17 吸血鬼の城
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[革の上着を脱いで、トーニャに差し出す。]
湯冷めすっから着とけ。
[部屋に戻ろうと促す。]
(11) 2010/06/21(Mon) 23時半頃
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わかってら! 海より深く反省してる!
[ドナルドの呼びかけに怒鳴ってから]
あ…おれがトーニャ泣かせた件じゃないのかよ。
ん、なんか騒ぎか? 群れるのはそんなに好きじゃねぇが、気になるか。
[ギザームの刃を危なくないように立てて持ち、発生源に行ってみてもいいぞと示す。]
(29) 2010/06/22(Tue) 00時頃
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[廊下で、詩人がいないと皆が騒いでいるのを聞く]
それがどうした。
出てったにせよ、食われたにせよ、そいつになんかしてやれることがあるのか?
見つければ助けてやれるってんなら、こんなところでグズってる暇ねぇだろう。
あぁ? 食事の間を探してないから、そこにいるかもって?
[それは、さっき、城主が歩いて行った方向だな、頭の中で図面をひく]
(43) 2010/06/22(Tue) 00時頃
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…浮き足立ってやがる。 トーニャ、巻き込まれんなよ。 集団暴走ってのはタチが悪ィ。
[集まった顔ぶれを見回す。]
客で欠けてんのは、「詩人」と「薬売り」と「行かず後家」か。
(52) 2010/06/22(Tue) 00時半頃
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[イアンの視線を受けて顎をこする。]
暴走ってのは云い方が悪かったな、許せよ、取材者。
ただ、前にも見たことあるのさ、おれは。
(62) 2010/06/22(Tue) 00時半頃
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[ドナルドの情報にはひとつ頷き、トーニャに声をかけている様子に、ニマリ]
おまえさん、ロクデナシかも知れねぇが、ヒトデナシじゃあなさそうだ。 安心したぜ。
(76) 2010/06/22(Tue) 01時頃
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[黒薔薇の恬淡とした口ぶりに、唇を歪める。]
かの詩人は桂冠詩人に任命されたってワケじゃなさそうだ。 そしたら「どうぞお入りください、お食い初めに」ってコトになりそうだからな。
…吸血鬼になってねぇなら用はない。 トーニャ、部屋に戻るか。
(89) 2010/06/22(Tue) 01時頃
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[黒薔薇の問いかけに足を止め]
「伺ってもお答え戴けぬ気がします。」とは、おれと違って謙虚だな、使用人。
あんたが何を求めて吸血鬼に従っているんだか知らないが、基本的に、人間は強いものに憧れるモンだろう。
おれも例外じゃないってコトだ。 フクザツな男心ってヤツよ。
(98) 2010/06/22(Tue) 01時半頃
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[躯の紋様が疼く。 闇が濃くなっているのを伝えてくる。
誰かが、堕ちたのではないかと感じたのに、詩人は違うという。]
ところで、 …あいつは、セシルか妹君と一緒か?
