162 絶望と後悔と懺悔と
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………
[手に触れたのは、安吾の遺した苗刀だった。>>7:201 右の刀は主がジャニスに牙を光らせた>>7:29時に投げ付けられて。
手にしてみて分かるのはその重み。 そのまま頭に触れようとしたが、学帽は落ちたままなのだと――思い出す。]
安吾さんとは、結局同じ場所を目指せなかった。
(4) 2014/02/21(Fri) 00時半頃
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[零瑠の提案を、彼は『我儘』と切り捨てた。『――本気で共存を願うなら』。
相容れない願い。 分かれた道。]
それでも、この刃が……願いの為に振るわれたなら。
使えるだろうね、俺にも。
だって俺は、ちゃんと示さなきゃいけない。 行動で。 “希う”だけではない、と。
[柄を握ってもすぐに馴染みそうにないけれど。]
(10) 2014/02/21(Fri) 01時頃
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………はぁ。
ここまで堂々巡りだといっそ清々しいね。
[溜息。肩を竦ませようとして右肩の感覚のなさに笑う。 咥えた外套の端を腕に巻き付けて強く縛る。]
違うでしょう? ジャニスさん。 あなたは、『俺』を、見ていない。
その心を占めるのは、あの方だけ。
今すぐにでもあの方の傍に居たいのにって、顔してる。 ――まるで、恋する乙女だね。
恋路を邪魔する者は、馬に蹴られてしまえ――とか、思っていない?
[彼女の場合は自らの蹴りが飛んできそうなものだが。]
(32) 2014/02/21(Fri) 16時半頃
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それをしないのは――
何だかんだ理由をつけたって、
……鬼を、殺したいだけ、でしょう?
[苗刀の柄で、歪む口許を示す。 随分と愉しそうだよ、と言わんばかりに。]
(33) 2014/02/21(Fri) 16時半頃
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俺は、向けられる刃を払うだけ。 俺がジャニスさんを殺す目的は、
――あなたが、俺を、殺そうとするからだ。
鬼である。その理由だけで、でしょう?
[確かに理由のひとつである。 しかし、真意は告げぬ。
主の期待に応える為。
幾ら弁を重ねても、幾ら『家族』だとしても。主に刃を向ける者は、弓引く者は、零瑠にとっても――『敵』。]
(34) 2014/02/21(Fri) 16時半頃
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『管理』と言うと、途端に反発するものです。難しいものですね。 『自由』をと言えば、途端に彼等の行動理由が消え失せます。だから、というのもあるのかも知れませんが、なかなか信じてはくれず……。
(*8) 2014/02/21(Fri) 16時半頃
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[西の方角。不意に途切れた鬼の気配。]
――…ま、ゆみ?
[奇しくも主の居る方角だ。 彼女に何が起きたのかを考えるよりも、主の身に怪我はないかと、それが真っ先に気になった。
そのことに、つい笑ってしまいそうになる。]
(35) 2014/02/21(Fri) 16時半頃
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お怪我はありませんか? 真弓の持つ剣は、ホリー様の……ホリーの剣。御身を傷付け兼ねない代物ですから。
え……明之進と、リッキィが?
[鬼を、刺す為かと咄嗟に思った。 指すのなら、己の中の鬼を刺せば良いのに。 リカルドは分からない。彼女なら、この内に穏やかに振る雨に、気付いてくれるかもと思ったが。]
嘗ての『家族』……だと、しても。
(*9) 2014/02/21(Fri) 16時半頃
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………あなたに歯向かう人に、鬼に、 ――すべてに、粛清を。
[何度目かの覚悟と共に微笑む。]
……俺だけは、お傍に。
[試してくれるのだと、その光景を思い浮かべ。柔らかい笑みに変わる。]
(*10) 2014/02/21(Fri) 16時半頃
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『ジャニスさまぁ! ご無事です、がぁぁっ』
[守備隊の一小隊がジャニスと零瑠を見付けて駆けてくる。しかし、その背に迫るのは鬼の爪。彼女へ救いを求める手を伸ばし、倒れ伏せる者も。]
………とんだ救援が来たものだね?
[主と、明之進、リカルダ、周。 それ以外の鬼は、『駒』。
立ち上がる。断ち切った足は再生し、走るには邪魔にならぬだろう。
此方に駆け寄る鬼の、守護隊殲滅に血走る鬼達にはどれ程の時間が稼げるかは分からないが、零瑠は彼等にこの場を任せ、主の元へと駆けた。**]
(36) 2014/02/21(Fri) 16時半頃
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/* よし、ジャニスから離脱。
(-31) 2014/02/21(Fri) 16時半頃
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―初音―
[その笛の鳴る音は。 春を告げるもの。幸せを招くもの。 まだ明け切らない暁の中を、初音と呼び掛ける声に正月の頃はそわそわとしたものだ。
鬱金の方へ、素足の裏は血と泥と、肉ですぐに穢れる。 爆発の煙が零瑠の道を俄に阻む。
初音が聴こえた―――気が、して。足を止める。]
(55) 2014/02/21(Fri) 23時頃
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/* 全てのフラグを回収出来れば良いけれど、そう上手くは行かないわけで。
でも、キャロが一人で居るなら、な。 行くだろ!
