197 獣ノ國
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□獣につゐて 20xx年10月2日 xx:xx まるでジョンなジョン
>>=1:96マイ=ケル すごいもじがうねってる!うねってる〜!キャッホオオ 文字化けの原因それじゃね?
食べる方が良いとかすごい発言来たな、30代の塩胡椒風味召し上がれ(照)
いやなんか、獣を見た…んだけど。 逃げられちゃった。うん、それだけ。 何だろう…すごく…虚しいです…
(=5) 2014/10/05(Sun) 09時頃
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― 回想 カフェ店内 ―
…レディファーストのつもりなの?
[薄ら笑いとさえ取れる笑みを、年にしては酷くさみしく思える笑みを浮かべた彼が身を引く様>>332を見ると、学生はくすくす淑やかに口元に手のひらを向けて笑ってみたことでしょう。 腰を下ろした椅子は誰も使っていなかったのか、ただ冷たく。その冷たさにリアルに移らおうとする意識を、無理矢理夢の底へと引っ張り込みました。]
――そっか。
話を聞いてくれるなんて、優しいなあ。
[答えてくれたものには、ぼんやり、視線を机上へ落としました。 ひとつ、拍を置き瞼を閉じ、また押し上げたのならば、その虚ろとさえ云われる瞳は彼を捉えただろうけれど。 相手が人外と知ったなら、逃げてもおかしく無いのに。学生は彼の優しさを愚かと判断する反面、それ以上に大きく肯定的な意識を持ちました。然しそれは決して表に出さずに、心の内にて留め。]
(52) 2014/10/05(Sun) 11時頃
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――も、…ちろん…。…私が、行く。
[揺らされた硝子>>333を、思わずに見開かれたその視界の隅に捉えながら、学生は答えました。からん、鳴った氷は彼の手の内の硝子にぶつかったのか、それとも積み重なったそこから崩れたのか。鳴る氷は学生の中のリアリティにぶつかり、夢心地から微睡む意識を引き上げたのです。
途端に、鮮明になる視界。
頭に反響する聲>>333は、言葉は、自分を肯定したものだった…気がする。と、「私」は今だ脳裏に張り付く、揶揄いとは言い難いそれに――酷く狼狽を機した。こぼれた言葉は心中を表してか、ぎこちなく空白を開けては彼へと手向けられ。腹の底から、否こころの底奥深くから沸き起こるこの気持ちは――どうも擽ったくて、泣きそうだ。なんて。前髪の下、眉は下げられがちに寄せられ、嬉しさか気まずさか、弛む口元を噛み締める。]
(53) 2014/10/05(Sun) 11時頃
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…じゃあ、今夜にでも飼ってよ。
[落とし掛けたフォークを摘み直し、学生は言いました。その声は懇願にまるで掠れていたことでしょう。晩ご飯なら、作れるわ。…きっとね。そんなおまけ言葉を言葉尻に重ね。 そうして、あまり此方へ引き戻されてはいけないと、夢扉を叩き、またいつもの笑みを浮かべるのです。言葉は嘘か真か、何方にでも取れただろうけれど。ただその思惑の奥底に眠る本心は、眠らせたままで。]
(54) 2014/10/05(Sun) 11時頃
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シメオンくんが獣なら? そうだなあ。
先ず何の動物かと言うと、ハムスターっぽいよね。ゴールデンハムスター。いつもどこか愛嬌のある顔をしてるけど、その実どこか「篭り切り」…なんちゃって、殆どインスピレーションだけど。
だから、あなたがもしハムスターなら? 回し車でも買って、ずっとずうっと愛でるかも。
だから、逃げ出したら、怒っちゃうかも。…ね。
[ネット上でわいわい巫山戯騒いでいた獣種ハムスターを思い浮かべながら、学生は言うのです。言葉こそまるで占い師めいたことを言ってみたけれど、ただ単にハムスターが好みなだけ。学生は虐めていたケーキについにフォークの先三本を刺すと、ぱくりと口に含みました。美味しい、その事に頬を緩ませ、かつ頬に手を当てて見せながら。
やがて二人のお茶会の椀が空になったのなら、今日のお茶会はお終いね、と、席を立ち別れを告げることになったでしょうか。 またいつかは分からないけれど、次なる約束があったのなら、どこか別の場所へ向かう間際の歩調も、きっと軽いものに。*]
(55) 2014/10/05(Sun) 11時頃
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― 商店街 ―
[学生は、ただ呆然と彼の行く先>>41を見守っていました。泣きそうな程に歪まれた表情を見るに、どうも学生の言葉が気に食わなかったらしいことは見て取れました。ぼんやり、学生は彼の背中が小さくなって行くのを、雑踏に紛れるのを見ていました。よたよたと偶に彼の足がよろけることがあったのなら、息を止め危ないよ、と、声には出さずにその背中に投げることだって、きっとあったでしょう。]
……何だよ。