誰にも心配されてない可哀想な「薬売り」のコトだよ。
[黒薔薇に問いかける]
(100) 2010/06/22(Tue) 01時半頃
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まあ…消去法だな。 ありがとさん。
ご縁は――必要になったら造るさ。
[黒薔薇に手を振る]
(120) 2010/06/22(Tue) 02時頃
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よし、トーニャ。 待たせたな、行こう。
[支援の言葉には微笑んで耳打ちする。]
まあ、おれは人間としても規格外だからな。
(123) 2010/06/22(Tue) 02時頃
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[昨日よりは具合のよさそうなマーゴに]
薬なら、後でもらってきてやってもいいぞ。
…キャンベルの人間が無茶するのは、止めねぇけどな。
(129) 2010/06/22(Tue) 02時頃
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―― 客室 ――
[あてがわれた部屋へ戻ると、器用に火を起こして暖炉に薪をくべ、洗面ボウルを近くに寄せた。 尻ポケットに入れておいたスキットルの中身もボウルに空ける。]
裸にして、おまえが風邪ひくとよくないからな。 少し、部屋と虫除け聖水が暖まるまで待て。
[レモングラスを揺すって、香りをたたせる。]
こいつはお肌にもイイと、どっかの女将が云ってたぞ。 おれは甘ったるい香水は嫌いだが、こういう爽やかな香りはいいな。
(134) 2010/06/22(Tue) 02時頃
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『ブッシュミルズ』が欲しい。
[部屋が暖まるのを待つ間に、影に銘柄指定でウィスキーを持ってこさせ、空になったスキットルに注ぐ。 だが、作業にかかる今は、口にはしない。]
(135) 2010/06/22(Tue) 02時頃
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悪さはしねぇ。 指切りしてもいい。
[そればかりは真顔で云って、ベッドをポンポンと叩く。]
まず、背中からいくか。
(145) 2010/06/22(Tue) 02時半頃
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おめぇはいい子だよ。
[トーニャがベッドに上がれば、自分も膝を突いて、その躯をまたぐ形になる。
腰を浮かせて体重はかけないまま、左掌をトーニャの脊髄に沿わせると、順次、下ろしてゆく。 呼吸をあわせ、時折、確かめるようにプッシュした。 尻の手前まで来ると、今度は躯の脇たどり、再び、上へ。
その手が「天使の翼の名残」――肩甲骨のあたりでしばし止まる。]
…ほう、こいつはカワイイな。
[“視得た”モノに破顔する。]
トーニャのトーテム(守護獣)はスナネズミか。
(153) 2010/06/22(Tue) 02時半頃
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スナネズミにだって、立派な牙と爪としっぽがあるだろう。 おれのトーテムなんかヤマアラシだ。
――ちょっとひやっとするぞ。
[警告してから、ハーブウォーターを指先につけて、トーニャの陽光に灼けた小麦色の肌に見えない護符を描いてゆく。
こんな風に気を読むのを許している相手ならぱ、経絡に沿って官能を呼び覚ましてやることも可能なのだけれど。]
スナネズミ、スナネズミ――…
[そう唱えれば、欲を伴わない愛しさだけが笑みになる。]
(159) 2010/06/22(Tue) 03時頃
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背中は終わりだ。 仰向けになれ。
[タオルを投げて、なんなら顔を覆ってろと示唆する。]
(160) 2010/06/22(Tue) 03時頃
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[初で可愛いな、おい…
そんな感想は口には出せず、背中と同じように気の流れを確かめてゆき、指が膨らみきらない胸をよぎる段になれば、トーニャの緊張をほぐしてやろうと話しかける。]
そうそう、もうひとつの魔物探知の方法ってのだが――
魔物ってのは、たいてい驚異的な治癒能力をもっている。 斬りつけて、その傷があっさり塞がれば、そいつは魔物とみていい。 乱暴なやり方だがな。
…人間だったときの謝罪も面倒だ。
[幾度か経験がある、と云わんばかりの口調。]
(170) 2010/06/22(Tue) 03時半頃
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武器といっちゃあ難だが、おまえにやった「人狼の牙」、あれは充分にミニマムナイフの代わりになる。 ほとんど相手とゼロ距離だから、危険といっちゃあ危険な方法だが。
スナネズミに不意打ちで噛まれれば、獅子も逃げるっていうしな。
(171) 2010/06/22(Tue) 03時半頃
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[トーニャの安心したような笑い声を耳に心地良く聞く。
ただ、すべてを委ねたトーニャの健気な意志、拒むことなく捧げられたその躯に、記憶がフラッシュバックして、
まさに、この部屋、この寝台――…
忌まわしい記憶を振り切るように、パン、と手を叩く]
よし、済んだ。 服着ていいぞ。
[ベッドの端に腰をおろし、背を向けてやる。]
(182) 2010/06/22(Tue) 04時頃
