75 サプリカント王国の双子
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[あっという間の事だった。 使用人に呼ばれ、控えの間へ移り。 シメオンに最後の手直しを頼み。 彼の手がドレスから離れる瞬間が、スローモーションのように思えた。]
…… いってきます。
[まるで、別れの挨拶のように。]
(2) 2012/01/09(Mon) 01時頃
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[姉と、母と合流し、ともにバルコニーへ向かう。 硬い表情は、緊張とみられたか。 グロリアからの気遣いに、大丈夫ですと答えて。
階段の一段一段を踏みしめるようにして、 そうして見下ろした国民たちの姿が、視線が。 女王グロリアの宣言が、胸へ突き刺さるようだった。]
[民へ見せる姿は、望まれる通りの、完璧な王女のもの。 所作の一つ一つは、淑女としても恥じるところのない。 僅かな時間でも、すっと伸びた背筋と、意志の強そうな微笑は印象づいたろうか。]
(5) 2012/01/09(Mon) 01時頃
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(私は、王女になるのだ。)
[首に。 細い、目に見えない糸が、絡みつくような。]
(*1) 2012/01/09(Mon) 01時頃
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―控えの間―
…ふ。
[僅か15分のお披露目は、想像よりも神経をすり減らしたらしい。 控えの間の扉が閉じた瞬間、ふっと肩に疲労感を得た。 用意された椅子に、深く座り込む。]
これから… 対談の、時間でしたか。
[シメオンは、控えていたろうか。 いつもつい視線がいくのは、唯一自分のといえる世話役へだった。]
(8) 2012/01/09(Mon) 01時半頃
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ありがとう、シメオン。
[いつもどおりであれと己に命じてはいるものの、 気を張り続ければいいというものでもなく。 隣にある世話役の言葉に、ほっとした笑みを見せた。
近くにある母や姉の姿は自分ほど疲労してはいないように見えて 自分の弱さを恥じる。]
すみません、
[咄嗟に謝罪が出たが、それもおかしな気がして口ごもった。]
(17) 2012/01/09(Mon) 02時頃
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ミッシェルは、紅茶を受け取れば、緊張と疲れで硬くなった表情も和らぐだろう。**
2012/01/09(Mon) 02時頃
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[>>19姉と自分の違いは認識していても、ずっと"姉"だと思うように務めていたせいか、違いの元が性差からくるものだとは気付けずにいた。 自分の不甲斐なさを責めた所で、疲労は消せやしないのだと、己に言い聞かせる。 紅茶のぬくもりで、強ばっていた肩の力を抜き、一息ついていたが。]
はい、姉様、母様。
[>>25姉の呼ぶ声に、身を預けていた椅子から立ち上がる。
優雅さを己に課せ。 意識せずともある程度は振る舞えるようになっているが、僅かな間違いもなきよう、勤め上げるが国に二輪の華の責務。]
(26) 2012/01/09(Mon) 17時頃
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すみません、五分ほどお時間をいただけますか。
[手洗いに行った際のドレスのズレがないか、確認したいのだと。 申し訳なさそうに告げて、シメオンに声をかけ、少しの間着替えの部屋へ移った。
用事が済めば、気品を失わない程度に急ぎ足。 姉と母について、客人の集う円卓へ向かうだろう。]
(27) 2012/01/09(Mon) 17時頃
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―着替えの間―
…… ね、シメオン。
[衣装のズレなど、口実で。 実際は殆ど、手直しの必要はないだろう。 ただ、二人になりたかった。]
バルコニーから、国民たちの姿を、見たわ。 …… 本当に、たくさん、で。
"父さん"と"母さん"の姿、は… わからなかったの。
[この話を聞かせられるのは、自分付きの世話役ただ一人。]
(*4) 2012/01/09(Mon) 17時頃
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きっと、見に来てくれてはいたと、思うんです。 でも、…… 上に立つということは、一人ひとりの顔までは、 見られないことなのですね。
[こんなことを言っても仕方が無いのは、わかっている。 けれど、胸に去来した空虚な寂しさは、どうしようもなく。