[吐き捨てた言葉は否定された事と、去り行くその体に。それでも彼の瞳に薄膜が張っていたこと>>43には気が付いていたのだから、あまり強いことは言えません。]
(79) 2014/10/05(Sun) 16時頃
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…――所詮、御伽噺。
[如何してこうして、泣きたいのは私もだよ。学生は乾いた笑いを浮かべました。所詮のその道具に頼って生きていた私は、じゃあどうなるの。学生は爪を自分の手に食い込ませます。透明のマニキュアの塗られた爪が皮膚に食い込み、手の内が悲鳴を上げていても。学生は漸くその顔を俯けると、傘が落ちていることに気が付くのでした。]
…雨雨降れ降れ、母さんが。
蛇の目でお迎え――来てくれない……
[ぽろり。何を思うでもなく落ちたは雫は、一体なんの為に流れたのでしょうか。学生はそれを拭うこともせず、地面にぶつかると弾けるそれを頬に感じ、離れる水感に虚無を抱きます。 みんな、離れて行くじゃない。 リアルは学生を責め立てる。まるで周囲から切り取られ取り残される感覚を見に感じながら、学生は傘を見下ろしたまま、繋がりを持てる携帯を開きました。 チェシャ猫――ではなく、ヤニクさんからの返事はまだ来ず。鬱憤晴らしがてら掲示板には巫山戯たことを書いてもみましょう。そして書き終わった時に来た新しいメール>>67を開いては、学生は溜息さえ吐くのでした。]
(80) 2014/10/05(Sun) 16時頃
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………せんせい。
[藁にも縋りたくなるような寂寥を抑え、学生は笑みを浮かべした。周囲から愛されるスージーに、対比したのは誰か。言うまでもなく、冷たい笑みはそれを示しています。学生は彼女を心配する文面を伝えるせんせいに、伝わらない画面上、八つ当たり気味に言いました。――僕のことも、心配してよ。 以前、彼が用事を投げ出して自分を探してくれていたとも知らずに。知る者からすれば傲慢だと言われるそれを言うのです。そうでなくとも、ただの我儘。駄々を捏ねる子どものように。 無論、伝わらないそれは、ぼたぼたと情けなく落ちる水と共に弾けて消えて行くのでしょう。]
……不思議の穴でも、探しに行こうかな。
[ふらり。足先は路地裏へ。そこに何があるというわけでもなければ、そんなところに御伽噺の入口があるはずもないことは、知っているけれど。 学生は送信済みの画面を見届けると、踵を返して行きました。食べ掛けのパンと、落ちた傘と、そして忘れられた鞄は石段の上に置いてけぼり。学生はいつになく軽くなった手の内に違和感を覚えることはせずに、歩を進ませました。]
(81) 2014/10/05(Sun) 16時頃
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――――――――――――――― 差出人:皇マユミ 宛先:せんせい ―――――――――――――――
20xx年 10月2日 ――――――――――――――― スージーどうしたんですか。 ひとまず了解です、伝えておきますね!
ああ、あと、羽織、また今度返しに行きますね。 明日の講義は休ませてください/// ―――――――――――――――
(82) 2014/10/05(Sun) 16時頃
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――――――――――――――― 差出人:皇マユミ 宛先:スージー ――――――――――――――― 連絡だよ。 20xx年10月2日 ――――――――――――――― せんせいが、無事なら連絡ちょうだいって。 これね!↓ [[添付ファイル:連絡先]] 何かあったの? あんまりムリはしないでね。
またいつか、ケーキ食べに行こう🍰 ―――――――――――――――
(83) 2014/10/05(Sun) 16時頃
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/*シオンすこいかわいいんんんんかわいい泣いてるたつとくて泣いてる
(-51) 2014/10/05(Sun) 17時頃
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/*しめおん!!!
(-52) 2014/10/05(Sun) 17時頃
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― 路地裏 ―
…――あ。
[路地裏に入った頃だったでしょうか。来たメール>>87>>88に頬を緩めて、返そうとした時に鳴り響く>>92それ。思わずにびくりと肩を震わせてはみたけれど、相手が知る彼女だと知れば、安堵の息を吐いて通話ボタンを押してみせました。]
マユミ…だよ。
どうしたの、スージー。
[現実の自分の名前にはただ戸惑いを。学生は彼女の声に首を傾げます。もし会って欲しいと言われたのなら、降り出した雨を視界に、そうして曇天を目で追いながら、肯定の言葉を紡いでみせたことでしょう。]
今から、大丈夫なの?
