239 名探偵の館
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……これはとあるカードゲームのカードのひとつ。 Seven Tools of the Thiefというカードです。
[ゆったりとした調子で、オーレリアは語る。]
相手のトラップカードが発動した際、自分のライフを一定数支払って相手のトラップカードを無効にすることが出来ます。 このゲームにおいてトラップは切り札に等しい。それを無効にしてしまえるこのカードは強力無比。もちろん、対価は非常に大きいですが……ほぼ決まりかけた勝負を覆すことが出来るのは、このカードだけと言っても過言ではありません。 そのあまりの効果に公式の大会では第二回目にしてすでに使用禁止にされたほど。
その後は新たに生産されることもなかった幻のカードであるのに加えて、様々な手段で回収が進み、今ではこれを持っているのは第一回公式大会チャンピオンに輝いたプレイヤーだけなのです。
(136) 2015/10/30(Fri) 00時頃
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……そう。 もうおわかりですね。
それがパルックさん。 人狼館でシェフをしていたこの方は、若き頃に人狼戯王というカードデュエル大会の初代優勝者でした。
パルックさんの部屋には黄金のカードトロフィーが置いてありました。 目立たない場所ですが、磨きぬかれて曇りひとつないそれは、彼が今でもチャンピオンの誇りを失っていないことを示しています。
恐らく……いえ、確実に、彼は今でも訓練を続けていたでしょう。 きっとパルックさんの部屋のパソコンを調べればPC版人狼戯王の戦績が見れますよ。 何十年にも及ぶ練磨は彼を高みへと押し上げ、同時にその自尊心も、遥か天高く聳えたバベルの塔のごとくであった。
けれど実は、ここにもう一人の戦士がいました。
(137) 2015/10/30(Fri) 00時頃
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探偵として呼び集められた中に、その類まれなる頭脳をデュエルの世界でも発揮し、昨年の大会で彗星のごとく優勝を攫った若きデュエリストが混じっていた。 館の主がそれを知って招待したのか、ただの偶然かはわかりません。 けれど、運命は彼らを引き合わせた。
────そして悲劇は起きました。
(138) 2015/10/30(Fri) 00時頃
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この写真をご覧ください。
[オーレリアは一枚の写真を見せる。 腕に装着したカードデッキにカードをセットし、映像はVR(ヴァーチャルリアリティ)で直接網膜に映すタイプの最新の通信デュエル機器だ。]
これを用いて、往年のチャンピオンと若き超新星の苛烈な戦いは幕を開けた。
(139) 2015/10/30(Fri) 00時頃
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礼拝堂で見つけたSeven Tools of the Thiefには、この庭にしか咲かない薔薇の香りが染み付いていました。
……ここにも、ほら。
[オーレリアの指が、パルックの髪に絡まった小さな赤い花びらを拾い上げる。]
おそらく、戦いの場所は薔薇の香りに包まれた中庭。 美しく整えられた夜の庭が、世紀の戦いの舞台に変わった。
[ほんの束の間、オーレリアの瞳は、その時の光景を思い浮かべるように遠くを見た。]
薔薇の舞台は彼──初代の王に甘い香りとともに敗北を届けました。 彼は誇りを折られた。
デュエリスト同士の戦いはあまりに苛烈。 衝撃に、パルックさんの心臓は耐えられず、鼓動を止めた──。
(141) 2015/10/30(Fri) 00時頃
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盗賊王の七つ道具はすべてを見、そして語ります。 カードデッキで行われたデュエルの情報は、ネットを介して人狼遊戯を経営するNINJIN社のデータバンクにすべて記録されています。
先ほど、パルックさんの対戦相手を調べるようわたくしの執事に頼みました。 ……シントシン社の調査力をもってすれば、すぐに結果は届けられるでしょう。
[そう言うのとほぼ時を同じくして、オーレリアの携帯に着信があった。]
わたくしです。
……ええ。そう、ですか。
(142) 2015/10/30(Fri) 00時頃
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[通話を終えたオーレリアは顔を上げて一人の少女を見た。]
あなただったのですね、ナナオさん。
────いいえ。 デュエル会の超新星、ヘルズエンジェル ナナオさん。
(143) 2015/10/30(Fri) 00時頃
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ナナオさんに殺意があったのかはわかりません。 いえ。 きっと二人共、純粋に闘士として力をぶつけあっただけでしょう。
これは殺人事件ではありません。 頂点同士のぶつかり合いによって、起こるべくして起きてしまった悲しい事故……。
(144) 2015/10/30(Fri) 00時頃
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オーレリアは、メルヤにゆっくりと頷いた。
2015/10/30(Fri) 00時頃
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/* wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
(-103) 2015/10/30(Fri) 00時頃
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ご存知ですか? メルヤさん。
(146) 2015/10/30(Fri) 00時頃
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/* あの
とかやめろ
合わせてくるな 腹筋が死ぬ
(-109) 2015/10/30(Fri) 00時頃
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オーレリアは、シメオンに頷いて見せた。
2015/10/30(Fri) 00時頃
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メルヤさんもまた一人の決闘者(デュエリスト)なのですね。
わたくしも決闘者の末端に名を連ねる一人ですが、経験が浅く、また、まさかこんな場所でそんな運命的な邂逅を果たしているとも思い至らず、答えにたどり着くのに時を要してしまいました。
(148) 2015/10/30(Fri) 00時半頃
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カードは主を裏切らず、正々堂々戦ったデュエリストの間には絆が生まれると言います。
パルックさんは、戦いを通じてナナオさんを認め、最期の瞬間に彼女を守りたいと願った。 デュエルによって命を落としたとナナオさんが知れば、心優しい彼女は二度と決闘を行わないかもしれないから。……それだけは防ぎたかったのではないでしょうか。
(149) 2015/10/30(Fri) 01時頃
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この子(Seven Tools of the Thief)は、主人であるパルックさんの最期の願いを叶えるために、他のカード共々風に乗って館の外へと散ったのかもしれません。
館の外ならセレストさんの目も届かない。 ナナオさんは真実を知ることなく、デュエルを続ける。
……わたくしは、この子を見つけるべきだったのでしょうか?
(150) 2015/10/30(Fri) 01時頃
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オーレリアは、憂いを帯びた寂しそうな表情で遠くを見つめ、十字を切った。**
2015/10/30(Fri) 01時頃
オーレリアは、キルロイに真剣な眼差しで答えた。**
2015/10/30(Fri) 01時頃
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/* キルコマンドを自分に使わせて欲しい
(-120) 2015/10/30(Fri) 01時頃
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/* 皆すごいから死にたいよ
(-121) 2015/10/30(Fri) 01時頃
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/* 選べない
(-122) 2015/10/30(Fri) 01時頃
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/* まあいいや……死ぬのはオーレリアさんでしょうからね ネタがつよすぎて出落ち感のあるメルヤちゃんに投票して死のう
(-123) 2015/10/30(Fri) 01時半頃
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/* ……ああ! 窓に! 窓に!
(-124) 2015/10/30(Fri) 01時半頃
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オーレリアは、飛行するナニカを目にした
2015/10/30(Fri) 07時半頃
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え……
[顔が一瞬強張った。 信じられないものを見た、とでも言うように。]
(156) 2015/10/30(Fri) 07時半頃
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(まさか、まさか……メルヤさんの話は、
ほ ん と う に ? )
(158) 2015/10/30(Fri) 07時半頃
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