167 あの、春の日
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[少し長めに夢を見ていたようだ。
ぱちくりと瞬いて目を覚ます。 きょろりと周囲を見渡して、 一瞬、これが現実なのかわからなくなった。
昔の夢なんてみた日には、涙が止まらなくなるのも珍しくはない。
けれど、みんながいる。 これは幸せな夢なんかじゃなくて、本当に。
嬉しくてにへら、と、崩れた顔で笑った。]
(+20) 2014/03/09(Sun) 23時半頃
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ー 回想 ―
[青い空に手を伸ばしてた、あのころは
記録が伸びていくことが嬉しかった、 おいしいごはんが食べられることが嬉しかった、 仲の良い友だちがいて、楽しい先輩がいて、 ただそれだけでよかった。
マドカにはそれ以上はいらなかった。]
(+21) 2014/03/09(Sun) 23時半頃
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[記録を残すことにこだわっていなかったから、 選手として生きることはできなかった。 頭悪いなりに勉強して、みんなといっしょに大学に行って、 陸上サークルには入ったけど棒高跳びの設備はなかった。
それでも陸上がしたくて、 そのためにサークルの付き合いも頑張った。 お酒を覚えた、メイクも始めた、 連れて行かれた合コンで出会った男の子に 告白されて付き合ったけど、キスもしないうちに別れた。]
(+22) 2014/03/09(Sun) 23時半頃
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[そのうち就職して、 どんくさいながらもコピーとお茶汲みを覚えて、 毎日パソコン叩いて、笑顔でランチして、
それから、それから……]
(+23) 2014/03/09(Sun) 23時半頃
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[恋とはどんなものかしら。
あの春の日、青い空に問いかけた、 その答えはいまだに、見つからないまま。
見た目は大人になった。 でも心はまだオトナになれなくて、 心だけ、あの日に置きざりにしたまま。]
(+24) 2014/03/09(Sun) 23時半頃
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― 現在 ―
[そこまで思いを馳せたところで、ふと我に返る。 聞こえてきた声>>+19に、ぴょこんと肩揺らして頷いた]
私も……私も、です!
みなさんのおかげで、幸せです!
[声を出してから、振り返る。 大人っぽすぎて近寄り難くて苦手だったはずの ジリヤの姿にびっくりして、目を丸くした。]
(+25) 2014/03/10(Mon) 00時頃
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