197 獣ノ國
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―回想・パン屋へ向かう途中―
[いつもの本屋その壁に、見慣れぬ白い四角>>210があることに気がつき。 通り過ぎかけた足を止めた。]
アルバイトの募集。 いいな。
[そこに書かれていた内容は、自分にとっては嬉しいもの。
心地よいと感じられる空間と、大好きな本。その両方を一日のうち数時間、必ず味わえるのなら。
だから、応募しようと思ったのも自然な流れで。 ポケットに手を入れて、指先でその中を探れば鉛筆とメモ帳。
壁に貼られた内容を几帳面に写す。 帰り道にここを通る際、店主がいるなら直接。いなかったなら、連絡をしようと考えて。
そうして、再び歩き始めた] ―――回想・了―――
(264) 2014/10/04(Sat) 09時半頃
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―回想・少し前の商店街― [男の――ヤニクと名乗った相手の、予想もしていなかった言葉>>271に僅かに目を見開く。]
獣の声を聞けない獣――? 未完成な獣――?
[確認するようにゆっくりと、けれども他の人間には聞こえないように抑えた音量で繰り返す。 頭にあったのは、仲間に出会えたという淡い期待。 そして、彼の言葉を信じてよい物か。という疑念。 二つの相反する思いを抱えて言葉を続ける。]
その言葉を信じてもいいのですか?
[震える声で尋ねるも。 先に本屋で出会った時の、彼の言葉>>272を思い起こせば。 『友達になることができれば』と、頷いたことを思えば]
私はカリュクス―――飛べないカナリアです。
[それだけ伝えて、カフェへと歩き始めただろう。]
(286) 2014/10/04(Sat) 13時半頃
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―そして現在・公園近くの商店街― [白いコートと赤いフードと、対照的な二つを交互に見詰めて。 問いかけ>>273にはそっと首を左右に。]
いいえ……たぶん知らないと思います。
[天候が悪いとはいえ、この季節に白のコートは何よりも目立つ。 もし知り合いが着ていたならば、目に留まるだろう。と幾分優しく聞こえる声音に返答して]
獣に興味が―――。 あの、人間の間には獣の話はだいぶ広まっているのですか?
[それならば、他人ごとではいられない。と少し身を乗り出して 連絡先を。との言葉に思案したものの。]
知らない相手から突然連絡があったら 不審に思われてしまうかもしれないです。 あ、あの……。私が届けに行ってもいいですか?
[続いた言葉に、こくりと息をのみながら静かに―――頷いた。]
(288) 2014/10/04(Sat) 13時半頃
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[ヤニクと名乗った彼の腕に抱えられた白いコート。 気付かれぬよう、こっそりと。 けれどもしっかりと、もう一度見つめる。
記憶にある母親。 大好きだったその人が、着ていたものと似ている気がして。
違うとわかっているのに。 もういないと知っているのに。
だから―――届けようと言ったのも きっとそのせい。
そして、緩やかに意識は母との時間。 遠い過去へと流れ行く。]
(291) 2014/10/04(Sat) 14時頃
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□Re:集え獣人 20xx年10月2日 k:l 羽根を切られた白カナリア
どうしよう……。 人間の間で、獣のうわさが広まっているらしいです。 危害を加えようとしている人は今のところいないらしい――ですが。
(*83) 2014/10/04(Sat) 14時頃
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/* 妙にやさしくてこわいぃぃぃ
(-139) 2014/10/04(Sat) 14時頃
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/* たぶんこの村で、一番恋愛から遠いところにいる自信あり
(-141) 2014/10/04(Sat) 14時頃
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そんな話まで――。
[全く気にかけたことがなかったと言えば嘘になる。 仲間内でも多少なりと気にはしていた。 けれど、そこまで話が広まっていると予想もしなかったと、声を失って。
端末>>293を弄る男の指の動きを見つめ。]
その人たちについては私も――何も。 仲間の姿を『視た』のは、ヤニクさんが初めてですから。
会話は交わせても、姿までは確認できないのです。
[先刻に出会った相手>>137が、ましてや逃げるように挨拶だけを交わした男性が>>158獣だとは夢にも思わず、そう伝える。 嘘ではない。と伝えるように柘榴色の瞳をまっすぐに向け。]
(334) 2014/10/04(Sat) 16時頃
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狼さんは私に危害を加えませんか――― 肉食の獣……でしょう?