会いたいと、泣いた夜があった。 寂しいと、縋った夜があった。 王女としての教育を受け、歳を重ねるうちに、そんな事はなくなっていたが。
ミッシェルではなかった頃の、あの少女はもういなくなった、筈なのだが。]
(*5) 2012/01/09(Mon) 17時半頃
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これは、ひとりごと、です。
[幾度も彼に見せていた、弱い姿。 その前にくっつけていた、幼い言い訳。]
だから、すぐに忘れてくださいね。
[忘れろとまで謂うのは、本当に久しぶりだった。]
…… わたし、
母親に、なりたかった。
[もう二度と言うまいと、過去形にして。 妹王女には、決して許されぬ願いだった。]
(*6) 2012/01/09(Mon) 17時半頃
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[自分が生まれたときに、喜んでくれたという本当の両親。 養子である自分も可愛がってくれてはいるが、実の"娘"に対するグロリアの態度は、やはり何か違って見えて。 子を産むというのは、どんなことなのだろうかと、幾度も夢想した。 それが決して叶わぬと知ったときには、あまりの衝撃に涙さえ出なかった。
遅めの初潮を迎え身体が女になった、13歳も終わろうという頃だった。 普段は忙しくしている宰相レベッカが、二人になれる時間をつくり、神妙な顔で話してくれたのをよく覚えている。
王女なんてやめる、と言わなかった、言えなかったのは、本当の両親の思いや、シメオンの存在があったから。 衝動を踏みとどまるほど情緒が成熟し始めていた時期だったというのも、大きかった。 その点で言えば、身体の成熟が少し遅かったのは、良かったと言えるのだろうか。]
(*7) 2012/01/09(Mon) 17時半頃
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[自分の子を、腕に抱くことができたなら。 諦めることのできなかった願い。
その子を、本当の両親に見せてあげられたなら。 どんなに、二人は喜んでくれるだろうか。 わが子というのは、どんなに可愛いものだろうか。 くすぶる想いは、胸の中で成長し続けていたが。]
…… それだけ、です。
[王女なのだと、日々自分に言い聞かせて。 宰相になるのだと、頭の隅に追いやっていた願いは、 どうしても捨てることができずにいた。 こうして、もう言わぬと誓いながら、逃げられぬ、逃げぬと思いながら、なのに忘れ去ることが出来ずにいる自分は、なんて未練がましいのだろう。
自嘲の笑みを浮かべながらも]
(*8) 2012/01/09(Mon) 17時半頃
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…… あなたがいてくれて、本当に、よかった。
[謝罪の言葉を、飲み込んで。 これで謝っていたら、何度謝罪したって足りやしない。
ただ、礼の言葉に変え。 少し眉を下げた、笑みを浮かべた。]
(*9) 2012/01/09(Mon) 17時半頃
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/* おもいついたんであげてるけど うん これ以外になんかあっても動ける!
シメオンが 「しかしこの顔である」状態なのに なんで(ばったばった
りりー わたしともあそんでください 王女様きっちりやろうとすると、お忍びでベネットとこんにちはもできず。 そりゃー物語に出てくる王女はおてんばだったりお忍びだったりしてるわ。出会えないもんな。
(-9) 2012/01/09(Mon) 19時頃
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―応接間―
[姉と母と共に訪れたその一室は、王家の威光を示す、しかし華美に過ぎはしない調度品が並んでいた。 思ったよりも少ない人数に驚きはするも、示すのは一度の瞬きのみ。 挨拶の言葉は、母が告げるだろうか。 示されるまではでしゃばることはせず、二人の後ろに控えていた。]
(……三名?)
[よほどここへ来るまでに厳選されたのだろうか。 一人ひとりの顔を、様子を瞳に写す。]
(35) 2012/01/09(Mon) 22時半頃
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[>>36姉に続き、女王の左隣へ。 姉の挨拶が終われば、紅の引かれた唇を開く。]
私が、グロリア=サプリカントの次女。 ミッシェル=サプリカントです。
[挨拶は手短に。 必要な情報は会話から得ればいい。 意識するのは、控えめで在り続けること。 余裕を見せること。
挨拶を済ませれば、中央へ座る母へ視線を向けた。]
(39) 2012/01/09(Mon) 23時半頃
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[三人の招待客を、不躾にならないように、しかし注意深く観察する。
そのうちの、一人。 >>40先ほど視線の合った、金髪の男性。]
……?
