198 かるらさんのうなじ争奪村
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トレイルは、甲斐の向かった先に居る、人影を――少しはなれたところから、見つめて
2014/10/05(Sun) 09時半頃
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……やっぱり、……知ってる人なのか……
[甲斐の様子と、相手の反応。 親しいものの間に流れる其れ――だ。]
……、君も、知ってる人かもしれないよ。 気になるなら、行ってくるといい。……先に水場を探した方がいいかもな。
[青年――西高良に謂った。 自身は、後に続くか続くまいか、まだ、悩んでいる。
また 逃げるのか、と
遠い日の自分が 責めたような、気がして。]
(149) 2014/10/05(Sun) 10時頃
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―――、でも、……今更だろう……?
[そうだ、だって、そのまま彼らがどこかに一緒に遊びに行ってしまうかもしれないじゃないか。夏祭り、きっと楽しい。そうなれば、それで。――本当に?
誤魔化すように綿飴をひとくち食む。 甘く溶けて、すぐに消えてしまった。]
(150) 2014/10/05(Sun) 10時頃
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―回想―
「――玲。もう、貴方とは居られなくなるわ」
(-56) 2014/10/05(Sun) 11時頃
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―回想―
母がそう直接告げてきたのは、 最後の義理だったのかもしれない。 そのまま失踪されてもおかしくないかもしれないと 幼いながらに、僕は思っていたからだ。
思っていたけれど。 それで、自信を落ち着かせようとしただけで その実、覚悟なんて出来てなかったと思う。 詰まった咽喉の痛みを、よく覚えている。
(-57) 2014/10/05(Sun) 11時頃
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―回想―
それが、高校生の頃だ。
両親は、互いに別に想いあうひとがいたのだと 後から親類に聞いた。出張にかこつけて居なくなっていたのはそういうことなのだろうな、と冷静な自分が分析する。
勝手な話だ。 僕は、憤った。 それ以上に、哀しかった。 僕では、何の引力にもなりはしなかったのだ。 繋ぎとめるような、星の引力が――あれば。或いは。
財力も、無償の奨学金をもらえるような頭脳もない自分に 星を学ぶために進学する道は鎖された。 自棄になって、この場所から逃げたくて、都会に出た。時給のいいバーでアルバイトを始められたのは、まだ、幸運だったのかもしれない。
(-60) 2014/10/05(Sun) 11時半頃
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―雑踏で―
ぁ、――
[毛玉が跳ねて、何処かへいってしまった。 チョコバナナ、好物なんだろうか――などと、的外れなことを思いつつ。立ち尽くしたまま掌の上の開きかけた花に、視線を落とした。]
(168) 2014/10/05(Sun) 12時頃
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―回想―
それでも、金の工面には苦労する。 マスターに一度相談した後 ――こっそりと、「客」に手を触れさせる真似事を、するようになった。
夜の街だ。一夜ばかり、戯れたい人も ただぬくもりを求める者も在るということを知る。
そのときばかりは、自分が 必要とされているのだと思って、 愛想笑いもちゃんと、覚えたつもりだ。
(-63) 2014/10/05(Sun) 12時半頃
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―回想―
褥を共にするまでいかずとも触れるもの それが―――女ばかりでなく。 男も、その中に含まれていることには、 正直、驚いたし戸惑ったが。
――嗚呼、そうだ。思ったよりも、嫌ではなかったし。 ――あとくされも、なかったのだ。
(-64) 2014/10/05(Sun) 12時半頃
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―回想―
そんなことをしていたから ホストクラブに誘われもしたが、 あのセカイで自分がやっていけるとも思えなくて、断った。
盛り上げなど、得意ではないし。 ひっそりと、触れさせるくらいでいい。
――星は遠ざかるばかりで、 悔恨は、なおも降り積もる。
(-65) 2014/10/05(Sun) 12時半頃
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―>>#7―
[つと、遠くの、背が高い方の人物と目があった気がした>>177 黄昏のとき。窓から見ていた、――誰か、そう、そんなことが、会ったような、気がして。
ふと、手にした椿の花が、りぃん――と、 また涼やかな音を立てる。 ひときわはっきりと、澄んだ声が耳元で囁いたような気がした。]
…… 、――― それは
[どういう――、と、 呟く声は、少し、掠れた。
刹那の静寂の後――再びざわめきが、戻ってくるまで、呆然と立ち尽くす]
(181) 2014/10/05(Sun) 14時頃
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―雑踏で―
[音の戻った雑踏。 >>183 近づいてくるのは、大柄な方の人物だった。]
――や、 やぁ
え、っと……
[小さく手を上げて、面影を辿る。 眼もとの、辺り。小さな鈴のような音が鳴ると、徐々に鮮明になる]
(187) 2014/10/05(Sun) 15時頃
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―雑踏>>193―
……高原 くん?
