40 おおかみさんが通る
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キャロライナはヴェスパタインを占った。
ヴェスパタインは人間のようだ。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
サイモンが無残な姿で発見された。
噂は現実だった。血塗られた定めに従う魔物“人狼”は、確かにこの中にいるのだ。
非力な人間が人狼に対抗するため、村人たちは一つのルールを定めた。投票により怪しい者を処刑していこうと。罪のない者を処刑してしまう事もあるだろうが、それも村のためにはやむを得ないと……。
現在の生存者は、ヴェスパタイン、ダン、キャロライナ、マーゴ、ヤニク、ミッシェル、ヨーランダの7名。
−1/2 柴門洋品店−
[それは朝方のこと。
店に警官がやってきて、主を捕まえて去っていく。
何でも、先日の被害が出たときに現場付近で
柴門を見たという情報が入ったのだ。
針子たちに、後は任せますと伝えて
気の弱い男はそのまま警察官と店を後にした**]
(#0) 2011/01/03(Mon) 02時頃
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―― 1/1 柴門洋品店 ――
んー、じゃあこれにするよ。
[柴門にそう注文をし、値段は大丈夫かと問うた。 そこは気の弱い主人のこと、少し無理をもするのだろう]
長いこと悩んですまないね。 他にもお客さんのようだ。
[場を譲るように一歩退き、後日採寸を、という言に頷いた。]
(0) 2011/01/03(Mon) 02時半頃
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キャロライナは、偶然一緒になった平家をじっと見つめた。
2011/01/03(Mon) 02時半頃
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ああ、しつれい。
[思わず凝視してしまった平家に謝罪して]
お兄さんは人狼っぽくないね。
[小首を傾げて軽く笑んでは、柴門洋品店を後にする]
柴門さん、宜しく頼みますねー。
(1) 2011/01/03(Mon) 03時頃
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――回想:柴門洋品店――
[隠れていた他の針子達の手招きもあり、狼避けの着物の男性の対応は完全に柴門に任せて、翠はそっと店の奥に下がる。
柊吾が置いていった礼装の料金は後で柴門に確認してもらおうと思い、革の皿ごと金庫の引き出しに仕舞っていた。 まさか柊吾が、雇い主が動揺するくらいの金額を残していっているとは知らず、更に、その下に針子達へのご祝儀まで忍ばせているとは、考えもしていなかった。]
…ごめんなさい、柴門さん。ありがとうございました。
[雇い主の接客が終われば、顔を出して謝罪とお礼を。 狼避けの着物の男性からと、小梅の形の小粒銀を手渡されれば、訳がわからずに目を瞬いた。]
え…あの、私、これ……そう、ですか。 子梨さん……と、おっしゃるのですね。
[強烈な個性を発揮していた男性。 接していたのは僅かな時間ではあったが忘れることはないだろう。 受け取っておけばいいですよ、と微笑む柴門に戸惑いながらも頷いて、もし、また会うようなことがあったら、その時お返ししようと、その時までは大切に持っておこうと、翠は心に決めたのだった*]
(2) 2011/01/03(Mon) 08時頃
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――1/2朝:柴門洋品店――
え……何。どういうことですか、これ。
[その日は朝早くから、柊吾の、正確には柊吾の妻の髪飾りの製作に着手していた。 作業に入ると熱中してしまう性格ではあったが、店内の物々しい雰囲気に流石の翠も異変に気付いて、顔を出す。
そこで目に飛び込んで来た光景は数人の警官に取り囲まれている雇い主の姿だった。]
げ、現場付近で見かけたって…、それは確かな情報なのですか?
[問答無用で連行しようとする警官の一人に抗議する。]
ううん、絶対に確かな情報な訳がありません。 柴門さんはそんな、人に危害を加えるような人じゃありません。
あ……待って、待って下さい。 話を聞いてください…!
(3) 2011/01/03(Mon) 08時頃
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[一針子の、増して女性である翠の言葉などに警官達が耳を傾けることはなかった。 当の柴門も、諦めたように、後はお願いします、などと口にして、大人しく連れられて行く。 夢であって欲しいと願うしか出来ない現実に、その時の翠はただただ立ち尽くすことしか出来ないのだった*]
(4) 2011/01/03(Mon) 08時頃
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――1/2現在:警察署前――
[はらはらと花弁のような雪が降る中、翠は一人佇んでいた。 理由はひとつ。 誤解を解く為。 自らの雇い主の無実を訴える為。
人狼ではない、という確信がある訳ではない。 そもそも、人狼という存在自体、よく解っていない。 けれど、人に危害を加えるような人間ではないという確信はあった。 信じているのは、人狼か否かではなく、柴門という人物だった。]
いいえ、帰りません。 貴方達が、きちんと話を聞いてくれるまでは。
[いい加減にしろ、と威圧的に睨み付ける守衛達。 脅すような彼らを翠はじっと見つめ返して、静かに首を振る。]
(5) 2011/01/03(Mon) 08時頃
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[「これだから、女は。」「女の分際で。」 「粘っても無駄だ、馬鹿が。」「邪魔だ、帰れ。」
そんな、様々に投げかけられる悪態にも、翠が怯むことはなかった。 何度かは突き飛ばされたりもしたかもしれない。
それでもその度立ち上がり訴えた。]
見かけたというだけで、牢に閉じ込めるなんておかしいです。 疑い、という段階なら他に方法があるのではないですか?