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そいつの使い方だが、 魔物の気配を感じると、まず左手から色がつくようになってるから、そこ見とけばいい。 たまに魔力のある品物とかにも反応しちまうのが難だが。
防御効果の方は、自動じゃ発動しねぇ。 これはヤバい、と思ったときに紋様のことを思い出せ。 気合い次第だ。
あと、前にも云ったが、その紋様は水には弱いからな。 風呂に入ったらまた描き直しだ。
(183) 2010/06/22(Tue) 04時頃
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ヤツが今回の「宴」をいつまで続ける気かわからんが――…
それにあわせるこたぁない。
[小さく呟き、寝台を軋ませて仰向けに転がる。]
少し、寝る。
[1分後には深い寝息を*たてていた*。]
(184) 2010/06/22(Tue) 04時頃
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―― 客室 ――
[短く深い眠りから覚めると、狩りをする獣のように静かに起き上がる。 隣室を覗き、トーニャの寝顔を見やった。]
ありがと、な。
(208) 2010/06/22(Tue) 11時半頃
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ここのヤバさを充分、承知でやって来たおれと違い、おまえには、どうしていいかわからないことだらけだろう。
おれが、ここへ来た目的や算段も打ち明けてやれればいいんだが…
[この城内で口にした言葉が城主に知れているらしいことは過去の経験からわかっている。だから。]
誤解されちまっても、了見するぜ。 こいつは、おれの我が侭だ。
(209) 2010/06/22(Tue) 11時半頃
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人間は強いものに憧れる、って云ったよな。
憧れてるダケじゃ、済まねぇんだよ。おれの場合。
越えてやりてぇのさ。 だから――
[後はただ、眼差しに込めて]
(210) 2010/06/22(Tue) 11時半頃
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( おれは――吸血鬼になる。
奴らの力を手に入れる。
吸血鬼の力をもった魔物狩人だ。 )
(211) 2010/06/22(Tue) 11時半頃
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――やってのけるさ。
(血の飢えになど負けはしない。 自分の意志でねじ伏せてみせる。
お れ が 食 ら う の は、吸 血 鬼 だ け だ。)
そのために、この「宴」、利用させてもらう。
(212) 2010/06/22(Tue) 11時半頃
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[トーニャの枕にそっと唇を落として、よい朝が来ることを祈る。]
常に自分を見失うな。 自分を信じてやれ。
[ギザームを掴むと、身を翻した。]
(213) 2010/06/22(Tue) 11時半頃
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―― 廊下 ――
[感覚を研ぎすまして、魔の気配を探る。 標的は、「薬売り」
まだ、吸血鬼になって間もないだろう彼ならば、狩りやすい。
自分はその理由のために、“誰かが犠牲になるのを待っていた”のだから]
良識派には叱られちまいそうだが。
――懺悔はしねぇ。
(214) 2010/06/22(Tue) 12時頃
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[躯を床なり寝台なりに串刺しにしてやれば、殺せずとも動きは封じられる。 その動脈を切り開いて、血を飲む。
人間を不死の魔物に変えるという、吸血鬼の血を。]
(215) 2010/06/22(Tue) 12時頃
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[串刺し目的のためには、ギザームはいささか使い勝手が悪い。
ヘクターは武器庫に寄ると、均整のとれたジャベリン(投擲槍)を掴んだ。]
こいつも借りてゆくぜ。
(216) 2010/06/22(Tue) 12時頃
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…いっそのことヤツからもらった薬、使ってやるか。 進んで躯、開いてくれるかも。
[悪ガキじみた苦笑いとともに、*歩き出す*。]
(217) 2010/06/22(Tue) 12時頃
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―― サイラスの部屋へ ――
[ドアの前に立つ。 肌を焼く魔気がドアの向うから漏れてくるのを感じる。]
…居る。
[来訪を告げるのはノックではなく、ドアを蹴破る一撃。]
(297) 2010/06/22(Tue) 21時頃
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[室内にいるのは、黒い天鵞絨の仕立てをまとった貴族然とした男。 そして、いつもよりさらに血の気を失して見える白づくめのセシル。]
(301) 2010/06/22(Tue) 21時頃
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[呼びかけも躊躇もしない。
踏み込むと同時に、サイラスを柱に縫い付けるべく、渾身の力でジャベリンを叩きつける。]
(302) 2010/06/22(Tue) 21時頃
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――ちぃーっと、嫉妬に狂った男みてぇな登場になっちまったか?
