104 路地裏の因果律
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そう。 ……お花、沢山買わせてね。
[小さく手を振って女に背を向け歩き出すと 少し先に墓守の少女の姿を見止めるか。]
ヨーランダ?
[墓参りに行く自分は彼女を覚えているけれど、 彼女が自分を覚えているかは分からない。 蹲る彼女に近づいて顔を覗き込むようにして]
大丈夫? どうしたの?
(18) 2012/10/12(Fri) 23時頃
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……?
[不意に声をかけられて痛みに顔をしかめながらも声の主を見る]
平気……ちょっと人とぶつかっただけだから……
[壁にぶつかった腕をさすりながらゆっくりと立ち上がり、たまに墓参りに訪れる女性の手にある花を目に留める]
それ……お花?
(19) 2012/10/12(Fri) 23時半頃
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/* 地震だ! 今日二回目だけどいきなり揺れるとびっくりするぜ
(-4) 2012/10/12(Fri) 23時半頃
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そう、気をつけて、ね?
[気遣うような視線を向けて 腕をさする彼女を見ていたが 花のことを問われれば、小さく頷いて]
造花だけどね。 本当は生きた花を供えたいんだけど ……これ、綺麗だったから。
近々墓地に行くわね。 あの子のお墓、綺麗にしてくれている?
[あの子、というのはヨーランダも知っているだろう、自分がいつも墓参りをする、若くして命落とした己の親友のこと。]
(20) 2012/10/13(Sat) 00時頃
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大丈夫……ボーっと歩いてた私が悪いだけだから…… 造花……? 生花は枯れるから、掃除とか、大変だし…… 墓地を管理している側からするとその方が助かる……
[あの子、と言われてようやく親友の墓参りによく来ているコリーンという女性だったかと考えが至る]
……ええ、少しでも欠けていたら石工さんに修繕をお願いしているし…… 苔も生えない程毎日磨いているわ
[そう口にする事は全て嘘偽りのない事、全てそう教え込まれてただそれに従って生きてきたのだから]
そういえば、もうすぐ命日、だったかしら? 最近は死人が増えているからほとんど毎日が誰かの命日に感じる……
[裏路地の殺人鬼、と呼ばれる犯罪者を思い出してそう呟く]
(21) 2012/10/13(Sat) 00時頃
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/* うーん、口調とか性格とかあんまり考えてなかったなぁ
(-5) 2012/10/13(Sat) 00時頃
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水商売 タバサは、メモを貼った。
2012/10/13(Sat) 00時頃
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うん。本当はちょくちょく行って 私がお花替えられればいいんだけれどね。 この街で働いているとそうも行かなくて。 面倒掛けてごめんなさいね。
でもありがとう。 貴女のお陰であの子も安らかに眠っていると思うの。
[ふわり微笑んでいつもの礼を告げ、 命日、という言葉には少し寂しそうに]
そうね。もうすぐ命日。 ……死人、か。
[その言葉には僅か表情を顰めた]
ヨーランダも気をつけてね。 最近何かと物騒だから、明日は我が身じゃ笑えないわ。
(22) 2012/10/13(Sat) 00時頃
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それじゃ、私そろそろ帰るわね。 ヨーランダも道中気を付けて。
[枯れない花を抱えて、ヨーランダに微笑みかけ]
またね。
[歩き出すと瞼が落ちてくる。 最低限歩ける視界は維持しているけれど 眠たそうな双眸だけはなかなか癖が治らない。
アパートに帰ったら化粧を落としてすぐに眠りに就いてしまうだろう**]
(23) 2012/10/13(Sat) 00時頃
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むしろコリーンの方が、珍しいくらいに思う…… 皆、忙しいって、お墓に来ない人、多いから……
死んだ人の心は分からないけれど、私なら貴女みたいに忘れないでいてくれる人が居た方が安らかに眠れると、思う 早く忘れてあげる方が死者のためなんて、嘘っぱち……
[日々を生きる裏路地の人々達を想えば死者を悼む暇もないであろう事は簡単に想像がついた 死者を忘れているわけではないだろうけれど、それでも自分が誰にも思い出してもらえない存在だったらと思うと少し怖くなる気もして]
殺人鬼が出るからね…… その前に早く捕まえてもらわないと私が過労死するかも……
[物騒という言葉に小さく頷き、殺人鬼のせいで次々に墓が増えて管理や埋葬の手間を思いため息をつく]
とりあえず、今日は帰る…… お墓参り、来てあげてね
(24) 2012/10/13(Sat) 00時半頃
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ヨーランダは、コリーンとは別の方向へと家路に向かった**
2012/10/13(Sat) 00時半頃
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[銀髪の女を見送って暫くはぼんやりと立ち尽くしていた しまっていた金銭を取り出して 一つ一つ大事そうに数え出す]
今日はもう大丈夫