[曇天から滴る雨がぽたりと見上げた頬に落ちました。学生は拭うこともせずに、ただ木陰に移動しては、先に拾った傘をさそうと――して、その手の軽みに気付くことでしょう。ただ無言でカラの手の内を見詰めては、来た道を戻りつつ、電話口の向こう彼女の返答に耳を傾けます、**]
(114) 2014/10/05(Sun) 17時半頃
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□獣につゐて 20xx年10月2日 xx:xx まるでジョンシビア
>>=1匿さん 返事が早いのはホラ…携帯依存症だからさ…(めそらし) えっ//友達になってくれるの…? 実は俺も友達少ない、同じだな。
獣な、飼うとしたらどうなんだろうか。 他飼うことにした人いたらぜひ。
(=9) 2014/10/05(Sun) 18時頃
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□獣につゐて 20xx年10月2日 xx:xx まるでジョンシビア
>>=7Michael=溘匿@縺マセ縺吶 俺がサーファーになったらモテ期来るよ。[[添付ファイル:ムキムキなおじさん(拾い画)]]
ちょうべた付く//いろんな意味でべたつく///
まるで俺が三十路と恐ろしの森だから逃げられたみたいな言い方 一応知り合いだったからな!知り合いが獣だったからな… な、いや多分俺に非があんのかも? とりあえずその知り合い傘落としてたから拾っておいたけど、今度は俺が道端に鞄忘れたから取りに行ってくる。**
(=10) 2014/10/05(Sun) 18時頃
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[電話口から聞こえる、微かに震えた声には学生はひとつ、瞬きを。自分とはまた別の所で、理由は違うけれど、同じように声を震わせているというなら、それもそれで面白い出来事だなあ。そんな甘い考えさえ脳内に揺蕩わせました。]
―――良いよ。
今から向かうね。…シュークリーム、たのしみ。 勿論紅茶も、用意してくれると嬉しいな。
[ガムシロップ二つか、砂糖もたくさん添えてね。学生は小生意気に、然し友人に戯れるように言の葉を送りました。 彼女が泣いているのなら、自分はむりにでも楽しく声を弾ませてみせましょう。お茶会で陽気な歌を紡げるように、抑揚を大きくして、学生は歩みます。やがてその先に少しだけ濡れた鞄を拾ったのなら、彼女の家の方面へと――家の場所を尋ねながら、体を向けたことでしょう]
(123) 2014/10/05(Sun) 18時半頃
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私、スージーの家に入るのはじめてだ。
…お家、どの辺りだっけ。
[歩む間にも電話が繋がっていたのなら、学生は他愛無い噺を彼女に手向けてみせるのです。時折自分のネタにひとりで笑うことさえしてみながら、電話口の向こうの曇が晴れるように。繋がっていなければ、それはそれで、場所を尋ねて直ぐに電話を切り、真直ぐに体を向けてみせたことでしょう。]
スージー。
[――直に、その家前、玄関前へ無事に着いたのなら。インターホンを押して、彼女の愛称を呼びました。**]
(124) 2014/10/05(Sun) 18時半頃
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― スージー宅 ―
[しとしと。滴る雨を横目に、彼女の家の前でその扉が開くのを待つ。リアルとも夢物語とも違うその扉は、また学生の住処の扉でも無く。この扉が開いた先、自分を軽蔑する目は無いと知り得ていたのなら――その心は、大分軽いものになっていたことでしょう。]
わあ、
[扉から顔を覗かせ抱き付いて来た彼女の表情は、その肩口に顔を埋める形となってしまったので生憎真面に見えなかったけれど。少し距離を離すことがあったのなら、腫れたその目を視界に捉えて二三瞬きをしてみることも。ただ、どうしたの、なんて彼女の涙の理由を無粋に問うことはせずに、ただ柔に微笑みました。]
(197) 2014/10/05(Sun) 23時半頃
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どうしたの、いつも以上に素直だね。
ああ、お茶会の準備、してくれてたんだ。 ――私こそ。ありがとう。
[嬉々を隠すこともしない彼女の紬言葉>>132には、からかいの言の葉を捧げました。少しだけ照れ臭そうに、眉を寄せはにかんでみることもあったでしょうか。その顔が、彼女に見られていたかは兎も角として。 部屋の中に通されれば、案内された元へと腰を据えました。きょろきょろ。学生の部屋とも、姉妹の部屋とも違うその中は、まるで借りて来た猫のように身体を硬くさせ不躾に周囲を見渡しました。途端、掛けられたタオルには思わず瞼を強く閉じ。心配の言葉が鼓膜を叩くと、心配性だなあ。そう言って彼女を見上げます。]
大丈夫。風邪はひかないよ。 しとしと優しい雨だったの。素敵な雨音、聴こえたかしら? 寒くはあるけど、今はタオルがあるわ。
[学生は緩やかに言葉を紡ぎました。その心内、居心地の良い空間に、矢張り今日は家に帰りたくない、強い拒絶を抱き隅々まで染み行かせます。許されることがあったのなら、ひとつ断りを入れて行動は早くが良しと先程言葉を交え、茶会の席を共にした帽子屋さんに、電子手紙を入れるでしょう
(200) 2014/10/05(Sun) 23時半頃
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――――――――――――― 差出人:皇マユミ 宛先:シメオンくん ――――――――――――― 🎩☕️ 20xx年 10月2日 ――――――――――――― さっき振りだね、こんにちは。 ねえねえ、今夜! シメオンくんのお家に飼われて良いかな?
