのは、僕も苦しい。 僕は……
[それが自分の欲望を叶えることを優先した代償だと、ディーンは今更気付く。彼を今孤独の淵に追いやっているのは、自分だ。]
(+91) 2014/11/24(Mon) 01時頃
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――――……ニコラ。
[ディーンは絡めていた指を解き、ニコラの首に触れる。 もしこの感触が伝わるなら、彼の首を絞めてあげたい。 それで彼の苦しみが終わるなら、手を下すのは自分でありたい。 そうして息絶えた亡骸を食べて、腹に収めて。
そこまでを想像して、ディーンはようやく、食べたいと願う同族本来の欲望を理解した。]
(+92) 2014/11/24(Mon) 01時頃
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[もし、彼がともに生きたいと願ったなら、それに従うことも出来ただろう。 しかし>>455そう、自分達は人とは呼べないものだ。 好きになれば手遅れで、堪える手段を失えば、どうしようもない欲に飲まれる。ニコラは、それを許してくれた。]
ニコラ……僕が君を、食べれば良かったのか?
[苦しみに耐えることなら慣れている。 誰かが自分のことで苦しむことには、いつまでも慣れない。 或いは正しい欲望で以て彼を食べることが出来たなら、彼の苦しみが生まれることはなかったのではないか。 仮定を想像し、身勝手な自責の念を深くしながら、ディーンはニコラの傍を離れない。 たとえ、彼の苦しみが去るように祈ることしか出来なくても。**]
(+93) 2014/11/24(Mon) 01時頃
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/* ベネットが 優しい顔をして 的確に 抉りにいってるように 見える
(-134) 2014/11/24(Mon) 01時半頃
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