[目を丸くする。眉間によった皺が見えて 睨まれているかと思ったが、どうやら違うようか。]
……詩的だな。
相賀、 玲。だよ。……久しぶり。 伸びたな、背。
[手を、少し自分と比べるように自身の額に翳した。 あの頃は、そんなに背も変らなかったのに。 質問には――諦めのような色を滲ませた笑みを浮かべた。]
星、 星はね、…… ……未練がましく、見上げては いるさ。
(196) 2014/10/05(Sun) 15時半頃
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……君は?
いま、……元気、してる?
[懐かしい、野球の練習をずっとしていた少年の姿。 彼の心の内、事情を良く知らぬまま、 知られずとも輝く星のようだと、そう思っていたのだ。]
(197) 2014/10/05(Sun) 15時半頃
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―>>200>>201―
格好いいじゃないか。伸びた人の、特権だな。
[高西良は、さて、反応したか。彼は背が低いようであったから。]
そうかな。……――、無駄な足掻きみたいで、 僕――おれとしては、格好悪いと、思っているんだけどね。
君は、……そうじゃ、なかったの。あんなに、頑張ってたのに。
[ボール一つ切欠で、時折、話すようになっていた。 今なら「ストイック」だな、と表現するだろう。何かに向かって、必死に見えたのに。]
……あれ 君、左目―――?
[少し、近づいて 翳した手を、少し動かす。 客と――様々に 接するようになってから、観察眼が多少は鍛えられたらしく、違和感を口にした。声は潜めて、そっと、だ。]
(203) 2014/10/05(Sun) 16時頃
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―>>200>>201― [その折>>203に、鞄の中の本が――彼の視力では、見えたかどうか。星の本。未練の塊だった。何の本、と聞かれて、答えた遠い、遠い日のこと]
元気なら、いいんだ。……よかった。
[そう、眼を細めてから―――]
同窓会。
[と、呟く音は、複雑なもの。 自分なら、もし、そういう案内が来ても、きっと行かなかっただろうから――素直に喜べることは、きっと 尊いことなのだ。]
お祭り、だものね。 ―――そうだ。君も、綿あめ、たべる?
[片手、ふわふわの白い菓子。あまり手をつけていないそれを、指し示す]
(205) 2014/10/05(Sun) 16時半頃
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―>>211―
褒めてるよ、安心していい。
[少し、笑う。高西良とのやり取りがあれば、なおのこと。]
……そうかも、しれない。
[高原の 口ぶりとか、諦めたような、気配とか 自嘲気味の、笑い、とか。 胸に刺さるような、ものがある。 変らないものは なくて。]
おれは、……ただ、好きだっただけなんだけどな―――。
[ほとんど吐息の、せつなさ籠もる笑みを吐く]
……当たり前なんだけど、なんか、 すごく、大人になった、って感じが ……するな。
(215) 2014/10/05(Sun) 17時半頃
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―>>212―
ぁ、 悪 い 余計な こと……。
[身を、少し退いて、] [指摘すべきではないことだったか、と眉を寄せて眼を逸らす。 諦めに似た笑顔はつらい。 当時、そんな表情を彼が浮かべるようになるとは思わなかった。
本を見て、浮かべた笑顔は、救いだが]
(216) 2014/10/05(Sun) 17時半頃
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ん。
[綿あめを、自身も少しつまんで口に運ぶ。 甘い、ふわふわな、夢見がちな菓子だと思う。]
……、せめて思い出だけでも、……ぜんぶ、こんな風なら―――
[戯言がふと唇に乗った。 戯言めいた、愚かな希望。 感傷的な言を上書きするように、笑みを浮かべて 尋ねる。]
……高原くん、誰かと、一緒に此処に? ほら、さっき一緒に居た、の は……
(217) 2014/10/05(Sun) 17時半頃
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トレイルは、アラン――高原に、尋ねた時。りいん、とまた記憶を鮮やかに掘り起こす音が、鳴った気がした。
2014/10/05(Sun) 17時半頃
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思い出だけでも。
それは、甘えだろうか。
(-84) 2014/10/05(Sun) 17時半頃
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― 雑踏で ―
[甲斐が、戻ってきたとき。そして件の青年の名を口にしたとき、 >>217 誰かと一緒に居た、あれは誰だったのかと高原に尋ねた、それに答えは、あったか。どちらにせよ――]
とも ……?