[呟くとにんまり笑う だいたいこれくらいあれば今日、一日は。 消費量によっては明日も持つだろう。]
帰ろ
[言うが早いか地へ置き放していた籠を拾い上げ よたよたと自分の家へ向けて歩き出した]
(25) 2012/10/13(Sat) 19時半頃
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水商売 タバサは、メモを貼った。
2012/10/13(Sat) 19時半頃
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―― 裏通り・自宅 ――
ただいま
[仄暗い通りを外れまで歩いた所に女の自宅は在る 木製の扉に鍵は掛かっていない 先月まではついていたのだがある日帰宅してみると 金属で叩き落されたような跡と共に無くなっていた]
ただいま
[繰り返す言葉に当然返事は無い 鍵が無くなっていたのは丁度母親の 葬儀とも呼べぬ簡素な葬儀が終わり 三日後の事だったけれど女にとっては 遠く離れた過去のような出来事にも感じられた]
(26) 2012/10/13(Sat) 20時半頃
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…
[母親が居なくなろうとも厳しく躾られた事は 従順にこなしてから扉に手をかける 開けば其処には勿論誰も居ない 狭く汚い部屋が寂しそうに主を出迎えるだけだ]
今日はお花がたくさん売れた 良かったでしょ
[室内に入り扉を閉める 部屋に誰かが入ったような形跡があるが 今のところ直接的な被害にあった事が無い どうせ盗るものなんて何もない あると言えば母親の遺品や作り置きの造花、 そして幾許かの衣服だった]
(27) 2012/10/13(Sat) 20時半頃
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んーんーんー♪ んんーんんーんー♪
[鼻歌を歌いながら定位置に花籠を置く 小さなテーブルの前にぺたんと座り込んだ 纏められた母の遺品の中から 掌に収まる大きさの襤褸の本と 母が残した日記を開き見る]
んんーんー♪
[文字はほとんど理解出来ていない わかるものと言えば自分の名前と簡単な単語だ 母が亡くなってから毎日のように開いているが 未だ内容はほとんど理解出来ていない 教える者はもう居ないし、 これからも居るかどうかは、わからない]
(28) 2012/10/13(Sat) 20時半頃
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タバサ
[それでも楽しそうに微笑んだ 日記の中に自分の名前が出て来れば まるで母親が今も其処で優しく 自分を呼んでいるような気がしたからだ]
タバサ
[この瞬間が一日の疲れを癒すと言っても 過言ではないくらいに充実した時間だった 名前を人差し指でなぞりまた次の名前に触れる]
(29) 2012/10/13(Sat) 21時頃
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タバサ ……元気に 頑張って
[理解出来る単語を時々口にしては強く頷いた 母親が亡くなってから三日程はわんわんと泣いたが 母親は自分が泣くと酷く悲しそうな顔をした だから泣かない 辛くても泣かないのだ、と簡単な図式が成り立った 悲しくないなんて事はないが、 あの顔を思い出すほうが辛いから、 だから微笑んで、一日を過ごしている]
(30) 2012/10/13(Sat) 21時頃
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[8月8日 13:21 晴れ]
今日はここ数日の中で一番暑い 部屋の隅でタバサがぐったりしちゃうくらいに 何か冷たいものを買ってあげたいけれど 今はあまりお金に余裕がないの もうすこし我慢してね、タバサ
向かいの家のエネルさんに子供が生まれるみたい 男の子かな、女の子かな 元気に、丈夫な子が生まれますように
最近、何だか胸に締め付けられるような 鈍い痛みがある 病院に行きたいけれど
その前にタバサの洋服を買ってあげたい 綺麗な格好をさせてあげたい 頑張って、稼がなきゃ
(31) 2012/10/13(Sat) 21時頃
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タバサは、かさりと一枚ページを捲った。
2012/10/13(Sat) 21時頃
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[8月10日 17:42 曇り]
今日は此処の家賃の支払いだった 前払いだから来月まで大丈夫だけど 明日まではちょっと厳しいな
ご飯が少なくて、タバサが辛そう 食べさせてあげたい
でも、明日は多分多めにお金が入るはず ジェニーの頑張り次第だけどあの子なら大丈夫 お金が入ったらどうしようかな とりあえず買う物をメモしておかなきゃ
食材 造花用の材料 タバサの靴、髪留め、洋服
……お金、足りないかも
(32) 2012/10/13(Sat) 21時頃
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タバサは、自分の名前をなぞり、また一枚ページを捲る。
2012/10/13(Sat) 21時半頃
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[8月12日 12:05 雨]
お金は思っていたより入らなかった ジェニーは頑張ってくれた けれどあの状況じゃ仕方がない
何も同じ売り物をわざわざ目の前で 安く捌かなくたっていいのに
どうして何時もこうなんだろう 大事な所で何時も何時も ごめんね、タバサ 靴も、髪留めも、洋服も買ってあげられない 駄目なおかあさんで、ごめんね
辛い 恨み言ばかりになりそう 良くないね
(33) 2012/10/13(Sat) 21時半頃