面会も認められないなんて、そんなこと、納得、出来ません…
[髪に、肩に、雪が積もり、寒さで身体が痺れた。 道行く人々の視線も、嘲笑と侮蔑の混ざった冷たいもの。]
(6) 2011/01/03(Mon) 08時頃
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…………
[どれくらいの時間が経ったのか、今の翠にはもう感覚がなかった。 夢、なのじゃないかと思うくらいに、現実が遠い。 時折、はぁっと息を吐いて、気持ち両手を暖めつつ、 来る見込みのない時を待つ。
頭を過ぎるのは、急ぎの仕事のこと。 唯でさえ、時間がなかったというのに。 恐らくもう、納期に間に合わすことは不可能だろう。
それは針子として失格であることを意味していた。 だから、柴門にももう、雇ってもらう資格はないのだと自覚もしている。 翠の代わりなどは、他にいくらでも居るのだから。
翠に唯一出来ることは任された仕事をすること。 そのことは彼女自身、一番理解していた。
けれど―――――]
(7) 2011/01/03(Mon) 08時頃
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[解っていて、十分理解していても。
どんなに頭の中で合理的に考え、納得させようとしても。
どうしても翠には。
柴門をそのままにして仕事に集中することが出来ないのだった*]
(8) 2011/01/03(Mon) 08時頃
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――回想・元旦―― [焚き火で話すことしばし。暗くなってきたので、ヨーランダ等に挨拶し家へ帰った。 家には兄のみが帰っており、母と共におせちを食す。 兄は疲れ切っていた。食後直ぐに現場に戻ると言う。 現場付近で仕立て屋の柴門の姿を見た者がいた。しかしその情報も曖昧で、とりあえず明日は彼を事情聴取の為に連行する……との話。
柴門様がそんな事、と反論したが、他に情報は無いと一蹴される]
『俺だって柴門さんが人狼とは思っちゃねぇよ。仕方がないだろ』
でも……騒ぎの時、翠さんは柴門さんとお話してらしたわ!
『柴門さんが人狼でなくとも、情報が入る』
でも……!
『煩い貴和子。寝てないんだ。こんな碌でもない正月なんか聞いてねぇよ』
[仏頂面で兄はぼやいた]
(9) 2011/01/03(Mon) 10時頃
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――1月2日―― [柴門洋品店は物々しい空気に包まれていた。顔を出すと、既に柴門は連行され、翠は彼を追い警察署に行った後だと言う。それでも、その異様な空気は未だに拭えず。 道行く人も不安げに店内を覗き込んでいた]
柴門様……冤罪に、決まっておりますわ……。
[大晦日の被害者は未だ病院に居ると言う。命に別状は無いものの、彼女では会話する術が無い。 柴門の無実を証明する手段も無い]
どうすれば……。
[悩んだ挙句、彼女は町外れへと足を向けた。教会の隣の森、女学生の間ではお化け森と呼ばれているが、そこに人狼が潜んでいるとの噂を聞いたからだ。 昨日の焚き火での、所詮は大袈裟な噂。それでも、何か行動しなければ気が休まらなかった**]
(10) 2011/01/03(Mon) 10時半頃
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― 教会:墓地 ―
(今日も、何だか騒がしいみたいね…)
[いつものように墓地の見回りをしていると、通りを慌ただしく警察官達が行き来している様子が見て取れた。 昨日の一件があったため、今日は外に出歩かず、教会にいることに決めていた彼女は、何があったのか気にかかったが、町に出て話を聞きに行く気にはなれなかった。 それでも、昨日のように和彦や貴和子のような人と知り合えるのであれば、外出することも悪くはないようにも思えた。 ふと、通りのほうを見れば、貴和子が何やら勇んだような顔つきで教会の方に歩いてくる姿が目に入った。]
(11) 2011/01/03(Mon) 14時半頃
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―二日・唐傘屋―
「親方ぁ、三箇日過ぎてもないのに店開けるんスかぁ?」
[そんな情けない弟子の声を無言で制して店を開けた。 晦日から降った雪を懸念して、傘求める輩もあるかと念ったからだ。 果て、それから客人が来たか否か。]
傘屋より仕立屋の方が繁盛しそうな寒さだな。
[寒さに震える弟子に己の褞袍を渡しやる。 其れは外の様子をみようと、からころ店先に立ったろう。 未だ、仕立屋店主が警察に連行されたとは知らぬばかり。]
(12) 2011/01/03(Mon) 20時頃
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親方 ダンは、メモを貼った。
2011/01/03(Mon) 20時頃
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[声は見えぬ波に乗る。 傘屋に向かおうとする同類の声]
なぁんか、風の噂に誰かがしょっぴかれたとか
ダンナ、何かなされたンかしらん?? アタシは腹減ったんでつまみ食いしようと思った矢先なんですよ*
(*0) 2011/01/03(Mon) 20時頃
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[風に乗る声に音を乗せる。]
しょっぴかれた? いや、此方は何も。 そう頻繁に人を襲いもせん。
そうか…、しょっぴかれた…。
[警備が鞏固になるを知り、軽く眉をしかめたか。]
(*1) 2011/01/03(Mon) 21時頃
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アタシらが人をくわなんだら、 どーやって事の収まりを見極めるンでしょーネ?