[背後に突如として現れた濃密な闇の気配に、紋章が黒く染まってゆく。]
…あんたもだがな。 早すぎンのは嫌われんぞ。
[横に飛び退りつつ、サイラスの肩に突きたった槍の柄を掴んでサイラスの躯ごと引き寄せ、羽交い締めにすべく首に腕を回す。]
(313) 2010/06/22(Tue) 21時半頃
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[セシルに]
何をって?
――「革命」だよ。 あるいは、「下克上」かな?
[ヴェスパタインに]
おれが狂っているとしたら――その原因はおまえだろうに。
[云いつつ、サイラスの背に掌を当てて、発剄。 自分の「気」をあてて、相手の「気」を乱す技。 まだ不死者になりきっていないならば効くはず、と。]
おとなしくしてろ。 痛いのはちょっとダケだ。
[リングカッターを首筋に沿わせる。]
(319) 2010/06/22(Tue) 22時頃
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おれの稼業、知ってるか? 「魔物狩人」って呼ばれてる。
吸血鬼を屠る。 それもいい。 だが、順序ってものがある。
――おれは吸血鬼となって、その力を手に入れる。 吸血鬼の力をもった魔物狩人だ。
ああ、せいぜいあんたの「宴」を利用させてもらうぜ。
(321) 2010/06/22(Tue) 22時頃
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ああ。 セシル、そんなフラフラの躯で前に出るんじゃねぇよ。
おれは変わった、か? まあ、見てくれだけはな。
だが、十年前にここに来た前と、ここを出た時の違いほどには変わってないさ。
あれからずっと―― おれは考えてきたのさ。
どうすれば、救えるかと。 いや、救われるか、かもな。
(331) 2010/06/22(Tue) 22時頃
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さすがに城主様はここまで好き勝手な愛撫はさせてくれねぇだろうからな。
このサイラスの血をいただく。 吸血鬼の力の元を、な。
[指輪に仕込んだ薄い刃を引く。]
(333) 2010/06/22(Tue) 22時頃
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何が救えるか?
人間も、魔物も、一度は考えたことがあるだろう。 人と魔の境界は越えられるのかと。
――おれが、やってみようじゃねぇか。
(344) 2010/06/22(Tue) 22時半頃
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[サイラスに腕を極められ、苦痛に唇を歪める。]
さすがだせ。 だてに医者のまねごとしてたわけじゃねぇな。
[サイラスの躯に魔の力が戻ったのを察せば、首に回した腕を外し、肩に刺さったままの槍の柄をねじるように抜く。 そこから溢れる血を飲むべく。]
(349) 2010/06/22(Tue) 22時半頃
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[人の膂力を越えた力で叩きつけられ、肉体の砕ける音がする。]
――血を寄越せ!
[床に溢れたサイラスの血、自分のそれと混じり合ったそれを、狼のように啜る。]
(363) 2010/06/22(Tue) 22時半頃
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[ほんのひとしずく。 泥にまみれた不死者の冷たい血液が喉をおりてゆくと同時に、躯を突き抜け、駆け巡る昏い螺旋。
肉体より先に、知覚がとてつもなく深く鋭くなり、形を変えていた。]
(374) 2010/06/22(Tue) 22時半頃
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世界が “視得る” ってのは、こういうもんか。
[そして、これまで吸血鬼たちが受け継いできた知識と記憶の奔流がなだれ込んでくる。]
(375) 2010/06/22(Tue) 22時半頃
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――…っ、
……おまえらは、ずっと、こんな… ……
[魂の片鱗に触れたとき、いまだ生まれ変わらぬ躯が圧し潰される。]
(379) 2010/06/22(Tue) 23時頃
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ああ――
慈悲を…祈るぜ。
…おまえら の ために
(390) 2010/06/22(Tue) 23時頃
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[黒い薔薇の白い刃が貫き、大きな躯がひとつ跳ねた。
トーニャの叫びが届き、閉じかけた瞼を上げる。
血に咽せ、かすかに指先を動かして、手話で伝えた。]
「 命ハ 巡ル。マタ 会エル 」
(399) 2010/06/22(Tue) 23時頃
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