[何か引っかかるものを感じるも、その意味まではわからない。 挨拶の後、さり気なく見つめてみるも、やはり。 緩やかに首をかしげた。]
(50) 2012/01/10(Tue) 00時頃
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[シメオンの出自は、知っている。 初めてあったとき、彼はどこまで使用人としての教育を受けていたか。 たとえ所作ができていても、噂話は耳に入ってくるもので。
己も、今は王女ではあるが、元は一般庶民だ。 木に登ったこともあるようなおてんばで、しとやかさとは縁がなかった少女からすれば、生粋の完璧な世話役がつくよりも、随分と気楽でありがたくさえあった。 だから、彼が自分を、汚れたなどと卑下しているなんて、知らなかった。
過ぎると言われるやもしれぬほど頼りにしていた彼の賛辞は、いつも、胸の奥を暖めてくれて。]
(*13) 2012/01/10(Tue) 01時頃
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あなたがいなければ、今の私はありませんでした。 これからも、よろしく頼みます、ね。
[信頼と親愛を込めて。 彼のいない城での生活など、考えられない。
姉や母を、あまり待たせる訳にもいかない。 最後の弱音を流してしまえば、行きましょうか、と促した。]
(*14) 2012/01/10(Tue) 01時頃
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[>>51見覚えのある髪色をした青年の自己紹介は、落ち着き払ったもの。 当人の言葉通り貴族などの家柄ではないようだが、それにしては度胸が座っているというのか、緊張の様子は見られない。]
ブローリン…
[思い浮かんだ顔とは、確かに髪色が似通っている。 >>55姉も気にかかったようだが、姉が知らないことであれば、自分が知る由もない。 二人の会話を遮らぬよう微笑んでいたが、>>56姉の表情が少し曇ったように感じて。 矢先、>>59叫び声まで聞こえたものだから、此方も片手を頬へ添えて。]
……
[シメオンが、廊下へ控えているはずだ。 何かあれば、彼が対処するだろうと、特別声はかけずにいた。]
(77) 2012/01/10(Tue) 11時半頃
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[>>66金髪の青年が挨拶すれば、ぁ、と目が見開かれる。 聞き覚えのある名。 けれど、いつの記憶だかもはっきりしない、曖昧なもの。 こんな場で聞くはずもないか、と流してしまい。
つい笑みを深くしたのは、>>71まるで緊張の様子が見えない姉が、緊張しているなどと謂うものだから。]
本当に、そう固くならないでくださいね。
[声はかけるものの、あまり言いすぎても彼の緊張を助長してしまうだろうか。 ここ10年はなかったが、以前は男勝りに活発だった女にとっては、異性というだけで緊張するという姿は微笑ましく見えた。 姉にふさわしいかどうかは、別として。]
(78) 2012/01/10(Tue) 11時半頃
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生物学… そのまま、研究者の道に進まれるおつもりで?
[自分で選んだものならば、少しは舌も回りやすいだろうか。 先のこと、どれほど考えているだろうか。
姉との会話を遮らぬよう、問を挟んでみる。]
(79) 2012/01/10(Tue) 12時頃
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[>>67一人はさらりと姉へアピールし、 もう一人はガチガチに緊張しているようで、耳まで赤く。
さてもう一人はどうだろうかと、スーツ姿へ視線をむけた。**]
(80) 2012/01/10(Tue) 12時頃
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/* きゅんきゅんごろごろ おいシメオングラ直視できなくなるぞどうしてくれる
(-32) 2012/01/10(Tue) 15時半頃
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[>>88三人目の挨拶も、落ち着き払ったもの。 商いで人前に立つことは多かったのだろう、場慣れしている。 >>89視線があってから、流れるように褒め称えられ]
ありがとうございます。 …お上手ですね。
[微笑みを浮かべた。 動揺などせずにいられるのは、先に装飾の賞賛から入ったからだろうか。 自分の世話役の選択を褒められているような、けれど我が事のように嬉しく感じた。]
目利きもお得意ですか?
(91) 2012/01/10(Tue) 21時頃
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[動揺しなかった理由の一つは、世話役の存在もあった。 今でこそ普通にして礼を言えるが、いつからだったろうか、 ずっとストレートに褒めてくれる彼の言葉に赤面したのは、一度や二度ではない。]
(*18) 2012/01/10(Tue) 22時頃
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[>>96世辞でないといわれれば、くすぐったそうに笑った。 世辞にしては確かにストレート過ぎるかもしれない。]
幼い頃から、修行されているのかと思いまして。 今も、働いておられるのでしょう? 触れ続けても足りないとは… 道のりは、長いのですね。
[自分にない物を持つものには、一目置く。 正当なる評価をというのが、宰相としての教えの一つ。]
(102) 2012/01/10(Tue) 22時頃
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礼、ですか?
[>>98話し始めたエリアスに、首を傾げる。 伝えられた世話役の行動は誇らしく、褒め言葉を聞けば、来てから最も華やかな笑みを見せた。]
ああ…… 此方こそ、ありがとうございます。 シメオンがお役に立てたようで、何よりです。
[彼が自分付きだと名乗ったのだろうか、それとも身に付けたものから知れたか。 世話役の存在の知名度まではわからなかったが。]
[話すうち、雨が降り始めた。]
(103) 2012/01/10(Tue) 22時半頃
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雨、ですか……
[>>#6朝の晴天が嘘のように、激しい雨が降り始めた。 音に誘われるように視線を窓へやる。 真っ先に浮かんだのは、庭の花のことだった。 綺麗に咲いていても、これでは。 会談が終わったら、窓からでも眺めようと思っていたのに。
表情が曇るのは抑えたつもりだったが、笑顔は僅かに陰りを帯びて。]
はい、母様。
[>>#7立ち去るグロリアへ返答するも、絡まぬ視線にやや寂しい想いを抱いた。]
(113) 2012/01/10(Tue) 23時半頃
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/* エリアスがすげえ口説きにいっている ラルフもどストレートに ディーンおろおろしっぱなし
現段階のみみみ内心評価。
言葉少なになるのは あねが もっと喋れるように、って。 姉の会談だし。と。
あーシメオンかわ かっこ かわ
(-45) 2012/01/10(Tue) 23時半頃
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