1 とある結社の手記:6
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―深夜―
………………。
[自室のベッドの上に蹲る。 未だ少年は眠らないままでいる。 そこから凍える冬の景色を見上げるのは、 仄かに赤みがかった丸い瞳。
空は、何処にいても、繋がっていると―――……]
……父さん。
[白い小さな指先が包み込むのは、手紙の束。 父との唯一のつながりを示すもの]
(*0) 2010/02/21(Sun) 08時頃
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[少年からの手紙は、いつも沢山。 封筒に収まりきらないほどの、長い文章。 父からの手紙は、いつも簡素。 封筒に1枚だけの便箋に綴られた、短い文章。
それでも良かった。 父との繋がりが残されているだけで、救われた。 まだ、頑張れば、彼の元に戻れるのだと。
――――年を経るに連れて、 次第に手紙の届く頻度が減っても。それでも、……]
(*1) 2010/02/21(Sun) 08時頃
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[かたり。
耳に届く物音は、 結社員の男が集会所に戻ってきた証だろう]
…………。
[彼に人狼だと言われれば――、 自分もヤニクも、きっと殺されてしまう。
だから]
(*2) 2010/02/21(Sun) 08時頃
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[少年はそっと机の上に手紙を置きなおすと、立ち上がる]
(*3) 2010/02/21(Sun) 08時頃
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―サイモンの部屋―
[夜の闇に紛れて廊下を歩く姿に、音は無く。 するりと目的の部屋に入り込む。 彼は、気づいただろうか。 それとも、気づかなかっただろうか]
サイモンさん。
[少年は結社員の男を見つめながら、薄っすらと微笑んだ]
さようなら。
(*4) 2010/02/21(Sun) 08時頃
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[おそらく、 サイモンが少年の別れの言葉を聞くことは無かった。
月の出ている白雪の上でならば毛並みが栄えるような、 一匹の小さな銀狼。 それは最初に微笑んだのとほぼ同時に、 彼の胸を一切の躊躇無く貫いた。
舞い散る赤色は、色さえ違えば、雪のよう]
…さようなら。
[既に事切れた男へと、 《人狼》は微笑みながら別れの言葉を]
(*5) 2010/02/21(Sun) 08時頃
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[その場にヤニクはいただろうか。 彼は少年の姿を見て、何か言っただろうか。
いずれにせよ、 赤く染まった掌を見つめる小さな人狼の瞳の中に、 何らかの感情の色を見つけることは難しかっただろう。 其処にあるのは、無。 プラスもマイナスも無い、空洞のような感情]
…………。
[ヤニクがいたならば彼の方へと顔を向けて、 ことりと首を傾ける。 暫くしてから、ゼロの上に微かに笑みを上乗せして]
いただきましょうか。
[酷く、あっさりとした言葉。 少年はその日初めて、《人間》を口にした**]
(*6) 2010/02/21(Sun) 08時頃
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[まさか、新しい占い師の人が来たなんてことは……]
(*7) 2010/02/21(Sun) 09時頃
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…あぁ。
―――――…僕が、殺した。
(*8) 2010/02/21(Sun) 09時頃
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[夜は全然平気だったのに、虚弱な体は自らが殺めた死体に、 まるで拒絶反応を起こすようだった。
いや、昨日あまり眠らなかった所為もあるのだろう。 きっと、そうに違いない。 そう自分に言い聞かせつつ、静かに目を閉じる。
―――…もう少しだけ、眠ろう]
(*9) 2010/02/21(Sun) 09時頃
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[目覚めれば、きっと。
*逃げられない現実が、横たわっているのだから*]
(*10) 2010/02/21(Sun) 09時頃
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−深夜・サイモンの部屋−
[口元にはいつもの笑みがあった。 だが眼光は、まるでサイモンを突き刺すような鋭さだった。 彼と目が合う。彼が心に悪魔を呼び込んだことを知る。それで十分だった。 自らは姿すら変えようとしなかった。
恐怖で身体を動かせないでいるサイモンに、カルヴィンが襲いかかる。 その一部始終を観ながら何も言わない。ただ、食事を始めた彼の毛並みを一度だけ撫でてやる。それで十分だと思った。そして静かに部屋へと戻った。]
(*11) 2010/02/21(Sun) 10時半頃
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…カルヴィン。 お前は、友人を食う事が出来そうか?
[素っ気ない。それだけに深刻な思いを隠した問いかけを、囁いた。 敢えて昨夜の事に触れない。そんな暇はない。そう言いたげだった。]
(*12) 2010/02/21(Sun) 11時頃
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―――友達を、食べる…?
