290 ある冬の終わり、微睡みの世界にて
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2019/02/09(Sat) 23時半頃
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/* 交流ねぇ。
(-0) 2019/02/09(Sat) 23時半頃
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そうかい、そりゃ残念だ。
[冗談半分は軽く交わされ、半分の本気はやんわりと断られ、睨まれては思わず苦笑いを浮かべる。]
たかる気かよ。 ちゃっかりしてやがる。
[機嫌よさ気に腕に抱き付かれて柔らかな感触に笑いが漏れる。誘いを断っておいてこういう誘惑の仕方はずるいんじゃないかって。 それでも、さとみが笑顔を見せるのならと不思議な充足感があった。]
もう……大丈夫だな?
[笑みを消しさとみの目をしっかりと覗き込んで、一度だけ確かめるように静かに問う。 ───お前はこっち側にはくるなよ。]*
(1) 2019/02/10(Sun) 00時頃
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─ 十年以上前のこと ─
───俺が姉さんの面倒を見る。 薬で頭のイカれた姉はもう弟のこともわからなくなっていた。そんな姉をどうするか苦々しい顔で考えあぐねていた父親に姉を任せることなど到底できず面倒を見ることを宣言した俺に父親は安堵の表情を向けた。 その瞬間に何もかも全てが真っ白になって、気が付けば俺は父親を殴り飛ばし怒鳴りつけていた。だというのに、それでもあの人はうすら寒い笑みを浮かべてこっちを見ていた。
「二度と顔を見せるな! 俺にも姉さんにも!」
おぞましいと心底そう思った。 この世界が決して優しくはないのだと知った。 それから父親から手切れ金とでもいうように渡された大学への入学金と2年分の学費を使って姉を病院に入れた。だけどそんな金はすぐに底をつくのはあきらかで、だから俺は街の裏側で仕事をするようになった。
(2) 2019/02/10(Sun) 00時半頃
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─ まどろみの ─
[ふと世界がどことなく色を失っているような気がした。 何となく存在感が希薄になっていくような感覚、世界が白く感じられた。]
夢の中で現実感を失うってどういうことだよ。
[きっとそういうこと。 ここが現実から離れた仮初の夢の世界なら、その現実感を失うということは夢から覚めて現実へ戻ろうとしている、ということだろうか。]
勝手に呼びつけておいて、勝手に追い出すってか? 身勝手なものだな神サマってのは。
……見たいものは見れたかよ。
[駅の方に振り返って巨大な桜の木を目を細めて見つめた。]
(3) 2019/02/10(Sun) 00時半頃
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/* さて72時間なにして過ごすかな
(-2) 2019/02/10(Sun) 00時半頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2019/02/10(Sun) 01時半頃
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チっ…”視てる”ときは人の声も耳に入らねぇってか。
[追い掛ける足を止めてその背を見送る。別に危険があるわけではないしちょっとばかり嫌なものを視せられるだけ、あえて止める必要もないのかと思い直して。]
あ? お前かガキンチョ。
[振り返れば電車の中で言葉を交わした少女、相変わらず嫌な笑顔を貼りつかせている。]
ああ、マコトとかいう奴だな。 何もねぇよ、多分これから何かあるんだろうけどな。
[辰巳のいうところの抱えている思い、それを無理矢理に突きつけられる。 ふと、思う、メイもこの街にいるということ。この少女は何を秘しているのだろうか、”願い”あるいは”絶望”か”。]
お前は……まだ”視て”いないのか?
[もしも”視て”、なおその笑顔を貼りつかせているのなら、一体この少女は何を”視た”のだろうか。]*
(6) 2019/02/10(Sun) 02時半頃
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おい。
[微笑むさとみの頬に掌をあてて強引に引き寄せる。 軽く触れ合う唇、そのま押し当てると舌先を割り込ませた。 離したのはしばしの間さとみとのキスを堪能してから。]
どこかのガキと一緒にするなよ。 名刺……やったろ。
[さとみの前から消えるつもりならそんなものを渡したりはしない。たとえ、さとみが夜の街を去ったとしても、この夢が醒めたとしても、それで二人繋がりが消えるわけではない。]
戻ったら、続き…‥するんだろ?