ジャニスが零瑠の時間稼ぎを許してはくれなさそうだけど。 弟と似ている!?縁故(無理矢理投げた)や、お母さん発言……。
(-45) 2014/02/21(Fri) 23時頃
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[陽光でそう見えるだけ――。 なのに。
人参色の髪に伸び、掴み上げた鬼の腕を。>>63 零瑠は下から刃を滑り込ませ跳ねあげてしまった。
あぁ。初音が――]
(65) 2014/02/21(Fri) 23時半頃
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/* 菖蒲って、おれが、最初に言いたかったぁ!
(-47) 2014/02/21(Fri) 23時半頃
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[鬼の腕を断った苗刀は、こんな時だけ軽い。]
………
[目が、見えているのか居ないのか。 今振り下ろせば簡単に落とせるだろうに。
だからか。]
零瑠だよ。キャロライナ。
[名を呼び、柄を握り直した。]
助かったね?
(69) 2014/02/22(Sat) 00時頃
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[何が……と問われても、明確な言葉は見つからない。>>*11
真弓に2度も確かめられた、 『愛されたいから』とも違う気がして。]
あぁ、桜が――。
[瞬く。 瞼の裏には、今も夜桜が舞う。**]
(*15) 2014/02/22(Sat) 00時頃
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[腕を、伸ばす。 指先が人参色に触れる。乾いた血の張り付いた、髪。
彼の手に在る苦無を一瞥し、 抱き寄せた肩に顔を寄せて、耳許で囁く。]
……助けに、きたよ。キャロライナ。 俺を、覚えている?
君の『家族』の零瑠、を。
(74) 2014/02/22(Sat) 00時半頃
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/* あぁ、ダメです、主!! 牙を寄せては!!!
(-54) 2014/02/22(Sat) 00時半頃
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/* 明が俺のこと気にしてくれたよ! へっへっ!長く会ってないしなぁ!
っと、これは明、死んでしまうのでは?
(-61) 2014/02/22(Sat) 00時半頃
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そ、だよ。零瑠だ。 ……覚えて、くれてた、だなん
あぁ、キャロライナ……。 俺も会いたかった…ずっと、ずっと…
[右の腕は上がらない。 だから、左の腕だけで抱き締めた。
彼が出来ない分、余計に。
腕を落とされた女鬼が、叫ぶ。言葉にならぬ悲鳴を。 キャロライナと零瑠に振り下ろされる爪。]
っ! あぶな!
[それを零瑠は避けなかった。 寧ろ、彼に当たるようにすら――…]
(81) 2014/02/22(Sat) 01時頃
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……少しの顔段を上がると扉があって、 それを開くと、台所から良い香りがして……
皆が、出迎えて、くれるんだ。
あぁ、帰ろう? 一緒に……。
[『殺す』と殺気を向けないキャロライナだから、 最後まで彼の望む『家族』で居たかった。 服に皺が寄る。
構わず、預けてくれる身ごと動く。 彼が鬼の爪が引き裂いても、人参色の髪が散っても。 踊るかのように。]
キャロライナ、きゃろ……らいな。
(88) 2014/02/22(Sat) 01時半頃
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/* 主! キャロ!! ぎゅうぎゅあ!!
(-70) 2014/02/22(Sat) 01時半頃
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[彼のトレードマークともいえる緑色は見当たらない。 ざんばらと束で切られていく人参色に、良く映えていたのに。>>91]
人参は、甘く煮詰めて花の形にしよう。 それとも細かく刻んで混ぜてしまう?
……風呂は薪を焚いたものが一番だ、ね。 湯が軟らかくて……。
(98) 2014/02/22(Sat) 02時頃
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眠ると本当に天使みたいで、ね。 眠る君たちを、見てると疲れなんて、吹っ飛ぶんだ……
[彼の目が閉じる。瞼の裏に何が映るかだなんて。孤児院での事しか思い至らない。]
………渡す? なに?
[唇が動いているのに、声が――聞こえない。]
(99) 2014/02/22(Sat) 02時頃
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………もう、行けよ。 行けったら!
[紅の眸で睨み付けると、女鬼は罵倒を残して他へと向かった。残っている守護隊を、殺す為に。]
きゃろ?
[前髪をかき揚げてやるには手が足りない。 額を合わせて覗き込む。
笑みを浮かべたその顔を間近で見て。]
(100) 2014/02/22(Sat) 02時頃
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/*
え、主、死んでしまいます、か?え?
(-76) 2014/02/22(Sat) 02時頃
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[唇が声なく紡ぐに、泣きそうな笑みを見せて。>>91
彼を抱き締めたままその場に座り込む。
首に爪を当てて頸動脈を掻き切ると共に]
……祝ってくれて、ありがとう。
[牙を突き立て、 『家族』の終の血を――**]
(103) 2014/02/22(Sat) 02時頃
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―聴こえぬ初音の―
……これは。
[キャロライナの身体をその場に横たえて身を探る。 緑のスカーフがあればと思っての事だが、ポケットの内には小瓶。手の内に収めて口許を拭った。]
……遠回りになってしまった。
っ、早く…
[骨が見えていたままの足に筋肉が纏う。 主の元へ。これなら疾く行けるだろうと。]
……?
(108) 2014/02/22(Sat) 02時半頃
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あぁ、すみません、今―――…
はい? 何でしょ、う。
[名を呼ぶ聲の、方を見遣り、応える。]
(*23) 2014/02/22(Sat) 02時半頃
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