アタシらをしょっぴいたとして、 しっぽださずば如何して人狼と見極めるますかネ?
さぁてさて。
何年入り混じれどもヒトとは解しがたき。
[笑う声は楽しげに]
では、ヒトには狼が在る事実だけでも教えましょかネ
(*2) 2011/01/03(Mon) 21時頃
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[その声は暗に今宵狩りのまね事でもしようかという色乗せて*]
(*3) 2011/01/03(Mon) 21時頃
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そうか。 そうだな。
[狩りの真似事、止めるはせず。]
獣に敵わぬと知れば、人も手出ししなく成るだろうか。 何も触れず、関わらず。
[眉を深く寄せたまま、今宵の狩りの被害になるのは何処ぞの誰ぞと思案巡らせ。 知る者ならば躊躇もしようか。 はてさて。]
(*4) 2011/01/03(Mon) 21時半頃
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[冷たい風に眸を細め眉を蹙め。]
宜しくない、風だな。
[厭な予感だけが過ぎる。 予てよりその手の予感は外れた事がないのだ。 店を少しの間弟子に任せ、緩やかに足を進め始めた。 道中誰やとすれ違うだろうか。 からりころりと、下駄の音が町並みに響く。]
(13) 2011/01/03(Mon) 22時頃
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/* 占:明里 霊:貴和子 狩:柊吾 赤陣営:和彦 七緒 草
だよね。だよね。
(-0) 2011/01/03(Mon) 22時半頃
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[からころり。下駄の音は心地よく。 朝方の道をのんびりのんびり歩み行く。 結局傘はまだ手に入れずじまい。まぁいいかとあっさりと。
何故なら耳に聞こえる噂話に興味はさらわれてしまったから]
だぁれぞしょっぴかれたンですかいね。 おお怖い。手前もぶらぶらしてたら首実検でもされちまわァナ。
[ぷらぷら歩き、至るところはドコだろう]
(14) 2011/01/03(Mon) 22時半頃
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[そういえば一度、聞きかじったことのある噂では、 教会という所の近く、茂る森にはケモノが出るらしい。 そらまぁ森に獣はつき物だろうと思えども、 何か面白い話しでも聞けようと、 ふらふら足はそちらへと向く。
ちなみにきりしたんでもなんでもないから 教会のありがたみというものは欠片も知らぬ]
(15) 2011/01/03(Mon) 22時半頃
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そういやネ。
何でも、きょうかい?という所で人狼が出るとか噂があるようですヨ。 おかしいネェ、アタシらはこうやって人にまぎれて生きておるンにサ。 野犬とでも見間違えたンですかネ?
[ひねる首はこきりとなる。 もしなんだったら、あのきょうかいの人でも襲ってやったら、噂は本当になるンだろうかしらん]
(*5) 2011/01/03(Mon) 22時半頃
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も少し人を食って、耳尻尾隠せるようになったら 人食いはちと辞めようかなァとは思ってますヨ。
アタシ一人ならともかくさ、 お大人の生活まで脅かしちゃァ申し訳ナイ。
銭の少しでも稼がせて頂いて あったかぁいメシにでもありつけて 綿入れ一枚でも着込めたら
アタシはそれでも構わんのですが、ネェ。
[ひょこり。少しはみ出した犬耳がゆれる。 雪で冷えて、寒くて痛い。 尻尾はくるり。袴の中で、ふよふよゆれる]
文明開化のご時勢だモンし、アタシらも暮らしにくくなるんかしラん
(*6) 2011/01/03(Mon) 23時頃
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教会、あの墓地の側のか。 彼処に住むは異国交じる婦人、その容姿故にそんな謂われをされたのかもな。 多く話した訳でもないが、佳い子であったぞ。
彼女が人狼と勘違いされているならば、教会に近寄るを襲うが得策ではないか?
[襲いでもすれば、そんな色が乗せられた気がして風に運ばせた言葉。]
誰ぞ、興味本位にでも覗き込む輩も居るだろう。 此方の狭苦しく生きる様、除き邪魔しようとする奴が。
(*7) 2011/01/03(Mon) 23時頃
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