112 燐火硝子に人狼の影.
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[その気紛れが、意識に触れた時>>*26。 その時に漸く、サリスはゆっくりと面を上げた。]
馬鹿か。 ンな顔見て、酷ェ声聞いといて、特別、とか。 ……趣味悪ぃ、わ。やっぱ。
[憔悴したままの瞳が、じっと見据えるその瞳と合う。 その翡翠に愚鈍のいろは無いと感じた上で、力無い悪態を。 ――けれどその翡翠は何処か、薄らと濡れてさえいるよう。]
(*29) sakanoka 2013/02/09(Sat) 19時頃
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[返答>>*27には、確かな間があった。 力ない瞳は、それでも確と、リヒトを見ていた。]
は、ざまァねェ、わ、
[「そのまま在れば良い」。その言葉の裏に有るスタンスはサリスには覚れない。 ただ、死するまで彼に囚われること。それは察した。 人狼に与して人々を死なせた身には、まるでお似合いの末路。 その中でまた、このうつくしい男は苦痛を与えてくるのだろう。 ……そう、思いつつも。]
好きにしろ。 ―――…さいごまで、居てやる、よ。
[この傲慢な男の――ひとりに慣れたと言っていた筈の男の。 その傍に在り続けること。それを、受け入れた。]
(*30) sakanoka 2013/02/09(Sat) 19時頃
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悪ぃ。 首に傷、付けちまって。
……屋台の約束も、できねェかも、な。
[彼女と対峙する意味を失ってしまったが故の。 そして再び出会うこともないかもしれない故の、小さな謝罪。]
(*31) sakanoka 2013/02/09(Sat) 20時頃
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嗚呼。
[終わりを示す言葉に短い応え。 ミドルの考えを聞けば頷きを返す。 メアリーの願いを彼女も聞いていただろう。 再度、それを口にするのは無粋と飲み込み]
生き延びて――… 二度とこのような事がないよう祈るよ。
[同胞の無事を願う聲をエントランスに向かう背に投げた]
(*32) helmut 2013/02/09(Sat) 23時頃
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[双子の妹に関しては何か思い出したように、笑った]
賢い子だからこそ、言えはしない。 兄とはいえ人狼を野放しにすればどうなるか知れるから 思い悩んだ末に人狼を退治しようとするだろう。 家族を守るためにそうする、と、 幼かった妹がそう言っていたからな。
[家族なのに、とサリスは言う。 家族だから、とリヒトは思う。 人である家族の前では獣である己を隠し人である振りをして 同じであるよう偽らなければその形を保てないのだ、と]
(*33) helmut 2013/02/09(Sat) 23時頃
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趣味が悪いとは失礼だな。
[言葉とは裏腹に気分を害した風ではなく]
恐怖に引き攣る、顔。 なきながら死にたくない助けてと懇願する声。 ――…何よりも魅力的だろう?
[微かに意地の悪い響きをのせて、わらう]
(*34) helmut 2013/02/09(Sat) 23時頃
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[聞こえた謝罪>>*31の律儀さに、笑みを零した。 爪痕はしばらく残るかもしれないが、 それもやがて消えるだろう。]
そんな約束もしていましたね……
もし、再び縁があれば。 その時は、特製を食べさせていただきます。
[あの街の広場へ行っても、虹色の看板を見る事はないだろう。 そして己もまた、街へ足を踏み入れるつもりはなく、 二度と見える事はないかもしれないが。
確かではない再会の時があるならば。 少しだけ希望を含めた声を残した。]
(*35) 緋灯 2013/02/09(Sat) 23時頃
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さようなら。
死ぬまでどうぞお元気で。
[同胞達への別れの言葉。 それは遠く、やがて消えゆく。]
(*36) 緋灯 2013/02/09(Sat) 23時頃
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[兄を人狼と知らぬ妹であるならば。 その言葉もまた、兄を護りたい意思から来ているのだろう。]
そ、っか。
…………退治されちゃ、敵わねェ、もんな。
[そして、妹がそうすると思うからこそ隠す兄ならば。 こえに出してはこのように言ったが――。 敢えて報せぬは優しい兄だと。取り留めなく、淡く思う。が――。]
(*37) sakanoka 2013/02/10(Sun) 00時半頃
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――――…あァ。
[もうその少女>>*36にも届かぬ程、遠い距離からの声ながら。 一度、その別れの言葉に、頷いていた。**]
(*38) sakanoka 2013/02/10(Sun) 00時半頃
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[退治される未来は願わない。 その未来こそが特別な者の為と知りながら 獣は生きることを選ぶ。
“さいごまで、居てやる、よ。”
人間の言葉など信じる気になどなれぬが 今だけはサリスの言葉を信じたいと心の片隅で思う]
(*39) helmut 2013/02/10(Sun) 01時頃
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[響く銃声。 ミドルからの別れの言葉が聞こえる]
キミからの餞別は頂いておくよ。 母君の分まで末永く――…
[かつて旅先でまみえた同胞たちと同じように 慣れ合うでもなくあっさりとした別れ。 さよならの言葉のかわり、獣の咆哮が月夜に響く]
(*40) helmut 2013/02/10(Sun) 01時半頃
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