[目を細め、挑発的な笑みを浮かべていた。]*
(8) 2019/02/10(Sun) 09時半頃
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/* 言うてもエフさん特定の恋人は作りませんが←クズ
(-3) 2019/02/10(Sun) 09時半頃
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[秘められた想い、隠した願い、いつだって突きつけられる現実は痛くて苦しい。 願いが果たされることなんかほんの一握。 ”あまりつらくないといいなぁ” つまり、この少女もまた辛い何かを視せられたということ。]
アドバイスってもな、俺はただの───
[言いかけて気づく。 同じか、ここの神サマっていうのも自分も。他人の隠してるものを暴いて突きつけて。違うのはそれがただの趣味か、それとも飯のタネかってことぐらい。]
……知らねぇよ。 お前の抱えてるもんがなんなのかも。
[アドバイスをやるつもりがあったわけではないれど、知らないものにああだこうだと言えるものではない。 それに───]
別にお前アドバイス欲しがってねぇだろ。
[───だってお前、とっくに諦めてるだろ?]*
(11) 2019/02/10(Sun) 10時頃
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[───いっそ死んでくれたらいいのにな。 あの日、父親が姉に向けて呟いた言葉。そして、自分の中の心の奥へと押し込んで見えない様に蓋をしたはずの思い。
───なんてことを聞きやがる、クソガキめ。
”本物”の煙草を取り出して口に咥える。 安物のライターは火の付きが悪く石を2,3度叩いて漸く火が着いた。吸い込んだ煙が肺を満たし少しだけ気を落ち着かせてくれたが、フーと吐きだした白い煙はメイの顔へ向けた。子供っぽい嫌がらせ。]
死んだら終わりだ。 きっと楽だろうな、生きていくよりも。
[生きているから希望を持つ、いつかまた名を呼んでくれると。いっそ死んでくれたらそんな淡い期待も持たず胸の痛みに苛まれることもないというのに。 それでも、そうだったとしても───]
失望させ続けろよ、いつまでも。
[───永遠に失って絶望するよりは遥かにマシだ。]*
(14) 2019/02/10(Sun) 11時頃
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/* 藤枝はメイの立場には立てない
(-4) 2019/02/10(Sun) 11時頃
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/* 飴か ありがとう!
(-5) 2019/02/10(Sun) 11時頃
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エフは、メイに煙草の煙をフーと吹きかけた。
2019/02/10(Sun) 11時頃
エフは、メイに煙草の煙をハーと吹きかけた。
2019/02/10(Sun) 11時頃
エフは、メイに煙草の煙をホーと吹きかけた。
2019/02/10(Sun) 11時頃
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/* 笑う でも飴じゃないアクションはやめようw
(-6) 2019/02/10(Sun) 11時半頃
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[───あんがとねぇ 違う。自分はこの少女に”期待”を押し付けただけ、少女を苦しめている大人たちや世間と同じ様に。少女ではなくその周りにいる人間たちに共感した、周囲が少女を見る姿に姉を見る自分を重ねただけ。]
……いいじゃねぇか。
[メイの右手首を強く掴み上げる。 死ぬ動機もない、生きる理由もない、それでもここに隠した傷は生きる実感が欲しかったから───そうじゃないのか?]
聞かせろよ、クソガキ。 女神だろうと木偶だろうとぶちまけてみろよ。 お前が聞いて欲しいと思う奴に。
[賢しいガキはそれでどうなるかわかってしまう。だけど本当にそうなるのかどうかはわからない。誰にも大人にも子供にも賢者にも愚者にも、誰にだって実際に起こしてみないとわからないから。
───祈り、叫び、涙を見せなければ 神様だって奇蹟を預けてはくれない。]*
(17) 2019/02/10(Sun) 12時頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2019/02/10(Sun) 12時頃
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─ 白む、まどろみの ─
[ビルの屋上から空を望む。 青い空、流れる白い雲、ヒラヒラと舞う桜の花びら。]
夢なのか?本当に。
[辰巳は言った「もう一つの現実」と。 眠りの中に見る夢とは違う、現実と変わらない世界だという。]
……願いか、絶望か。
[遠く郊外へと視線を向ける。 見えるはずがないのはわかっている。]
(18) 2019/02/10(Sun) 18時頃
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/* さて切り返しが難しくなってきたぞ
(-7) 2019/02/10(Sun) 19時頃
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/* 翻訳:たのしー
(-8) 2019/02/10(Sun) 19時頃
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[───ああ、そういう。]
そうかよ。
[もう一度ふぅとメイに煙を吹きかける。 賢しいガキだ、自分の臆病さもわかってる。]
じゃあ俺からは何も言えることはねぇよ。 愛か……愛ねぇ……。
[───きっと辛いんだろうな。 だけど、少しだけ羨ましい気がした。]
ま、でもよ。 そう言える相手がいるうちは死ぬことはねぇよ。
[それは絶望ではなく希望だから。 成就しない苦しみと痛みがあったとしても、抱いているのは希望なのだから。 希望を抱いているうちは人は死んだりはしない。]*
(21) 2019/02/10(Sun) 19時半頃
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/* うーん、上手くないな