[疑う言葉とは真逆の、ふわりとした笑みを浮かべて問いかけ。 その次の言葉>>295には、小鳥のように、くいっと首を傾け。]
私たちがどうして獣になったのか。正直わからないです。 私のことならばお話しできますが、他の人のことは 話していた人もいない気がします―――
[鳥になることを心のどこかで望んでいた。そんな自分のように彼も狼になることを望んでいたのだろうか。 そんな疑問が頭を掠めるも、いま声に出すことは躊躇われて。
そのかわり、差し出された連絡先>>296を受け取り、自身の連絡先も。]
ありがとう。ヤニクさんと逢えて お話しできてよかったです。
[渡された白いコートを胸に抱き、頭を下げる。 『空を飛べなくても足がある』その言葉に背中を押されたような気がして、示された方角へと*歩き出した*]
(338) 2014/10/04(Sat) 16時頃
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□Re:集え獣人 20xx年10月2日 k:l 羽根を切られた白カナリア 囀れないって言いにくい……!
>>*87 シェパード ちょっと動揺したけど、大丈夫そうです。 狼さんだけど、私たちとは話せないから聞きたい。みたいな感じでした。 どうして獣になったのか知ってる?とかそういう話でしたね。 聞かれても。私も知らないことの方が多かったという……。 というか、名前が犬に!! ファンタジーマント。売ってるかな…探してみます。
>>*88 黒鹿さん 見ての通りってもしかして角生えてます?大変そう。 捕獲は……その人の言葉を信じるなら、大丈夫だと思いたいですけど。 いざとなったら全力で逃げた方がいいかも。 機械は苦手ですよー。 そもそも、使うことがあんまりない―――
(*91) 2014/10/04(Sat) 16時半頃
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>>*89 鎌鼬 ありがとうございます。 たしかに、気にしていてもですよね。 何時迄も隠しているのも難しいですし。 何かあったらその時は、お願いするかもしれません。
(*92) 2014/10/04(Sat) 16時半頃
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―公園―
[小鳥を抱くように、コートを抱いて公園をゆっくりと歩く。 母が亡くなって暫くは、こうして母のコートを抱いて眠っていた。 灰色になるまで汚れたそれは、仕事で不在がちな父のため。 まだ幼かった自分の世話を焼くために、ともに暮らし始めた祖母の手で、捨てられてしまったけれど。]
だから鳥に―――なりたかったんだ。
[そんなことを歌うように呟けば 先ほど会話を交わした彼の姿が頭をちらついて離れない。
頭上を示された時>>292そこを覗き見ようとしなかったのは。 その後、彼が向けた苦笑いのような表情のせい。
臆病な自分が牙や狼の耳を見れば、そして怯えてしまったら。 そう考えれば動くことは出来なくて。 『信じてもいいか』の問いかけに守られた沈黙にも それ以上踏み込むことは出来なかった――と。 自嘲めいた笑みが口元に浮かんで消え。]
(344) 2014/10/04(Sat) 17時頃
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恐ろしく見える牙でも、誰かを護ることにだって使える。 傷つける狼か、誰かを護る狼か。 [『彼はどちらに近いのだろう。』 そう、独りごちて胸に手を当てる。
ふわりと暖かい風が吹いた気がした。*]
(345) 2014/10/04(Sat) 17時頃
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カリュクスは、ヤニクの連絡先をみつめた。
2014/10/04(Sat) 17時半頃
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/* 獣になった過程としては 母の死→祖母との同居→父親の不在→ペットのカナリアの死→母とカナリアに逢いたい&鳥になりたい なんだけど……
鋏の音が怖い理由→厳格な祖母が「おしゃべりすると舌を切る」といっていた&ペットのカナリアの風切羽を切っていたから。
唄えないのに拘ったのは→唄ってくれていたカナリアのように自分も歌いたかったから。
そんなながれ 上手く表現できるかはわからないけど
(-153) 2014/10/04(Sat) 17時半頃
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―公園→図書館付近― [ふわりと吹いた暖かい風>>345その行先を追うように。 今一度、カフェの方へと振り返る。 何気なく、けれども確かに意識して。 赤を纏う彼の姿を探せば、件の人>>316は少年>>346と、会話をしているようで。]
―――また今度。
[聞こえないとわかっていても、そんな言葉を手向けて。 コートを持ち主に届けよう。と、再び歩き出せば。]
あ………
[ベンチ身を預け、居眠りしている様子の知った顔>>314 風邪をひく。と声を掛けようか悩んだものの、先ほど逃げ出してしまった気まずさもあり。 声を掛けるのは躊躇して、起こさないようにとそっとその場を立ち去って。
目指す相手がどこにいるのか。 どんな人物なのかも知らぬまま、糸で引かれるように足は図書館>>0:17の方へ。]
(361) 2014/10/04(Sat) 19時頃
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/* いま気がついた…! 持ち主の名前も外見も知らない!!