[ぽつ と、落としたおとは小さくて けれど、どうしようもなく悔恨を呼び起こすものだった。]
……ぇ?あ、……いや、 なんか、……勿体無くて。
[照れたような、苦笑めいた曖昧な笑み。そのまま綿あめに視線を落とす。光に縁取られる輪郭。――ほおずきの提灯が、ふわりとよぎった。]
(229) 2014/10/05(Sun) 20時頃
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―少し前>>227>>228―
…… なんだ、うん、立派になってるなあ、って、思った。
[と、付け足したところで――]
!? っ、な、……
[撫でられたことにうろたえた。 頭を撫でられるなど、いつぶりか。 ――両親もあの調子で、記憶が薄い 妙に照れくさく、どきりとして、頬が少し熱くなったのを、感じた。]
や、やめ、 って。
[子供じゃないのだし、と手を翳したぎこちなさ。]
(237) 2014/10/05(Sun) 20時頃
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…… 気づいてても、気を遣って 謂わないひとも、いたんじゃないのかな、ってさ。
……――つい、ね。 ひとの顔色とか、見てるからかもな。
[――生業のことは、ぼかす、暈す。 君は真面目だな、と笑いもした、が―――]
(238) 2014/10/05(Sun) 20時頃
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っ、――!?
[それはそれはわかりやすく、 物理的に跳ねるところだった。>>231>>234]
(239) 2014/10/05(Sun) 20時頃
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[声にびっくりしたし、 ギャップにも驚いている。]
……、 、…… あれ……
[>>233 踏み出してきた新たな人物。 ぱちりと、玲は目を瞬かせた。]
(243) 2014/10/05(Sun) 21時頃
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―少し前>>245―
――そうだと思うよ、今、話してる限りでは。
[そう、冗談めかした。]
……気に障ったわけじゃ、 ない、 けど……
[頬にかかる髪を指先で梳きながら濁す。 いやではない。撫でられたのがほんとうに、子供の頃から数えても久しぶりすぎて、戸惑った――なんて、謂える筈も、なかったのだ**]
(250) 2014/10/05(Sun) 21時半頃
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―現在>>249―
……―― 下牧くん?
いや、驚いて、…… 印象が、違ったから、その。 ……悪い意味じゃ、ないんだけど。
[そう、苦笑した。――街ですれ違っただけなら、きっと、分からないだろうくらいには立派になっていた。]
(252) 2014/10/05(Sun) 21時半頃
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トレイルは、ゴロウの縮こまり方は、なかなか落差があると思う。
2014/10/05(Sun) 21時半頃
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……、
そうか。
変ってる ―――か。
[憂いのある、苦笑いのような表情を>>257浮かべた。]
うん、でも、元気そうで ……よかった。
[甲斐がいうには、陸――松戸も居るらしい。 記憶を鮮やかに蘇らせる、鈴の音が聞こえる気がした。]
(261) 2014/10/05(Sun) 22時半頃
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――― あの
[――近くの、そう、高原と甲斐に向けて ひそりと尋ねたときに 腫れ物に触るような、声になって]
とも って ――― 三垣 くん? ……
(262) 2014/10/05(Sun) 22時半頃
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トレイルは、甲斐の頷きに、明らかに表情を強張らせた、
2014/10/05(Sun) 23時頃
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―少し前のこと>>265―
[夕映えの、という表現には面映げな表情をうかべた。 懐かしい、同じ景色を思い出しているのであろうか、と思う]
背か。――そうだね、 欲しいって、なかなかムチャを。
[物言いが、昔と同じようで、笑みを誘う。 同窓会と謂う単語には、やはり少し複雑な表情を浮かべた**]
(275) 2014/10/06(Mon) 00時頃
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―現在:雑踏>>267―
……覚えてる
[ばつが悪そうに、何からも眼を逸らして 地面の端、石畳を見た。鬼灯の提灯が、ふらふらとたよりなく彷徨う]
……、――どう かな
[なぐさめになるか、といわれれば微妙なところだ。 気遣いであろうと判断して、バーで浮かべるのよりは、やや頼りない笑みを浮かべたのだった。]
(276) 2014/10/06(Mon) 00時頃
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