―――――――――――――
(201) 2014/10/05(Sun) 23時半頃
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[題名は少しだけお茶目を入れたお茶会を追憶しつつ。かつりとひとつ、画面のボタンを突つきました。送信中。シンプルな画面を目に映した後は、急ぎもうひとつ前のメール>>87>>88を開き、相変わらずの猫の具合にひとつ、肺から息を。夢物語とは暫くさよなら、そんな意味も兼ねて彼に急ぎ文字列を賜ります。]
(203) 2014/10/05(Sun) 23時半頃
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――――――――――――― 差出人:アリス 宛先:チェシャ猫さん ―――――――――――――
20xx年 10月2日 ――――――――――――― お花をくれるなんて、やっぱりあなたはお洒落な猫ね。 お返しに長靴をあげたら、喜んでくれるのかしら。 それがイヤなら綺麗なハンカチでも。あなたの姿が見えなくなっても、魔法のハンカチがひらりひらり飛んでくれるわ。
幸せを運ぶ青い鳥? 鳥と仲良くする猫は、あなただけかもしれないね。 そうして幸せに欲無しなのも。私だったら鳥と囀って、幸せを運んでくれるその羽根ごと追いかけっこをするかもしれない。 ああ、ベル。私も彼女に会いたいわ。それでも箱入りのその姿は、部屋に捕らわれて見えないのかしら。
(204) 2014/10/05(Sun) 23時半頃
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あなたは手を引いてはくれないのね。 それなら此処は、歪んだ国では無いと言うこと。 私はひとりでも歩き出すわ。綴り物語には終わりがなければならないもの。それがどんな形でも、ね。
チェシャ猫さん。私は今からお茶会するの。 向日葵のように朗らかな素敵なお相手。 少しだけ雫を垂らしているけれど、綺麗に咲くのよ、その子はね。 ――――――――――――――
(205) 2014/10/05(Sun) 23時半頃
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[早々と打ち終わり、また変わらぬ画面を捉えたのなら。学生はそれ毎ポケットへと仕舞います。まるで終えた夢物語の裏表紙を閉じるかのように。 そして学生は、目前の彼女>>132に微笑みました。身を乗り出して、紡がれる噺を今か今かと待ち望み、その瞳には好奇心の星を散らばします。じんわり、手の内の紅茶は手のひらにぬるい熱を伝え始めました。]
ねえ、それで、どうしたの。 お噺、聞かせて。 この前のイルカの王子様のことも含めてね。**
(206) 2014/10/05(Sun) 23時半頃
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― 回想 スージー宅 ―
[まるでマシンガントークだと、学生は笑いました。話される言葉の数々はまるで愉快。夢物語には程遠いリアリティを持ったものだけれど、そしてイルカの王子様は聞き覚えすら感じたけれど。学生は耳を傾けながら彼女の話>>254を聞き、そして空いた時にシュークリームをぺろりと食べるのでした。 やがて外が薄暗く変わり始め、遠くに鐘の音>>270を聞きます。話をしながら、その話の中で避けられていた話題があったことには少しだけ疑問を持ちながら、確信には至らないことから問うことも出来ずに。]
(280) 2014/10/06(Mon) 12時半頃
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不埒な狼なんて、どうかしら。 逃げるウサギなら見たのだけど…
ああ、もう。からかうのはよしてってば。
[手に作られた狼には軽快に笑みを返し、その口元に手を当てます。薄目にその顔が何かを楽しみにしているような表情であると云うことには、待ち人かな、なんて思うこともあったでしょう。学生はお茶会の片付けを手伝いながら、何気なしに映した彼女の背中に――思わず目を見開くのです。 ぱたぱたと揺れる何かは、彼女のスカートを揺らし。下衆たことは考えないけれど、脳裏に並ぶ言葉は獣人。学生は先程見た級友の動揺を思い出し、またしてもはたりと目を瞬かせ睫毛を震わせるのでした。あまり強くに言及するのも悪いけれど、しかしそれが本物であるなら、このまま真直ぐに家を出るのも悪手だと、僅かに震える唇を開きます]
…ねえ、もしかして…犬か何かのコスプレ、してる?