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タバサは、眉をへの字にして首を左右に振った。
2012/10/13(Sat) 21時半頃
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[書かれている内容が全て理解出来る訳じゃない けれど、]
おかあさん、悪く無い 悪くないよ
[ごめんね、という言葉に首を振る 母親がどういう人であったか知っているから 何も母親は悪い事を自分にする人ではなかったから。]
おかあさん
[違うのだ、と首を振り文字をなぞる。 それを繰り返すうちに程よい眠気が身を包み うつらうつら、と船を*漕ぎ始めた*]
(34) 2012/10/13(Sat) 21時半頃
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水商売 タバサは、メモを貼った。
2012/10/13(Sat) 21時半頃
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[喧噪が遠く聞こえる路地裏の片隅。
低い石段に腰を下し、ぼんやりと開いた目を仄暗い闇に向ける。]
(35) 2012/10/14(Sun) 02時頃
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ヤニクは、そのまま3(0..100)x1秒ほど何もない宙を眺めていた。
2012/10/14(Sun) 02時頃
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[頭に被るフードの下、砂色の髪と浅黒い肌は闇に紛れて見える事は無い。 虚ろに開いていた目を、ふと伏せる。 足元に置いた、革の背負い袋。 荷物は、それだけだ。 行く所もなく。 だが帰る為の金も、もう無い。
いや──、帰る事など出来るはずがなかった。]
(36) 2012/10/14(Sun) 02時半頃
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/* タバサの因果律ほんっと酷いなwww 迷走して絶望とかもうバッドエンドしか見えないwww
3ヤニクよ!って言いたいのを我慢してる。 まぁいいかw
(-6) 2012/10/14(Sun) 10時半頃
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[自宅のアパートから黎明の空をぼんやりと眺める。 瞑っているか開いているか分からぬような 細い目で窓の外を凝視している。]
メリッサ、貴女もあんな空が好きだったわね。
[一緒に孤児院で育った今は亡き親友。 埋葬の金を出せるような身寄りはなく、結局自分がバーで働いて貯金していた金で墓を借りた。 遺影と言えるものはなく、ロケットに入れた少し褪せ始めた写真だけが彼女の面影。]
(37) 2012/10/14(Sun) 10時半頃
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もう六年、か。
[寂しげに呟いて、ウイスキーをちびちびと唇に運ぶ。 酒は強いわけじゃない。 仕事柄飲まされるから、少し耐性が出来ただけ。 客が言っていた、「酒を飲むと現実を忘れられる」という言葉を真に受けてこうして少しずつ手を出しているが、現実を忘れられるような泥酔など出来ないのだろう。]
メリッサと杯を交わせたら良かった。
[規律の厳しい孤児院で育った所為か、お互い酒も煙草も飲まなかった。今考えればもっと遊んでおけばよかったと思う。 メリッサもその方が、短い生涯で楽しめたのではないかと]
(38) 2012/10/14(Sun) 11時頃
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だめね、感傷に浸っちゃう。
[苦笑して目を閉じるが、ふとヨーランダの言葉を思い出した。
『早く忘れてあげる方が死者のためなんて、嘘っぱち……』 そうだ。忘れてはならないんだ。 互い孤独だった、だけど一緒だったから孤独じゃなかった。 メリッサを自分が忘れてしまえば もう彼女を思い出す人なんていないんだ。]
いつだって私の心の中でメリッサは生きているわ。
[胸元に手を当ててそう呟く。 黎明は次第に日差しを増し、薄暗い裏路地にも仄かな朝を告げる**]
(39) 2012/10/14(Sun) 11時頃
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[石段から照り返す僅かな光に、閉じていた目を開く。 壁にもたれたまま、いつの間にか寝ていたらしい。 遠くにあった夜の喧騒は、日の光の下、日々の営みが始められた気配へと変わっていた。
胸に抱くようにしていた革袋を横に下ろし、小さく息を吐く。 空腹だった。]
(40) 2012/10/14(Sun) 13時半頃
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[皮袋の口を縛り留めている麻縄を解き、開く。 財布代わりの布製の小物入れを取り出し、中を確かめた。 一枚の紙幣と、小銭が僅か。
数日前からそれを確かめては、溜息を吐くことを繰り返している。 売って金に替えられるような物もない――、しいて言えば、この。
死んだ父から譲り受けた笛。
だが、売り払えるような物ではない。]
(41) 2012/10/14(Sun) 13時半頃
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ちぇっ。 あのオヤジ、足元みやがって。
[両手を上着につっこむと足早に路地裏の寝床を目指す。 背を丸めたうつむき加減の顔は唇をかみしめていた。]
(42) 2012/10/14(Sun) 13時半頃
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