(-9) 2019/02/10(Sun) 19時半頃
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/* あ、手を離す一文入れ忘れた(
(-10) 2019/02/10(Sun) 20時頃
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そんな上等なもんじゃねぇよ。
[───こいつは本当に一々琴線に触れる言葉を口にする。 掴んでいた手首を離す。]
欲しいものは手に入れればいい。 ガキのお前にはまだ手が届かないかもしれないけどな。
[そう、まだこいつは”ガキ”だ。 いいや過程どころか未だスタートすら切っていない。道の困難さに気付いて立ち止まっているだけの子供。何かを始めるのは多少ぐらい馬鹿のほうがいい。]
ホラ、よ。 悪用すんなよ。
[パチンと指を鳴らすと手にした名刺を差し出す、『藤枝 文典』そう書かれた黒い名刺を。 この手技───結構練習したんだぜ。]
(24) 2019/02/10(Sun) 20時頃
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エフは、得意気に笑みを浮かべた*
2019/02/10(Sun) 20時頃
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─ メイと ─
別にフカザワでもいいぞ
[名前なんてものはどうでもいい、個人を識別できればいい。]
困ったことがあったらいつでもこい。 暇なら遊びにきたっていいぜ。
[そうは言ったができれば会うことがないように願う。 少女が自分を訪ねるなんてことはないほうがいいに決まっているから。 だから、メイが言うようにその名刺はただのお守り。 苦しいとき最後に行きつく場所があると、そう思えるように。]*
(29) 2019/02/10(Sun) 21時頃
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─ さとみと ─
さとみ。
[顔を真っ赤にして駆け出した背に名を呼んだ。]
今度会ったら……歌、聴かせろよ。
[さっきの冗談半分とは違う。 果たして本当に”今度”があるのか今はわからないが、約束だけはしておく。 夢が醒めてもここでのことが夢と消えないように。]*
(30) 2019/02/10(Sun) 21時頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2019/02/10(Sun) 21時半頃
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ばぁか。 大人はガキに甘えたりはしねぇんだよ。
[それは子供だけの特権。 ガキは大人に甘えていい、甘えるべき。できればそれをこの少女に伝えられたらいいが。それは難しいようだ。]
そういう意味では。
[視線を少し先に向ける。 スーツ姿のOLらしき人影。]
ちょっと行ってくるわ。 女子供に優しいフカザワさんだからな。
[賢しくともガキに大人のお守りをさせるわけにはいかないだろうから。]*
(34) 2019/02/10(Sun) 22時頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2019/02/10(Sun) 22時頃
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─ 回想 ─
姉を施設に預けてから三年が経った。 姉の心は未だに壊れたまま、弟である俺のこともわからなければ、彼女自身が自分のことを誰なのかもわかっていない。
「若菜さん」 「あら?藤枝さん、お久しぶり。」
───姉さん。 そう呼んだ俺に姉はひどく錯乱した。それ以来まるで他人のように名前で呼びあう姉と弟。 実際、姉にとって俺は赤の他人なのだ。 そうして無為に時間だけが過ぎていた。
だから、もう無理だった。 少しも良くなる様子を見せない姉にこれ以上期待し続けるのはもう限界だった。生きている、その希望がいつしか先の見えない暗闇の中で絶望へと変わっていった。
───姉はもう俺の中では死んでいるに等しかった。
(36) 2019/02/10(Sun) 22時半頃
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─ 再び、フードコート ─
おい。
[”独り”で佇むマコトの肩に手を掛ける。 様子からみて今もまだ”視てる”最中だろうか。]
おい、アンタ。
[もう一度、語気を強めて呼びかける。 果たして反応はあっただろうか。]*
(37) 2019/02/10(Sun) 22時半頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2019/02/10(Sun) 22時半頃
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/* なにこれ事故かなんかで病院とかで寝てんの? 邪魔せずソロルやらせとけばいい?
(-12) 2019/02/10(Sun) 22時半頃
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/* あ、出てきた
(-13) 2019/02/10(Sun) 23時頃
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/* やっぱり続きがきた。
(-14) 2019/02/10(Sun) 23時頃
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アンタ、大丈夫か?
[視ている最中は自分もこうだったのか、まるで白昼夢か何かのように。どこか違う場所に潜り込んでいるかのような。]
なに……?
[続く言葉に目を細める。 聞き捨てならないことを聞いたような気がする。]
どういうことだ。 なぜ、それがわかる。
[少なくとも、自分はこの夢に落ちた経緯を覚えてはいない。 もしもマコトの言うことが本当なら、ここに呼ばれた人間の共通点はそこなのだろうか。 だとするなら、ここは夢というより───あの世か?]*
(46) 2019/02/10(Sun) 23時頃
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