[ぼんやりとした意識の中、 耳に届いてくるのは同属の囁き]
僕は……。
[ぎゅっと自分の手を握り締めた]
………、僕は人狼ですから。
(*13) 2010/02/21(Sun) 18時半頃
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そのときは俺が殺してやる。 サイラス…。随分と効率の良い占いをしてくれたものだ。
厄介だな。
[忌々しげな響き。]
結局は… ここに居る奴等全員を喰うか…殺す以外にないのかもしれない。 だが結社員も居る。あまり派手な動きは出来ないが…。
[カルヴィンの応えに、自身の困惑の一部を独語するように語った。]
(*14) 2010/02/21(Sun) 18時半頃
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痛い…。
(*15) 2010/02/21(Sun) 19時頃
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……………。
[此処にいる者を全員食べるか。…殺すか。 そうでもしないと、生き延びれないのか。 そうすることで、生き延びれるのか。
視線は一度ぐるりと、広間全体を見渡す。 ずっと一緒に暮らしてきた、村の人たちだった。
あぁ。なのに、どうして―――]
…ヤニクさんは、そうする心算、なんですよね。
[生きて、ここから、出ると]
(*16) 2010/02/21(Sun) 20時頃
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――――…まぁ、《人狼》なら。
人狼であるというだけで、 きっと、近づきたくない対象なんでしょうね…。
[淡々とした呟きに、微かに滲むのは寂しさか]
(*17) 2010/02/21(Sun) 20時半頃
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お前は違うとでも言うのか。
[不愉快そうな声を隠そうともしない。]
サイラスは命拾いをしたな…。 いや…。ウェーズリーが何を言い出すかにもよるが。
忌々しい…。 あの猟銃に敵うならば、今すぐにでもこの広間を血で染めてやるものを。
(*18) 2010/02/21(Sun) 20時半頃
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[そこに独語のようなカルヴィンの呟きが聞こえる。]
お前の父君ならば…誇りを持てとお怒りになるだろうな。
[偲び笑うような、からかうような笑い声が続いた。]
(*19) 2010/02/21(Sun) 20時半頃
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――――…いいえ。僕も同じです。
[不愉快そうな声に、返る真っ直ぐな声。 何処か自分に言い聞かせるような態でも、 あったかもしれないけれど]
僕は生きて此処を出ます。 そうして、父に、会いに行くんです。
[何処か夢を見るような風にも、呟いて。 それに伴う犠牲のことを、今はどこかに押し隠して]
(*20) 2010/02/21(Sun) 21時頃
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……サイラス先生は、命拾い…?
[彼の思考の先を問うように、繰り返す]
ウェーズリーさんは、誰を調べるのでしょうね。
[黒い気味の悪い封筒を思い、小さく息をついた]
(*21) 2010/02/21(Sun) 21時頃
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[からかうような声>>*19が聞こえれば、あわあわと口を噤んだ]
………っっっ!
別に僕、平気ですから。全然、平気ですからっ。
[頑張って弁解しようとするが、 どう見ても余計にボロが出ている]
(*22) 2010/02/21(Sun) 21時頃
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[笑い声が聞こえる。]
成長してみせることだ。 少なくとも…。お前は確かに人狼に、成ったのだから。
…占い師のどちらかは偽物だ。 襲うときが限られているのならば、俺達に都合の悪い奴から殺す。 だが…その見極めが難しい。
[次の夜。その標的を決めかねている苛立ちが隠せない。]
(*23) 2010/02/21(Sun) 21時半頃
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………っ。 は、はいっ!
[自分を《人狼》になったと認めてくれる声。 どきりと波打つ心臓の音]
どちらの占い師さんが本物か、ですか…。
つまり、僕らを人間だって言うか、 僕ら以外の人を人狼だって言い出したら、 その人が嘘吐きさんってことですね。
[頭の中を整理しつつ、ふむ、と頷いた]
うーん…。
[郵便屋と薬屋。 二つの顔をぐるぐると思い浮かべてみるけれど]
………もし、見分けがつかなかったら、どうします?
(*24) 2010/02/21(Sun) 21時半頃
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そう言うことだ。 その偽物が俺達に協力するつもりなのか。それが解れば上々だ。 だが…見分けが付かないなら。殺してみるしかないだろうな。
そう言う意味では… 今のサイラスを敢えて生かす理由は無い。
[前言を翻すような事を言う。 他人の運命を手の上で転がすようで、転がされている現実を感じていた。]
(*25) 2010/02/21(Sun) 22時頃
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[結社員の言葉を思い出す]
……駆除。
…………人狼は殺意を持っている、ですか。
こんな所に閉じ込めなければ、 僕は誰かを襲う心算なんてなかったのに。
[それはそれで、自らの緩やかな死を意味していたのだが。 少なくとも親しんだ村人達を襲うことなんて 考えもしなかっただろう]
(*26) 2010/02/21(Sun) 22時半頃
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………変なの。
[言い表わせない複雑な感情は、 ぽつりと一言の言葉として零れ出た]
(*27) 2010/02/21(Sun) 22時半頃
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……襲う。
サイラス先生を、襲う―――…。
[ヤニクの言葉>>*25を思い出しつつ、呟く]
…………。 僕、ウェーズリーさんを、探してみますね。
(*28) 2010/02/21(Sun) 23時頃
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ウェーズリーさんは、ピッパさんを調べたみたいです。
……人間、だそうですよ。
(*29) 2010/02/22(Mon) 01時半頃
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