(-163) 2014/10/04(Sat) 21時半頃
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―図書館付近―
[公園を通り抜け、気がつけば図書館前。 何故ここに来てしまったのだろう。と、考えれば理由は明白。
本屋、公園、そしてここ―――習慣になるほどによく足を運ぶ場所。
だから、今日もつい足を運んでしまった。 そんなことに気がつけば、自分の単純さに苦笑が浮かび。
そして一つ。大事なことに思い当たる。]
そういえば、外見的な特徴を聞いてない。
[連絡先を端末に打ち込む様子>>292は見ていたから、どうにか名前はわかるものの。 そういえば、細かい情報は聞いていなかった。 今更ながらに自分の不注意さに呆れながら、どうしようかと首を捻って。]
(377) 2014/10/04(Sat) 22時半頃
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こうすれば、運が良ければ―――
[運が良ければ向こうから、見つけてもらえるかもしれない。 それに、自分の身体より大きなコートなら、翼を隠すにも好都合。 そう考えれば、ばさりと白のコートを羽織り
図書館の扉に手をかけた**]
(378) 2014/10/04(Sat) 22時半頃
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―図書館・館内― [ぎぃぃと重たい音を立て、両手で図書館の扉を開く。 自分の物ではないコート、その袖をよごさないように捲りあげて。
そうして、館内に滑り込んですぐのことだっただろうか。 くまなく書架の間を巡ろうと、足を踏み出しかけた時 怪訝そうな声>>383が耳に飛び込んできて、ぴたりと足を止め
こちらへと近づいてくる様子に、自らも一歩踏み出して]
あ、あの――― このコートの持ち主を………
[知っていますか。その言葉を飲み込んだのは、ぷんと鉄に似た匂いを嗅いだせい。 人間の嗅覚と比べれば、鳥の嗅覚は些か鋭くて。 だからその匂いに、怪我でもしているのでは。と表情を曇らせ]
凶暴な狼さん―――ですか? 取り返したのではなく、預かったのです。 貴方とお話ししたいと思ったので。
(389) 2014/10/05(Sun) 00時半頃
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[頭によぎったのは少し前、ヤニクと交わした会話。
『犬歯を見せたら怖がらせてしまった』と>>292彼が言っていた その結果が、目の前にいるこの人物の言葉なのだろう。 そう考えれば、きゅうと胸が締め付けられるような気がした。
自分にとっては凶暴だとは思えなかった彼。 けれども、牙や爪を見せられれば怖がる者もいるかもしれない。と
泥濘のような思考に足を取られながらも、相手の方へとまっすぐに視線を向ければ、 軽口と苛立ちが混ざったような口調>>384とは裏腹に、柔らかい表情。
けれども、そのアンバランスさには安堵よりも違和感の方が強く。 爪が食い込むほどに強く、己の手を握り締めて]
(390) 2014/10/05(Sun) 00時半頃
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まずコートをお返し、しますね。
[牙や爪が無くても、人間と姿が違うのは自分も同じ。 恐怖を抱かれるかもしれない。と言うのはわかっていたけれども。 それでも――――
羽織ったコートを脱ぎながら、ついでにケープも後ろへずらす。 鳥の翼は相手の瞳に捉えられただろうか。]
よろしければ、あなたが興味を持っているという話を 教えていただけますか?
[声が少し震えた]
(392) 2014/10/05(Sun) 01時頃
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