[隣に立って食器を置き、洗っているのならそれを横から攫うこともしたでしょう。そうでなく玄関へ向かうのなら、ご馳走様と一人呟き鞄を片手に持ち首を傾げます。学生は彼女の尻尾から目を逸らし、その大きな瞳を見つめました。*]
(281) 2014/10/06(Mon) 12時半頃
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― 商店街 ―
[何時頃かスージーと別れた頃に、学生は商店街へと歩先を向けました。着ていたメール>>258には、道中故に頬を緩めるわけにも行かず、ただ表情を固くしては眈々と画面を叩きます。]
――――――――――――― 差出人:皇マユミ 宛先:シメオンくん ――――――――――――― Re:褒めると調子に乗っちゃうよ💃 20xx年 10月1日 ――――――――――――― ごめんね、分からないの。 地図見て…って、大丈夫? 少し掛かりそうだけど、高校の前に待合せで良いかな。 そっちの方が、分かり易いでしょう?
雨?ほら、雨も滴るいい女って、よく言うよね。
―――――――――――――
(288) 2014/10/06(Mon) 13時頃
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[かつり。爪先は画面に擦れて音を立てました。分かり易い、と、其方を選んだ理由は、迷子名人の彼には秘密にしておこう、なんて。 雨は鐘音に重なり、地面に弾けて行きます。学生はひとつひとつ淑やかに商店街の灰色の町並みを通り抜けて行きました。誰かが自分を探している>>276ことなど、ましてやあの家に訪れたことなど終に知る事も無く。ただ此の儘真直ぐに帰れば、あの父母姉妹に来客が来たと乱雑に言葉を吐かれることもあっただろうけれど―――そう、今宵は家には、帰らないのだから、関係も無く。 学生は拾った傘を律儀に手に持ち、鞄を肩に掛け歩きます。今朝方良い匂いを漂わせていたパン屋の匂い、肉屋の匂い、そして花々の並ぶ花屋さんは店先を閉めて行くことでしょう。其の差中、くるくる回る唐傘には、回ることで飛ぶ雨に当たらないよう遠くを迂回し追い越しました。]
(291) 2014/10/06(Mon) 13時頃
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手土産、買って行こうかな…
[そしてはたりと足を止め、学生は和菓子屋さんへと暖簾を潜り姿を消します。ケーキなどの甘ったるいものではなく、少し甘さを抑えたお泊りの挨拶を。学生は菓子の並ぶ硝子の前で指を立てあれをこれをと選んでは、大きくなった袋を新しく手荷物へと追加するのでした。**]
(292) 2014/10/06(Mon) 13時頃
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― 回想 スージー宅 ―
[怖いか如何かと聞かれたら、学生は言葉に詰まったことでしょう。喉唾が喉途中を防ぎ、その詰石を取る為にこくりと咽喉を鳴らします。学生は暫く彼女の顔を見詰めて居ました。 単に獣を怖いかと、唯の野獣を怖いかと問われたなら、それはそれで怖いと答えたのでしょう。幾ら御伽噺が好きだと言ったって、野獣は野獣。心に王子様のそれを抱えた野獣でも無い。キスをすれば人へ戻る野獣でも、無い。理性などほぼ無く、餌を見付けると爪さえ立てるそれを――怖くない、はずがない。 然しだけれど、学生は思い留まるのです。目前に居る彼女は野生の其れではないと。その裏隠された本性があろうと、彼女には理性がある。ひどく優しい理性が。そして彼女が秘密を露呈することを恐れるのなら―――自分が性別をひた隠しにしていることも同じこと。]
(298) 2014/10/06(Mon) 14時半頃
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